第18回ヒスイの里山岳マラソン 参戦記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Nさんとの1泊2日の旅 国盗りも「30」を超え、”ランニング”と”トライアスロン”はやはり分離してカウントしようと考えたため、未制覇の新潟県に出かけることを計画した。新潟県は、面積が大きいせいか比較的大会の数も多く年間を通じて出かけやすい。 6月とやや蒸し暑い時期ではあるが「ヒスイの里山岳マラソン大会」という面白そうな名前の大会がある。おまけに表彰の年齢区分が「45歳以上」となっている。先月48歳になって「40歳以上」という年齢区分では入賞はできても優勝するのが易しくなくなって来ているので、この年齢区分は魅力的だった。大会要綱を取り寄せ、4月12日に申し込む。 すると4月19日、このサイトの愛読者であり走友のNさんから「一緒に行きませんか」とメールが来る。もちろんOK。道中は同士がいるほうが楽しい。 出場種目は、私が10kmに対し、Nさんは30km。走った後の疲労のことを考えれば、明らかに私のほうが少ない。そのため「車を出しますよ」というNさんの申し出を断り、私の方で車を出して出かけることにする。 大会前日の土曜日、地下鉄・本山駅で待ち合わせをし東名・名古屋ICから東海北陸自動車道を経由し糸魚川へ向かう。大会会場までは、5時間近くの時間がある。車中では、お互いの練習方法、仕事のこと、家族のことなど、走ることをどのように生活の中で組み立てているかということを中心に話が進む。 Nさんは、私より2つ年上。フルマラソンを中心にランニングの活動をされている。 フルマラソンを走るには、ある程度の練習時間(距離)が必要となる。そのために、仕事もそっちのけ、家庭生活そっちのけで一日の多くの時間を走ることに注いでいるというもいるが、Nさんはそういうタイプではない。独身で、時間を余なく使える独身者ならいざ知らず、それなりの年齢になってくれば仕事にも責任ある立場になるし、家庭があれば子どもたちの面倒を見なければならない。そういう中でいかに練習し、パフォーマンスを発揮するかというところに真骨頂がある。 いろいろな話をしていく中で、Nさんとは共通点が多いこともわかった。お互いに、これからのランニングライフを有意義に過ごすためには、やはり一日を充実して過ごしていくのが一番と考えているようだった。 民宿・親和丸 さて、今回はNさんと1泊2日の小旅行。 私一人であれば”車中泊”であったのであるが、せっかく誘っていただいたので楽しく過ごしたい。時間はかかったが、宿泊場所、観光場所などの計画を私のほうで立てさせてもらった。 一番大切な宿泊場所は、ネットでの書き込みなどを頼りにして、親不知にある「親和丸」にすることにした。今回この親和丸に決めたのは、ネットでのある方のこの「親和丸」の書き込みがすごかったからだ。この書き込みを読めば間違いなく宿泊したくなると思う。その書き込みの一部を紹介する。
この方は、通常料金とは別に特別料理を頼まれのか、一泊7,500円であるが、私が電話で予約したときの返事は「一泊6,825円(6,500円+消費税)ですよ」とさらに安い料金提示。都会ならば、食事なしの素泊まりのビジネスホテルの料金クラスだ。 この日の親和丸の宿泊は、私とNさんの2人だけ。完全に貸しきり状態。 大人数の場合は、1階の食堂が夕食の場になるようであるが、今回は2階の寝床の隣の部屋にわざわざ料理を運んできてくれた。 私らの食事中、1階から時々大きな歓声があがっていた。親戚か親しい人たちを呼んで自ら宴会をしていたみたいだった。 ビールの追加のために1階に降りていって「ビール貰っていい?」と尋ねると、「ごめん、ビール自分で持って行ってね」と。今日は何やら私用で忙しいようだ。値段が値段だからまあ仕方がないか。悪気は無さそうだ。
今回泊まった「親和丸」。あの魚のボリュームであの値段。「コストパフォーマンスがよく満足したい」方には、絶対お勧めの宿であることは間違いない。 糸魚川はフォッサマグナとヒスイの街 前日の観光は、コースの試走と練習の時間を考慮し、”時間があれば”という条件付で「フォッサマグナミュージアム」に行くことにした。
日本の陸上部分を、おもに中生代・古生代の古い時代の岩石でできた一枚の岩と考えると、糸魚川から静岡の方へほぼ南北方向だけは、えぐられたような溝あり、その上に新生代の新しい時代の岩石がつまっているとのこと。この溝のことをフォッサマグナと呼んでいる。 また、「糸魚川−静岡構造線」というのは、このフォッサマグナの西縁の境界面のことを指している。「フォッサマグナ 」=「糸魚川−静岡構造線」ではないですよと、フォッサマグマミュージアムで説明書きがあった。 フォッサマグナなんて小学校の授業以来。フォッサマグナだけをテーマに博物館を構成するのは難しいと考えたようなのか、この博物館はファオッサマグナを中心テーマに「岩石」、「化石」そして地元で有名な「ヒスイ」へとテーマを変えながら構成しています。上手な流れですね。 ただしこの博物館の場所が悪いのか、訪れた時間帯がたまたま悪かったのか、私たちが訪れた時間帯には館内はガラーンとして見学者が少なかったですね。展示物もよく集めてあるので、子どもたちを連れて見学に行っても楽しめる施設ですね。 野生動物三昧コース 大会前日の正午前、メイン会場の青海中学校に到着しスタート会場の下見をしていると、大会実行委員の方々が挨拶をしてくる。
さて下見であるが、Nさんが明日は30kmを走るので、折り返し地点の大平峠まで往復するが、往きの道中ではタヌキと猿が、帰りの道中では親子連れの猿2ペアのほかに道路で餌を頬張る猿の群れを見た。やはり実行委員の話の通り。 また、この会場付近は現在は糸魚川市であるが、平成17年3月に糸魚川市と合併するまでは旧西頸城郡青海(おうみ)町だったところ。この辺りは石灰石が豊富に採れることもあり、大正10年に電気化学工業・青海工場が操業している。 コース中はこの電気化学工業(デンカ)・青海工場のすぐ横を通る。 青海川の景色を楽しみ、動物たちとの出会いを楽しみ、坂に苦しむなど、このコースは旧青海町を十ニ分に堪能できるコースではないだろうか。ただし30kmコースは上りも下りも厳しいコースであるので、十分に練習した上でのご参加を・・・。
レース前 前日は、魚三昧にスーパーで買った缶ビール(500ml)を私とNさんとそれぞれ1本軽く平らげ、結局その後民宿・親和丸で瓶ビールを3本追加し二人で飲んだ。私もこの程度では全然大丈夫だが、Nさんもまったく平気のようだ。 話は変わるが、ランナーやトライアスリートは、よく食べよく飲みよく練習しよく寝るタイプが多い。特に強い連中は顕著。いろんなことに神経質にならずにタフでなければならない。特に胃腸が強いというのは大切な財産。走ることを鍛える以前に重要なことだ。これまで特に胃腸に障害を起こしたことがないので、生んでくれた親には感謝している。 さて、昨日は適当に飲んで風呂に入って、サッカーを見ているうちに寝てしまった。Nさんも仕事が忙しく、やや慢性的に睡眠不足のようで、私と同様にうとうとしてしまったようだ。朝起きると、久しぶりに「よく寝ました」と言っていた。 民宿・親和丸の朝食、会計を済ませ、午前8時前に会場に向かう。 昨日の泊まり客は、私たちの2人のみ。昨日、迎えてくれたおばちゃんが今日はお見送りだ。ネットでの書き込み通り明るいおばちゃん。このおばちゃんが気に入って、再びやってくるリピーターもきっといることだろう。「元気で走れるようにね」と、ペットボトルの水を1本ずつもらう。金額ではたいしたことはないが、気遣いが嬉しい。Nさんと一緒に「お世話になりました」とお礼を言って親和丸を後にする。 民宿・親和丸から会場の青海中学校までは、国道8号線で15分ほど。しかしこの15分のうち大半は、断崖から日本海を眺める景色だ。 北陸道最大の難所である親不知子不知を、昨日の下見を含め2往復することになるが、ここに国道8号線及び北陸自動車道を通す工事は、何度通ってもすごい工事だったことは容易に想像できる。ここを開通させた先人の遺業に敬意を表したい。 会場の青海中学校には、既に多くのランナーがやってきていた。昨日はフリーで止められた駐車場にも多くの車が停まっている。わずかなスペースを探して車を停める。次に体育館そばの受付でナンバーカードなどをもらい体育館に陣取る。 今日は梅雨時にもかかわらず雨が降りそうもない。雨がザーザー降る中を走るのは、気持ちが萎えるので晴れている方がいいが、今日は走る前から蒸し暑い。ウォーミングアップで5kmほど走ってきたが、ゆっくり走っただけで大量の汗が噴き出てくる。条件はみな同じとはいえ、苦しいレースになることが十分予想された。
レース
30kmの部には280人ほどがエントリーしている。30kmの部を走るNさんもスタート前はやや緊張した面持ち。この時期の気温等を考慮して、フルマラソンくらいのペースでレースを進めていくと語られていた。2時間を超える長丁場になることが予想されるが、頑張って欲しいと思う。 さて、Nさんのスタートを見送り、10分後に自分の出走する10km部門がスタートする。こちらはエントリーが30km部門の約半分の150人弱。スタート場所の混雑もなくすっきりしているのがいい。
10時10分に今度は10kmの部がスタートする。 スタートしてから4人ほどが先行して飛び出すが、しばらくするとその後ろには5人ほどの集団ができる。一時期、この中に同年代の選手がいたが2kmほど走ると視界から消えていた。 先行していた選手も2人と1人+1人に別れ出し、2kmあたりで第4位を走る選手に追いつく。ここから折り返しくらいまではこの吸収した選手と私ともう一人で第4位グループを形成してレースを進める。 前半はやや押さえていこうと考えていたが、いざ走り出すとあまり余裕がない。ペース的には3分40秒/kmくらいとと決して速くはないが、往路は上り、今日の蒸し暑さからするとこのペースでもなかなかきつい。 折り返しに近づいていくと第3位を走る選手がだんだん近づいてくる。この調子ならしばらくして追いつけそうだなと感じる。 昨日下見をした電気化学セメント原石事務所の10km折り返し地点をUターンする。ちょうど第3位の選手に追いつき一気に抜き去る。 折り返し地点のタイムは18分31秒。今日は年代別で優勝することが目的なのでタイムは遅いがこの際度外視する。後続の選手と次々にすれ違うが、同年代の選手とは少し距離が開いている。後半頑張ればいけそうな感じだ。
第3位グループは往路で一緒に走ってきた3人。このうち最初に追いついた選手が崩れそうで崩れない。そうこうしているうちに逆に元気を取り戻したのか、ペースの上げ下げで揺さぶり出す。 残り2kmくらいから彼がペースアップ。急激なペース変化にはこちらも対応できない。 しかしながらその後は差が広がるわけでもなく、むしろ残り1kmくらいではやや縮まった感もあった。しかしながらその残り1kmくらいから再び彼はペースアップ。こちらも追いつきそうだったところでのペースアップだったのでギブアップ。ゴールでは7秒ほどの差を付けられて総合4位でゴール。しかしながら同年代の選手には1分以上の大差をつけて新潟県の国盗りを達成することができた。 さて、表彰式を終えて時間も正午に近づいてくる。30km部門の選手がそろそろ戻ってくる時間になる。「遅くても12時30分までには戻ってきますよ」とNさんは言っていたので、正午過ぎくらいから残り約700m地点の寺地遺跡の前付近でNさんを撮影するために待機する。メンバーに恵まれればNさんにも入賞のチャンスもあるので期待する。 前の方を走る選手はここまで30kmを走ってきたとは思えないような足どりで、私の目の前を過ぎ去っていく。練習が十分に積めて自信を持って臨んでいる感じがありありとわかる。入賞圏内の選手でも、後半の下り坂で飛ばしすぎたのだろうか、最後の最後に脚にきて大きくペースダウンして、私の目の前で後続の選手にあっけなく抜かれている選手もいた。この大会の30kmコースの攻め方の難しさを象徴している。 12時20分を少し過ぎたところで、Nさんがこちらに向かって走ってくるのが確認できた。足どりもよく元気そうだ。「Nさんガンバレ!もう少し!」と声を掛ける。ややテレ気味に手を挙げて応えるNさん。 今回のこのコース、この寺地遺跡から青海中学校へは、北陸本線の下を歩行者と自転車のみ通行できる近道がある。小走りでゴールの青海中学校へ先回りして、Nさんのゴール写真を撮らねばと急ぐ。 かろうじてNさんのゴールには間に合いその瞬間を撮影することができた。 軽快そうに見えたNさんであったが、ゴールしたときには汗びっしょり。この30kmのコースはやはりタフなコース。「前半もう少し行けばよかったかなあ」と語るNさん。本人もやはり入賞を狙っていたようで、少し残念そうな表情。 優勝も入賞も相対的なもので、今日はたまたま私より速い同年代の選手がいなかっただけで私は優勝しただけ。Nさんの30km部門には強い選手が多かっただけだと思う。Nさんのタイムは決して悪いタイムではなく力を出し切ったタイム。よく頑張られたのではないだろうか。
オススメの大会 さて、この大会は今回が過去最高のエントリー数だったようであるが、それでもエントリー数が1,000人にも満たない小規模大会だ。参加者が少ないのはジョギング部門がないことが大きな理由かもしれない。 しかしながらこの大会は随所に実行委員会の素晴らしい気遣いがあり、是非ともオススメしたい大会なのでその理由を紹介する。 @コース まずは何といってもこのコース。コースは旧青海町を満喫できる変化に激しい30kmコースから、18km、10km、5kmと走力にあわせて4種類から選ぶことができる。 A入賞は各部8位まで 各部8位までの表彰なので、入賞のチャンスがたくさんある。 Bゴール後のお迎え ゴールすると係員さんが、冷たいスポーツドリンクを手渡しで持ってきてくれる。疲れて帰ってきたときに嬉しい。また、多くの係員が拍手で迎えてくれるのは素晴らしい。 Cミニプール 今日のように蒸し暑い日に重宝したのがミニプール。入るにはちょっと小さかったが、ゴール後に頭から水をかぶるランナーの多かったこと・・・。 D参加料は2,500円 最近の参加料の相場が3,000円のところ、頑張って2,500円に押さえている。それでもって参加賞は、バスタオルのほか、前述のヒスイラーメン、無料入浴券、缶ジュース(250ml)、スポーツドリンク(500ml)と数が多い。特に無料入浴券は、市内の3施設で利用できるもので非常に重宝できる。
本日の戦利品
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