第3回森下広一杯八頭町マラソン大会 参戦記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「八頭町」と「森下広一杯八頭町マラソン」
10月の連休とは、ハッピーマンデー制度により平成12年から体育の日が10月の第2月曜日になったことから生まれたものだ。 個人的には体育の日は、東京オリンピックの開会式のあった10月10日の方が似合っていると思う。 それはさておき、10月の連休のうち1日は、私が国盗りに手こずっている「福井県」のとある大会に出かける予定を当初していた。福井県だって十分遠出である。 ところが、私が出かける予定だった大会には”女性の40歳以上”のカテゴリーが無く、入賞できるチャンスがないのが気に入らないという。 仕方がないので、10月のこの連休中に行われる大会をいくつか探してきた。 私:「ちょっと遠いけど10月13日(月・祝)に鳥取県で大会があるけどどう?」と尋ねる。 ゆ:「鳥取かあ〜。遠いよなあ〜」 私:「車で行けばたいしたことがないよ。(遠出がいいと言ってたのにー!)」 ゆ:「じゃあ費用は折半ね。私は5kmに出るね。」 とまあこういういきさつで、今回「第3回森下広一杯八頭町マラソン」に参加することとなったのであった。 ちなみに八頭郡八頭町は、鳥取県では東部に位置する人口約1万8千人の小さな町。北側は県庁所在地の鳥取市に隣接する。平成17年3月に八頭郡郡家(こおげ)町、船岡町、八東(はっとう)町の3町が合併し、八頭郡八頭町が誕生している。 また、今年で第3回を迎える「森下広一杯八頭町マラソン」は、旧船岡町出身のマラソン選手で、バルセロナ五輪(1992年)銀メダリストの森下広一さん(現トヨタ自動車九州陸上競技部監督)にちなみ、八頭町が「森下広一杯八頭町マラソン大会」を創設したものである。 コースは森下さんが小中学時代に走っていたコースを元にした「鳥取県・日本陸連公認船岡コース」が舞台となっている。 11年ぶりの鳥取県 さてこうして今回、鳥取県に出かけることになった。 一人で出かけるのであれば、もちろん公共交通機関で出かけるものの、今回は家族連れ。観光を兼ねて楽しめるように企画をしなければならない。 我が家において旅行における日程、訪問場所の調査はいつもながら父ちゃんの仕事。旅行が楽しめると、子どもたちの父ちゃん株は上昇する。 さて、鳥取県に出かけるのは11年ぶり3回目。 最近は、平成9年に「皆生トライアスロン(米子市)」に参加して以来。その前となると、学生時代に中国・四国地区のインカレが鳥取市の県立布施総合公園陸上競技場(今年4月からネーミングライツで「コカ・コーラウエストスポーツパーク陸上競技場」となる)で行われたときにまで遡るので、今から25年ほど前になる。 鳥取県は県全体の人口が約60万人。日本で一番人口の少ない都道府県である。 また面積は約3,500平方キロメートルであるが、南北が約20〜50kmに対して、東西が約120kmと横に長いところに地形的な特徴があり、移動には時間がかかりそうだ。 コストダウン ガイドブックも買ってきて、鳥取の観光ルートを調べる。 せっかくの遠出ではあるが、冬休みにも旅行に出かけるので出費を抑える方法を検討する。旅行のうちで大きな出費としてあげられるのが「交通費」と「宿泊費」だ。 「交通費」のうち大きく効いてくるのが「高速料金」だ。 特に今回利用する高速道路は、片道で400km以上あるので、大きな割引制度である※深夜割引を利用することにしないといけない。片道だけでも早起きして利用しようと思っていた。 結果から言うと、帰りも利用することになった。。 というのも、中国道の吉川〜宝塚で事故渋滞に巻き込まれ帰宅が2時間ほど遅くなったためだ。途中から大幅に計画変更。子どもたちはブツブツいうものの、日付がかわる14日からは4割引が5割引になる。片道の高速料金が6,900円なので半額ならば3,450円で済む。
子どもたちは、立派なホテルでのベッドと食事が楽しみのようであるが、今回は料金の安いビジネスホテルを利用することにする。家族旅行には似つかわしくないが、背に腹は代えられない。 いろいろと調べて驚くべき価格だったのが「スーパーホテル」だ。 初めて利用したのであるが、徹底的に無駄を省いている反面、利用者のニーズを上手に拾っているという実感があった。 例えば、部屋には電話がない。携帯電話が発達してきているので、わざわざ部屋から電話をかけることも少ないだろう。もちろんモーニングコールも無し。 ひげそり用のカミソリも置いていない。歯ブラシはあるものの、使わなくてフロントに返却すれば、小さなお菓子と交換してくれる。 逆に客のニーズをしっかり拾っている部分もある。 例えば朝食。 このホテルの朝食は無料。とはいうものの、パンとトーストというような簡易なものではなく、しっかりとしたバイキングメニューだ。これには驚いた。一般のビジネスホテルであれば、1000円くらいは払ってもよさそうな内容だ。 また、今回宿泊した鳥取駅北口店には天然温泉の湯もある。 このホテルの地下から採掘したものではなく、倉吉市の南に位置する三朝(みささ)温泉から運んできたものではあるが、「ちょっと温泉に入りたい」というニーズには応えていると思う。もちろん部屋にはシャワー付きバスはちゃんとある。 さらにこのホテルのすごいのは、学割があることだ。 スーパールームという大人二人部屋(7280円)が、学割では同じ部屋が(5040円)になる。学割なので、小学生でも大学生でも同じ。今回は、4人で12,320円で1泊朝食付きで泊まることが出来た。一人あたりにすると何とたったの3080円。 行く前は、ちょっと不安ではあったものの行ってみたら、予想外にちゃんとしていてありがたかった。このホテルは全国チェーンなので、是非ともオススメです。
鳥取の観光 今回、日程の都合で鳥取県の観光が前日となった。 なかなか訪れる機会も少ない鳥取県。今回は、自動車で移動するので西から東へ鳥取県を舐めるように移動しながら観光をすることにした。 今回、朝から夕方までに訪れたのは以下の場所。 (1)全日本トライアスロン皆生大会記念碑 (米子市/皆生温泉) (2)海とくらしの史料館 (境港市) (3)ゲゲゲの妖怪楽園 (境港市) (4)水木しげる記念館 (境港市) (5)水木しげるロード (境港市) (6)鳥取二十世紀梨記念館 (倉吉市) (7)龍見台(鳥取市) (7)鳥取県立とっとり賀露かにっこ館 (鳥取市) (8)鳥取砂丘 (鳥取市) 今回旅行から帰ってきて初めて知ったのであるが、訪れた場所が「米子市→境港市→倉吉市→鳥取市」は、鳥取県内にある”全4市”であるということだ。つまり「市」が付くところはこの4カ所のみ。平成の大合併で市に昇格したところが無かったということらしい。 鳥取県を制覇したつもりはないが、一日でこの4市を何らかの形で訪れたということで「鳥取県とはなんぞや」というところは垣間見たかもしれない。
鳥取の顔登場? さて、大会当日はホテルを8時30分に出る。 ホテルの食堂が混んでいて、予定の時間から朝食を摂れなかったことが原因だ。30分ほど遅れての出発する。 山陰本線の高架下をくぐり、一路南下、八頭町へ向かう。鳥取市は、人口約20万人の県庁所在地であるが、出発して5分もたたないうちに田園風景が始まる。鳥取駅の南側は、いわゆる裏側にあたるところであるが、これほどの至近距離で田んぼが見られるところは少ないであろう。 20分少々で会場そばの駐車場に到着。 八頭町(旧船岡町あたり)は、鳥取市のすぐ南に位置する。道路も空いており意外と早く着いてしまった。 大会会場の船岡中学校には、多くの参加者がすでにやってきている。天候もよく日差しがきついので、わが家の陣取る場所を中学校の体育館とする。校庭から少し離れるので、大会でのアナウンスなどの放送はやや聞き取りづらい。
しばらくすると開会式が始まる。どこの大会でもお馴染みの光景であるが、今回はちょっと違った。来賓の挨拶で、「農林水産大臣・石破茂様。お願いいたします」とアナウンスがある。昨日から、鳥取県内のあちこちで石破茂氏のポスターが見られたので、「ここは彼の地元(八頭郡郡家町出身。現在の八頭郡八頭町)なんだなあ」ということは想像していた。が、現在は国会の会期中。「秘書でも替わりに挨拶するだろう」と思いきや、テレビから聞き慣れた彼の声が、船岡中学校のスピーカーから聞こえる。何と、彼は国会が休会になっている週末を利用して地元入り。わざわざこの船岡中学校にまで訪れたのであった。 選挙も近いと噂される今、地元に足繁く戻り、自身の存在を大きくアピールするのであろう。わが息子も「この前の自民党総裁選に出ていた人だよね〜!知ってる!」というくらいの大物が、この山間の中学校に現れていたのはちょっと驚きであった。(石破茂ブログはこちら)
頑張る家族 鳥取県の観光を全て前日に終え、今回の小旅行におけるプログラムはこの大会のみ。 「遊ぶだけ遊んで、さあこれから試験です」という感じで、気持ちも体も緊張感が薄い。 終わってみると、この日程の組み方はやはり問題があったと反省しなければならなかったが、あとの祭り・・・。 さて今回、子どもたちは無料のファミリーの部(2km)に当日エントリー。私は10km、妻・ゆきこは5kmにエントリーしている。 スタート時間が、ファミリーの部(2km)が9時40分、5kmが10時30分、10kmが11時00分なので、私からは家族の奮闘ぶりを全て見てからスタートが出来る。 長男・かずたかは2kmを10分12秒。同じく長女・ゆかこは13分47秒。順位表彰がない部門ではあるが、それぞれ頑張って走り終えた。妻・ゆきこも5kmの女子40歳以上で2位で帰ってきた(参加者が少ない部門はいいなあ〜)。 特に長男・かずたかは、体格の割にはまずまず頑張っているといえる。 普通、あれだけの体重がある子どもは、走るのが嫌いで参加もしないのが一般的であるが、本人曰く「俺は(太っている割に)速い!」と言っている。運動量の多いサッカーも好きだから、それなりに走るのも好きなんだろうと思う。もっとやせるとその能力も開花する?
やはり日程に問題?
10km部門に出場するのは全部で100名程度。 この大会は3km部門に参加する人(大半が小学生)が700名と、参加者全体の60%以上を占めている。走る距離はハーフマラソンや10kmの方が長いにもかかわらずどうもこちらがこの大会ではメインのようである。 スタートは各部門共通で、船岡中学校の校庭。スタートしてすぐに門を右折して、坂を下る。50mほど下ると一般公道に出る。 今大会の10kmコースは、コースマップに付属の高低表をみると、前半はやや緩い上り坂で、折り返して再び船岡中学校に戻ってくる往復コースとなっている。山間にもかかわらず険しいアップダウンはなさそうだ。
スタートしてからは4人ほどが固まって先頭を走っていく。男子40歳以上の部門で昨年優勝している人もこの中に入っているので、ついていかねばならない。 ところがスタートしてから500mもたたないうちに、脚が動かなくなってずるずる後退し出すハメに。 昨日の観光のせいだろうか。ぴりっと刺激を入れた練習もしていなければ、お腹の中も鳥取の食材がフルに充てんされたままだ。 走りながら「観光が先の日程はまずかった・・・」と思ったところであとの祭り。2〜3kmで後続のランナーにもポツリポツリと抜かされ順位をどんどん下げる始末。早々と白旗を揚げる。 行きは少しずつ登るコース(4kmあたりはちょっと勾配がきついですね)であったが、折り返すと今度は下り坂なのに向かい風。今日はとことんついていない。 6km地点あたりのところで、「トヨタ九州」と紙の張ったワゴン車とすれ違う。サンルーフから体を乗り出しあの”森下広一”さんが「頑張ってくださーい!」と私にに声をかけている。「えっ、今年も里帰りしているんだ」と思い少しエネルギーをもらうが長くは続かない。 今日はペースが全く上がらず、ローギアで運転していたような感じでゴール。ここ数年では最悪のタイムでのゴールだった。
森下広一さんと船岡中学校 さきほどコースの途中で応援する”森下広一”さんとすれ違ったお話をした。 妻・ゆきこにその話をすると「私なんか、5kmで一緒に走ったよ。スタート前に周りの中学生に『何分で走るの?20分?それなら俺が引っ張ってやる』といって中学生に声を掛けてたよ」という。 先ほども触れたが森下広一さんは、現在は八頭郡八頭町になっているが、平成17年3月に八頭郡郡家(こおげ)町、船岡町、八東(はっとう)町の3町が合併する前の旧・船岡町の出身だ。大会会場となっている船岡中学校は、まさに彼の出身中学校だ。 今年で3回目の「森下広一杯八頭町マラソン大会」であるが、地元の中学生、高校生はあまり関心を示すようすもない。毎年、森下広一さんがやって来るせいだろうか。 むしろ珍しがっているのは、たまたま会場で森下さんを見かけた我々のような地元以外の人間だ。サインをお願いしても、「待ってました」とばかりに快く書いていただけた。 むしろ高校生らに人気があったのは、昨年からトヨタ九州のメンバーとなった今井正人さんの方だ。 順天堂大学時代は、箱根駅伝で3年連続5区(小田原〜芦ノ湖)で区間賞を獲得し「山の神」といわれていた選手だ。こちらは現役。 森下さんの活躍の方がレベルで言えば遙かに高いものであるが、バルセロナオリンピックで銀メダルを獲ったのは今から16年前。現在の高校生が生まれる頃のことだから、当然その活躍は過去のものであり、歴史的な遺産となりつつある。 グランドのバックネット前で写真をお願いしたときにこんなような会話をしました。
ほかにも「バルセロナ”金”でなくてよかったです。”金”だったら人生変わっていました」とちょっと謙遜するような発言もありました。選手としての活躍は太く短かかった森下広一さんですが、監督としては太く長く活躍して欲しいですね。
船岡美人温泉 最後に会場から車で数分のところにあるちょっと変わったネーミングの「船岡美人温泉」に入ってきました。旧船岡町にあるので「船岡」というのは当然として、この「美人」というネーミングが面白いですね。 確かに入ってみると、ツルツルして気持ちがよく美容にいいということでしょうか。田んぼの真ん中に突如現れた感じの温泉でした。 露天風呂があるわけでもなく、特に凝ったところがあるわけではありませんが、湯としては確かにツルツルとして気持ちがよかったですね。 私達がちょうど出た頃に、先程まで会場にいた森下広一さんと今井正人さんもやってきて、我々と入れ替わりに入浴されていました。大会終了後に選手で賑わっているかといえばそんなこともなく、帰りに立ち寄るにはいいところだったと思います。
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