ロードレースにおいて10kmを走る場合もマラソンを走る場合も、基本となる目安はトラックの5000mのタイムです。 5000mのタイムを上げることによって、10km、ハーフマラソン、フルマラソンの持ちタイムを上げることが十分可能であるということです。逆に言えば、5000mが速くならなければ、10km〜フルマラソンはなかなか速くなりません。 これは経験からいっても、実業団の練習方法からみても正しいと思われます。 かつて、瀬古や中山の全盛時代、彼らは10000mを27分40秒程度で走りながらマラソンも2時間8分で走っているのです。今これを日本人でできるのは、高岡(カネボウ)だけです。アテネオリンピックのマラソン日本代表にはなれなかったのですが、彼は4種類の日本記録保持者なのです(下の表のとおり。平成16年5月12日現在)。これだけマラソンが高速化されてきた時代ですから、当然ベースになる速さも要求されるわけです。 |
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さて、高岡と自分を比べるとがっくり来るのですが、自分が15分台でバンバン走っていた頃の記録をもって5000mペースメイクについて説明します。 5000mで15分台で走ったのが過去4回。うち3回は、1周ごとの記録が残っていたので掲載しておきます。 |
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その1
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「その1」は、初めて15分台に突入したときのものです。 最初の1000mは、完全にオーバーペースである3m02sで入っています。試合全体の流れもあるのですが、この時の集団は全体的に速かったと思います。以後1000mずつのラップは、3m10s〜3m17秒で少しずつですが遅くなっていますが、最初の1000mの貯金で16分を切っています。 もう一つのポイントとしては、400mのラップで80秒に到達していないことです。 5000mで15分台で走るのであれば400mのラップとしては80秒を越えてはいけません。 |
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その2
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「その2」は自己ベストの時のものです。 最初の1000mは「その1」と同様にややオーバーペース気味に3m03sで入っていますが、この時は前半の3000mを9分19秒で通過したため、前半にかなりの貯金ができました。4000mまでは何とか持ちましたが、この後ペースダウン。しかし何とか15分50秒を切れそうだったのでラスト1周は死にものぐるいで戻ってきました。 |
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その3
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「その3」は春先のもので、その前月の19日に「日比野賞中日マラソン」に出場し2時間43分59秒で帰ってきたあとの大会の記録です。 当時の記録を読むと、2月末の犬山ハーフ(1時間12分57秒)を走ってから、アキレス腱の調子が悪く、マラソン(日比野賞中日マラソン)の出場をするか否かは当日決断しました。最初からゆっくり入ってほぼイーブンで戻ってきています。 その後4月9日は、焼津みなとマラソン(5km:15分58秒)を走ってその翌週がこの記録ですので、当時は割と短期間でマラソン→トラックへ体の切り替えが出来ていたようです。 この時の組は全体にペースが遅く1000mの通過も3m08sと一番遅いものです。その後全体がペースアップしたため1000〜2000mが逆に3m06sとなっています。割とイーブンで走ったもので1000mごとのバラツキも11sでおさまっています。 |
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以上をまとめると自分でポイントとしていた(気をつけていた)のは、 (1)名城公園4周(約5.2km)でTTを行う。概ね、その時のタイムからマイナス1分がトラックでの5000mの予想タイムとなる。(トライアンドエラーの結果) (2)概ね名城公園4周で17分前後で走っていた頃には、5000mで16分くらいのタイムが出るはずなので、そのタイムからペースメイクを考える。 (3)その結果、最初の入りはやや速め(1000m − 3m05sくらいがちょうど良さそう) (4)各周回のペースは80秒を越えない(これは誰かに声をかけてもらうのが一番) (5)3000mの通過は9分30秒以内 (6)ラスト1周の通過タイムは14分40秒以内 1000mごとのラップタイムに「20秒」も開きがあるようではペース設定がいいとは言えません。 入りの1000mがやや速めになることを考慮しても1000mごとのラップ差は10秒程度に収めましょう。 |