第30回中央アルプス駒ヶ根高原マラソン 参戦記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最高のロケーション 今回で第30回を迎えるこの大会のゲストランナーは、お馴染みの有森裕子さん。この大会には、第10回大会、第25回大会にゲストで来られ、今回で3回目のゲストランナー。なお、この大会の15km女子優勝者に贈られる「有森杯」は、もちろん有森さんのこと。 また節目の今大会、30回連続出場者が表彰されたが何とその数は20人。今年は過去最高の4,029人の参加者であるそうだが、参加者の少なかった第1回大会から連続して出場されているのには頭が下がる。これからも元気に参加してもらえればと思う。 なお、来年からこの大会の15kmの部がハーフマラソンに変わるという。プログラムには、「次回より、駒ヶ根市の中心市街地をスタート&ゴールするハーフマラソンでの大会へ移行する予定です。」とはっきり書かれている。 私はこの15kmという半端な距離が面白いと思うし、駒ヶ池のロケーションが好きでこの大会にやって来る選手が多いのだから無理にハーフマラソンにする必要もないと思うのだが・・・。 それにしても今日は、台風がそれてよかった。この駒が池から見る景色は、晴れがとてもよく似合う。私は二度目の参加であるが、このコースのロケーションは数多く参加した大会の中でも間違いなく上位にランクされるもの。来年コース変更があっても、駒が池周辺はコースに含めて欲しいと思う次第である。
コース紹介(コースガイド) → こちらを参照して下さい。 満身創痍?のレース 台風17号の接近にともない、大会を開催するか否かと大会事務局の方では相当揺れていたかと思う。 こちらも木曜日にぎっくり腰となってしまい、何とか走れるように治療はしたものの、先週の一関ハーフマラソンに出かける前から惹いていた風邪も治らず、体調的には最悪だった。こういう状態なので、大会が中止になっても構わなかったし、開催するならば行こうかとどちらに転んでもいいような気分だった。今回は国盗りではないので、何がなんでもというわけではない。 しかしながら午後7時過ぎに主催者のホームページを見ると「予定通り開催します」と発表されていた。こうなれば気持ちを入れ換えていくしかない。行く前からテンションを高めておかなければ勝負にならない。急いで荷物をまとめて、午後10時には床に入った。明日は午前5時出発の予定。 そして翌日。 自宅を出発する時はあやしげな天気であったが、駒ヶ根に到着する頃には完全に晴れ上がっていた。この天候ならば中止に出来ないだろう。駒ヶ根市の気象について、気象台から細かな情報をもらって開催を決断したのであろう。大会事務局のご苦労に敬意を表する。 15km部門と私の出場する6km部門のスタート時間は午前10時ちょうどと同時刻。スタート場所が100〜150mほどずれているにもかかわらず、ともに同じ方向に走り出す。「選手がバッティングしないのか?」と不思議に思っていたが、6km部門は、スタートしてからすぐに左折をするコースとなっている。 6年前は15kmを走っていたので、そんなことを考えることもしなかったが、よくよく考えると面白いコースレイアウトだし、道路の占有時間を短時間に出来るメリットもある。都市型マラソンでは見習うべき手法だろうと思う。 さて、ウォーミングアップ終わらせ、スタート時刻の10分ほど前にスタート場所へ行く。6km部門のエントリーは約1,000人。15km部門のエントリーの約2,500人比べれば少ないものの、道一杯に1,000人ものの人は、明らかに多い。適正規模としては500人程度だろう。 今回は最前列から3列目に入れてもらう。 庄内RTのT中さんと館倶楽部のK木さんが談笑している。二人とも私と同い年。K木さんはこの大会で何度も優勝している実力者で今回一番マークすべきランナーだ。かたやT中さんも実力者ではあるものの、30歳代までは強かったが、40歳に入ってからは故障がちで鳴りを潜めている。とはいえ、侮ることは出来ない。私の存在に気がついたT中さんが話しかけてくる。 「調子悪いよ」と私。「いちろう君は調子が悪いと言ってもきちんと走るんだよなぁ」とT中さん。自分ではそうは思っていないが、彼から見るとそんな感じか?どちらにせよ、成るようにしかならない。最善を尽くすだけだ。Do your best ! 10時ちょうどのピストルの合図で集団は一斉に動き出す。3列目くらいならモタツキがないと思っていたが、やはり最前列に居ながらもスタートダッシュをしない連中がいる。6kmと距離が短いので、スタート時の出遅れは、場合によっては致命的になる。かき分けて進もうにも、人が多過ぎて割り込むスペースがほとんど無い。仕方がないので、やむなく縁石で区切られた歩道側を一時的に走る。こうして先行するK木さんに何とか食らいつきながら走っていく。 2kmの通過は6分16秒。K木さんとは少しずつ距離が開いてしまったが諦めてはいけない。 このコースのポイントの一つ、駒ヶ根高原家族旅行村への坂に差し掛かる。 調子のいいときは摺り足ぎみにピッチを保ち前を走るランナーを抜いていくのであるが、今日は明らかに体調が悪く自分のポジションを維持するのがやっとだった。ただしこの坂のコースロケーションは素晴らしい。折り返し地点の前からテニスコートやパターゴルフ場、キャンプ場などが目に飛び込んでくる。一度は家族連れで楽しんでみたい気がする。 家族旅行村の入口の前が折り返し地点。次々と折り返してくるランナーが現れるが、21番目にK木さんが同年代のトップ、31番目に折り返した私がこの時点では同年代では2番だった。
前半はややゆったり入るつもりであったが、K木さんに引っ張られ、結果的にオーバーペース気味になってしまっている。後半にペースを上げて行くつもりが、脚に力が入らずペースを維持するのがやっとだった。 4km(あと2km)の通過が14分36秒。この1kmは3分43秒。下り坂になっているにもかかわらずまったくペースが上がらない。この調子だと、光前寺前あたりから旧竹村家まで続く最後の登り坂をきっちり走れるかあやしくなってきた。 光前寺付近には観光客の他に選手の応援団らしき人が何人も並び激しく応援している。コースの反対側からは10時15分にスタートした3km部門の中学生、小学生が走ってくる。その中にゲストランナーの有森裕子さんが、喉を枯らすような大声で6kmのランナーに声援を送っている。日本語のわからない外国人が聞いたら罵声にしか聞こえないような大声だ。ハイタッチをしてみんなに元気を配っている。有森さんがゲストで走られた大会には何度か出場したがいつもこんな感じ。いつも思うがエネルギッシュな人で、女性であるのがもったいない気がする。 さて、光前寺前から始まる登り坂には、予想以上に苦戦した。確かにどのランナーも大きくペースを落とさないと登っていけないような急坂ではあるが、今回の自分は他のランナーに比べてさらにペースが落ち込んでいた。K木さんはもはや視界にはない。まずはこれ以上抜かれないように旧竹村家まで上がっていかなければならない。 息も絶え絶え旧竹村家まで登り、坂の頂上付近が見えてきた頃に同年代のランナーに後ろから抜かれる。全くのノーマークだった。
しかしながらこちらの余力が無いことを見透かされていたのか、残り100mほどで再び抜き返され、返り討ちにあった。 ゴールタイムは22分57秒。辛うじて23分を切ってはきたものの、体が全くといっていいくらい動かないレースだった。 しかしながら終盤、影も形も見えなくなっていたK木さんとタイム差が24秒。もっと差が開いたかと思いきや、この程度の差。確かに今日は負けたのではあるが、タイムから察して彼が終盤流して走ったとは思えない。彼も前半から飛ばしていったので、終盤は相当苦しんだことが伺える。 このくらいのタイム差ならば練習次第で何とかなりそうだとわかったのは、今回唯一の収穫だった。
本日の戦利品
番外編
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