第18回ヒスイの里山岳マラソン 参戦記
 今回は走友のNさんから「30kmに出場する予定なので、一緒に行きませんか」とお誘いがありました。私一人ならば、車中泊をするつもりでしたが、せっかくのお誘いでしたので二人で楽しめるように行程を組んでみました。行程を組む作業というのは楽しいですね。
 Nさんにも十分楽しんでいただけたようで、無事家に帰ってきてホッとしたところであります。

 さて、大会の方ですがこの大会のウリはもちろん高低差650mの30kmのコース。(正式には31.45kmのようです)
 私は車で30kmコースの折り返し地点まで行っただけですが、それはそれはなかなか走りがいのあるコースでした。
 私の出場した10kmコースは「スタート〜5km」で50mの登り。それに対して30kmコースは5km〜15.7kmで600m登っていくわけですから、ここだけで平均斜度が5.6%。全てロードですので、富士登山駅伝に出場するロード区間の選手にはちょうどいい練習かもしれませんね。

 10時ちょうどの30km部門のスタートを見送り、私の10km部門が10分後にスタート。この日の新潟県糸魚川地方は晴れ渡り蒸し暑い天気。ペースも上がらず苦しい展開でしたが、若い人に交ざって総合4位戻ってきました。新潟県でのランニングの大会は初参加でしたが、苦しいながらも年代別優勝を飾ることができました。
 
 参加者は800人弱のこぢんまりとした大会ですが、大会の運営も上手。スタッフもしっかりしてますし、コースも味わいのあるコース。参加料も2,500円にもかかわらず、立派なバスタオルがもらえます。また、入賞は各部8位までと入賞しやすいのもこの大会の特徴です。大都市からやや遠く地の利の悪さはありますが、味のある大会を探している人には間違いなくオススメの大会だと思います。
 
●大会名 第18回ヒスイの里山岳マラソン大会
●開催日 平成22年6月20日(日)
●コース
 /大会要項
 /プログラム
青海中学校発着(地図)(新潟県糸魚川市) 

大会要項

プログラム

地図
いずれもクリックすると拡大します
●天 候 晴れ、気温25℃くらい
●参加賞 バスタオル、ヒスイラーメン、無料入浴券、缶ジュース(250ml)、スポーツドリンク(ペットボトル/完走後)
●結 果 37分04秒(10km:一般男子45歳以上 優勝、総合第4位)
●表彰 賞状、米5kg(コシヒカリ)、硬玉ヒスイ
●過去の戦績 初出場
●交通手段等
(往路) 自宅6:45〜地下鉄・本山駅〜名古屋IC〜(東名・名神・東海北陸・北陸道)〜有磯海SA(昼食)〜親不知IC〜(一般道)〜会場11:48(コース下見/試走)14:42〜フォッサマグマミュージアム(見学)〜民宿・親和丸17:30(泊)
(復路) 民宿・親和丸7:47〜会場8:02−(【第18回ヒスイの里山岳マラソン 10km 10時10分スタート】)−会場13:16〜(給油/昼食)〜親不知交流センターまるたん坊(入浴)〜親不知ピアパーク(買物)〜親不知IC〜(北陸・東海北陸・名神・東名高速)〜名古屋IC〜地下鉄・本山駅〜自宅19:31
●費用
参加料 2,500円  
燃 料 8,128円   764.7(km)/12.7(リットル/km)×135(円/リットル)
高速料金 2,000円
 ( ETC割引/名古屋〜親不知 1,000円)
 ( ETC割引/親不知〜名古屋 1,000円)
見学料 500円  (フォッサマグマミュージアム)
宿泊 7,613円  (民宿・親和丸/1泊2食/ビール2人で3本含む。)
入浴料 0円  (親不知交流センターまるたん坊/無料入浴券使用)
交通費割勘 ▲6,000円  (Nさんと交通費割勘分)
合 計 14,741円  
●種目、参加者数(申込人数) 及び 各部優勝者
  (10km 一般男子45歳以上は8位まで) (
★は加藤が参加した部門
【30km(31.45km)−10時00分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 年齢 住所 所属 記録
一般男子44歳以下 114人 斉藤 真也 38 長野県   2゜04’26”
一般男子45歳以上 133人 高橋 英雄 50 神奈川県 ころちゃんず 2゜04’42”
一般女子44歳以下 20人 牧野 恵美子 39 糸魚川市 チーム☆マキノ 2゜20’39”
一般女子45歳以上 16人 中島 三智子 52 京都府 金曜走ろう会 2゜43’32”
【18km(18.80km)−10時05分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 年齢 住所 所属 記録
一般男子44歳以下 46人 室山 智 18 糸魚川市 能生RC 1゜10’56”
一般男子45歳以上 71人 清田 克司 47 富山県 黒部ランナーズクラブ 1゜12’06”
一般女子44歳以下 8人 小倉 加奈代 34 石川県 オレンジウインド 1゜37’28”
一般女子45歳以上 12人 井田 美喜子 53 富山県 朝日RSC 1゜29’26”
【10km−10時10分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 年齢 住所 所属 記録
一般男子44歳以下 53人 田中 公人 31 新潟市 豊栄駅伝クラブ 34’35”
★一般男子45歳以上 70人 加藤 一郎 48 愛知県 名古屋市役所走友会 37’04”
木下 誠 45 大阪府   38’20”
奥永 伸一 45 上越市   39’33”
奥田 八州男 47 富山県 相原高校 40’22”
萬年 義久 55 長野県   40’37”
小林 一朗 55 上越市 共栄電工健美会 40’50”
古田島 茂 49 群馬県 沼田南中 40’57”
萩原 浩 55 富山県   42’51”
一般女子44歳以下 6人 渡辺 真由美 40 糸魚川市 チームらんちゅう 39’20”
一般女子45歳以上 20人 船屋 志保子 48 富山県  朝日RSC 44’11”
【5km−10時15分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 年齢 住所 所属 記録
一般男子 26人 佐々木 剛 39 富山県 かもしかクラブ 17’25”
一般女子 18人 饒村 里緒 16  妙高市 関根学園 20’57”
中学生男子 32人 八木 孝平 14 上越市  中郷中学校 19’14”
中学生女子 9人 梶谷 みさき 14 長野県  小谷中学校 21’56”
【2km−10時20分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 年齢 住所 所属 記録
小学生男子5・6年 44人 宮崎 航 11 富山県 AC富山jr 11’04”
小学生女子5・6年 21人 庵 悠紀 11 富山県 ACトヤマjr 12’02”
小学生男子3・4年 31人 日置 直斉 10 福井県  三国南小学校 12’04”
小学生女子3・4年 22人 松原 亜純 愛知県  星の宮小学校 11’50”
総合計 772人  

Nさんとの1泊2日の旅
 国盗りも「30」を超え、”ランニング”と”トライアスロン”はやはり分離してカウントしようと考えたため、未制覇の新潟県に出かけることを計画した。新潟県は、面積が大きいせいか比較的大会の数も多く年間を通じて出かけやすい。

 6月とやや蒸し暑い時期ではあるが「ヒスイの里山岳マラソン大会」という面白そうな名前の大会がある。おまけに表彰の年齢区分が「45歳以上」となっている。先月48歳になって「40歳以上」という年齢区分では入賞はできても優勝するのが易しくなくなって来ているので、この年齢区分は魅力的だった。大会要綱を取り寄せ、4月12日に申し込む。

 すると4月19日、このサイトの愛読者であり走友のNさんから「一緒に行きませんか」とメールが来る。もちろんOK。道中は同士がいるほうが楽しい。
 出場種目は、私が10kmに対し、Nさんは30km。走った後の疲労のことを考えれば、明らかに私のほうが少ない。そのため「車を出しますよ」というNさんの申し出を断り、私の方で車を出して出かけることにする。

 大会前日の土曜日、地下鉄・本山駅で待ち合わせをし東名・名古屋ICから東海北陸自動車道を経由し糸魚川へ向かう。大会会場までは、5時間近くの時間がある。車中では、お互いの練習方法、仕事のこと、家族のことなど、走ることをどのように生活の中で組み立てているかということを中心に話が進む。

 Nさんは、私より2つ年上。フルマラソンを中心にランニングの活動をされている。
 フルマラソンを走るには、ある程度の練習時間(距離)が必要となる。そのために、仕事もそっちのけ、家庭生活そっちのけで一日の多くの時間を走ることに注いでいるというもいるが、Nさんはそういうタイプではない。独身で、時間を余なく使える独身者ならいざ知らず、それなりの年齢になってくれば仕事にも責任ある立場になるし、家庭があれば子どもたちの面倒を見なければならない。そういう中でいかに練習し、パフォーマンスを発揮するかというところに真骨頂がある。

 いろいろな話をしていく中で、Nさんとは共通点が多いこともわかった。お互いに、これからのランニングライフを有意義に過ごすためには、やはり一日を充実して過ごしていくのが一番と考えているようだった。

民宿・親和丸
 さて、今回はNさんと1泊2日の小旅行。
私一人であれば”車中泊”であったのであるが、せっかく誘っていただいたので楽しく過ごしたい。時間はかかったが、宿泊場所、観光場所などの計画を私のほうで立てさせてもらった。
一番大切な宿泊場所は、ネットでの書き込みなどを頼りにして、親不知にある「親和丸」にすることにした。今回この親和丸に決めたのは、ネットでのある方のこの「親和丸」の書き込みがすごかったからだ。この書き込みを読めば間違いなく宿泊したくなると思う。その書き込みの一部を紹介する。

 宿泊をするなら、親不知ICから車で約2分の場所で、現役漁師の方が経営している民宿「親和丸」(青海町大字外波261)が一番。親和丸は、部屋等の設備よりも新鮮な魚をおなかいっぱい食べたい方にお勧めの民宿です。(中略)民宿を切り盛りするおばちゃんは底抜けに明るく、相反するように漁師であるご主人の口数は少ないですが、笑顔で対応してくれる優しい方です。
 この宿をお勧めするポイントは、夕食の量が半端ではないことです。しかも、どれをとっても新鮮で美味しく、「ひらめ」や「あんこう」などの高級魚も普通に出てくる事があるので驚きです。私の感覚では、すべてがメインディシュ。5日分のメインディッシュがちゃぶ台に並んでいる感じです。直径約30cmの皿一面に盛り付けられた獲れたての4種類の魚の刺身、焼き魚1匹、煮魚1匹、「あんきも」たっぷりのあんこうなべ、ズワイガニ一杯、小鉢、沼津産コシヒカリのホクホクご飯。なぜこんなにたくさん夕食を出すのかとおばちゃんに聞けば、「美味しいものをお腹一杯食べてもらいたいから。20代の運動部の子がお腹一杯になることを想定してるんよ。」とのこと。2回程完食しましたが、食べた後はお腹がはちきれそうになります。通常はもったいないと思いながらもギブアップの連続です。余った夕食分でカニだけは、次の日の朝ごはんの味噌汁にしてもらっています。しかも宿泊料は、一泊7,500円。都会でこの食事をすると1万円以上しそうな感じがします。

 この方は、通常料金とは別に特別料理を頼まれのか、一泊7,500円であるが、私が電話で予約したときの返事は「一泊6,825円(6,500円+消費税)ですよ」とさらに安い料金提示。都会ならば、食事なしの素泊まりのビジネスホテルの料金クラスだ。

 この日の親和丸の宿泊は、私とNさんの2人だけ。完全に貸しきり状態。
 大人数の場合は、1階の食堂が夕食の場になるようであるが、今回は2階の寝床の隣の部屋にわざわざ料理を運んできてくれた。
 私らの食事中、1階から時々大きな歓声があがっていた。親戚か親しい人たちを呼んで自ら宴会をしていたみたいだった。
 ビールの追加のために1階に降りていって「ビール貰っていい?」と尋ねると、「ごめん、ビール自分で持って行ってね」と。今日は何やら私用で忙しいようだ。値段が値段だからまあ仕方がないか。悪気は無さそうだ。

北陸道・親不知ICから至近の民宿「親和丸」さん。すぐ南側は崖になっているすごい場所に立地。

この漁船が民宿の名前になっている「親和丸」。この船で日本海に漁に出て行くという。(食堂に飾られた写真)

これが夕食(2人前)。写真には写っていないが、左側のコンロには加えてふぐ鍋があります。完全に魚づくし。
 
こちらが朝食。ごはんの上のものは「アラ汁」です。
 さて、写真は今回の宿泊の際に朝晩に出てきた料理である。とにかく魚三昧。それもそのはず。親和丸とはこの民宿の漁船のこと。つまり自ら漁をして獲れた魚のうち市場に流さなかった一部のものを民宿で客に振舞うようにしているようである。したがって、その日に出てくる魚は、漁によって左右されるようだ。それはそれで面白い。二日間、魚三昧だったがとても良かった。味といい、料理の方法といい。やはり地元のものを食べられるのが一番。個人的にはホテルで高い金を払って泊まるよりも、こういうところで泊まる方が好きだ。

 今回泊まった「親和丸」。あの魚のボリュームであの値段。「コストパフォーマンスがよく満足したい」方には、絶対お勧めの宿であることは間違いない。

糸魚川はフォッサマグナとヒスイの街
 前日の観光は、コースの試走と練習の時間を考慮し、”時間があれば”という条件付で「フォッサマグナミュージアム」に行くことにした。

これがフォッサマグマミュージアム。平成6年に糸魚川市の美山公園内に造られた比較的新しい施設。
このフォッサマグナミュージアムは、@フォッサマグナに関する展示、A糸魚川やその周辺地域から産するヒスイや色々な鉱物、化石、岩石を展示、B世界中の鉱物、化石を展示しているので、子どもたちにも教育上見せてやりたい施設でもある。
 「フォッサマグナ」とは、ラテン語で、「大きな溝」という意味らしい。
 日本の陸上部分を、おもに中生代・古生代の古い時代の岩石でできた一枚の岩と考えると、糸魚川から静岡の方へほぼ南北方向だけは、えぐられたような溝あり、その上に新生代の新しい時代の岩石がつまっているとのこと。この溝のことをフォッサマグナと呼んでいる。

 また、「糸魚川−静岡構造線」というのは、このフォッサマグナの西縁の境界面のことを指している。「フォッサマグナ 」=「糸魚川−静岡構造線」ではないですよと、フォッサマグマミュージアムで説明書きがあった。

 フォッサマグナなんて小学校の授業以来。フォッサマグナだけをテーマに博物館を構成するのは難しいと考えたようなのか、この博物館はファオッサマグナを中心テーマに「岩石」、「化石」そして地元で有名な「ヒスイ」へとテーマを変えながら構成しています。上手な流れですね。
 ただしこの博物館の場所が悪いのか、訪れた時間帯がたまたま悪かったのか、私たちが訪れた時間帯には館内はガラーンとして見学者が少なかったですね。展示物もよく集めてあるので、子どもたちを連れて見学に行っても楽しめる施設ですね。

野生動物三昧コース
 大会前日の正午前、メイン会場の青海中学校に到着しスタート会場の下見をしていると、大会実行委員の方々が挨拶をしてくる。
  実委  「こんにちは。どちらからですか?」
加藤 「名古屋からです。コースの下見をしようと早めにやってきました。」
実委 「遠いところからありがとうございます。下見にいくなら、大会プログラムがありますからどうぞ。明日は明日で受付で配りますからお使い下さい。」
加藤 「ありがとうございます。ところでみなさんは・・・」
実委 「地元の走友会のメンバーです。私たちが練習で使っているコースで面白いんですよ。それでみなさんにも走ってもらいたいと思って大会を始めたんですが、自分たちが(運営に廻ってしまい)走れなくなってしまいましたね。」
加藤 「そうですか。それはご苦労様です。」
実委 「昼からコースの設営に出かけますが、分かり易いコースですよ。ただし、このコースは動物がたくさん出てくるので注意してくださいね。熊、鹿、猿、イノシシ、タヌキをはじめいろんな動物が住んでいますよー。」
加藤 「そうですか。それは楽しみだなあ。ありがとうございました。」
 こんな様な会話をしてコースの下見に出かける。 気さくな実行委員のおかげで、大会前日にパンフレットまで入手できた。後述するが、この大会は、運営側の非常に気が利いている。手際もよいが、選手たちが臨むような形の運営が素晴らしい。詳細は次の「オススメの大会」で説明する。

 さて下見であるが、Nさんが明日は30kmを走るので、折り返し地点の大平峠まで往復するが、往きの道中ではタヌキと猿が、帰りの道中では親子連れの猿2ペアのほかに道路で餌を頬張る猿の群れを見た。やはり実行委員の話の通り。

 また、この会場付近は現在は糸魚川市であるが、平成17年3月に糸魚川市と合併するまでは旧西頸城郡青海(おうみ)町だったところ。この辺りは石灰石が豊富に採れることもあり、大正10年に電気化学工業・青海工場が操業している。 コース中はこの電気化学工業(デンカ)・青海工場のすぐ横を通る。

 青海川の景色を楽しみ、動物たちとの出会いを楽しみ、坂に苦しむなど、このコースは旧青海町を十ニ分に堪能できるコースではないだろうか。ただし30kmコースは上りも下りも厳しいコースであるので、十分に練習した上でのご参加を・・・。

スタート場所は、青海中学校のこの正門

スタートして150mほど先の交差点を左折します。

建設中の北陸新幹線の下を通り、さらに北陸本線の下をくぐります。

北陸本線の下をくぐった後、最初の交差点を左折します。

左折してから1kmほどはほぼ直線です。

交差点左奥は「きらら青海」。ここを左折し、今度は北陸本線の上を越えます。

JR青海駅の南にある短いトンネルを抜けます。

トンネルを抜けて最初の交差点を左に曲がります。突き当たりの交差点まで行ってはいけません

交差点を曲がってしばらく商店街の中を走りますが、その間に5kmコースの折り返しがあります。写真奥に見えるのは、北陸自動車道と建設中の北陸新幹線です。

こちらが大正10年から操業している電気化学工業・青海工場。この町の中心企業としてこの町を支えてきている。

コースからはこの電気化学工業の正門前も通っていきます。

序盤は緩く上っているコース

青海川を渡ります。奥に見えるのは電気化学セメント工場。日本海沿岸では最大のセメント工場です。

10kmの部は、ここが折り返し。電気化学セメント原石事務所前です。標高約60〜70m。

ここから先は民家もほとんど無く、しばらくは左手に青海川を見ながら進みます。

黄色い看板はリサイクルセンター。こんな山奥にあるんですね。ここはそのまままっすぐ。

この大会の時だけでしょう。人が少なく応援も多分ないようなところなので横断幕が設置してあります。「ヒスイの里山岳マラソン みんなガンバレ 橋立区」と書いてあります。

車が一台分しか通れないような狭いところもあります。

ここにも横断幕。内容はさきほどと同じ。

だんだん坂が厳しくなってきました。

ここは18kmの折り返し地点です。18kmコースは実際には18.8kmですので、スタートからは9.4km地点となります。標高約200m。

下見をしたこの日は、この辺りから霧が立ちこめてきました。登り坂はさらに厳しくなってきます。

途中に展望台がありましたが、この日はまったく何も見えませんでした。

ここがスタートから15km地点。30km部門は31.45kmなので、折り返しの大平峠まであと700mほどあります。

ここが大平峠です。富山県側から親不知を通らずに糸魚川に入ることができる唯一のルートだそうです。標高約650mほどです。

写真中央が折り返し地点。大平峠では道路が3分岐していましたが、1つは通行止めになっていました。

Nさんはここからゴールまで実際に試走されました。見ての通り、前日は昼間なのに霧が立ちこめていました。

自然豊かなコースですね。

18kmの部の折り返し地点まで下ってきました。

この辺りで猿の親子を2ペア見ました。写真には残念ながら写っていません。

この辺りでは猿を4〜5匹見ましたが・・・。

再び青海川が右から迫ってきます。山あいの道を走っていることがよくわかります。

再び10kmの部の折り返し。残り5kmです。

左にはセメントや石灰石を運ぶのでしょうか。電気化学工業の鉄道線路が見えます。

左は線路、右は貯水槽があり少し狭いところを走ります。

ちょうど石灰石を山積みにした貨車が通っていきました。

青海工場で石灰石から採れる副産物でしょうかCO(一酸化炭素)を供給するパイプラインがあり、その下を走ります。

こちらはアセチレンの導管。ちょっと危険なガスをパイプラインで運んでいますね。この先の北陸自動車道の下を再びくぐります。

先ほどの商店街の間を通り・・・、

北斗町の交差点を右折します。

先ほどのトンネルを再びくぐります。大会当日はヒンヤリして気持ちがよかったですね。

トンネルを抜けると残り2km。この先再び北陸本線を超えるので、少しばかり登り坂になります。

北陸本線を超えてすぐの最初の交差点を右折します。

緩く下ると残り1kmの看板。

道路の横断幕が再び見えてきました。もう少し先で右折の目印。

ここを右折。

右折し北陸本線下、建設中の北陸新幹線の下をくぐります。

北陸本線をくぐったあと最初の交差点を右折。もうゴールはすぐそこ。

スタート場所の青海中学校正門がそのままゴールです。30kmコースは走りがいがありますね。

レース前
 前日は、魚三昧にスーパーで買った缶ビール(500ml)を私とNさんとそれぞれ1本軽く平らげ、結局その後民宿・親和丸で瓶ビールを3本追加し二人で飲んだ。私もこの程度では全然大丈夫だが、Nさんもまったく平気のようだ。
 話は変わるが、ランナーやトライアスリートは、よく食べよく飲みよく練習しよく寝るタイプが多い。特に強い連中は顕著。いろんなことに神経質にならずにタフでなければならない。特に胃腸が強いというのは大切な財産。走ることを鍛える以前に重要なことだ。これまで特に胃腸に障害を起こしたことがないので、生んでくれた親には感謝している。

 さて、昨日は適当に飲んで風呂に入って、サッカーを見ているうちに寝てしまった。Nさんも仕事が忙しく、やや慢性的に睡眠不足のようで、私と同様にうとうとしてしまったようだ。朝起きると、久しぶりに「よく寝ました」と言っていた。

 民宿・親和丸の朝食、会計を済ませ、午前8時前に会場に向かう。
 昨日の泊まり客は、私たちの2人のみ。昨日、迎えてくれたおばちゃんが今日はお見送りだ。ネットでの書き込み通り明るいおばちゃん。このおばちゃんが気に入って、再びやってくるリピーターもきっといることだろう。「元気で走れるようにね」と、ペットボトルの水を1本ずつもらう。金額ではたいしたことはないが、気遣いが嬉しい。Nさんと一緒に「お世話になりました」とお礼を言って親和丸を後にする。

 民宿・親和丸から会場の青海中学校までは、国道8号線で15分ほど。しかしこの15分のうち大半は、断崖から日本海を眺める景色だ。
 北陸道最大の難所である親不知子不知を、昨日の下見を含め2往復することになるが、ここに国道8号線及び北陸自動車道を通す工事は、何度通ってもすごい工事だったことは容易に想像できる。ここを開通させた先人の遺業に敬意を表したい。

 会場の青海中学校には、既に多くのランナーがやってきていた。昨日はフリーで止められた駐車場にも多くの車が停まっている。わずかなスペースを探して車を停める。次に体育館そばの受付でナンバーカードなどをもらい体育館に陣取る。

 今日は梅雨時にもかかわらず雨が降りそうもない。雨がザーザー降る中を走るのは、気持ちが萎えるので晴れている方がいいが、今日は走る前から蒸し暑い。ウォーミングアップで5kmほど走ってきたが、ゆっくり走っただけで大量の汗が噴き出てくる。条件はみな同じとはいえ、苦しいレースになることが十分予想された。

国道8号線青海川にかかる橋の上から。富山方面はご覧の通り、断崖絶壁だ。

受付は種目ごとに行われる。

スポーツショップの他に鱒の寿司のの弁当屋なども出店。参加者の割には賑やかである。

控室で開放された体育館。8時過ぎはこの程度であったが、時間が経過するにどんどん混雑しはじめた。

参加賞のひとつの「ヒスイラーメン」の引き替えは体育館で行われた。

ラーメンはヒスイのように薄いグリーンの色をしている。ホウレン草を混ぜて色を出している。

レース

30km部門のスタート前の様子
 10時ちょうどにNさんの30kmの部、それ以降は5分ごとに、18kmの部、10kmの部、5kmの部、2kmの部の順にスタートとなる。この大会は、距離の長い順にスタートが切られていく。スタート順としては順当なやり方だ。

 30kmの部には280人ほどがエントリーしている。30kmの部を走るNさんもスタート前はやや緊張した面持ち。この時期の気温等を考慮して、フルマラソンくらいのペースでレースを進めていくと語られていた。2時間を超える長丁場になることが予想されるが、頑張って欲しいと思う。

 さて、Nさんのスタートを見送り、10分後に自分の出走する10km部門がスタートする。こちらはエントリーが30km部門の約半分の150人弱。スタート場所の混雑もなくすっきりしているのがいい。

30kmの部がスタートした

 10時10分に今度は10kmの部がスタートする。
 スタートしてから4人ほどが先行して飛び出すが、しばらくするとその後ろには5人ほどの集団ができる。一時期、この中に同年代の選手がいたが2kmほど走ると視界から消えていた。

 先行していた選手も2人と1人+1人に別れ出し、2kmあたりで第4位を走る選手に追いつく。ここから折り返しくらいまではこの吸収した選手と私ともう一人で第4位グループを形成してレースを進める。
 前半はやや押さえていこうと考えていたが、いざ走り出すとあまり余裕がない。ペース的には3分40秒/kmくらいとと決して速くはないが、往路は上り、今日の蒸し暑さからするとこのペースでもなかなかきつい。

 折り返しに近づいていくと第3位を走る選手がだんだん近づいてくる。この調子ならしばらくして追いつけそうだなと感じる。

 昨日下見をした電気化学セメント原石事務所の10km折り返し地点をUターンする。ちょうど第3位の選手に追いつき一気に抜き去る。
 折り返し地点のタイムは18分31秒。今日は年代別で優勝することが目的なのでタイムは遅いがこの際度外視する。後続の選手と次々にすれ違うが、同年代の選手とは少し距離が開いている。後半頑張ればいけそうな感じだ。


寺地遺跡前を通過するNさん
 折り返してから今度は緩い下り坂。今走ってきた道を逆走する。
 第3位グループは往路で一緒に走ってきた3人。このうち最初に追いついた選手が崩れそうで崩れない。そうこうしているうちに逆に元気を取り戻したのか、ペースの上げ下げで揺さぶり出す。

 残り2kmくらいから彼がペースアップ。急激なペース変化にはこちらも対応できない。
 しかしながらその後は差が広がるわけでもなく、むしろ残り1kmくらいではやや縮まった感もあった。しかしながらその残り1kmくらいから再び彼はペースアップ。こちらも追いつきそうだったところでのペースアップだったのでギブアップ。ゴールでは7秒ほどの差を付けられて総合4位でゴール。しかしながら同年代の選手には1分以上の大差をつけて新潟県の国盗りを達成することができた。

 さて、表彰式を終えて時間も正午に近づいてくる。30km部門の選手がそろそろ戻ってくる時間になる。「遅くても12時30分までには戻ってきますよ」とNさんは言っていたので、正午過ぎくらいから残り約700m地点の寺地遺跡の前付近でNさんを撮影するために待機する。メンバーに恵まれればNさんにも入賞のチャンスもあるので期待する。

 前の方を走る選手はここまで30kmを走ってきたとは思えないような足どりで、私の目の前を過ぎ去っていく。練習が十分に積めて自信を持って臨んでいる感じがありありとわかる。入賞圏内の選手でも、後半の下り坂で飛ばしすぎたのだろうか、最後の最後に脚にきて大きくペースダウンして、私の目の前で後続の選手にあっけなく抜かれている選手もいた。この大会の30kmコースの攻め方の難しさを象徴している。

 12時20分を少し過ぎたところで、Nさんがこちらに向かって走ってくるのが確認できた。足どりもよく元気そうだ。「Nさんガンバレ!もう少し!」と声を掛ける。ややテレ気味に手を挙げて応えるNさん。
 今回のこのコース、この寺地遺跡から青海中学校へは、北陸本線の下を歩行者と自転車のみ通行できる近道がある。小走りでゴールの青海中学校へ先回りして、Nさんのゴール写真を撮らねばと急ぐ。
 かろうじてNさんのゴールには間に合いその瞬間を撮影することができた。

 軽快そうに見えたNさんであったが、ゴールしたときには汗びっしょり。この30kmのコースはやはりタフなコース。「前半もう少し行けばよかったかなあ」と語るNさん。本人もやはり入賞を狙っていたようで、少し残念そうな表情。
 優勝も入賞も相対的なもので、今日はたまたま私より速い同年代の選手がいなかっただけで私は優勝しただけ。Nさんの30km部門には強い選手が多かっただけだと思う。Nさんのタイムは決して悪いタイムではなく力を出し切ったタイム。よく頑張られたのではないだろうか。

ゴールするNさん。総合26位、年代別では10位で惜しくも8位入賞を逃された。

オススメの大会

 さて、この大会は今回が過去最高のエントリー数だったようであるが、それでもエントリー数が1,000人にも満たない小規模大会だ。参加者が少ないのはジョギング部門がないことが大きな理由かもしれない。
 しかしながらこの大会は随所に実行委員会の素晴らしい気遣いがあり、是非ともオススメしたい大会なのでその理由を紹介する。

@コース
 まずは何といってもこのコース。コースは旧青海町を満喫できる変化に激しい30kmコースから、18km、10km、5kmと走力にあわせて4種類から選ぶことができる。
A入賞は各部8位まで
 各部8位までの表彰なので、入賞のチャンスがたくさんある。
Bゴール後のお迎え
 ゴールすると係員さんが、冷たいスポーツドリンクを手渡しで持ってきてくれる。疲れて帰ってきたときに嬉しい。また、多くの係員が拍手で迎えてくれるのは素晴らしい。
Cミニプール
 今日のように蒸し暑い日に重宝したのがミニプール。入るにはちょっと小さかったが、ゴール後に頭から水をかぶるランナーの多かったこと・・・。
D参加料は2,500円
 最近の参加料の相場が3,000円のところ、頑張って2,500円に押さえている。それでもって参加賞は、バスタオルのほか、前述のヒスイラーメン、無料入浴券、缶ジュース(250ml)、スポーツドリンク(500ml)と数が多い。特に無料入浴券は、市内の3施設で利用できるもので非常に重宝できる。

ゴール後のお迎えは嬉しいですね。飲み物を持って係員さんが寄ってきてくれます。

今日のような蒸し暑い日には好みにプールがありがたかった。ホースで水をかぶる人、ひしゃくで水をすくって体にかける人がたくさんいました。

こちらはレース後に無料入浴施設に指定されていた3つの施設のうちのひとつの「親不知交流センターまるたん坊」。天然温泉ではありませんが、心遣いがいいですね。

「親不知交流センターまるたん坊」から見る日本海の景色は素晴らしいものでした。

本日の戦利品

左から「糸魚川産のヒスイ(研磨したもの)」「賞状」「米5kg(コシヒカリ)」。やはり食べ物は嬉しいですね。