第30回能楽の里池田マラソン 参戦記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
コース事前下見&コース紹介 今回は、福井県の国盗りを懸けているので、大会の約2週間前の9月26日(土)にコースの下見&試走を行ってきました。どこかの大会案内に「平坦で走りやすいコース」と書いてありましたが、山あいの町でそんなに平坦なところばかりコース取りが出来るはずがありません。おまけに単純な往復コースです。 実際に走ってみたところ、確かに大きな起伏はありませんが、スタート地点から5〜6kmはかなり緩く登っています。せいぜい1%程度しょうか。7kmあたりから、田んぼが階段状になっているのがわかります。ざっと勾配が2%程度に変わってきています。8.5kmほどからはさらに勾配がきつくなり、9.6km過ぎくらいから折り返し地点までは、4〜5%くらいの登り坂になっていました。 折り返せば、ほぼ下り坂のコースですが、平坦で走りやすいコースというのは、都心の平野を走るようなコースを指すのではないでしょうかね。以下は、コースの写真です。
能楽の里 池田町 人口約3,000人の福井県今立郡池田町。この町は、この大会のタイトルにもなっている「能楽の里」である。池田町は自ら「能楽の里」と自負している割には、アピールが少ない。 いろいろと調べたところ、この町に伝わるという「水海の田楽能舞」は、鎌倉幕府の執権であった北条時頼が諸国行脚の折、雪で立ち往生し、水海で越冬した時に村人たちが「田楽」を舞って慰め、返礼として「能舞」を教わったのが始まりと伝えられており、これがこの町が「能楽の里」というようになった起源のようだ。 大会終了後に、大会会場のそばで「池田あきない市」というイベントを開催していたが、ここで能楽の披露があるかと思いきや特に能の出番もなく、ちょっと残念だった。 話は変わるが、人口わずか3,000人ほどの町で、今大会のようにマラソンコースを「日本陸連公認コース」としているところは珍しい。公認申請すれば、それだけ公認申請の費用がかかるのであるが、一年に一度のこのイベントのためにコースの公認申請をされているとしたらありがたい。選手としては、距離が正確な方がもちろんいいに決まっている。(町の財政負担も気になるが・・・) ようやく福井県を制覇
わが家から会場まで2時間半近くを要する今立郡池田町。 会場に着くと、わがライバルの庄内RT・田中くんにばったり。彼もハーフマラソンに出場するようであるが、「90分のペース走」というようにマジには走らないようだ。ほかにも山田さん(ハアモニー)にも会うが、彼は5kmの出場の模様。遠くても愛知県からの出場者はそこそこいる。 また、昨年の優勝者である京都府の柿原さんの名前がプログラムにない。今回出場していたら、実力伯仲、おそらく一騎打ちになるだろうと覚悟していたが、少々安堵感ができた。 とはいえ、どんな実力者がいるかわらからないので、ゴールするまでは油断が出来ない。
9時40分。最前列から押し合いへし合いもなくスムースにスタートする。 今回は先頭には立たず、集団の後方で構えて走る戦術をとる。1kmほど走ると先頭集団が6人に形成される。この中に、私と同じ年代(45歳以上男子)の選手は一人、残りは「44歳以下男子」の選手だ。 ナンバーカードの色が「44歳以下男子」の選手は「ブルー」、私を含め「45歳以上男子」の選手は「オレンジ色」のため、番号でなく色で一目瞭然だ。これは非常にありがたい。 最初の1kmが3分38秒。そして2km通過が7分27秒。緩いが登り勾配がタイムに影響しているようだ。
ここまで私と同じ色のナンバーカードの選手が、やや息づかいを荒くしながらも走ってきたが、給水と共に後方に下がり出す。6人の集団が4人に減るが、私もややペースが早いと感じ、3人よりも少しペースを落とす。 5km地点〜7km地点くらいまでは、5〜10mほど後方を走っていたが、登り勾配がややきつくなり出す8kmあたりからはじわりじわりとこの3人から離れだしてしまう。9km地点を過ぎ、登り勾配はいっそうきつくなるが折り返しまでが今日の我慢のしどころとなる。 折り返しは3人がほぼ集団で折り返しいくかと思われたが、3人のうちの一人がやや遅れ出していることがわかった。といはいえ、3位の選手とは50mほどの差があり、すぐに追いつく距離ではない。前の二人はどんどんペースが上がっているが、3位の選手をゴールまでに抜いていくつもりで後半は粘ろうと思った(この時点で私は総合4位)。 また、折り返しで同年代の選手を確認したが、既に100m以上の差がついている。ひとまず安心。 後半はほぼ下る一方。先ほど登ってきたところをそのまま下っていくだけであるが、登ってきたときよりも脚が快調に動くことがわかる。ただし、昨日の練習量が少々多かったせいか、軽いという足どりではない。
前を走る第3位のランナーとの距離もこのあたりから少しずつ詰まりだした。彼も、前半、我慢してついていったツケが廻ってきたようだ。 残り4kmあたりでようやく彼に追いつく。更に前の二人は既に400mほど離れてしまっているので、追いつく目途は立たない。年代別の優勝はたぶん間違いない。あとはタイムだけが気になる。 20kmの通過が1時間14分51秒。 残り「1.0975km」、わかりやすく言えば残り約「1.1km」であるが、4分で走ればかろうじて1時間18分台のタイムが出る。3週間前の「一関ハーフ」においては、この区間のタイムが「3分47秒」。少々できすぎではあったが、何とかまだ脚に余力があるので4分程度では走れそうだ。 「お父さん、何時頃戻ってくるの?」というわが娘に、「10時55分(スタートから1時間15分)から11時(スタートから1時間20分)の間くらいだよ」と説明しておいたところ、ゴールにはわが娘がカメラを持って待ちかまえてくれていた。流し撮りなどの高度なテクニックが使えないので、ゆっくりゴールしわが娘に記念すべき福井県の国盗りの瞬間を撮影してもらった。 1時間18分51秒。タイム的には決して褒められるものではないが、何度もチャレンジしてはね除け返された福井県の国盗り。6月の秋田県の国盗り以来、約4ヶ月ぶりということもあり、今回はとても嬉しい国盗りでした。 手作り大会 この大会は、自治体が主催している大会。参加者が少人数であるためであろう。最近は、かなりの大会で導入されている、ICタグを用いたタイム自動計測システムを導入していない。ゴールする場所を4区分に分け、それぞれの場所でストップウォッチを握り、ゴールした選手に着順カードを渡す。 完走証ももらえるが、もちろん氏名も記録も無記名。近くのテーブルにはマジックが置いてあり、選手が自ら書くようになっているシステムだ。昔ながらといえばそれまでであるが、参加者が600人弱の大会ではタイム自動計測システムは必要ないだろう。背伸びをせずに、自助努力で運営していることが伺える。 さて、今回ゴールして驚いたのが、選手に一人ずつ渡された濡れタオルだ。 走り終わった後の汗を拭いてもらおうという趣旨だろう。いろんな大会に出かけたがこのようなサービスは初めてだ。参加選手の総数が600人に満たないから出来るサービスなのであろう。濡れタオルは、すぐにその場で回収する。手間ひまはかかるが、意外にこういう発想は出てこない。素晴らしいアイデアであると思う。 もう一つ嬉しかったのが、表彰式の月桂冠。副賞こそ無く地味な感じではあったものの、優勝者のみならず2位、3位の選手にも月桂冠が授与された。月桂冠は、月桂樹から編み込まなければならないが、濡れタオルのサービスや月桂冠の授与など、「お金をたくさん使わずにこの町で出来ることは何か」ということを考えた末のものではないかと思う。こういう手作り大会というのは、とても思い出に残ると思う。池田町の皆さんありがとうございました。
池田あきない市 今回、長男・かずたか(中1)は中間テストの直前のため連れてこなかった。 とはいえ、長女・ゆかこ(小5)を連れてきたので、大会後はどこか「お楽しみ場所」に連れて行かねばならない。 当初予定はしていなかったが、大会会場のすぐそばで「池田あきない市」というイベントを行っていたので、ちょっと覗いてみた。 マーケットの規模としては小さく5分もあれば、全てのブースを見てまわれる程度のものであったが、「つきたての餅の無料配布」に誘われて並んでから、このイベントに1時間ほど浸かってしまった。子ども向けのゲームや突然始まった紙飛行機による飛距離コンテストなど、こちらもマラソン大会に負けず劣らず手作りイベントとして面白かった。
渓流温泉・冠荘〜越前和紙の里・パピルス館 マラソン大会会場をあとにし、町内に唯一ある温泉「渓流温泉 冠荘」で汗を流す。冠荘は、日帰り温泉ではあるが、宿泊も出来る施設である。人口3,000人ほどの池田町の中でもやや奥まったところにあり、非常に立派な施設である。「こんな場所でお客さんが来るの?」と疑問に思ってしまうほど立派。そのアンバランスさに違和感を感じる。 その疑問を解決したのが、この施設の運営者。「財団法人池田屋」が施設管理をしているようであり、その池田屋のサイトを見ると「渓流温泉 冠荘をはじめとする池田町公共施設の管理運営団体で、施設を活用した観光客誘致のイベント開催や池田町の観光開発及び地場産業振興にかかる調査研究事業を行なっています。」とある。池田町の直営ではないが、財団法人を作って税金を投入しているようだ。 今回利用したのは、日帰り温泉。 大人の入浴料500円(小人は300円)を払って使わせてもらったが、非常に良い温泉であった。一番よかったのは、露天風呂。この日は天気も良かったということもあるが、露天風呂から眺める景色、露天風呂の横には小さな川が流れる。いいところに温泉を作ったなあと感じた次第。
池田町をあとにし、次に向かったのが越前市(平成17年に武生市と今立郡今立町が合併して誕生)にある「越前和紙の里・パピルス館」だ。 「越前和紙」は1500年の歴史があるそうで、その始まりなどは「紙の文化博物館」で知ることが出来るようである。残念ながら時間の都合で今回は訪れることはなかったが、歴史を知るという観点からすれば、ここに立ち寄ってから「パピルス館」にやってきた方が良さそうだ。 さて、紙漉(かみすき)体験ができる「パピルス館」では、実際に紙漉をし世界でひとつの「オリジナル和紙」を作ることが出来る。紙漉は、以前に「五箇山(富山県)」でも行ったが、ここパピルス館では色紙、ハガキ、コースター、名刺というように、いろんな種類のものが用意されている。その中で今回わが娘が選んだのは「コースター」。9cm角のコースター6枚分が出来るというものだどうしてコースターにしたのかはよくわからない。直感だろう。 最初に、何を作るのか選択。それを係員に通告し紙漉をはじめる。 実際に紙漉をはじめると、係員が手を出しすぎず、また放置しすぎることもなく適度に手伝ってもらいながら紙漉を進める。 紙漉をはじめて約20分。世界にひとつのオリジナルコースターを完成した。ちなみに、そのコースターは、10月13日が誕生日の長女・ゆかこの母親へのプレゼントになったのであった。
本日の戦利品 地元の特産物の副賞はありませんでしたが、優勝しただけに賞状、メダル、盾といろいろといただきました。 追加編 往路の6km地点、そこには確かにカメラマンが数人並んでいました。復路では、確か「300m先 写真撮影場所」というような看板があったかと思います。 あとで写真だけ郵送してくるのかなと思いきや、完走証の中に写真を組み込んだものを送ってきました。記念になるものとしては非常に良いですね。撮影ポイントからすると、ハーフマラソンの参加者だけの特典かもしれませんが、小規模の大会ながら大変良いサービスだと思いますのでご紹介させていただきます。 |