第一種冷凍機械受験・体験記(Dさんの場合) |
はじめに |
私は、平成12年度に乙種機械を、平成16年度には念願の甲種機械を取得しました。 自分としては十二分ではありますが、こうなったら平成16年度に勉強した蓄積を基に「もう一つチャレンジ!〜鉄は熱いうちに打て!〜」みたいな感じです。 では、何を・・・と考えました。高圧ガスの業界では「一般高圧ガス、LPガス、コンビナート」と「冷凍」とに大分できます。 「一般高圧ガス、・・・」では16年度に取得した甲種機械の免状1枚あれば、ほぼオールマイティです。ところが「冷凍」では甲種機械であっても無資格と同等です。 それならば、第一種冷凍機械を取得して「高圧ガス業界で敵なしの名誉!?を」と思い受験です。 |
受験願書〜問題集購入 |
例によって受験願書を提出します。 ところが今年度(?)からインターネットによるWEB受付ができるようになっていました。(便利になりましたねぇ。ユビキタス社会を感じました。) とはいっても受験料は14,500円と変化なし。(うーん、高い!) では、本格的に勉強開始です。(さあやるぞー) 例によって法令は後回し・・と思いましたが、一応ぱらぱらと法令集をめくってみました。高圧ガス免状に関する条文をちらちら見てみます。 すると、甲種化学の学識は、「高圧ガスに関する高度な応用化学・・・」と書いてあります。私が所持する甲種機械の学識はというと「高圧ガスに関する高度な機械工学・・・」とありました。 「ふむふむ、高度な機械工学か。まあ、そんなところだろう。(鼻高々)」 ちなみに、乙種化学/機械は「通常の応用化学/機械工学・・・」、丙種化学は「基礎的な応用化学・・・」です。 では、今回受験の第一種冷凍機械を見てみると・・・「通常の応用化学と機械工学・・・」と書いてあります。「エーッ!通常??」 この「通常」の記載によりモチベーションダウンです。(そういう言葉尻だけで判断しない!:管理人) 自分としては「エベレスト」を征服し、次は「K2」だ!という気分でしたが、間違えて「富士山」を目指してしまった気分です。(富士山に失礼ですね。)(失礼だなぁ〜!:管理人) とはいうものの、この日本一の「富士山」を目指していざ出陣!です。 勉強にあたって、とりあえず参考書と問題集を購入しなければなりません。そこで、愛知県冷凍設備保安協会を尋ねることにしました。金山駅(名古屋市中区)から徒歩5分程度の場所にあります。行かれた方はわかると思いますが、酒屋の近くの細いビル(3F)です。狭くて急な階段を上ると、2Fに雀荘があります。何回か冷凍協に行きましたが、いつも空のすし桶とラーメン丼が外においてあります。当然本日もすし桶がありました。すし桶を横目に3Fまで到着すると、「ご用の方はインターホンで」と書いてありますので律儀にボタンを押します。 D:「すみませーん、問題集が欲しいのですが。」 冷凍協:「はい、どーぞ、お入りください。」←ドア越しに直接聞こえますよね。なんだか少し恥ずかしい思いをします。 さて、問題集と上級テキストを購入しようとしたところ、ロッカーの上に「検定問題集」と書いた箱がありました。冷凍協の方に尋ねると、KHK検定の過去問のようです。検定問題を年度単位でA4版コピーしたものです。 D:「じゃあ、それもください。」 冷凍協「はい、1冊1,000円です。」 D:「エッ?」 冷凍協:「1冊1,000円です。」 D:「は?」 冷凍協「・・・」 高い!「コピー十数ページで千円ですか?」と言いたかったですが、冷凍協の方に言ってもどうしようもないのでガマンです。(そりゃあ、むこうさんも商売だから仕方ないだろうね。:管理人) ここまでの受験アイテム:上級テキスト、問題集、高額検定問題集(H16分のみ) |
勉強 |
今回は、師(当HP管理者)より「独自で勉強すべし」とのお達しを受け、独自にコツコツ勉強をはじめました。 とりあえず私にとって重要なのは「学識」と「保安管理技術」です。「学識」は記述式、「保安管理技術」は択一式です。まずは「学識」から取り掛かりました。 毎日1時間程度勉強しました。大体1年度分の学識を解くことができます。2週間で12年度から15年度までの学識を4,5回り程度解くことができました。 学識については少し要領を得たので、次に保安管理技術をやり始めました。 保安管理技術は平成16年度から択一式になったばかりです。(注 保安管理技術の出題方式が「第一種冷凍機械」と「甲種化学」がH16度から「記述式→択一式」になっている。これによって、受験生の負担が大幅に軽減され非常に受験しやすくなっています。皆さん、チャンスですぞー!:管理人)したがって過去問が平成15年度のみです。 1年度分だけでは不安です。第二種冷凍機械の保安管理技術と学識を解いていきます。 意味不明な単語がたくさんでてきました。(コンパウンド圧縮機など) これらの単語をテキストで調べますが、不十分です。インターネットで調べてみました。すると、冷凍機械免状に関する問題などを非常にわかりやすく解説し、かつ、過去問が項目別に仕分けされデータベース化してあるHPを発見しました。 いやあ、すごいHPですよ。関心しました。(特に、HP管理者ご自身の体験談はおもしろいです。皆様、是非参考にしてください。)http://www1.ocn.ne.jp/~echoland/ ということで、「学識」、「保安管理技術」を繰り返し勉強し、たまに「法令」を勉強します。学識:保安管理技術:法令=5:4:1の割合 ここまでの受験アイテム:上級テキスト、問題集、高額検定問題集(H16分のみ)、EchoさんのHP |
試験 |
試験当日に重要なことは、準備と雰囲気に飲み込まれないことです。 準備はというと、昨年の経験から真っ先にコンビニで弁当を購入しました。 雰囲気については、これも昨年の経験から大丈夫です。 例によって門前でタバコを吸っていると、カップルの乗った車が止まりました。助手席から男性が降りると運転席の女性は「がんばってネ!」と声をかけます。男性はホクホク顔で「うん、がんばるヨ!」。そうです、彼も受験です。ホクホク顔の彼を横目に、「俺もがんばろう」と決意を固めます。 さて、教室に戻る途中に試験事務局があったで「腹ペコ アミーゴ伊藤さん」を探しますが見当たりません。(残念!) 各科目とも試験開始までの間、問題集を読み返し、一応無駄なあがきをします。(これで1問拾えれば御の字ですね。) さて、法令問題が配られ試験開始です。 30分程度で完了。「不安」マークを記した問題を再度チェックします。見直しが完了した時点で退席しました。 今年も同志のCさんとお会いしました。彼女は「甲種機械」受験です。休憩時間にお話ししましたが、もっぱら新婚生活〜育児の話題が中心です。(育児と勉強の両立はたいへんですね。) 次は保安管理技術です。昨年から択一式になりましたが、過去問が少ないこともあって不安がいっぱいです。1問目から超戦闘状態です。 「不安」マークを連発しつつ、15問完了。確実に理解でき自信のある問題は数問でした。あとは連発した「不安」マーク問題を読み返します。テキストを思い出しつつ脳をフル回転っ!でも出てきません。結局、5問程度不安を残し終了時間がきました。 学識は記述式ですが、何とか無事解答を導くことができました。 試験が終わり、充実感と虚脱感を覚えながら帰途につきました。 後日、択一式の解答発表があり、不安だった保安管理技術も点数は言えませんが合格基準を達しました。(ふう、一安心)(←低空飛行ということ?:管理人) あとは12月に発表される学識(記述式)の解答発表を待つだけです。 |
記述式解答例の発表 |
12月になると、学識の解答が気になります。 高圧ガス保安協会(以下「KHK」)に「いつ発表ですか?」と何度も問い合わせをしました。後日、高圧ガス保安協会HPより発表があり、答え合わせです。(注 学識の回答サンプルのことです。:管理人) 試験当日の試験問題には、時間の関係で答えしか書き写していなかったので、答えがあっていればよしとします。 ところが、4問目の穴埋め問題で自分の解答と違う問題があります。サイフォン管の問題です。 「・・・(サイフォン管)付きが多く、直立させた状態で( )から液の状態で装置に充てんできるようになっている。」 選択肢には「上部」「底部」があり、当然「上部」と書きました。 私は、サイフォン管付きの容器は、容器を転倒させることなく容器の上部から液体を取り出すものと考えました。(外観基準)ところが解答は「底部」となっています。当然、高圧ガス保安協会にメールで問い合わせしました。 翌日、高圧ガス保安協会の方から電話があり、 KHK:「サイフォン管付きの容器の場合は底部の液体を取り出すものです。(内部基準)」 D:「問題の趣旨から、底部の液体を上部から取り出すものではないですか?」 KHK:「あなたの言うことはわかりますが、今回の場合は底部です。」 D:「あなたの言うことがわかるというのなら、解答を訂正してください。」 KHK:「いやいや、底部です。」 D:「非常にわかりにくい問題として抗議します。」 KHK:「あなたの意見を踏まえ、今後問題作成委員会の話題とします。」 D:「頼みますよ、本当に!」 という激しいやりとりをしましたが、結局受け入れられてもらえませんでした。 とは言うものの、答えあわせの結果、どうやら合格の模様です。(注 LGCなどの容器は液体を取り出すために、容器内部がサイフォン間の構造になっている。おそらく出題者は、このことを当然知っているものという前提で出題をされたのではないかと考える。この件に関していえば、仮に容器の底部にバルブがついていていて底部から重力で取り出すような容器は存在しない。そんなことをするならば、容器を逆さまに転倒させた状態にして液を取り出せばよい。にもかかわらず、サイフォン管付の容器とわざわざ断っているのであるから、容器を正立させたまま液を取り出すことを訊いている。液体を取り出すには外観上は上部から取り出すに決まっている。問題の主旨は、そういう外観上の話ではなくて”容器の上部から液体を取り出すためのサイフォン管の先端は容器内部のどの位置に存在するか?”という意図を持って出題されたと思われる。出題の書きぶりは若干悪かったものの、この辺りのことを踏まえて回答をして欲しかった。:管理人) |
合格発表 |
1月30日には高圧ガス保安協会のHP上で合格発表がありました。昨年ほどの緊張はありませんが、ドキドキしました。 ご、ごっ、合格しました〜。今までの苦労が報われた瞬間です。なんともいえない充実感です。 素直に「みなさまありがとう」と言いたいです。(完)(おめでとう。グランドスラムまであと1課目ありますよ。:管理人) |