第27回 星の郷ふれあい健康マラソン大会 参戦記

走る天文台?こういうランナーも見かけました
 岡山県を訪れるのは、ちょうど3年ぶり。3年前のその時は、出張で倉敷市で会議。翌日は水島市に建設中のLPガスの国家備蓄基地の視察に出かけています(岩盤貯槽という日本には2箇所しかない珍しいものです)。

 大会参加としては岡山県は実に初めて。意外ですか?
 岡山県は、名古屋からは九州や東北ほど遠くはないものの、日帰りで行くにはやや遠く、かつ宿泊するほどの距離でもないと思っていました。
 また夜行バスで行こうにも、早朝にこちらの都合のいい時間に到着する適当な便がないというのがネックでした。私にとって岡山県は「帯に長したすきに短し」という距離でしょうか(実際には「名古屋−東京」と「名古屋−岡山」の新幹線に乗っている時間はほぼ同じなので気持ちの問題ですかね)。

 今回訪れたのは岡山県井原市(「いばらし」と読みます)。
 ただし、訪れたのは井原市でも平成17年3月に井原市に編入した旧小田郡美星町(びせいちょう)です。今回前泊した倉敷市からJR伯備線、井原鉄道、主催者の用意したバスを乗り継いでも1時間以上かかりました。海抜300mほどの準高原です。

 もともと旧・美星町は、天文家の間では日本で初めて光害防止条例を施行・実施した街として有名だそうです。また旧・美星町は吉備高原の南部に位置し、酪農などを中心とした農業が盛んなところです(関連内容については後述)。町名にちなみ「天文の町」を自認して、それにちなんだ町興しを行い、平成5年に「美星天文台」が開設されています。ちょっと変わった感じの美星町。どんなところでしょうか。
 
●大会名 第27回 星の郷ふれあい健康マラソン
●開催日 平成21年1月25日(日)
●コース
 /大会要項

 /プログラム
井原市美星運動場発着(岡山県井原市 →詳細地図

コースマップ
(大会要項から)

大会要項

プログラム
それぞれクリックすると拡大します
●天 候 晴れ、3.6℃
●参加賞 帽子(キャップ)、美星の四季カレンダー、豚汁、特別賞(レアチーズケーキセット)
●結 果 17分19秒(5km) (45歳以上男子・第1位、総合第8位)
●表 彰 メダル、賞状、ハムの詰め合わせ(副賞)
●過去の戦績 初出場
●交通手段等
【1月24日(土)/1日目】
徒歩 自宅 14:14 自由ヶ丘駅 14:22
地下鉄 自由ヶ丘 14:27 金山 14:50
【金山でマッサージ治療】
JR中央本線 金山 15:53 名古屋 15:56
新幹線 名古屋 16:53 岡山 18:30 (のぞみ39号)
JR山陽本線 岡山 18:43 倉敷 18:50
【ホテル倉敷 泊】
【1月25日(日)/2日目】
JR伯備線 倉敷 7:45 清音 7:52
井原鉄道 清音 8:02 小田 8:26
主催者手配バス 小田駅 8:35 会場 8:59
【10時25分スタート 第27回 星の郷ふれあい健康マラソン大会 5kmの部】
主催者手配バス 会場 11:57 小田駅 12:11
井原鉄道 小田 12:28 清音 12:51
JR伯備・山陽本線 清音 12:55 岡山 13:19
新幹線 岡山 14:14 名古屋 15:51 (のぞみ28号、4分遅れ)
JR中央本線 名古屋 16:02 大曽根 16:14
地下鉄 大曽根 16:20 自由ヶ丘 16:27
徒歩 自由ヶ丘駅 16:27 自宅 16:40
●費用
参加料 2,000円  
地下鉄 490円 (自由ヶ丘〜金山:260円/大曽根〜自由ヶ丘:230円)
JR(在来線) 380円 (倉敷〜清音/往復)
井原鉄道 1,280円 (清音〜小田/往復)
ツアー代金 26,500円 (名古屋〜岡山:新幹線往復、名古屋市内〜倉敷:往復乗車券、ホテル倉敷宿泊代金)
合 計 30,650円  
●種目及び参加者(申込人数、★は加藤が参加した部門)
距離   区 分 参加者 スタート時間
10km   男子45歳以上 115名 10時20分
男子高校生〜44歳 83名
女子高校生以上 28名
5km 男子45歳以上 46名 10時25分
  男子高校生〜44歳 55名
男子中学生 40名
女子40歳以上 22名
女子高校生〜39歳 17名
女子中学生 26名
3km     男子小学生 103名 10時30分
女子小学生 48名
男子60歳以上 28名
女子60歳以上 4名
親子(小学校2年生以下とその保護者) 27組
  合  計 642名  
●上位成績(10km、5kmの各部3位までの入賞者のみ)
【10km】
男子45歳以上
鳥越秀樹 46 倉敷市   36’14”
住田嘉明 47 総社市   38’23”
横溝秀男 59 倉敷市   38’36”
男子高校生〜44歳
仲村聡弥 20 浜松市   35’22”
吉田隆太 28 岡山市 岡山県庁走ろう会 35’36”
河本規昭 32 岡山市 チーム・星になれたら 35’48”
女子高校生以上
二分陽子 26 福山市   40’17”
滝沢美江 33 倉敷市 倉敷福田走友会 43’39”
本慶啓子 51 尾道市   46’47”
【5km】
男子45歳以上
加藤一郎 46 名古屋市 名古屋市役所走友会 17’19”
小野正人 47 倉敷市 丸五ゴム工業走友会 17’24”
藤沖春美 47 福山市   17’35”
男子高校生〜44歳
児玉 正 32 岡山市 岡山AC 16’48”
白神光国 33 浅口市 丸五ゴム工業走友会 17’01”
高見 真 32 総社市 肩脊走楽会 17’11”
男子中学生
藤井孝之 15 福山市 神辺東中 16’24”
高橋昇大 14 福山市 神福山神辺東中学校 16’35”
力石直也 15 福山市 福山市立大成館中学校 16’40”
女子40歳以上
友田久仁子 52 矢掛町 中銀AC 23’15”
三好美智子 51 総社市 総社楽走会 24’57”
脇本和子 57 倉敷市 亀亀クラブ 25’02”
女子高校生〜39歳
佐藤あずさ 16 井原市 福山暁の星女子高校 19’25”
應武倫子 38 岡山市 チ−ムFAME 22’23”
中島 碧 25 倉敷市 サイファ・AC 23’56”
女子中学生
松本理沙 15 井原市 井原陸上クラブ 19’03”
川上嘉奈子 14 井原市 美星中学校 22’42”
渡辺祥子 14 井原市 美星中学校女子バレー部 23’03”

今回の参加には、近畿日本ツーリストの「ビジネスナビ」を利用

 今回の出場のためにビジネス用のパックツアーを探したが、岡山宿泊というものは意外と少ない。その中でも近畿日本ツーリストの「ビジネスナビ」というJRの往復と宿泊がセットになっているものが一番値頃だった。
 新幹線(名古屋〜岡山)、乗車券(名古屋〜倉敷)+宿泊が「倉敷ターミナルホテル」はシングルルームプランで24,800円(1泊食事無し)。おまけに1/3〜31宿泊は500円引き。ところが年末に予約に行ったところ、既に満室・・・。仕方がないので同じ倉敷市内の「ホテル倉敷」に宿泊を変更。これでも26,500円。約2,000円ほどの追加支出になってしまったが、倉敷に宿泊する場合はこれがオススメです。


ホテル倉敷の8階から見た倉敷チボリ公園。わずか11年で閉園してしまいました。
 さて、その宿泊した”ホテル倉敷”。
 JR倉敷駅に接続しているので、早朝の出発には非常に便利でした。また、宿泊した部屋が8階だったため、倉敷駅北口にあるテーマパーク「倉敷チボリ公園」が非常に良い眺めで見えました。

 しかしながらこの「倉敷チボリ公園」。昨年末をもって閉鎖しているとのこと。
 もともとこの倉敷チボリ公園は、平成9年に旧倉敷紡績倉敷工場跡地に開園したもので、デンマークのコペンハーゲンにある世界最古のテーマパークで、数々の童話を世に送り出したアンデルセンが頻繁に訪れた事でも知られる「チボリ公園」をモデルにしており、園内にはデンマークやアンデルセンをイメージしたアトラクションや庭園、ショップ、レストラン、劇場などが点在していたそうだ。

 運営は、岡山県などが出資する第三セクターのチボリ・ジャパン株式会社が行っていたが、経営難のため、開園からわずか11年の短い歴史の幕を閉じています。景気が低迷する中で、テーマパークの経営の難しさがあらためて浮き彫りになったような気がします。

井原鉄道
 今回会場までのアクセスに欠かせなかったのが井原鉄道
 この井原鉄道が開業したのが平成11年1月。ちょうどいまからわずか10年前。山陽本線の岡山−福山に平行するように走っている井原鉄道井原線ですが、もともと国鉄の新規路線として建設されるものでしたが、途中で建設凍結。自治体が出資して第3セクターとして開業した経緯があります。(以下、井原鉄道のサイトにその紆余曲折が書かれています。)
 井原線は、岡山県総社市を起点として、清音村、真備町、矢掛町、井原市を経て広島県神辺町に至る延長41.7キロメートルの鉄道です。
 昭和41年7月、国鉄新線として工事に着手しましたが、国鉄再建のあおりを受け昭和55年度から建設予算が凍結され、路盤工事の約5割が完成したところで工事休止のやむ無きに至りました。
 井原線は、岡山県西南圏域と広島県備後圏域を結ぶ都市間旅客輸送路線として、両地方間の交通条件の画期的な改善と沿線地域における産業、経済や観光等地域の振興発展に極めて重要な役割が期待できます。
 このため、井原線を引き続き鉄道として建設しようと、昭和61年12月に岡山、広島両県と関係12市町村が主体となり、民間及び関係団体の協力を得て井原鉄道株式会社を設立しました。
 そして、日本鉄道建設公団により建設工事が行われ、平成11年1月11日に開業しました。
 なお、井原線の名称は井原市の「井原」をとって名付けられました。


〜 井原鉄道のサイトから 〜
 第3セクターの鉄道会社らしく、あちこちに節約のあとが見受けられます。清音駅はJRとの乗換のため、駅員が一人いましたが、どう見ても退職→再雇用の(嘱託)ような年配の方。私が乗るタイミングで、中学生くらいの子たちが20人ほど一斉にやってきて、窓口であたふたしていましたが・・・。

 通勤・通学時間帯を除けば運行車両は1両。もちろんワンマンカーです。運転手さんも先ほどの駅員さんと同様、退職→再雇用の(嘱託)ような年配の方でした。

 また井原鉄道は恐らく全線高架。つまり、各駅は地上から高いところにあります。
 私が降りた小田駅もそうでしたが、利用には必ず階段の上り下りが発生します。もちろんエスカレータもなければエレベータもありません。「支出は徹底して抑えているぞ〜!」という雰囲気が醸し出されていますね。
 同様に、大量に旅客を運ぶわけではないので、第3セクターの鉄道にありがちな、イベントのポスターやチラシがたくさん見受けられました。小銭を少しずつ稼ぐ努力のあとが見受けられますね。

 今回、この井原鉄道が無ければ、美星(びせい)町にたどり着くことが出来なかったワケですから、井原鉄道の存在に感謝!それにしても清音〜小田の運賃が20kmで640円とはちょっと高いですね。トホホ・・・。

伯備線清音(きよね)駅の井原線の乗換案内。ちょっと素っ気ないですね。

いったん駅の外に出て、専用の階段で井原線のホームへ行く。もちろんエスカレータなどはない。

清音駅に停車中の井原鉄道の車両。アナウンスもなく知らない人は、間違えて乗りそう。

高梁川にかかる鉄橋。壮大な橋梁である反面、ここを1両で渡るのはもったいない感じでした。

平日は地元の学生が多いでしょうね。

私が乗った清音〜小田はすべて高架。踏切もなく運転手は運転に集中できる?

小田駅ホーム。もちろん無人駅

井原鉄道小田駅前

美星町という街
 平成17年3月に、井原市へ編入された旧小田郡美星(びせい)町。
 この「美星」という町名の由来は、昭和29年まで遡る。当時、小田郡美山村・堺村・宇戸村、川上郡日里村の4村が合併し町制を施行している。その際の町名は、町内を流れる美山川と星田川の一字ずつから美星町と名付けられたという。

 また、町名にあやかって平成元年11月に、全国初の光害を対象とした「星空を守るための専門条例」である「美しい星空を守る美星町光害防止条例」を制定・施行したという町で、その方面の人らにはちょっと知られた存在になっている。(ちなみに私の職場の隣の先輩で天文に興味のある人も知っていました)

 さて、小田駅から主催者の用意したバスで会場に向かう。完全予約制なので乗ったのは10人ほど。先ほどの列車からも私を含めて4人ほどが乗り込む。8時30分出発予定であったのであるが、予約した人が一人来ないので5分ほど待って欲しいという。しかしながら、その人は現れずにバスは出発した。

 小田駅から会場までこの小型バスで約25分。
 途中、どんどん山道を登っていく。旧美星町は海抜約300mの準高原。会場に近づいていくと牛か豚かわからないが、小さな牧場も見えてきた。民家も少しずつ増えていく。会場はもうすぐのようだ。9時少し前に受付会場であるB&G海洋センターに到着した。
小田駅から会場まで途中から急峻な山道に入っていく。すごい山の中に会場があるのか?

小田駅〜会場はこの小型バスで移動。

受付場所のB&G海洋センター。地方には多い施設だ。

コース紹介
 受付をして、早々にアップを兼ねてコースの下見をする。
 スタートゴールは、受付会場の隣の美星運動場。ここのグランドをスタートし、道路に出たところで左折し、坂を下る。数百メートルほど下って、左折すると少しアップダウンが始まる。美星中学校やふれあいセンターなど旧美星町の市街地を抜けていく。目印になるものが少なく表現しにくいが、市街地の中ではもう一回右折と左折を繰り返し、その後は西へ向かう一本道。右へ左へ道路はうねり、緩やかにアップダウンが繰り返される。5kmのコースは往復コースであれば2.5km地点が中間の折り返しになるが、今大会は最初に市街地をぐるっと遠回りするので、折り返し地点が3.5km過ぎくらいにある。
 コースマップを見てもアップダウンが記載されているが、下見をしていてよかった。力の入れどころが確かによくわかった。5kmといえども勝ちに行くときには下見は必須である。

各部のスタート地点。奥がゴール地点

運動場の出口。奥から手前に向かい左折する。

運動場から出てしばらくは下り。

美星中学校付近には民家も点在

もうすぐ市街地が終わり西へ向かう道路へ

何の変哲もないところで折り返し

あと1kmほどでゴールへ。民家はない。

開会式の様子。晴れているが、会場が準高原ということもあって冷え込んだ。

レース
 5kmのスタートは10時25分。10km部門がスタートした5分後だ。
 一般から中学生まで男女併せて約200人ほどがスタート地点に並ぶ。決して大人数ではないが、スタートの混乱が生じないという意味では、気持ちのいい人数である。
 スタートしてから5人が集団で運動場から出て行く。私も一団にいる。先ほど下見をしたばかりの道路を下っていく。この大会の特徴に中学生が速いことがある。昨年の優勝した中学生は、ジュニアで全国的にも速い選手だった。1500mでも4分一桁(3分台に近い)で走っている。今年もjこの5人のうち3人ほどが中学生のようだ。

 昨日は、名古屋市役所の駅伝大会(2区で区間賞)で名城公園を2周ほど走っているので、ちょうど脚がぴりっとした感じでよく動く。
 しかしながら年齢的なこともあるのだろう。ちょっとペースが上がると苦しくなってしまう。1kmを過ぎて美星中学校の横を通り過ぎる頃から徐々にこの集団から遅れ出す。今日は、年代別で勝つことが目的。ペースが合わないのであれば、無理して付いていく必要はない。

 2km〜3kmくらいまでは高校生くらいと併走する。時々体が接触するが、この高校生も3.5kmくらいの折り返し地点くらいから遅れ出す。また、この折り返しで後方を確認するが、同じ年代の人が10mほど後方にいる。油断は出来ない。

 残り1kmほどのところまでやってくる。今日はいっぱいいっぱいまでで走っていないため、何となく気持ちに余裕が出てくる。
 残り500mほどのところまでやってくると、旧美星町の人の応援も多くなる。しかしながら、後ろから2人ほどに抜かれる。ただし、若い年代の選手。しばらくは付いていくが、上り坂にさしかかると思ったほど余裕がなく、徐々に離される。ゴールの美星運動場も遠目に見えてくる。ここまでやってきて少なくとも同じ年代の人には負けるわけにはいかない。

 美星運動場の入口のアーチを超えると最後に直線約100mでゴールだ。タイムは度外視して走り抜ける。何とか同年代の人に5秒差で先着!これで岡山県の国盗りも完了した。やったー!

ゴールする10kmの部の選手

ゴール後の記録証の発行場所

記録証を発行してもらっている私。岡山県は20番目の国盗りの県でちょうどひとつの区切りとなりました。

町民の方でしょうか。この街に愛着があるようですね。

豚汁を選手に配っていました。お腹が減っていたので3杯も食べてしまいました。

ちょっと変わった味付けの豚汁でした。肉は少なめで、ジャガイモのほかサツマイモも多く入っていて、甘みのある豚汁でした。

今日の戦利品


今日の戦利品。賞状とメダルの他、副賞でいただいた美星町の特産品の詰め合わせ。帰宅して確認してみるとハムやソーセージが入っていました。また、特別賞(たぶん遠来賞という意味)は、これまた地元産のレアチーズケーキセット。いずれも美味しくいただきました。

レアチーズケーキとハムの詰め合わせ

今日の心拍数
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