第36回嬉野温泉健康ロードレース大会 参戦記
 初の国盗りをかけた佐賀県遠征です。
 佐賀県を目的として出かけたのは、今から17年前に唐津市で開催された「唐津10マイルロードレース」以来です。その唐津10マイルロードレース大会は非常にハイレベルな大会で、実業団選手が多く参加する大会です。当時開催されていた、名古屋30キロロードレースの参加資格を取得するために出かけたのですが、平坦で走りやすいコースでした。あれから17年・・・。

 佐賀県の人口は約85万人弱(47都道府県中42位)。愛知県の人口が740万人強、名古屋市の人口が約226万人からみても人口規模でいえばかなり小さな県です。もちろん九州では、一番人口の少ない県です。
 しかしながら、佐賀県はマラソンのレベルが高いこと、マラソンの大会数そのものが少ないことから国盗りでは手こずるだろうと考えていました。
 今回、嬉野温泉健康ロードレース大会に出場しましたが、戦前から苦戦は覚悟していたものの、戦ってみて少数精鋭の大会であるという感じでした。大会名のとしては「○○健康」とまでくれば「マラソン」と続くのが一般的ですが、この大会のように「健康」と付きながらも「ロードレース」と付けたところに、その大会のレベルが伺えるような気がします。まあ、とにかくどの部門もトップは速かったですね。ということで、来年、再度佐賀県へ国盗りに出かけることになりました。

 入賞者が3位までということで今回は、参加賞以外にもらうものが無く帰ることになるのかなと思いきや、ラッキー賞で嬉野温泉の無料入浴券が当たりました。はるばる名古屋からやってきたご褒美でしょうか。日本3大美白の温泉と言われる嬉野温泉は、ツルツルして非常に気持ちのいいものでした。名物の温泉湯豆腐も食べられることが出来て、国盗りは達成できなかったものののんびりした一日が過ごせたと思います。

 
●大会名 第36回嬉野温泉健康ロードレース大会
●開催日 平成24年1月15日(日)
●コース
 /大会要項

 /プログラム
佐賀西信用組合嬉野支店前発着(佐賀県嬉野市) →詳細地図

大会要項

プログラム

コースマップ

コースガイドはこちら
それぞれクリックすると拡大します
●天 候 晴、5℃くらい
●参加賞 タオル、入浴剤(嬉野温泉)、嬉野茶、入浴無料券(ラッキー賞で当たり!)、嬉野温泉大正屋入浴料半額
●結 果 17分23秒 (5km :男子40歳以上  第4位)
●表 彰 なし
●過去の戦績 初出場
●交通手段等
  【1月14日(土)/1日目】
徒歩 自宅 14:27 自由ヶ丘駅 14:36
地下鉄 自由ヶ丘 14:37 本山 14:39 (名城線)
本山 14:43 名古屋 14:58 (東山線)
高速バス 名古屋駅西口 15:30 湊町BT 18:47 (JR西日本バス)
18:54
夜行バス 港町BT 20:35 武雄温泉駅 6:18 西肥バス
6:22
【1月15日(日)/2日目】
路線バス 武雄温泉駅南口 6:56 体育館前 7:24 (JR九州バス)
徒歩 体育館前バス停 7:24
【朝食、買い出し】
会場 7:58
【第36回嬉野温泉健康ロードレース大会/5km−11時20分スタート】
【昼食、入浴(華翠苑)、観光(豊玉姫神社)、夕食】
路線バス 嬉野温泉 17:47 武雄温泉駅南口 18:20 (JR九州バス)
夜行バス 武雄温泉駅 22:08 湊町BT 7:23 西肥バス
7:34
【1月16日(月)/3日目】
高速バス 湊町BT 9:22 名古屋駅西口 12:48 (JR西日本バス)
9:20 12:55
地下鉄 名古屋 12:56 本山 13:11 (東山線)
本山 13:18 自由ヶ丘 13:20 (名城線)
徒歩 自由ヶ丘駅 13:20 自宅 13:30
※ 赤色の時刻は、実際に出発(到着)した時刻。青色の時刻は、出発(到着)予定時刻
●費用
 
参加料 1,000円  
地下鉄(名古屋市営) 520円 (自由ヶ丘〜名古屋/往復)
高速バス 4,510円 (名古屋駅〜湊町BT/往復割引)
夜行バス 17,620円 (湊町BT〜武雄温泉駅/往復割引)
路線バス 620円 (武雄温泉駅南口〜体育館前)
640円 (嬉野温泉〜武雄温泉駅南口)
入浴料 0円 (無料入浴券使用/華翠苑
合 計 24,910円  
●種目、参加者(申込人数、★は加藤が参加した部門)及び各部門の優勝者(5km40歳以上男子は3位まで)
【10km−11時50分スタート】
区分 申込者数 優勝者氏名 所属 記録
高校生・一般 105人 野田聖 鹿島市陸上競技協会 31’12”
【5km−11時20分スタート】
区分 申込者数 優勝者氏名 所属 記録
中学生男子 103人
坂本圭輔
白石中学校 15’44”
★40歳以上男子 25人 山下英樹 丸茂製紙 16’50”
山口俊成 伊万里市 17’02”
本村邦彦 鹿島市陸上競技協会 17’07”
加藤一郎 名古屋市役所走友会 17’23”
【3km−11時55分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 所属 記録
中学生女子 65人 古田千尋 白石中学校 10’42”
高校生以上女子 20人 山口英恵 白石高校 10’20”
【1.5km】
【小学4年 10時50分/小学5年 11時00分/小学6年 11時10分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 所属 記録
小学4年生男子 82人 田中渚 吉田球友 5’27”
小学4年生女子 34人 前田愛佳  大草野少年野球  5’54”
小学5年生男子 71人 中野晃希 北波多 I.R.C 5’13”
小学5年生女子 37人 辻田翔子 福富ランナーズ 5’17”
小学6年生男子 76人 楢崎源太 北波多 I.R.C 5’09”
小学6年生女子 43人 栗田希望 エイドRC 5’08”
総合計 661人  

移動は全てバスの0泊3日
 毎度のことながら今回も移動にバスを多発する。
 自宅の最寄駅である自由ヶ丘駅〜名古屋駅まで地下鉄に乗った以外は、名古屋駅〜大阪湊町BT(JR西日本バス)、大阪湊町BT〜武雄温泉駅前(西肥バス)、武雄温泉駅南口〜嬉野温泉(体育館前/JR九州バス)とバス三昧だった。

 武雄温泉駅南口〜嬉野温泉についてはJR九州バスしか選択肢がないものの、嬉野温泉のJRの最寄駅である「武雄温泉」までは、JRやJRと飛行機などの組み合わせなどもあるが、旅費を節約するために結局は時間はかかるもののコスト的に一番安いバスに頼らざるを得なかった。

名古屋駅〜湊町BTは、JR西日本バス。往復で4,510円と近鉄特急よりさらに安い。(JR名古屋駅西口にて)

湊町BT〜武雄温泉駅前は西肥バス。乗客わずか6名と閑散としていた。早朝6時過ぎに武雄温泉駅前に到着したものの、まだ夜明前だった。
 その中で気になったのが、大阪→佐世保・ハウステンボスを運行している高速バスだ。南海バスと西肥バスの共同運行のようであるが、大阪湊町BTからの乗客は私一人。その後、いくつか停まりながら最後の乗客を拾った三ノ宮BTでの乗客の合計はわずか6名だった。
 名古屋→佐世保・ハウステンボスも夜行バスがあったものの、昨年(平成23年)10月末をもって廃止になっている。今回、そのためわざわざ大阪から乗らざるを得なかったが、佐世保・ハウステンボス方面への乗客は大阪からも需要が少なく、いずれ廃止になってしまうかもしれない。何とか一人でも多く乗って大阪路線だけは存続して欲しいものだと痛切したものである。

レース前
 冒頭にも述べたが、佐賀県を目的地としてやってくるのは実に17年ぶり。当時の目的地は佐賀県でも玄界灘に面する佐賀県北西部の都市唐津市であったが、今回は佐賀県西南部に位置する嬉野市が目的地だ。もちろん嬉野市にやってくるのは初めて。

 以前、長崎自動車道を長崎から福岡へ観光バスで走っていたときに「嬉野IC」というのがあることに気がついた。地名に「嬉しい」という文字が付くので当時から「珍しい地名。一度どんなところか行ってみたい」と思っていたことが、ようやく実現したわけでもある。

 今回訪れた嬉野市は、平成18年1月に藤津郡塩田町と嬉野町が合併し、佐賀県で9番目の市として誕生している。人口約2万8,000人の小さな街である。
 今回のマラソン大会は旧嬉野町での開催で、私の好きな温泉地での開催でもある(それが半分目当てでもあるが・・・)。

 さて、当日は夜行バスで武雄温泉駅に到着後、さらにJR九州バスに乗り換え嬉野温泉へ向かう。終点の嬉野温泉の一つ前の「体育館前」が受付会場の嬉野市体育館の最寄りバス停。そこで下車した後、ファミリーレストラン「ジョイフル」で朝食をとり体育館へ向かう。
 体育館には早朝にもかかわらず既に多くの人々がやってきている。そのうち選手らしきは小中学生の子どもばかりで、大人はどう見てもその親のようだ。

 コースの下見もしたいので、早々に体育館で受付をするものの、自分の参加する5km40歳以上男子では、一番乗りだった。ところが・・・である。
 体育館内で、プログラムを確認して、ナンバーカードをウェアに付けようとしたところ、プログラムに記載された自分の割り当ての番号と、支給されたナンバーカードの番号が異なっているではないか。
 急いで再び受付に行き、事情を話して調べてもらうと、この部門の選手のナンバーカードが本来の番号と逆の順番並び替えられ袋詰めされているようだった。私が申し出た時間が早く、後続の選手はまだ受付に来ていなかったために混乱は避けられたものの、自分自身にとっても初めてのトラブルでありちょっと驚いた。受付の方は恐縮していたが、ちょっとした油断だろうか。何となく怪しげな雰囲気で大会が始まった。

この木の奥に見えるのが嬉野市体育館

早朝から集まっているのは、小中学生の選手の親たちの模様

体育館に入ったところで受付。参加者が少ないせいかこぢんまりとした感じ

控え場所は体育館内。早朝のせいか、小中学生とその親ばかりが目立つ。

コース紹介(コースガイド) こちらを参照して下さい。

中学生男子らと激走
 今回はスタートが11時20分(5km部門)と珍しく非常に遅い大会だった。
 私が走った5kmのスタート前には、10時50分に小4の1.5km、11時00分に小5の1.5km、11時10分に小6の1.5kmと10分刻みで次々とスタートさせている。1.5kmコースは単純な往復コースなので、スタートとゴールが同じ場所。整列してからピストルがなるまでほとんど1分以内の慌ただしさだ。ここまで時間を詰めてタイムスケージュールを組まなくてもよいと思うのであるが・・・。

 さて、今回私の走った5km部門は中学生男子と40歳以上男子が同時スタート。中学生以外は、すべて40歳以上男子なので年齢の違いは一目瞭然だ。

 スタート場所は、佐賀西信用組合・嬉野支店前の道路上。道幅は非常に狭い。
 自分は今回5kmと短時間勝負なので、上手にスタートしなければならない。そのためには最前列を確保する必要がある。
 スタート時間間際になっても、小6の1.5kmを走る子どもたちが次々とスタート場所兼ゴール場所に戻ってくる。最後尾の子どもが戻ってくると、5km部門の選手がすぐに整列させられる。整列からスタートまで1分もなかった。もしかしたらスタート時間の11時20分を既に過ぎていたかもしれない。

11時にスタートする小学5年男女の子どもたち。小学生も4年生から1学年ずつ部門が分けられているので、上位を狙う子には毎年励みになっているだろう。なお、1.5kmコース、3kmコース、5kmコースのスタートと全部門のゴールはこの交差点の横断歩道上に設けられている。
 整列してから気持ちを鎮める間もなくピストルが鳴る。最前列を確保したおかげで、今日は上手くスタートが切れた。
 しかしながら中学生のスタートダッシュは凄まじい!あっという間に10人以上の中学生においていかれる。悲しいかなここ数年、スタートダッシュがどんどん遅くなっていくのが手に取るようにわかる。

 このコースの特徴は最初の2kmくらいは緩い下り坂。県道41号線に出てから2.5kmの折り返しまでが上り坂。復路はその逆となる。前半が下っているので、ややハイペースになるのはやむを得ないが、スピード練習をあまり行っていないので1.5km過ぎあたりから脚の動きが悪くなる。

 スタートしてから2kmくらい来たところだろうか、後ろから同年代のランナーに抜かれる。小柄ながらピッチが速い選手だ。抜かれて思ったが、小気味のいい走りだ。今日は国盗り。ついていかねばならないが、走りっぷりをみると全くついていけそうな感じがしない。
 さらに折り返し地点を前に一気に2人の同年代のランナーに抜かれる。わずか500mほどで1位→4位に後退。後半はやや上りながらゴールを目指すことになるが、前を走る選手との差はどんどん大きくなる一方だ。「佐賀まで遠征したきたのに・・・」。中学生と併走しなが前の選手たち追いかけ、終盤ペースを上げるが差は一向に縮まらない。

 17分23秒。昨年の優勝タイムより20秒以上速く走ったものが、強敵に阻まれ惨敗してしまった。
 ちなみに今回の40歳以上男子の優勝タイムは16分50秒。私はあと4ヶ月で50才となるがやはり40代の終盤ではこの部門は厳しい。49歳で40歳代前半の選手らと競うには、少なくとも5kmを16分台で走らないと勝負にならないだろうと感じたレースだった。

11時50分にスタートする10km部門。100人程度の人数ながら、この大会のネーミング通り「ロードレース」の雰囲気だ。この部門のみスタート場所が嬉野温泉バスセンターそばの交差点となっている。

嬉野温泉
 今回は年代別でも4位と3位までの入賞にもかからなかったが、わざわざ名古屋からやってきた私のことを神は見放さなかったのか、ラッキー賞が当たった。

入賞は逃がすもののラッキー賞に当選!

 今回当たったラッキー賞。ゴール地点の会場では「交流センターへ交換に行ってください」とアナウンスをしている。早速、交流センター(嬉野交流センターのこと)を探して、賞品を貰いに行くと「おめでとうございます。あっ、入浴券ですよ」と封筒を渡される。「日本三大美白の湯と言われる嬉野温泉の入浴券が当選?これは、国盗りよりもラッキーか?」と優勝できなかった悔しさも早々に薄れ、どこの温泉にするか思案する。
 券の裏面をみると利用できる施設の一覧があり、そこには「華翠苑」の名前があった。入浴するのならば、「ホテル桜」か「華翠苑」と決めていたので嬉しかった。

ラッキー賞が当たりました!

嬉しい温泉無料入浴券です。

迷わず「華翠苑」を選びました。

こちらがその「華翠苑
 その経緯は次の通り。
 もともと、この大会後の入浴先をどこにしようと出発前に考えていたところ、嬉野温泉観光協会のサイトを見たところ「遊湯チケット」という12枚綴りで1,500円のチケットを購入すると、施設(ホテル)ごとに必要な枚数を切り離して使用するとリーズナブルな価格で入浴が出来るというものがあることがわかった。つまり1枚あたりの単価は1,500÷12=125円ということだ。利用できる施設(ホテル)は全部で26ある。
 例えば、コースの途中にもあった「和多屋別荘」では、日帰り入浴料が本来ならば大人1人で1,000円。しかしこのチケットを使用するのであれば、6枚使用で125×6=750円で入浴が可能ということになる。

 こうして、私の好きな露天風呂があり、景色の見晴らせるホテルを探したところ、「ホテル桜」と「華翠苑」が私の希望に合うことがわかった。ホテル桜は日帰り入浴が1,200円、華翠苑は同じく1,000円。しかしながら、このチケットを利用すれば6枚ずつ使用で2,200円→1,500円となるのだ。当初はこの予定だった。
 
 しかしながら、大会プログラムの巻末にに「嬉野温泉健康ロードレース大会の特典のお知らせ」として「観光ホテル大正屋から 今日の大会に参加された選手の方は、ゼッケンを見せていただくと大正屋の入浴料が〔半額〕になります。(中略) *本日(1月15日)15時30分までのサービスです」とある。半額ということは1,000円→500円。
 当初、「遊湯チケット」を購入しようと考えていたが、「半額ならば出費も1,500円→500円となる」と考え、混み合うだろうがここは出費の低減、ぐっと我慢と考えていたところに無料券の当選という朗報がやってきたのだった。これで出費が1,500円→500円→0円となるので喜ばずにはおれないではないか。
 
 華翠苑の屋上の露天風呂は最高だった。とにかくあの開放感がいい。
 昼中だったので、サイトに載っているような「空中露天風呂」という感じではなかったが、湯は透明ながらツルツルとした感じ。途中で男性客が3名ほど入ってきたときもあったが、ほぼ貸切状態で1時間ほどの長湯をしてしまった。もちろんアメニティーもバッチリだ。夕闇が降り立った後に入れば星空を眺めることが出来るので、また景色も変わってくるに違いない。
 今回の入浴で嬉野の目的の半分は達成できた。

これが華翠苑の9Fの男性用露天風呂「月の湯」

小プールのような大きさ。女性用も9Fに別にあるというから驚きだ。

嬉野温泉街は温泉地らしく見るべきものがものがいくつかありました。こちらはシーボルトの足湯。ロードレースのコースのすぐ横にあります。

「健康保養地 嬉野温泉」と書かれた碑
橋のたもとにはこんなものが・・・。温泉もお茶もそして焼き物も嬉野の名物です。

「嬉野温泉 湯けむり広場」。昨年の9月に出来たばかりだそうです。

80℃の源泉とか。入れないのが残念!

こちらは大正屋さんの前です。

大正屋さんのすぐ向かいの参道は、豊玉姫神社へ続きます。写真は、豊玉姫神社の一の鳥居。

これは二の鳥居。この先に拝殿があります。

豊玉姫は海神の娘で、竜宮城の乙姫様のこと。古来より水の神、海の神として崇敬されてきた。

この豊玉姫神社の遣いは「なまず」。嬉野川を支配し、郷の守りについていて、国に大難あるときには6尺の大なまずが現れて、神託を告げられると語られている。

この「なまず様」は古来より「肌の病」にご利益があるといわれている。豊玉姫は乙姫様。その肌は美しく、嬉野温泉の効用と相まって「美肌の神様」として、広く親しまれているという。

温泉湯豆腐
 
嬉野温泉の締めは、やはり「温泉湯豆腐」だった。
 嬉野温泉観光協会のサイトでも前面に出しているのが「温泉湯豆腐」。いまでこそ嬉野温泉全体の名物となっているが、もともとは「宗庵よこ長」の創作したものだそうだ。
 宗庵よこ長のサイトによると、以下のように説明がされている。
 古来、嬉野温泉のお湯(弱アルカリ泉)は、胃腸に良いとされています。
 名物湯どうふは、このお湯を使って調理したものです。 当店の初代(勝雄)が実家の豆腐屋「小野原唐風園」でお湯と木綿豆腐との不思議な関係(お湯で炊くと柔らかくなり、とろける)に着目し、それを料理に入れ活用したことから始まります。(昭和32年以来、元祖)

 お湯は、豆腐の旨みを引き出すと共にとろける様に柔らかくなるので、口当たりが一層滑らかになります。当店では、このとろけて白濁した湯汁に長年の工夫による味付けをしています。
 まず薬味を鍋に入れ、湯汁ごとお召し上がり下さい。その後、湯どうふの具を旨味たれにつけてお召し上がり下さい。(マンガ美味しんぼ39巻掲載)

 一般に豆腐といえば煮込めば煮込むほど固くなり美味しくなくなってしまう。それが逆にお湯で炊く(「炊く」という表現も面白いが・・・)と柔らかくなるというから不思議なものだ。
 嬉野温泉の名物なのでではあちこちで食べられるものの、やはり食べるなら「元祖」という「宗庵よこ長」で食べることにする。最初は、大会終了後の昼食にと考えていたのであるが、さすがに有名なだけあって店の前には行列が出来ている。これでは埒があかないので、入浴してから夕食にと夕方5時頃の中途半端な時間にやってきた。
 店の前の行列はなくなっていたものの、それでもがらりと玄関を開けると、店内はそこそこに混雑していた。これだけでも人気のほどがうかがえる。

嬉野温泉の名物「温泉湯豆腐」の元祖「宗庵よこ長」。元祖だけあって店内は混んでいた。

 相席こそならなかったものの、各テーブルはすべて埋まっている状況。初めてなのでメニューを見て最初に書かれている「湯どうふ定食(790円)」を注文する。
これが店内の様子。夕方5時頃にもかかわらず、客の出入りが激しかったです。

玄関前にはメニューの案内

オーソドックスに「湯どうふ定食(790円)」を注文しました。
 
 待つこと約15分。目の前には彩りよく盛られた「湯どうふ定食」が現れた。店のオバチャンが簡単に食べ方を説明してくれる。「鍋の中の具は、(ポン酢の入った)取り皿にとって食べてください。湯どうふはスープに味付けがしてあるので、そのまま食べられますよ」という。
 確かに、白菜、カマボコ、エビなどはポン酢煮付けて食べると美味しいが、湯豆腐は鍋のスープと一緒に食べると美味しかった。また、豆腐もプリンのようにとろける柔らかさで絶品。定食でこの値段は素晴らしい!

 今回の遠征で国盗りは達成できなかったものの、嬉野は温泉に食べ物に別のところで大きな成果があったと感じた遠征だった。

湯どうふ定食(790円)。日本中でも嬉野温泉しか食べられない逸品!