第15回記念 二鹿しゃくなげマラソン大会 参戦記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
岩国といえば錦帯橋
岩国といえば、まず思い出すのが「錦帯橋」。 錦帯橋は、1673年 (延宝元年) 10月、第三代岩国藩主、吉川広嘉によって創建されている。 翌年洪水により一部が流失したが、その年のうちに直ちに再建され、以来276年の間、老朽による架け替えは行われたものの、流失することはなかったのであるが、1950年 (昭和25年) 9月のキジア台風による錦川の大増水により、流失。1953年 (昭和28年) 1月に再建された。 2001年 (平成13年) 秋より「平成の架け替え」 が昔ながらの木組みの工法で行われ完成したが、2005年(平成17年)9月に襲来した台風14号による豪雨にて架け替え後、わずか1年半しか経っていない新しい錦帯橋の橋杭が2本流失。しかしその後、2006年 (平成18年) 2月には修復工事が完了し現在に至っている。 錦帯橋のその特徴である反り橋の構造は、頑丈な組木の技法により、橋上からの圧力で更に強度が増す仕組みとなっており、経間35mを無脚で渡した技術は、現代の橋梁工学からみても非のうちどころがないと言われているようであるが、実際に歩いてみると歩きにくいこと歩きにくいこと!錦帯橋は見るものであって歩くものではないですね。 岩国の抱える問題−岩国基地
この岩国基地に米空母艦載機の移転が争点となった山口県岩国市の出直し市長選が今年の2月10日に行われ、移転容認派の前自民党衆院議員の福田良彦氏(37)が、移転反対を掲げた前市長の井原勝介氏(57)を小差で破り、初当選している。 沖縄の米軍兵による女性暴行問題が、岩国においても同様に発生しており、岩国基地の抱える問題については、住民の中でも意見が概ね2つに分かれているようだ。 なお、今回岩国を訪れた翌日の5月5日には、一年に一度「日米親善デー(friendship day) 」としては米軍岩国基地の一部が一般開放され、軍用機の展示や航空ショーなどが行われる。普段は立ち入ることができない基地に、年に一度だけ誰でも入場でき、そして軍用機等を比較的間近で見て、撮影もできる希少な機会であることから、家族連れや飛行機ファンなど、毎年20万人を越える人々が訪れているそうだ。もう一日、岩国に滞在してもよかったような・・・。 ゲストは磯松大輔さんとハヌルさん さて、大会の話へ戻しましょう。 今回のゲストは二人。一人は磯松大輔さん、もう一人はハヌルさんだ。 磯松大輔さんは地元山口県熊毛郡熊毛町(現周南市)の出身。陸上競技の留学で高校は大牟田高校(福岡県)に通っていた。法政大→コニカミノルタと進み、この3月で現役を引退。4月からはコーチ業に専念するそうだ。 大学時代、実業団選手時代ともに小柄ながらも闘志あふれる走りで、個人的にも非常に注目していた。私の好きなランナーの一人でもある。 平成18年5月に開催された「第8回塩嶺王城パークライン10マイルマラソン大会(長野県塩尻市)」でもゲストランナーとして走られ、私もその大会で年代別優勝。また、今大会も年代別で優勝。磯松大輔さんは私にとってラッキーボーイかもしれない。(ありがたや〜) もう一人のゲストはハヌルさん。 ハヌルさんも磯松さん同様山口県の出身。2006年にキングレコードからデビューしている。 磯松さんは今年初めてこの大会にゲストとして参加しているが、ハヌルさんはここ数年この大会の常連ゲストのようだ。(ちょっと高橋尚子似ですね) ちなみにハヌルというのは韓国語で「空」という意味だそうだ。韓国人との付き合いも多く自分が日本韓国との架け橋になりたいところからのネーミングだそうだ。 レース終了後はミニコンサートが行われたが、静かな山の中に声が響きわたっていたのが非常に印象的でした。
レース 4月の日本平桜マラソン、南アルプス桃源郷マラソンに続き、45歳以上(壮年部門)の優位性を生かして出場する。 今大会は5kmも10kmもともに「45歳以上」の部門はあったのであるが、例年4月はいろんな意味で忙しく、練習不足が予想されたので今回のエントリーは「5km」とした。結果的には正解だったようだ。詳しくは後述する。 5kmの部は中学生男子22名、中学生女子12名、高校・一般女子32名と壮年男子(45歳以上)60名の合計126名で行われた。一般男子(44歳以下)という部門が5kmにはなく、中学生を含めて全体でもトップで帰ってくるのが今回の目標だ。 1km小学1〜3年が10時ちょうど、2km小学4〜6年が10時10分にスタート。そしてその次が私の出場した5kmの出走となる。 この大会の面白いところに、必ず一つの競技が終了したくらいの時間を見計らって次の競技種目のスタート時間が設定してある。まるでトラック競技のようであるが、トラックは物理的に2つの競技を同時に進行できないためにやむを得ないが、今回のロードレースでは珍しい。 むしろロードレースの場合は、一般的に警察の道路使用許可時間が短く、道路の占有時間を減らすために次から次に異なる種目の競技をスタートさせることが多い。 やむを得ないといえばそれまでかもしれないが、その場合走っている方も見ている方も、誰が先頭かわからなくなることが多い。 今大会は山奥で交通量の少ない場所。道路の使用許可の条件が緩いのであろう。見ている方としては、一つの種目をじっくり楽しむことができてよかったと思う。
中学生はスタートダッシュするので、2列目から様子をうかがいスタートすることにする。 コースを簡単に紹介する。 スタート場所から二鹿(ふたしか)野外活動センターのまわり一周約730mを2周回して本来コースへ向かう。折り返し地点(約3km)へは徐々に登り、折り返しからは下りとなりスタート場所に戻ってくるが、最後に野外活動センターの周りを再びぐるりと一周するコースだ。 10kmコースは山の中へ入っていくのでアップダウンもありなかなかタフなコースであるが、5kmは比較的イージーなコースともいえる。
会場に到着してからスタートまで時間があったのでコース全部を走って下見しておいたがこれは正解であった。 約3km地点の折り返しで後続との距離を確認する。30mほど離れている。2番手は中学生。45歳以上の男子選手とは、この時点では大きく離れているので安全圏のようだ。 折り返してからは今来た道をオートバイを先導させひたすら走る。先導車の後ろをひたひたと走るのは久しぶりだ。気持ちがいいものだ。 ところが中盤ペースを上げすぎたせいか、残り1kmくらいからペースが鈍りだしてきた。通過する度に沿道で拍手を受けるが、後続の選手が通過するときの拍手の音の間隔が、だんだん短くなってきている。後続もペースを上げているようだ。 ラスト400mの曲がり角でチラリと後方を確認するが20mほどまでの距離に縮まっている。今回は総合1位でのゴールが目標。このままおいそれと抜かれるわけにはいかない。こちらも最後はペースアップし、2秒差ではあるものの先頭でゴール!この瞬間に山口県の国盗りも達成した!
5kmか10kmか出場種目を迷ったが、体調もさることながら10kmの45歳以上(壮年の部)には北九州市から私と同じ年で、昨年の「フルマラソン1歳刻みランキング」第2位(加藤は第9位)の江頭徹さんが出場していた。勝負事はやってみないとわからないものであるが、今回加藤が10kmにエントリーしていたとすれば、準備具合からして恐らく完敗だったであろう。 他にも、昨年12月の福岡国際マラソンで2時間19分28秒で総合18位、日本一速い市民ランナーの藤野浩一さん(広島市)も10kmにエントリー。圧倒的な強さで優勝している。 この大会は、参加者が全体で700名ほどの小規模な大会ではあるが、岩国のこんな山奥にも強者が集まってきていることが伺える。 この大会の素晴らしさ 今回、遠路はるばる名古屋から山口県は岩国の奥座敷といわれる二鹿(ふたしか)というところまでやってきたが、大会としては非常に印象深いものがあった。 というのも、参加者が少人数ではあったものの、主催者の準備が非常に行き届いており、また気配りがよくできていて満足度が高いと感じたからだ。 もちろん、お金をかければそれなりのことができるのであるが、お金をかける必要があるところに集中的に使い、あまりかける必要のないところは手作り・手弁当で準備したというところが各所に伺えました。以下にその点を紹介いたします。 (1)公共交通機関での参加者には送迎車を手配 今回の公共交通機関の最寄り駅は錦川鉄道の北河内駅です。岩国から35分ほどかかる山奥です。会場まではさらにこの駅から約3kmほど離れているので、早めに行ってこの駅から徒歩で会場に向かう予定でした。 ところが、何と駅から出たところにはタクシーが止まっているではないですか。タクシーの運転手曰く「主催者の用意したもので無料ですよ。乗ってくださ〜い!」と。予想外の出来事に唖然。私の他に兵庫県から参加の方も同上。復路もありがたく使わせてもらいました。
(2)ぜんざいと魚のつかみ取り 冬ならなお良かったのが「ぜんざい」。今回の参加者には無料で配られました。有料でしたがうどんや炊き込みご飯も地元ならではという感じで非常に良かったですね。もちろん看板も手作り! また、有料でしたが「魚のつかみ取り」も子どもたちには非常にウケていました。今大会の地元参加の小学生がほとんどいなく、大半は地元以外の子どもたちだったようですね。
(3)手作りの掲示板に手作りのステージ 他にも手作り品としては、掲示板(コースマップも・・・)の他にハヌルさんが唄ったり、表彰で使用したステージも手作り。業者に発注すればすぐに何十万くらいの出費になるでしょうね。特にステージは手作り感たっぷりで面白かったですね。
このように参加者は少なかったものの、非常にランナーのことに配慮が行き届いた大会であると感じました。ちょっと遠いですが、オススメの大会かと思います。 |