第23回加古川マラソン大会 参戦記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
往復ともに高速バス 毎度お馴染みの交通手段のご披露。 今回でかける歳の交通手段については、9月に「第13回山の村だいこんマラソン大会」に一緒に出かけた走友のNさんから「12月は青春18きっぷもあるし、名古屋からならバスもあるしどちらでもいいですよ」とあらかじめ説明を受けていた。 当初は、青春18きっぷを使用する予定であったが、金券ショップでの購入から流通が不安定であること、また価格的に2回使用分のみのものは金券ショップの市場価格が意外と高く、高速バス+JRの乗り継ぎとと料金的に大差がないことがわかったため、12月に入り高速バスを利用することに急遽変更した。 名古屋から京阪神方面への高速バスは、1時間あたり2〜3便程度の本数がある。 今回の目的地が加古川(宿泊は西明石)なので、なるべく西に行くバスが好ましい。名古屋駅からは、三ノ宮バスターミナルを経由しポートピアホテルに行く便が片道で6便ほどあるのでこれを利用することにした。6便のうち名鉄バスが3便、西日本JRバスが2便、JR東海バスが1便運行している。今回は、たまたま往復とも名鉄バスの運行する便であったが、乗車率は30〜40%程度で気持ちよく座れる程度の混み具合であった。 道路混雑状況によって遅延の発生することがあるものの、今回は往路で9分、復路で10分のみの遅れであり十分許容範囲。この程度の遅延ならば、乗り換えがないバスというのは非常にありがたいものであった。
西明石リンカーンホテル 今回宿泊をした「西明石リンカーンホテル」を紹介する。 もともとこのホテルは、前出のNさんに紹介していただいたもの。Nさん自身が、過去に加古川マラソンに出場された際に利用されたところだそうだ。 実際に宿泊しこのホテルで朝食を食べていると、私と同じように加古川マラソンに出場するランナーらしき人が6人ほど朝食を摂っていたところからも、加古川マラソンに出場するランナーにとってこのホテルのニーズがあることがわかる。 この「西明石リンカーンホテル」の位置であるが、JR西明石駅の新幹線口近いほか、在来線の西明石駅までも決して遠くない。 このホテルの凄いのは、宿泊料金が4,750円(エコノミーシングル)にもかかわらず、この金額の中には何と夕食と朝食が含まれているということ。9Fのカラオケラウンジと同じフロアの「ミッドナイトシングル」というプランならば、何と3,950円で夕食と朝食まで付いている。さすがにフルマラソンの前日で体調管理を優先させたかったので最安値プランは避けたが、それでもいいというチャレンジャーにはお勧めだ。 その夕食であるが、このホテルの2Fに食事処「月とうさぎ」というところで夕食、朝食ともに食べることになっている。カウンターと椅子席のある店で、合わせて20〜30人くらい入れそうだった。 夕食を食べるためにこの店に入ったときは、すでに4人ほどが食事をしていた。どうも常連さんらしい。ここでの食事はバイキング形式ではなく、一人分ずつお盆におかずが用意されていて、ご飯と味噌汁(この日はアラ汁だった)はセルフサービスという方式になっている。 また、お盆にのったおかずはお盆ごとに異なっていた。ざっと見た感じで3〜4種類、魚ものが多かったが。あり合わせの材料で作ったのか、それとも客に選択を楽しませるためなのかはわからないが、遅めに食事を摂りに行くと選択できないという難点がある。 「外食での夕食はちょっと贅沢に」という期待感でこの店にはいると、がっかりするかもしれないが、料金のことを考えるとこんなものかと思えばうなずける。決して、ボリュームのあるものでもなく、高級食材を使用しているわけでもなく、どちらかといえば質素な感じだ。 Nさんには「おかずは貧弱だから気にしないで下さい」と言われていたので、このことかと思った。とはいえ金額が金額だから贅沢は言えない。おかずが足らないという方には、壁に単品メニューもあり追加料金を払えばOKだ。
私は、エコノミーシングル(4,750円/新幹線側)というプランで宿泊をしたが、これは新幹線側の部屋。一時間に数本、西明石駅を通過する新幹線の騒音が凄い。西明石駅に停車する新幹線の場合は静かであるが、通過時はなかなかの音だ。この音に耐えられないという方は、スタンダードシングル(5,500円/海側)にした方がいい。建物も古いが9Fには大浴場もあり、トータルでみればリーズナブルなホテル。Nさん紹介ありがとうございました。 加古川マラソン 加古川マラソンは、今回で23回目の開催。平成の和暦と同じ数字なので覚えやすい。 さて、この加古川マラソンであるが、会場で配布された大会プログラムによると、第1回大会〜第14回大会までは「ハーフマラソン」をメイン種目としていたが、平成15年に日本陸連公認の常設マラソンコース「兵庫県加古川河川敷マラソンコース『加古川みなもロード』」が整備されたことに伴い、第15回大会からフルマラソンがメイン種目となっている。 ただしこの第15回大会は、フルマラソンとハーフマラソンと両種目開催したものの、コース途中で「フル」と「ハーフ」のランナーがスムーズに交差できないことが課題となり第16回大会以降はハーフマラソンが廃止となり、フルマラソンがメイン種目となって今回まで続いている。 かつてそのハーフマラソンがメイン種目の時代の平成11年に、この加古川マラソンに一度エントリーしたことがあったが、何かの都合で欠場している。私にとってこの加古川マラソンを走るのは今回が初めてとなるわけだ。
加古川マラソンにエントリーした理由 今年2月の別大マラソンを欠場したので、フルマラソンを走るのは実に1年10ヶ月ぶりになる。練習ではそれなりに走れても、本番は本番。走ってみないとわからないところも多い。 さて今回加古川マラソンにエントリーした理由であるが、3時間00分00秒以内(いわゆるサブスリー)の記録を出し、向こう2年分の別大マラソンのカテゴリー2の参加資格を得ることにある。 目標が低いという人もいるけれど、来年(平成24年)2月の別大できちんと走れる保証もない。仮に来年2月の別大マラソンでサブスリーが達成できないと、またどこかで追試を受けることになる。 今年の別大マラソンの募集期間は、カテゴリー2(サブスリー)は、9月20日〜11月25日。 来年以降もほぼこのタイミングで募集があると仮定すると、翌月の3月のマラソンでは別大後に急遽エントリーしようにも既に募集が締め切られている。また、4月〜10月はマラソンを走るのに適したコンディション(特に気温)ではない。11月上旬も急に暑くなることもあり同じくコンディションとしては不安定。募集期限が11月25日となると、1年先のことを考え11月下旬から2月末くらいの大会で参加資格を確保することが望ましいのではないだろうか。 今回かつて出場した河口湖マラソン(平成23年11月27日開催)も候補にあったが、同じ日に宮城県の国盗りのため第26回カッパハーフマラソンに出場することを優先したため、今回、加古川マラソンにエントリーしたわけだ。 レース前半 スタート時間が早いので、できる限り早目に行動したのであるが、会場に到着したのは7時52分。スタートまでの時間は1時間半ほどあるが、いかんせん今回この大会のエントリーは5,376人。そのうちフルマラソンのエントリーが3,410人。トイレに行ったり荷物を預けたりするにでも、どうしても待ち時間が長くなるので、この1時間半というのは、意外と短い時間だ。 この長時間におよぶトイレ待ちなどの時間は、大人数大会ならではといえばそれまでであるが、ストレッチ、ウォーミングアップなどにも時間を割かねばならないので、効率よく準備をしなるべく待ち時間を減らしたい。私が大人数大会を敬遠している一番大きな理由だ。 今回フルマラソンの部門は、陸連登録者が9時35分スタート、一般が9時45分スタートとスタート時間に差を付けている。これはちょっと珍しいこと。いろいろ理由はあるだろうが、配慮に感謝する。 今回フルマラソンにエントリーした3,410人のうち、登録者のエントリーは男女併せて457人。スタートのロスがほとんどない気持ちのいい数だ。私は前から2列目に並ばせてもらう。「10秒前」の号令のあとピストルが鳴る。
走り出してしばらくすると後方で話し声が聞こえる。いやでも耳に入ってくるが、どうも一方的に話しかけているようだ。1分ほど続いていたが、そのあと小柄な女性ランナーが自分を抜いていく。第19回大会からフルマラソン女子の部で4連覇中の田中千洋さんのようだ。関西地方では有名人ランナー。だからといってピストルが鳴ってから話し掛けられるのは、当の本人にとって迷惑だろう。誰か知らないけれど、話しかけていた輩。話しをしたかったら、ゴールしてからすればいい。 しかしその田中さん、わたしよりペースが速い。少しずつであるが距離が開いていく。まあ、彼女と競走するのが今回の目的ではないので追うこともないが、彼女は2時間42分39秒で走りきり大会5連覇を達成している。小柄ながらたいしたものだ。 国道2号線、JR山陽本線、国道2号線のバイパス等の下をくぐり、日岡山公園を過ぎたところが5km地点。19分32秒。本来ならば、余裕で通過していかなければならないタイムであるが、今日の感触ではこのペースでは42kmを走りきれそうもない。気持ちペースを落として走ることにする。 ペースを落としたことにより、後ろからやってきたグループに吸収されるような形となるが、今日は時計は参考。あくまでも体感を優先してペースを作ることにしたので、ほとんどグループ走にはならなかった。 加古川大堰を左手に見ながら第一折り返しに向かう。 加古川マラソンのコースはほぼ平坦と言っても過言ではないが、このコースの唯一のアップダウンが、この加古川大堰への取り付け道路である。といっても高低差としては10mも無いのでアップダウンといえるようなものではないが、30kmを過ぎるとたかだか10mのアップダウンがきつく感じる。 単線のJR加古川線の下をくぐり、その先の10km地点を通過する。39分33秒。この5kmは、20分01秒と早くも5kmあたり20分を超えているが、今日はハイレベルな記録を狙っているわけではないでの、このくらいのペースなら「ヨシ」と考え走る。 10km地点のすぐ向こうには、「国包」の折り返しがある。 折り返しといっても大きなカラーコーンがあるわけでもなく、緩やかなループとなってランナーとは対向しないように配慮されている。ここから3kmほどスタート地点の方へ戻り、左折して先ほど通り過ぎてきた加古川大堰を越え対岸に渡る。 13kmあたりであろうか、後ろから明らかにペースが違う選手が後ろから一人追い抜いていく。ナンバーカードを見ると4桁の選手。私より10分遅くした一般の部のランナーだ。たった13kmで10分の遅れを挽回している。 13kmで私が概ね「13km×4分/km=52分」を要しているところを、彼は42分で走っていることになる。瞬間的に頭の中で計算はできなかったが、「42/13≒3.23分/km=3分14秒/km」というフルマラソンを走るにはとんでもないスピードだ(最後までこのペースで走りきると、2時間16分20秒ほどのタイムになる)。もちろんそんな選手は彼一人で、あとには誰もいない。 恐らく彼は、奥 龍将さん(大阪浪商→国学院大学)という選手でだろう。 2011年の箱根駅伝の9区を7位で走っているエリートランナーだ。2011年2月の丸亀ハーフも1時間04分50秒で走っている。この大会では2時間21分50秒で一般の部ではもちろん優勝している。 12月は福岡国際マラソン、防府読売マラソンなどの主要大会があり、2時間20分〜25分くらいで走る選手はエントリーしていないようなので、今回の登録の部の優勝者のタイムは2時間31分16分と2時間30分を切っていない。 それにしてもあと34秒で、危うく登録の部の選手全員が彼に追い越されることになる前代未聞の珍事になるところだった。誰かと賭でもしたのだろうか。 加古川を対岸に渡り、15km地点を59分21秒で通過。この5kmは19分48秒。まずまずのペースだ。 今日はJRの電車から加古川の街を眺めていたところ、遠くに見える煙突の白煙が真横にたなびいていたので風を覚悟していたが、思ったほど風は吹いていない。タイムには大きく影響するとは言い難いほどのものだ。むしろスタートしてから時間が経過するほど弱まってきたかもしれない。 それにしても、この大会のコースは同じ舗装でも、場所によってかなり舗装の痛み具合が異なる。下の写真のように縦にひび割れが入り走りにくいところがかなり多く目立った。一般道と違いランナーしか走らないような道路に多額の費用をかけて補修するのは、コストパフォーマンスが悪いかもしれないが、ここをマラソンコースとして大会を開催するのであれば、毎年少しずつでもいいのでぜひとも補修をお願いしたい。
加古川の左岸は堤防が西風を防いでくれているせいか、思ったよりも風の影響が無く走りやすかった。ここまで、給水をせずに走ってきたが、もうそろそろ後半に備えて給水を開始しておくべきと考え17.5km過ぎの給水ポイントで、この日初めての給水をする。もちろん水を選択。思ったよりも体は重い感じはするが、今のところまずまず順調に来ている。 20km地点の通過が1時間19分31秒。この5kmは20分10秒。何とかこのペースでゴールまで行きたいところだ。 30km以降はガタガタ 中間点を1時間23分59秒と、平均すれば辛うじて4分/kmを切るスピードでここまで走ってきている。相変わらず体は重い感じで、走りには余裕がない。今日はどこまで行けることやら・・・。 中間点を過ぎて少し走ると、既に23.7kmの「高砂」の折り返しから戻ってくる選手たちと少しずつすれ違う。高砂の折り返しで数えたところ、自分は53番目の位置にいる。そうそう、この「高砂」の第2折り返しも、「国包」の第1折り返しと同様にループになっている。Uターンしないというのは、走りのリズムを乱しにくいのでありがたい。 25kmの通過が1時間39分59秒。この5kmが20分28秒。ここでも辛うじて4分/kmを切っている。 この少し先だろうか、すれ違いざまに「加藤さ〜ん」と呼ぶ。名簿を見ていなかったので出場者の確認をしていなかったが、名古屋市役所走友会の練習にやってきている藤田さんだ。かぶり物をして走っている。突然のことで、相づちを打てずにそのまま行ってしまう(スミマセン)。 また、この辺りから10分後にスタートした選手が続々とやってくる。「3時間」と書かれたペースランナーの周りを数人のランナーが囲むようにして走ってきた。サブスリー狙いのランナー集団だ。こちらも余裕がないが健闘を祈りたいところ。 しかし今日の風は曲者だ。第2折り返しからは追い風になるかと思っていたが、意外と一定で吹いていない。地形的なことも関係しているのであろうか。 30kmの通過が2時間00分38秒。この5kmは20分39秒。ついに4分/kmを超えてしまったが、ここまでは想定内。この先どれだけ粘れるかが今日の課題だ。 体感的には少しずつきつくなってきた。ゴールまでは残り10km少々。余裕があれば35km過ぎてからペースを上げていこうと考えていたが、とてもそんな余裕はなさそうだ。 33kmを過ぎて、往路で通ってきた加古川大堰を再び迎える。このマラソンコースの中で、唯一のアップダウンらしいアップダウンだ。往路は13km過ぎだったので、この程度のアップダウンは負担と感じなかったが、さすがに復路は登るだけでも結構堪える。堰の途中で34kmを迎え、下った先で35km地点が現れる。
往路で通ってきた風景が次々と再現されていくので、ゴールが迫っていることが感じられる。 加古川の左岸を走っていたときは太陽が出ていたが、右岸に戻った頃から雲が多くなり日差しが無くなってきた。ペースが落ちていることもあるのだろう、腕なども寒く感じる。とにかく今日の目的は、3時間を切ってくること。多少のペースダウンは気にしないようにと自分に言い聞かせる。 しかしながら、5kmあたり20分台から21分台に落ち込んでいくと、後ろから私を抜いて行くランナーも増えてくる。とにかく、今日は他人とは競走せずに体をゴールに持っていくことだけを考えて走ればいい。 40km地点を通過したが、時計のボタンを押しただけでタイムを確認せずに通過した。5kmあたりで22分台に入っているかもしれない(実際には35km〜40kmは、22分29秒かかっている) この辺りから少しずつコース上に応援している人が増えてきた。とにかくゴールを目指し、脚を前に出すだけだ。 残り1km以上前からでも、ゴールの目印であるアーチがどんどん大きくなってきた。とにかく今日は、あそこにたどり着けば長い旅は終わる。
30kmあたりでは、「2時間51〜52分程度でまとめられそうかな」と思っていたが、4分30秒/kmまでペースが大幅に落ち込んでしまったので、2時間54分まで要してしまった。 レースペース走などの本格的なマラソン練習をしていないせいだろう。終盤までペースを維持できる脚作りが課題。練習時間の制約から考えるとやむを得ない面もあるが、そうは言ってもスタートラインに立てばみな同じ。別大マラソンまで残り一ヶ月少々。30km以降の落ち込みを無くしてゴールするための練習をしていくことになる。 |