1 受験資格の認定トラブル

 平成13年11月に高圧ガス製造保安責任者試験・甲種機械を受験。何とか合格のメドがついたので、次なる資格を取得するために甲種・危険物取扱者の勉強を始める。平成14年1月の愛知県での受験は、締切に間に合いそうもないので、2月の岐阜県の受験を計画する。その間に単位取得証明書を取り寄せなければならない。これを取得するまでの思わぬトラブルに巻き込まれて、実は勉強どころではなくなってしまった。

 念のため、甲種危険物取扱者の受験資格について(財)消防試験研究センター岐阜支部の当時の案内の抜粋を掲載する。
受験資格
(1) 甲種危険物取扱者試験
 甲種危険物取扱者試験の受験資格は、次のア〜エに記載したとおりです。
 受験する方は、受験願書の「甲種受験資格」欄に下記の該当する【 】内の受験資格を記入してください。
ア 下記大学等において化学に関する学科等を卒業した者
 【大学等卒】 大学、短期大学、高等専門学校
同上の専攻科
外国における大学等
防衛大学校
職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、同短期大学校
工学院大学専門学校応用化学科
東京工業大学工学部附属工業高等学校専攻科(工業化学科)
東京都立科学技術高等学校専攻科(化学環境システム科)
下記大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者(アの資格者を除く。)
 【15単位】 大学、短期大学、高等専門学校、大学院
同上の通信教育
大学、短期大学、高等専門学校の専攻科
放送大学、外国における大学等
防衛大学校、防衛医科大学校
職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、同短期大学校
水産大学校、海上保安大学校、気象大学校
ウ 乙種危険物取扱者免状を有する者
 【実務2年】 乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所、貯蔵所又は取扱所における危険物取扱の実務経験が2年以上の者
エ その他の者
 【学位】 修士、博士の学位を授与された者で、化学の事項を専攻した者(外国の同学位)
 【教育免許】 工業の教科について高等学校の教員の普通免許状を有する者(教科の専攻科目が化学に関するものであるもの)

受験申請に必要な書類等
 受験する種類ごとに次の書類が必要です。
 (1) 受験願書
 (2) 写真 1枚
 (3) 受験資格を証明する書類
 前記「受験資格(1)」に該当する、甲種受験者は次の書類が必要です。
 
前記(1)アの該当者 ・学校長の卒業証明書又は卒業証書
 (化学に関する学科名が明記されたもの)
前記(1)イの該当者 ・単位取得証明書(原本)(化学に関する事項が明記されたもの)
前記(1)ウの該当者 ・乙種危険物取扱者免状
・乙種免状を取得してから2年以上の実務経験を有することを証明する事業主等の証明書
前記(1)エの該当者 ・学位記等、教員免許状
      ※ 卒業証書、免状等はコピー(縮小したものも可)でも結構です。
 過去に甲種を受験したことがある方は、その時の受験票又は試験結果通知書を甲種受験資格の証明に代えることが出来ます。
    

上記のとおり、甲種危険物取扱者を受験する場合4パターンの受験資格があり、自分の場合はわざわざ大学の名称”海上保安大学校(プロフィールを参照して下さい。)”とまで断ってあるので、「はは〜ん。受験資格はこれでOKね」と思っていた。
で、上記の「申請に必要な書類等」に書いてある単位取得証明書を取り寄せるために、本当に久しぶりに大学に電話をした。大学は広島県呉市にあるので、おいそれと出かけることが出来ない。
  わたし: 「本科32期生の○○ですけど、在校時の単位取得証明書が欲しいんですけど」
大学校: 「使い道は?」
わたし: 「甲種危険物取扱者試験を受けるために必要なので・・・。(いちいち聞くなー!)」
大学校:  「ハイ、では○○さんあてに単位取得証明書の交付願を送りますのでこちらに内容を記入して返送して下さい。」
わたし: 「わっかりましたー!ありがとねー」
てな感じで、ことはトントンと進むと思っていた。

 そして交付願いを返送し、幾日か経って電話がかかってきた。
  大学校: 「○○さんですか。」
わたし: 「ハイ、○○ですけど」
大学校:  「○○さんの当時の授業科目を調べて、消防試験研究センターに問い合わせたら単位が15単位無いといわれましたよ。過去にも断られたことがあるし・・・」
わたし: 「えー、おかしいなぁ〜。受験案内には海上保安大学校って載っているでしょ?航海科や通信科なら化学関係はあんまりやっていないからともかく、機関科がダメなら誰が受験資格あるの?」
 と、まあこんなことで単位取得証明書を交付してくれない。

  わたし: 「それなら自分で消防試験研究センターと交渉するから、当時のカリキュラムをFAXで送ってください。」 
大学校:  「はぁ〜わかりました。それくらいなら・・・。」
 ということで直接、消防試験研究センターと直接交渉することになった。いきなり暗礁に乗り上げた感じである。

 仕事から帰ってきたある日、当時のカリキュラムと単位数の一覧がFAXされていた。

 ここで「化学の授業科目」とは何かを説明しておく。
 基本的には「化学」とついていればOKなのであるが、それ以外にも「金属(例:金属工学)」、「爆発(例:爆発工学)」、「発酵(例:発酵学)」、「セメント(例:セメント工学)」などの名称が授業科目についていればOKである。
 詳細については、(財)消防試験研究センターのホームページ、<FAQ><危険物取扱者試験のハテナ><化学に関する学科又は過程>に掲載されているので確認されたい。

 さっそく、「化学の授業科目」に相当しそうなものを調べる。「あるじゃん、あるじゃん」何しろ約20年前のことである。見れば見るほど15単位は絶対ありそうだった。
授業科目名 単位数
化学
海上公害論
石油化学
防災論
工業材料学
船舶工業化学
工業熱力学
材料力学
内燃機関学
合計 25
 最初に(財)消防試験研究センター岐阜支部へ電話して聞くが、本部に聞いてくれという。
 仕方がないので本部にメールで問い合わせをする。翌日には返事が届いていてOK!具体的に何で15単位以上になるかは教えてくれなかったが・・・。

 そこで再び大学校に連絡する。
  わたし: 「(財)消防試験研究センターと交渉したらOKでしたよ。」
大学校: 「えー本当ですか?では、単位取得証明書を交付しますが、そのいきさつを念のために文書でください」
わたし: 「がってんがってん、わかりやしたー!じゃ、証明書早く出してね!」

 と、まあこういうやりとりでめでたく受験することが出来るようになったのであった。