第26回やまひこリバーラインマラソン大会 参戦記
 三度目の正直の大分県です。
 大分県は、昨年5月の「日本一山香エビネマラソン大会」、昨年12月の「千歳ひょうたん健康マラソン大会」と2度連続国盗りを失敗。4月以降、暖かくなると開催する大会が著しく減少するので、何とか3月中に国盗りを終えようと検討した結果、今回出場したこの大会にたどり着きました。
 公共交通機関で行けるところからやや外れていますが、宿泊しなければレンタカーを借りても費用的にはあまり変わらないこと、また、かつてから一度訪れてみたかった耶馬溪にも近いことも今回この大会を選びました。

 大会そのものは、練習会程度の非常に小さな大会でしたが、ゲストにソウルオリンピック10000m日本代表(予選9位)あの「松野明美」さんが来られて、一生懸命大会を盛り上げてくれました。
 大会終了後には松野明美さんの講演会があり、走ることになったきっかけ、ソウルオリンピックでの様子、バルセロナのマラソン選考で落選したこと、次男(ダウン症&心臓病)を産んでからの話など、これまで非常に苦労されてきたんだなあと大人にとっては非常に感慨深い講演会でした。

 
 
●大会名 第26回やまひこリバーラインマラソン大会
●開催日 平成23年3月6日(日)
●コース
 /大会要項

 /プログラム
コアやまくに発着(大分県中津市) →詳細地図

大会要項

プログラム

コースマップ

コースガイドはこちら
それぞれクリックすると拡大します
●天 候 雨、5℃くらい
●参加賞 タオル、豚汁、入浴券(やすらぎの郷 やまくに)、携帯ストラップ、アクエリアス(ペットボトル)
●結 果 17分52秒(5km) (総合第1位、男子40歳以上 第1位)
●表 彰 賞状2枚、楯、メダル
●過去の戦績 初出場
●交通手段等
  【3月5日(土)/1日目】
徒歩 自宅 18:57 自由ヶ丘駅 19:05
地下鉄 自由ヶ丘 19:07 本山 19:09 (名城線)
本山 19:11 名古屋 19:26 (東山線)
夜行バス 名鉄BC 20:10 中津駅前 5:17 (大分交通)
5:20
【3月6日(日)/2日目】
レンタカー 中津駅前 7:58 会場 8:42
【第26回やまひこリバーラインマラソン大会/5km−10時00分スタート】
レンタカー 会場 13:16
【昼食/入浴/羅漢寺〜羅漢寺橋〜競秀峰〜青の洞門〜耶馬溪橋見学】
中津駅前 18:30
夜行バス 中津駅前 22:00 名鉄BC 7:35 (大分バス)
21:50 7:40
【3月7日(月)/3日目】
地下鉄 名古屋 7:46 本山 8:02 (東山線)
本山 8:08 自由ヶ丘 8:10 (名城線)
徒歩 自由ヶ丘駅 8:10 自宅 8:20
※ 赤色の時刻は、実際に出発(到着)した時刻。青色の時刻は、出発(到着)予定時刻
●費用
 
参加料 2,000円  
地下鉄(名古屋市営) 520円 (自由ヶ丘〜名古屋/往復)
夜行バス 18,600円 (名古屋〜中津/往復)
レンタカー 4,489円 (オリックスレンタカー)
燃料 544円 (4リットル×136円)
入浴料 0円 (大会参加賞)
合 計 26,153円  
●種目、参加者(申込人数、★は加藤が参加した部門)及び各部門の優勝者
【10km−9時30分スタート】
区分 申込者数 優勝者氏名 所属 記録
男性40歳以上 34人 矢崎 和廣   37’14”
女性40歳以上 5人 楢原 梨栄子   50’57”
男性高校・一般 17人 高倉 靖広 中津市消防署 34’13”
女性高校・一般 3人 秋吉 有里   50’50”
【5km−10時00分スタート】
区分 申込者数 優勝者氏名 所属 記録
★男性40歳以上  31人  加藤 一郎 名古屋市役所走友会 17’52”
上ノ段 重男   19’27”
松下 泰久   19’41”
女性40歳以上 1人 木村 妃佐子 宇佐市走ろう会 29’06”
男性高校・一般 3人 掛橋 健一   23’55”
女性高校・一般 3人 土谷 奈緒美   30’50”
【3km−9時40分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 所属 記録
男性40歳以上 13名 成山 幸司   10’57”
女性40歳以上 1名 大橋 節子   21’07”
男性高校・一般 6名 原田 慎也 special 9’49”
女性高校・一般 2名 高野 舞   17’23”
中学生男子 9名 久富 辰祥 豊前市立八屋中学校 9’53”
中学生女子 10名 小林 絵梨菜 豊前市立八屋中学校 10’55”
【2km−10時05分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 所属 記録
小学生1〜3年生 26名 桃園  潤 三光陸上クラブ 8’15”
小学生4〜6年生 34名 本庄 優志 三光陸上クラブ 6’50”
総合計 198人  

三度目の正直の大分県
 大分県には、平成8年に別大マラソンに初出場してから非常に足を運ぶようになった。知人もいることもあるが第二の故郷のような気がする。別府温泉など、古きよき日本の面影が大分県にはあると思う。

 さて、大分県には別大マラソンで12回(今年は欠場)エントリーしているが、国盗りを意識して大分県に行きだしたのは昨年からだ。5月の「日本一山香エビネマラソン大会(杵築市)」、12月の「千歳ひょうたん健康マラソン大会(豊後大野市)」と連続して国盗り失敗。大分県は比較的マラソン大会の開催が多い県なので、暖かくなって大会回数が減る前に何とか国盗りを達成したかった。
 3月中にいくつか大会があったが、アクセスの悪いところが多い。その中で比較的アクセスがよかったのが、今回参加した「やまひこリバーラインマラソン大会」だ。「やまひこ」とは、このあたりを流れる山国川の「やま」と福岡県と境界を分けあう英彦山(ひこさん:1200m)の「ひこ」の文字を取って「やまひこ」というそうだ。
 名古屋から夜行バスで中津まで移動。中津からレンタカーを借りれば、スタート時間には間に合うと見込んでのエントリー。今回も往復夜行バスでの強行軍。慣れればどうってことはない。

往復ともに夜行バス。往きは土曜日の便なので乗車率は50%くらい。大分交通の運行。三木SAにて。

帰りも夜行バス。こちらは日曜便で満席。帰りは大分バスの運行。名鉄バスセンターにて。

早朝のJR中津駅。昨年5月以来久しぶりにやってきた。

今回中津駅前のオリックスレンタカーで借りたダイハツ・ムーブ。燃費もよく軽自動車で十分だ。

コース紹介(コースガイド)
こちらを参照して下さい。

小規模レース
 今日の大分県地方は雨。中津に早朝、夜行バスで到着したときには曇っていたが、レンタカーに乗った頃からちょうど雨が降り出した。大会会場に到着してもその雨脚はさほど変わらない。久しぶりに雨中のレースとなってしまった。年間に何度もあちこち出かけていれば、いつかは雨のレースになる。

こちらはメイン会場のコアやまくに。高さ50mのシンボルタワーがひときわ目立ちます。

こちらは受付

開会式もこぢんまり

10km部門のスタートの様子。スターターは松野明美さん(左端)です。

 さて、この大会のコースは、耶馬溪サイクリングロードを使用するコースだ。
 かつては大分交通・耶馬溪線(開業当時は耶馬溪鉄道)が走っていたところで、廃線跡をサイクリングロードにしたもの。さすがに鉄道が通っていたところなので急勾配はなく走りやすそうなコースだ。

 9時30分に10km部門、9時40分に3km部門がスタートし、私の参加する5kmは10時ちょうどにスタートする。今回5kmとしたのは、中津でレンタカーを午前8時にしか借りられなかったからだ。
 前日、「8時にすぐに出発したいのでよろしく」とオリックスレンタカーに電話でお願いしていたものの、中津から35kmほど離れた会場に頑張って走っても、8時45分程度にしか到着出来ないだろう。ウォーミングアップの時間を考慮しても10kmのスタート時間の9時30分までに準備出来るかは微妙。よって今回は10時スタートの5kmを選択したのである。

 さて、9時30分にスタートした10kmもスタートに並んだのは50〜60人程度。参加者が少なく練習会の雰囲気。自分が参加した5kmも似通った人数。スタートの混乱もなさそうだ。今日のスターターは、松野明美さん。小柄(身長148cm)なので、なかなか目立たない。

 10時にピストルが鳴り、5km部門の選手がスタートする。
 スタート直後に先頭にたつと、しばらくは後ろから聞こえていた足音も1kmもしないうちになくなり、走っていて聞こえるのは自分の足音だけになる。先導する自転車もオートバイもないので、自分でペースを作っていかなければならない。一人タイムトライアルの雰囲気になってきた。

 前半はやや下り勾配。折り返しが8分41秒。下り基調なのに遅い!
 折り返してからは上り勾配となるが、気合いを入れないとズルズルペースが落ちそう。しかし後続とは大きく離れているので、何とか今回の国盗りはいけそうな感じだ。折り返してからは9時30分にスタートした10km部門のランナーを少しずつ抜きながらゴールを目指す。

 ゴールタイムは17分52秒と全く冴えないものだったが、何とか三度目の正直で大分県の国盗りを達成することができた。

表彰式では、松野明美さんから楯をいただきました。

閉会式後には、会場で豚汁が振る舞われました。

今日のような寒い日にはいいですね。

平成15年に守実温泉から、「やすらぎの郷やまくに」に生まれ変わる。写真は、大会参加賞の無料入浴券で入浴できる天然温泉。

こちらは、昼食に「やすらぎの郷やまくに」で食べたから揚げ定食。大分県に着たら「鶏肉」を食べないといけませんからね。

松野明美さんの講演会

 松野明美さんといえば、’87年の全日本実業団対抗女子駅伝の4区(10km)で12人のごぼう抜きで全国区デビュー。150cmに満たない小柄な体で、次から次へと前を走る選手を抜いていく颯爽とした姿にみなが釘付けになったことは昨日のことのようだ。

 ’88年のソウル五輪では10,000mに出場。予選9位で残念ながら決勝に進めなかったが、その時の記録は当時の日本記録だった。

 そして'92年の大阪国際女子マラソンで松野さんは注目を浴びる。
 しかしながらこの日の主役は初マラソンの一般参加の20歳・小鴨由水(ダイハツ)だった。171センチの堂々とした体格で終始トップグループを走り、2時間26分26秒のタイムで優勝。これは当時の世界10位に相当する記録で、初マラソン世界最高(2時間27分2秒)を塗り替え、有森裕子の日本最高(2時間28分1秒)をも更新した。この優勝で小鴨の代表入りがかなり有望となり、松野さんも2時間27分2秒と好タイムの2位で有力候補となった。

 また、前年の東京国際女子を制した谷川真理が3月の名古屋国際女子にエントリーするものの2時間31分台の記録で2位となり候補から脱落。
 こうして内定者は、前年の世界選手権2位の山下佐知子(京セラ)のみとなり、残る2枠を有森、小鴨、松野の3人で争うことになった。

 大阪国際女子で優勝した小鴨はほぼ当確。有森と松野さんの争いと見られた。
 世界陸上4位の有森と大阪国際女子2位の松野さん。暑さに強い有森に分があると思われ、日本陸連もその方向へ傾いているという話が漏れてきたこともあったのか、代表が決まる前の3月26日、松野さんは故郷の熊本で異例の記者会見を開き「出たらメダルを取れると思ってますので、選んでください」と強烈に訴える。しかし、陸連が出した結果は有森だった。

 松野さんは10,000メートルに選ばれる可能性もあることから補欠にも選ばれず、谷川が補欠に選ばれた。本番では有森が銀メダル、山下は4位、体調を崩していた小鴨は29位という結果だった。

 結果からすれば、有森裕子が銀メダルを獲得したことから、有森裕子を選んだことについての批判は少なくなったが、私は松野さんに走って欲しかった。あの小さな体から出てくる爆発的なエネルギー、練習の虫ならばきっと結果を出せるだろうと。
 しかし、世の中には「たら」「れば」は厳禁だ。これも人生。自分もいろんなところで選考漏れにかかったことが多いだけに松野さんの悔しい気持ちはよくわかる。

 現在は、2児の母となったが、次男がダウン症で苦労している。
 しかしながら、考え方を変えて人生を楽しんでいるそうだ。山あり谷あり。松野さんは楽しそうに話をするが、彼女の話を聞けば聞くほど、この人もとても苦労している人だと感じた。テレビで見る彼女とは、また違った彼女の本当の姿を見たような気がする。

耶馬溪
 この日、大分県内ではこの大会以外に竹田市で「岡の里名水マラソン大会」が開催されていた。竹田市は「荒城の月」で有名な滝廉太郎がこの曲の構想をした街として有名である。
 しかしながら、今回参加した「やまひこリバーラインマラソン大会」を開催する中津市内には、かつてから気になっていた「耶馬溪」があった。高校生の頃から、この「耶馬溪」という不思議な地名のところに行ってみたかった。

 耶馬溪とは、・・・。実際に行ってみると本耶馬渓、裏耶馬溪、深耶馬溪

本日の戦利品


走力に見合わずいろいろといただきました