2012福岡県民さわやかマラソン 参戦記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
FDA(フジドリームエアラインズ) 今回の遠征は久しぶりに名古屋空港から飛行機に乗り遠征することにした。 新幹線か夜行バスを利用することも考えたが、新幹線は名古屋−福岡の航空機との競合に勝ってから値引きをしなくなったこと、また今回は何としてでも国盗りを一発で仕留めたいので、疲労を残さずに万全の体調で臨むためにも、我が家から比較的近い名古屋空港からFDA(フジドリームエアラインズ)で出掛けることにした。 平成17年2月に中部国際空港が開港してからは、名古屋空港は県営名古屋空港とローカル空港に格下げとなり、定期便はほとんどなくなった。我が家は南東方向から名古屋空港に進入する飛行機の航路のほぼ真下に位置するので、中部国際空港が開港してからは非常に静かになった。たまに通る飛行機といえば、細々と飛んでいたJAL便か、小牧航空自衛隊の自衛隊機位だった。そしてJALが撤退。現在は静岡を本拠にしているFDAが名古屋空港から国内5空港へ就航している。 我が家から名古屋空港へは距離にして13kmほど。中部国際空港へ行くのに比べて圧倒的に近い。自動車で30分程度だ。おまけにFDAを利用すれば5日間は空港の駐車は無料。利用しない手はない。 久しぶりに訪れた名古屋空港の出発カウンターはこぢんまりとしたものだった。入口の正面がFDAのカウンター。いやでも目に入る。荷物を預け、チェックインの手続きをすると、すぐ右手には保安検査場がある。出発便も少ないので、待ち時間もなくあっという間に検査は終わる。 手続きが早く済んだので、待合室の売店でウィンドウショッピングをして時間を潰そうとしたが、ここには売店はない。自動販売機が2基あるのみだった。この便数とこの乗客数では採算があわないということか。
今回、名古屋(小牧)・福岡をフライとしたFDAの機体はエンブラエル社製のERJ175という機種。席数は84席と中型クラスの機体だ。 機内の案内を読むとFDAは現在6機の機体を保有している。1号機は赤、2号機はライトブルー、3号機はピンク、4号機はグリーン、5号機はオレンジ、6号機はパープルと派手な色遣いでFDAとすぐわかる。今回の福岡便は3号機のピンク色。この3号機はマヨネーズの「エスエスケイフーズ」がスポンサーについているという。このほか1号機はシャトレーゼ、4号機は松本市がスポンサーとなっている。まだ新しい会社なので、なりふり構わず何でもするということか。
スカイマークが、フライト中の飲食物のサービスを有料にしたのに対して、FDAは無料。往路復路共に3号機であったが、3号機の無料飲食物はコーヒー、リンゴジュース、緑茶から1点、これにシャトレーゼの焼菓子が配られる。迷うことなく「緑茶」をお願いしたがさすがに静岡県本社の会社、静岡県産の茶葉を100%使用したものでハラダ製茶特製の緑茶だそうだ。温度も適温で、久しぶりにお茶を美味しく感じた。
往路は瀬戸内海を見下ろすルート、復路は高知から潮岬を見下ろすルートでのフライトだった。往路は岡山県の水島あたりだろうか、コンビナートの事業所群と瀬戸大橋を機内から眺めることができた。 そして往路は「正面から時速300kmの強風が吹き荒れているため、福岡空港の到着が10分ほど遅れる」と機長から説明があった。 関門海峡から海の中道、福岡市内を眺めながら機体は福岡空港に平行に一旦南下し、大きく半円を描き南から福岡空港に着陸した。定刻よりも4分ほど遅れたものの無事着陸。あまり人には言わないが、この着陸の瞬間が嫌なので正直あまり飛行機には乗りたくない。 今回の航空運賃は45割で名古屋(小牧)・福岡が9,600円。この料金で1時間30分ほどのフライトならば、FDAも悪くはないと思う。 福岡市内散策
国営海の中道海浜公園に公共交通機関で行くとなると、博多港から西戸崎への福岡市営渡船が便利だ。博多港からの乗船時間はわずか15分。海上をショートカットするのですこぶる速い。ただし便数が少ないので、乗り遅れると次の便まで30分〜1時間半ほど待たねばならない。 今回宿泊したホテルは北天神エスビーホテル。ホテルを出て徒歩で博多港に向かうが、まっすぐ行けば20分ほどで到着するのであろうが、久しぶりに福岡にやって来たので遠回りをして福岡市内を散策する。 まず最初は福岡国際マラソンのコース。 平成17年の第59回大会から5年連続して出場していたが、平成22年から出場資格を確保できずに今日に至っている。 もちろん出場資格が取れれば参加はしたいものの、生活を福岡国際マラソンの資格をとるために回すことは今の環境では難しい。家庭や仕事をを顧みずに練習する人もいるが、きちんと生活をしながら生きていくのが自分のポリシーなので、今の生活パターンを崩してまでして練習をすることはない。 参加標準記録が変わらなければ、加齢のこともあるので再び福岡市民の皆さんの声援を受けながら走ることはこれからもないかもしれないが、国内男子の最高峰のフルマラソン大会である福岡国際マラソンを走ったのは紛れもない事実であり、今の時点ではこのコースが懐かしい。 この日歩いたのは、天神の北の「福祉センター交差点(39.7km地点)」から大博通りと交差する「築港本町交差点(38.5km地点)」までのわずか1.3km。コースの方向とは逆向きに歩いたものの、走った当時の記憶が鮮明によみがえる。那の津口交差点の歩道橋には第66回大会の交通規制の横断幕が掲げられていたが、今年は12月2日、つまり再来週の開催だ。出場する選手にはエールを送りたい。
もう一つは、福岡国際センター。一週間前から大相撲九州場所が開催されている。 福岡国際センターの前には多くの幟が色も鮮やかに幾本も立てられている。プロスポーツの興業に相応しい艶やかさだ。 私がこの会場の前を通ったのは午前8時。 早朝にも関わらず、当日券を求める相撲ファンが窓口に並んでいるたし、こんな早朝にも関わらず、福岡国際センターにやってくる力士がいる。下っぱなので取り組みの時間が早いのだろう。 大会終了後に、体力的に余裕が有れば観戦も考えたが、今回は銭湯で休養。外から雰囲気だけでも味わえたのは良かったと思う。
11月は大相撲九州場所、12月は福岡国際マラソンと国内最高峰のスポーツイベントが続く。福岡の風物詩でもあり、年末の足音がこれらのイベントと共に聞こえてくる。寒い時期にもかかわらず熱くなる闘いばかり。この時期の福岡地方は、季節感があって羨ましい限りだ。 なお、博多港周辺についても少し触れておく。 福岡市は、福岡市の玄関である博多駅、福岡空港、博多港、これらの3つの主要な交通拠点の距離が非常に近いのが特徴だ。名古屋市を同じように置き換えると名古屋駅、中部国際空港(常滑市)、名古屋港となる。福岡市と比べるまでもなく、それぞれの拠点が分散している。 また、名古屋港は貨物港としての性格が強く、海路の交通機関としての色合いは薄い。そのため、名古屋港とりわけ築地周辺は開発が遅れていた。 現在でこそ、名古屋港水族館、シートレインランド、南極観測船しらせの展示など、以前に比べれば賑やかになったものの、博多港の方が賑わいがあるような気がする。 今回で博多港の利用は3回目となるが、離島から博多港にやってきた人が博多港を単なる乗換駅とすることなく、この周辺でちょっと立ち止まりたくなる気にさせる仕掛けがこの博多港にはたっぷりある。3回目の今回もしっかり足を留めて博多港界隈を楽しんできた。もちろん博多港界隈は、私のお気に入りの場所でもある。
コース紹介(コースガイド) → こちらを参照して下さい。 福岡県の国盗り達成! 今日のスタート時間は11時50分。市民マラソンにしてはかなり遅い時間だ。 博多港から西戸崎へ向かうのに博多港9時20分発でも間に合うが、コースの下見をしたいので1本便前の8時15分→西戸崎8時30分に乗る。西戸崎で降りた乗客は私を含め14人ほどだった。恰好からして半分くらいの人が今日のこの大会に出る選手のようだ。
西戸崎の渡船場から国営海の中道海浜公園は目と鼻の先。10分ほど歩くと西口ゲートに到着する。 西口ゲート前には係員が数人待機しており、ここでハガキを提示し園内に入るための整理券をここでもらう。この整理券がなければ入場料(大人400円)を払わなければならない。
約1年半ぶりにやってきた国営海の中道海浜公園であるが、前回は4月のため公園内にはチューリップなどの原色系の花が多く咲き乱れていたが、今回は初冬のため雰囲気ががらっと変わり茶色くなった芝生が目立つ。参加者は「はるかぜマラソン」の方が多いが、今回も2,000人を超える参加者のため会場は賑やかである。個人的には2,000人くらいの大会が適度に混雑し、賑やかさもそこそこあるので走るには気持ちがいいかと思う。3,000人を超え出すとトイレが混みだし順番待ちが始まるので、個人的には2,000人規模くらいまでの大会が好きだ。
今日の最初のスタートは小学1〜3年生の1km部門。スタート時間は10時45分と非常に遅い。スタート時間を1時間から1時間半は早めるべきだろう。 10km部門のスタート時間は最初に述べたとおり11時50分。あと10分で正午。まるでエリートマラソンのテレビ中継が始まるような時間だ。もちろん中継車もなければ、テレビカメラもない。 10km部門のエントリーは829人。スタート場所が狭いので、最前列に近くに並ばなければスタート時のタイムロスが発生するので、この遅れを後半で取り戻すのはなかなか難しい。 いつもは、スタート時間の5分ほど前にしか並ばないが、今回は5km部門がスタートしたあとすぐさま最前列に並ぶことにする。位置取りとしては良かったのであるが、スタートまで15分近く立っているだけだったので、スタート直後は筋肉が少しこわばっていた感じだった。 スタート前に横に並んでいた方と少しお話する機会があった。市内に在住の谷口さんという方。 この方は、会場まで自転車でやって来られたというから、会場からかなり近くにお住まいのようだ。 年齢は私と同じ50歳。誕生月が4月というので一か月ほど先輩になる。 「今日はどのくらいで走られるんですか」と谷口さん。「35〜36分くらいでしょうか。昔に比べればかなり遅くなりました」と私。「それなら年代別で優勝ですよ。総合でもかなりいいところですよ」という。さらに彼はスタート前に「僕は最初だけだから」といって、わざわざスタート位置を譲ってくれた。一番右隅にいた私と場所を交代し、スタートしやすい位置に押し出してくれたのだ。長年競技をしているが、招待選手でもなくスタート場所をいい位置に譲ってくれる人は初めてだった。遠方にやってきてのこの親切には感動した。本当にありがとうございました。
11時50分。フライングもなくきれいにスタートをする。 スタート直後は芝生なので少々走りづらかったが、150mほど走るとようやく舗装路に入る。私の前にはすでに12〜13人のランナーがいるが、ざっと見た感じ若い選手ばかり。アウェーなのでどういう選手がどんな感じで走るか全くわからないが、余分な情報がないだけ自分のペースを乱すことなく走ることができるのでアウェーというのは決して悪くもない。 コースマップのC地点で左折、わずかに登りながらコースは右へカーブしていく。さらに30mほどで細い道を下っていく。ややトリッキーな感じで面白い。そして最初の1kmの標識が現れる。3分24秒で通過。まずまず序盤はいい感じでスタート出来た。 ところが、コースマッのD地点で左折をして自転車道に出てからは玄界灘に面してくる。予想通り前から風が吹いてきた。体力温存のために私は後方に下がり若い選手を風よけに走る。4人ほどのグループができて走るが若い選手ばかりだ。ややけん制するような形になりペースが少々落ちたがここばかりは仕方がない。 玄界灘を左手に見ながら800mほど走るとコースマップのE地点が現れる。直角に2回右折する形でコースを折り返す。茂みがあるので後続の選手をきちんと把握するのは難しい。このE地点からF地点に向けて緩やかに登りが続く。集団は4人のまま続く。ここで2km地点が現れる。7分21秒で通過。この1kmは3分57秒?向かい風となってペースは落ちたもののちょっと距離表示が怪しい感じだ。 E地点から300mほどでコースマップのF地点が現れ右折をする。玄界灘沿いは人気が少なく少々寂しい感じであったが、この付近に来ると遠くに観覧車が見えるなどやや賑わいがもどる。 F地点からほどなくして給水所が現れるが1周目、それもまだ3kmも走っていないのでそのままスルーする。 F地点から約450mでこのコース唯一の折り返し地点が現れる。 折り返してくる選手を数えていたが私は10番目あたり。後続の同年代の選手(1600番台、1700番台)を探すが、私の後の同年代の選手とは50mほど離れている感じだった。序盤でこんな感じなので、このペースでいけば今日はいけるかもしれないと感じる。 折り返してしばらくすると3km地点。10分51秒で通過。この1kmは3分30秒と、距離表示はまともに戻った感じだった。 先ほどの給水所の前を通過し、H地点を右折。徐々に観覧車が大きく見えてくる。コースマップのI地点で右折すると、左から鉄道の線路が見えてくる。国営公園ではあるが、このあたりはまさに遊園地といったところ。 このあたりでは4人の集団が2人となり、並走する選手にやや置いていかれる展開になりだした。一生懸命走っていたせいだろうか、4km地点の表示は見落としてしまったようで、知らぬ間にコースマップのJ地点にまで戻ってきてしまった。ここはスタートから300mほどのB地点でもある。コースが交差しないようにカラーコーンとバーで仕切られている。このあたりから前方に15分ほど前にスタートした5km部門の後方の選手が現れ出す。
左手の方にゴールが見えてくるものの、10km部門はもう1周回する。1周目のタイムは17分55秒。もう少し速く走った感じはするがこんなものか?距離表示が怪しいものの、今日の目的はタイムでなく優勝すること。終盤接戦になってもスパートをするだけの余力を残しておかなければならない。 ちょうど1周目が終わったころ、前から一人の選手が徐々に近づいてくる。1周目に頑張りすぎたのか?スピードの差があまりないので、ゆっくりと追いついたものの彼も離れずついてくる。 6kmから7kmにかけては1周目と同様玄界灘に面しているコースで再び向かい風となった。しかしながら今度は風よけの選手はいない。むしろ先ほど追い抜いた選手が自分を風よけにしているかもしれない。彼は、私と並走している間に息を吹き返したのか7kmくらいから徐々に先行していく。今日は年代別で優勝するのが目的なので、焦ってついていく必要はない。 8km手前の給水所で水を取る。1周目は給水なしでもよかったが、さすがに少々のどが渇いてきた。 そして2回目の折り返し地点。今度は総合8位で折り返していることが分かった。同年代の選手が2人ほど確認できたがすでに150mほど離れている感じだ。残り2km強でこの差はセーフティリードだろう。 終盤は単独走となってしまったが、先ほど見落とした4km地点(2周目は9km地点)もしっかり見えた。32分21秒で通過。11月に入って3本目のレース。油断するわけではないが、このセーフティリードならここから無理に最後にペースを上げる必要もないだろう。そして多く人たちがいる芝生広場でゴール。どういうわけか、目の前にゴールテープがあった。(事務局のサービスで、次々とやってくる選手に対してテープを切らせているはからいのようだった。)
記録証発行所へ行って順位を確認する。総合第8位、年代別では「第1位」と書かれいる。これで福岡県の国盗りも成功した。また記録証のタイムは36分00秒。自然体で35分台くらいは出したかったが、距離表示もどうも怪しいので、まあタイムはいいだろう。目的の年代別優勝は達成できたのだから。 表彰式が終わってから谷口さんが私のところに駆けつけてくれた。「優勝おめでとうございます」と。「ありがとうございます」と私。「いやー、同じ年で頑張っていると私も励みになりますよ。僕も名前が同じイチローで、嬉しいですよ」という。ちょっとくすぐったすぎる褒め言葉だ。「強い選手もいたようですが、運が良かっただけです。今日はありがとうございました」とお礼をする。結果から言うわけではないが、スタート時に場所を譲って貰ったことは間違いなく、自分にエネルギーになったと思う。簡単にできそうでできない親切が、この遠征で最高の収穫だったかもしれない。本当にありがとうございました。
本日の戦利品
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