第61回福岡国際マラソン選手権大会 参戦記
 これまでトライアスロンを含めて「世界選手権」代表選手選考会という場には、何度か出場(遭遇)しましたが、今回のように「オリンピック競技大会」代表選手選考会に出場することになったのは初めて。世間の注目度は非常に高かったですね。

 反面、自分自身は練習が十分に出来ずに乗り込み、予想はされていたものの38.5kmで収容されてしまいました。「あと3.7kmかあー。」という感じで、よくぞ38.5kmまで逃げ切れたものだと感心してしまいました。


 9回目の出場となる2月の別大マラソンでは、きっちり走りたいものです。
●大会名 第61回福岡国際マラソン選手権大会
(兼第29回オリンピック競技大会(2008/北京)代表選手選考競技会)
●開催日 平成19年12月2日(日) 12時10分スタート
●コース
 /大会要項

 /プログラム
Aグループ 平和台陸上競技場発着
Bグループ 大濠公園発−平和台陸上競技場着(福岡県福岡市)

コースマップ
大会要項
プログラム
それぞれクリックすると拡大します
●天 候   くもり、13.5℃、47%
時刻 気温
湿度
風向 風速
m/s
降水量
mm
11時 12.0 51 東南東 2.0
12時 13.5 47 東南東 1.3
13時 15.3 41 南西 2.0
14時 15.2 39 西北西 1.9
15時 14.6 44 南東 3.0
〜 福岡気象台観測データから 〜
●参加賞 Tシャツ、帽子、アメニティバッグ、タオル、フィニッシャータオル、「歓迎の夕べ」食事
●結 果 42.195km−38.5km棄権(2時間32分29秒)
距離 スプリット ラップ
5km 18分39秒 18分39秒
10km 37分41秒 19分02秒
15km 56分50秒 19分09秒
20km 1時間15分52秒 19分02秒
中間点 1時間20分05秒
25km 1時間34分57秒 19分05秒
30km 1時間54分43秒 19分46秒
35km 2時間15分19秒 20分36秒
40km
ゴール
●表 彰 なし
●過去の戦績
H18.12.3 第60回 2時間41分47秒 214位 (44歳)
  H17.12.4 第59回 2時間41分57秒 159位 (43歳)
●交通手段等
  1日目 徒歩 自宅 7:21 希望ヶ丘4丁目 7:26
市バス 希望ヶ丘4丁目 7:27 名古屋駅 7:58
新幹線 名古屋 8:34 博多 11:57 (のぞみ5号)
(ホテルチェックイン、昼食)
地下鉄 博多 13:51 天神 13:56 (西鉄グランドHで受付)
徒歩 西鉄グランドホテル 14:15 平和台陸上競技場 14:30 (会場下見)
地下鉄 大濠公園 15:40 博多 15:45

2日目 地下鉄 博多 9:18 大濠公園 9:27
徒歩 大濠公園駅 9:27 会場 9:35
【12時10分スタート 第61回 福岡国際マラソン選手権大会 38.5km棄権】
徒歩 会場 15:30 大濠公園駅 15:38
地下鉄 大濠公園 15:40 博多 15:50
徒歩 博多 15:50 八百治博多ホテル 16:10 (天然温泉に入浴)
徒歩 八百治博多ホテル 17:05 博多駅 17:15 (夕食
新幹線 博多 19:22 名古屋 22:49 (のぞみ54号)
JR中央本線 名古屋 23:00 大曽根 23:11
地下鉄 大曽根 23:23 自由ヶ丘 23:30
徒歩 自由ヶ丘駅 23:30 自宅 23:45
●費用
参加料 3,000円  
ツアー代金 25,500円 (JR名古屋市内〜福岡市内往復新幹線+博多グリーンホテル宿泊代)
市バス 200円 (希望ヶ丘4丁目〜名古屋駅)
地下鉄 200円 (博多〜天神)
同上 250円 (大濠公園〜博多)
地下鉄 500円 (一日乗車券/博多〜大濠公園/大濠公園〜博多)
入浴料 700円 (八百治博多ホテル)
地下鉄 230円 (大曽根〜自由ヶ丘)
合 計 30,580円
●上位成績及び愛知県勢の成績(全体の結果はこちら
  サムエル・ワンジル 21 トヨタ自動車九州 福岡 2゜06’39”
デリバ・メルガ 27 エチオピア ETH 2゜06’50”
佐藤 敦之 29 中国電力 広島 2゜07’13”
松宮 祐行 27 コニカミノルタ 東京 2゜09’40”
油谷  繁 30 中国電力 広島 2゜08’52”
高橋 謙介 29 トヨタ自動車 愛知 2゜10’30”
ダニエル・イエゴ 28 ケニア KEN 2゜11’52”
藤田 敦史 31 富士通 千葉 2゜12’29”
三代 直樹 30 富士通 千葉 2゜12’56”
10 高岡 寿成 37 カネボウ 東京 2゜13’40”

22 岩月 崇 33 館倶楽部 愛知 2゜21’13”
31 中野 哲也 39 庄内RT 愛知 2゜24”44”
33 杉山 純一 33 庄内RT 愛知 2゜25’10”
72 原口雄二 34 館倶楽部 愛知 2゜31’32”
89 稲葉賢治 34 館倶楽部 愛知 2゜33’46”
92 小川博史 42 天白川走友会 愛知 2゜34’08”
108 西澤孝彦 47 安城スポーツマンクラブ 愛知 2゜35’44”
135 田口英樹 34 館倶楽部 愛知 2゜37’18”
157 横井敬一 43 天白川走友会 愛知 2゜38’32”
169 江本悟司 35 三菱自動車岡崎 愛知 2゜39’01”
179 平尾一朗 42 岡崎クラブ 愛知 2゜39’40”
185 高橋文浩 44 庄内RT 愛知 2゜40’01”

DNF 加藤一郎 45 名古屋市役所走友会 愛知
DNF ウィリー・キルイ 25 愛三工業 愛知
DNF 福永慎哉 26 庄内RT 愛知

DNS 井幡政等 35 愛三工業 愛知
DNS 小島浩嗣 40 愛知陸協 愛知

申込者数 545名
参加者数 487名(完走者数 312名、途中棄権 175名)
 ※ DNF・・・Did Not Finish  DNS・・・Did Not Start の略

歴史ある福岡国際マラソン
 私自身3回目の出場となる福岡国際マラソンの歴史について大会要項などからまとめました。

 福岡国際マラソンは、日本で「マラソンの父」と言われた金栗四三の功績をたたえる「金栗賞朝日マラソン」として第1回大会が昭和22年(1947年)に熊本市で開催されたのが始まりです。意外や意外、最初は福岡ではなかったんですね。

 その後、開催地が高松市、静岡市、広島市、福岡市、宇部市、名古屋市、鎌倉市と転々と移りながら開催され、第9回大会から「国際朝日マラソン」と名称を変え、第11回大会以降開催地が福岡市に定着しています。

 昭和41年(1966年)に、日本陸連が世界陸連(IAAF)に対して世界選手権の開催を提案し、実質的に世界一を決める国際マラソン選手権として福岡国際マラソンが充てられることになり、第20回大会から“Open Marathon Championship”として選手権(Championship)を名乗る唯一の国際レースになっています。また、第28回大会より福岡の名前を冠して福岡国際マラソン選手権となり現在に至っています。

 昭和42年の第21回大会ではデイク・クレイトン(オーストラリア)が2時間9分36秒4で優勝。世界で初めて2時間10分を切る記録が出ました。第25回〜第28回はフランク・ショーター(アメリカ合衆国)が4連覇。第32回〜第34回は瀬古利彦の3連覇。また、数多くの名勝負もこの福岡が舞台となっています。

 なお、歴代優勝者の足型プレートが博多駅博多口広場に埋め込まれているそうなので、来年こそは一度見てこないといけませんね。

(注 以下は、第62回大会の出場2日前に一年前のことを思い出して書いています)

Aグループ、Bグループ
 従来の標準記録の参加のみ認めていたAグループのほか、大濠公園をスタートとするBグループの制度が出来たのが3年前(平成16年)の第58回大会から。市民ランナー向けにこの大会が改装されて4回目となる。
 スタート場所を平和台陸上競技場と大濠公園と分けて、これまでの福岡国際マラソンのステータスを残しながらも参加枠を広げて開催したことについては、選手の間では概ね良好に受け入れられているようである。

 AB2グループ制の初年度こそ、枠が拡がったにもかかわらず参加標準記録を持ち合わせていなかったため、私は出場することが出来なかったものの、翌年2月の犬山ハーフマラソン(平成17年2月)を1時間13分50秒で走りハーフマラソンでの参加標準記録(1時間15分00秒以内)を突破。

 この頃はあまり感じなかったが、年々出場し続けるための参加標準記録を確保するのがシンドくなってきた。今、「ハーフマラソンで1時間15分以内で走れるか?」といわれると非情にあやしい。なるべくならば、この福岡国際マラソンまたは別府大分毎日マラソンのような記録の出やすいいずれかの大会において、マラソンで2時間45分以内で走り続けながら翌年、翌々年の参加標準記録を確保していきたいし、何とか50歳まではこの大会に出続けたいと思う。毎年、この大会に出場し続けるというのは、私の中では競技を続けていくとても良いモチベーションとなっている。

N700系で博多入り
 この年の7月に東海道・山陽新幹線で営業運転開始されたのが「N700系」。導入当初は東京−博多で下り2本、上り3本と希少列車。12月1日から上り下りとも8本に増発されたものの、希少列車であることには変わりがない。せっかくなので、今回列車を選んで博多まで乗っていくことにした。

N700系。12月1日から8往復になりました

座席幅も1cm広がりゆったり

窓側の席にはすべてAC100Vコンセントを配置

N700系のPRチラシ。駅に置いてありました
(画像をクリックすると拡大します)
 さすがに新しい車両。においも新車らしいですね。博多まで約3時間20分。快適でした〜!

一日乗車券
 福岡国際マラソン当日のみ使用できる1日乗車券を売っているのを見つけました。昨年まではなかったはず・・・?
 福岡国際マラソンも名古屋国際女子マラソンと同様、地下鉄に比較的沿ったコースを走るので観戦には便利ですね。もちろん私も購入しました。当日使ったのは、博多−大濠公園の往復だけでしたけどね。

1日乗車券発売のポスター

これが発売されていた一日乗車券。
使用はマラソン開催日のみです。

大会前日
 昨年は第60回の記念大会。付属するイベントも多くあったが今年は「第61回」とあって特に目立ったものはない。大会前日には18時から、受付場所と同じ西鉄グランドホテルで「選手交流の夕べ」があるが、今年は早々に受付をして明日の会場(平和台陸上競技場、大濠公園)の下見をしてホテルへ戻ることとする。前日にあまり慌ただしく過ごすのは好きではない。
 それにしても今日は暖かくいい天気だ。大濠公園にいるとポカポカして非常に気持ちがいい。明日もこんな感じであると助かるのだが・・・。

今回宿泊した「博多グリーンホテル」。筑紫口(新幹線口)にあります。

博多駅前(博多口)。このビルの合間もコースになっており、午後1時過ぎにはここを駆け抜けることになる。

受付会場の「西鉄グランドホテル」。地元企業のホテルですね。選手交流の夕べ(立食パーティー)もここで開催。

毎年のことですが、西鉄グランドホテル前にはこの大きな看板が立っています。気合いが入るなあ〜!

受付付近の様子。受付開始と同時にたくさんの人がやってきました。

コースの終盤41km過ぎ。「陸上競技場 ←」の看板があります。

角度を変えて・・・。

この坂を登り切れば平和台陸上競技場です。

Bグループ向けに、更衣などが出来る控室が用意されています。平和台陸上競技場が狭いための措置とはいえ嬉しいですね。

選手のナンバーカードごとに部屋が割り当てられています。

こちらは平和台陸上競技場付近の案内。選手や観客向けですね。

ゴールゲート。ここから約600m(トラック1周半)でゴールです。

平和台陸上競技場の玄関(入口)。歴史ある福岡国際マラソンのメイン競技場にしては古くて小さな施設です。

外にはテレビ中継車も勢揃い

奥に見えるのが平和台陸上競技場のメインスタンド。あとは芝生スタンドですよ〜!

大濠公園内に設けられたBグループ向けの看板(「Bグループ荷物受付所」と書いてあります)。右奥には、選手向けの仮設トイレ。

大濠公園。福岡市民の憩いの場ですね。

こちらは大濠公園内のBグループスタート場所付近

大濠公園内の北側には、レストラン「花の木」があります。名城公園にも欲しいですね。

大濠公園内の大濠池には島があります。ここには4つの橋が架かっており散歩には最適ですね。

福岡、初の関門閉鎖

大濠公園を走るBグループの選手
 第62回大会を2日後に控えた、平成20年12月5日(金)に参戦記を書いています。
 残念ながら昨年のことはほとんど忘れてしまったので、記憶している範囲のことを書いておきます。

 大会当日は、日本海側独特のどんよりした天気でもなく、12月にしては比較的暖かい日でした。
 体調的には特に悪いこともなかったのですが、一番不安であったのが練習不足の影響。

 昼休み時間が60分から45分に減ったことから、昼休みに行っていたポイント練習がやりにくくなったことや走行距離の減少でした。

 5kmの入りは18分39秒とまずまずですが、ペース的にはややオーバーペースだったかもしれません。前半の関門が5kmあたり19分30秒ですので、ややもすると関門にひかかってしまいます。
 5kmで関門まで約1分ほど余裕があることがわかったので、ややペースを落とし5km−19分00秒ペースにしました。このままイーブンで進めば十分に帰ってこれます。2年分の出場権も確保できます。

 福岡国際マラソンは応援が多く、非常に走るのが楽しい大会です。
 25kmくらいまでは応援にも助けられて順調に走れていました。「練習不足でも何とかなるのかな?」ともやや疑問に思いながら走っていました。

 しかし、名島橋を過ぎたあたりから脚が重く体の動きが悪くなってきました。ちょうど先頭を走っていたワンジル(トヨタ自動車九州=北京五輪マラソン金メダル)ともすれ違ったのが、この少し先です。
 ここまで5kmあたり19分02秒〜19分09秒で進めてきたのですが、25km〜30kmが19分46秒。残り12kmが黄信号です。向かい風でタイムが落ちたわけではありません。

 31kmの香椎を折り返してからは、関門との戦いになってきました。
 35kmを2時間15分19秒で通過。関門は2時間18分00秒ですから十分余裕があります。ただし、この5kmは20分36秒ととうとう4分/kmのペースを超えてしまいました。

 ここから先は、体感的にもジョギングペースに毛が生えた程度です。どんどん後続のランナーに抜かれる始末です。36km、37kmと1kmずつクリアして前に進むだけ。どこかの関門でひかかるかもしれないですが、最後のあがきです。

 そして40kmの関門に到達するはるか前、「築港本町」交差点でとうとう捕まってしまいました。38.5km地点くらいでしょうか。大相撲九州場所の開催される福岡国際センターのそばで博多駅前から北西に延びる道路のほぼ突き当たりです。38.5kmという中途半端な場所で、大会要項には記載されていない場所での関門ですが、あのまま走っていっても40kmの関門はクリアできなかったでしょう。仕方がないです。

 収容されたのはバスではなくワゴン車。
 この地点で私と一緒に収容された一人に山本康夫さん(静岡県)もいました。山本康夫さんといえばかつての快足ランナー。フルマラソンでも2時間20分くらいで走っていた選手です。私よりも少し年上だと思いますが、山本さんといえども加齢による衰えは隠せないというところでしょうか。

 さて、今回は「途中棄権(関門通過できず)」という残念な結果になってしまいました。完走できなかった第一の原因はやはり「練習不足」です。生活の中で練習時間を生み出すためのやりくりがうまくできなかったことが問題ですが、「加齢による衰え対策」も取っていかなければならないと感じました。

 とりあえず、この2つの課題のうち時間のやりくりによる練習時間の確保については、平成20年2月の第57回別府大分毎日マラソンで一応結果が出たのでOKとしますが、もう一つの「加齢による衰え対策」については、第62回の福岡国際マラソンにおいてその成果を示したいと思います。

 出場資格がある限り、懲りずに出場したいと思いますので、今後も応援よろしくお願いいたします。
北京オリンピック男子マラソン結果
順位 名前 所属 タイム
サムエル・ワンジル ケニア 2時間06分32秒
ジャウアド・ガリブ モロッコ 2時間07分16秒
ツェガエ・ケベデ エチオピア 2時間10分00秒
デリバ・メルガ エチオピア 2時間10分21秒
マーティン・レル ケニア 2時間10分24秒
ビクトル・ロスリン スペイン 2時間10分35秒
ガショー・アスファウ エチオピア 2時間10分52秒
ヤレド・アスメロン エリトリア 2時間11分11秒
13 尾方 剛 中国電力 2時間13分26秒
76 佐藤 敦之 中国電力 2時間41分08秒
翌日の朝日新聞。優勝したワンジル(26番:トヨタ自動車九州(当時))、2位のメルガ(51番:エチオピア)、3位の佐藤敦之(24番:中国電力)。3人とも北京オリンピック代表となり出場。ワンジルがマラソン金メダル、メルガが4位と、この福岡を走った選手がオリンピックでも活躍した。