第25回麒麟獅子マラソン大会 参戦記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
新温泉町と麒麟獅子 今回訪れた兵庫県美方郡新温泉町であるが、兵庫県の北西端に位置する人口約1万5千人の町だ。平成17年10月に旧浜坂町と旧温泉町が合併し「新温泉町」となり今に至っている。(今回の大会のスタート場所の新温泉町役場庁舎は、旧浜坂町役場庁舎である) 大会のメインとなった旧浜坂市街地をみると、世界ジオパークに登録された「山陰海岸ジオパーク」をはじめ、日本の白砂青松100選に選ばれた「浜坂県民サンビーチ」、大正から昭和にかけて活躍した登山家加藤文太郎の記念図書館、浜坂先人記念館「以命亭」、風情のある「あじわら小径」など、旧市街地がそれほど大きくないため十分に徒歩で散策が楽しめることだろう。 また、今回の大会名となっている「麒麟獅子」。大会プログラムには以下のように説明がある。
もてなしの雰囲気の大会
このような人口規模の小さな町で大会が開催される場合、その雰囲気は概ね2分する。 一つは、その町の人々が最大限に協力し、町外からやってくる人を一生懸命もてなすケース。 もう一つは、役所を中心に大会の準備がされて地元民はほとんど関与しない(関心がない?)ケースである。 前者か後者かの違いは、主に大会開催場所が観光地であるかそうでないかということが多いが、必ずしもそうとは限らない。観光地でないところでも、「なかなかよくやっているなあ」というところもあるし、観光地でありながらちょっと興醒め感のある大会もある。 この差はどこにあるのだろうかと考えるが、大会の主催者の大半が地方自治体であることから、自治体が地元の商工会などを上手に巻き込んで、単なるイベントではなく地元にお金を上手に落とすことができるような雰囲気作りを心掛けているかどうか、もっとシンプルに云えば「熱意のある中心人物」がいるかいないかに尽きるだろう。(あくまでも私見である) この私見にウラを取ったことはないが、「あれほど盛況だった大会が突然中止になるとは?」ということもあるので、この私見もまんざら間違っているとは云えないだろうと思う。
兵庫県の北西端に位置するこの町は、近くに高速道路も通っていないので、利便性という意味ではあまりよいところではないが、それにもかかわらず3,000人近くの選手がエントリーしているのは、この大会の雰囲気を楽しみたいというリピーターが多いということだろう。 そのもてなしの一部を紹介すれば、以下のようなモノがあったと考えられる。 @マラソンバスの運行 遠方からの参加者に配慮し、大阪・神戸から大会前日マラソンバスの運行(大会当日は午後3時半に大阪・神戸向けへ出発)。有料ではあるが、大阪から6,000円、神戸から5,000円(いずれも往復の料金)なので決して高くはない。 A温泉宿舎の斡旋 大会開催場所が温泉街にもかかわらず、「宿泊は各自で」というところが多いのであるが、この大会は大会事務局が斡旋するシステムとなっているので、希望に沿った宿泊先を紹介してくれることだろう。 B前夜祭 私は参加しなかったので詳細はわからないが、この地方に伝わる麒麟獅子の獅子舞の披露。地方の伝統行事は、その祭事時しか観ることがはずであるが、わざわざこの大会のために披露してもらえるというのはありがたい。また、この前夜祭が無料で行われるというところもいい。 C選べる参加賞(海産物) 大半の大会は、参加賞が一律である。手間ひまを考えれば当たり前であるが、この大会は複数の参加賞のうち海産物は参加者が選ぶことができるシステムを採用している。参加者の好き嫌い、日持ちのことを考慮して選ぶことができるというのは非常にありがたい。
私の場合、開催地が温泉であれば適当に日帰り入浴できるところを探すし、そうで無ければ帰路のルート上に入浴ができるところをあらかじめ探して帰る。もちろん入浴料は自腹であるが、大会主催者から無料入浴券が配られるのは評価のポイントが高い。 この大会も町内の浜坂温泉・七釜温泉・湯村温泉のどこでも使用できる無料入浴券(一部有料施設あり)を配布しているのはとてもありがたい。 前日に浜坂温泉・ユートピア浜坂に入ったので、大会当日の帰路は、少し離れた七釜温泉・ゆーらく館を利用した。入浴券で全額無料にはならない施設ではあったが、なかなか立派な施設で、疲れを癒すには大変よかった。 E鰯団子汁 寒い季節などは無料の豚汁を配る大会が多いが、この大会は漁業の街らしく「鰯団子汁」を無料で配布している。私も一ついただいた。初めて食べるものであったが思った以上に美味しかった。 私の他に「おやっ?」と思った参加者の方もいたかと思うが、ゴール後記録証発行所で発行してもらう記録証であるが、発行してもらった際にビニール袋にわざわざ入れてもらえた。 雨で濡れないようにという配慮なのであろうが、この日は晴天。いや、ゴール後は汗がしたたるので、その汗から濡れないようにという配慮かもしれない。こういう小さなことにも配慮してくれているかと思うとやはり嬉しい。 紹介する順番としては最後になってしまったが、今回いろんなもてなしがあったが、小さなことではあるが一番「キラリ」と光ったもてなしだと思う。 コース紹介(コースガイド) → こちらを参照して下さい。 ハイレベルな兵庫県 前日会場に到着したのは午後3時過ぎ。慌ただしくコースの下見や試走をしたが、風は少々あったものの走るにはちょうどいいくらいの気温だった。 ところが大会当日は風はおさまったものの、この時期の気温としてはやや高め。スタート時間も11時近くと、気持ちよく走るには不向きな気象条件となっていた。 大会の前々日に昨年の成績を調べたところ、5km50歳代での優勝者は兵庫県のT田さん。タイムも16分57秒と、ここ数ヶ月練習不足の私にとってはハードルの高い記録だ。昨年の天候はどうだったかは分からないが、今年は暑くなってきているのでタイム的には落ちてくるに違いない。そのあたりで勝負に絡むことができればチャンスはあるだろうと考えスタートラインに並ぶ。
10時55分ちょうどに5kmはスタート。 スローペースでレースが展開してくれることを望んでいたが、中学生の参戦もあり前半から速いペースでレースが動く。10年前であれば、願ってもない展開だったのであるが、最近スピード練習をあまりしなくなったこともあり、前半からのハイペースはかなり辛い。 マークしていたTさんは、走友会のK崎さんと似たようなタイプ。小柄にもかかわらずストライドは大きめ。そういえば風貌も少し似ている。
「せめて折り返しくらいまでは・・・」と思っていたこのペースは、1.5km程度までしか持たなかった。呼吸は大して苦しくはないのであるが、脚がいかんせん鉛のように急激に重くなっていく。ずるずると、ペースが落ち崩れ出す。今日の勝負はここで決まりだった。折り返しを待たずにどんどんK田さんとは距離が離れていく。 折り返し以降は、ペースの落ちてきている高校生などと並走し、これ以上ペースが落ちないように粘るのが精一杯だった。概ね平坦ともいえる5kmコースにおいて、ゴールは17分42秒。30秒も離され今日は完敗だった。5kmとなるとスピード勝負。明らかにスピードに対応した練習不足だ。 兵庫県は強者が多く、国盗りにはハードルが高い県ではある。とはいえ、兵庫県をクリアしないと全国制覇は厳しい。秋冬には十分な備えをして再度チャレンジしなければならないことになる。言うまでもないが、自分がレベルアップしてクリアしていくしかないのである。
本日の戦利品
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