2014とよね・みどり湖ハーフマラソン 参戦記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
豊根村 北設楽郡豊根村は、愛知県にある2つの村のうちの一つの村。県庁所在地の名古屋市から遠く離れた人口約1,200人の小さな村。典型的な過疎の村と言っていいだろう。 愛知県にあるもう一つの村は「飛島村」で、こちらは同じ村でも港湾や工場が多く立ち並ぶ経済的には豊かな村。飛島村の話はわが職場でもよく聞くが、とにかく住民には恩恵が多いことで有名だ。同じ村でも、収入に対する交付税の割合を比べても一目瞭然。豊根村に至っては4割が地方交付税によるものなので、村だけの税収では何ともならないことがよくわかる。反対に飛島村の収入に対する地方交付税の割合は1%程度で、名古屋市とほとんど遜色がなく、「村」が豊かであることが数字の面でもよくわかる。 話を戻す。 この豊根村の面積は約155km2。豊川市の面積が約160km2で豊根村に比較的近いが、豊川市は人口が18万人強。人口自体が二桁、人口密度に至っては三桁も違ってきている。広い土地に住む人が限られていることがよくわかる。 村の活力を上げていくのは、やはり人口を増やしたり、村を訪れる人を増やしていくことに尽きるだろう。そういう意味では、この「とよね・みどり湖ハーフマラソン」は、その手段の一つとしては良いものであると思う。最近は県庁所在地を中心とした都市型マラソンが人気であるが、この山奥の自然溢れるところで開催されるマラソン大会もひと味違った形があって面白いと思う。参加者が順調に増えていることからもそのことがよくわかる。
コース紹介(コースガイド)→こちらを参照してください。 レース 今大会の会場はとよねドーム。東京ドーム、ナゴヤドームなどをイメージすると「??」と思うかもしれないが、確かにドーム上の建築物であることには間違いない。豊根村役場のすぐ北にあるが、全天候型でちょっとしたスポーツをしたりイベントを開催するのには適していると思う。 今回の全種目のエントリー人数は887人。都市型マラソンと比べると桁違いに少ない人数ではあるが、会場の人口密度からすると閑散とした感じは全く感じられない。むしろ、選手とその家族を含めれば1,000人程度の人が集まっていたかもしれない。村の人口が約1,200人なのでほぼ村の人口に匹敵する人数だ。
メイン種目のハーフマラソンのスタートは9時30分。こちらはエントリーが443人のため、それなりにスタート地点では混雑した感じだ。とはいえ、大規模大会に比べれば早々に場所取りで並ぶ必要もないので、スタート前のストレスは低い感じだ。 私の出場した10kmはハーフマラソンのスタートの20分後のスタートだ。こちらはエントリーが172人とハーフマラソンの3分の1程度なのでスタート場所の混み具合としては、まったくストレスがないものと言っていい。 9時50分にピストルの合図でスタートする。 スタートしてから50mほどでいきなり村民ホール横を右折し、さらにその50mほど先を左折し一般公道に出る。すでにこの時点で私の前を走るのは5人ほどであった。
レースは序盤から3人ほどが先に走っていってしまったが、私はその後の4位グループで走っていた。そのうちの一人は、風貌からして私と同年代のランナーのようだった。今回はナンバーカードの支給が一枚であり、体の全面(胸付近)に付けるため後ろからでは、ランナーの年代の判別が出来ない。こうなると雰囲気で探るしかない。とはいえ、いちいち前に出てナンバーを確認するような作業はしない。ペース的にはやや速めかなという感じで、3kmほどすると私が付いていけなくなり始め、後退することとなる。 その後は、後続から来たランナーに一人抜かれ総合で6位に後退する。久しぶりのレースで、レース感もいまいちな感じだったので、無理にペースを上げることなくこの日は大人しくレースを進めていった。 折り返し地点が近くなってくると、既に折り返したランナーが順に現れたが、私の前を走るランナーはいずれもばらけており、みな単独走になっていた。18分45秒で5kmを折り返す。思っていたよりもかなり遅いタイムだった。
この後は、4位、5位を走るランナーを前に見ながら走るが、みどり湖の湖畔道路が右に左にと曲がるため、徐々に前を走るランナーとの距離も離れだし終盤は見えなくなってきてしまった。 7.5kmを過ぎると、10時ちょうどにスタートした5km部門の選手が折り返していく。ここで多くの選手と合流することとなり、賑やかになった反面、少々抜きづらくなった。 最後の1kmくらいはやや登っているのが走っていても十分感じることが出来た。終盤は登り基調なのでゴールタイムは期待できない。徐々に茶色のタイル張りの豊根村役場庁舎が見えてきた。 38分15秒。これが今日のゴールタイム。 体調が決して悪いわけではないが、10月にあまり練習が出来なかった余波がしっかりタイムに現れていた。このタイムでは年代別とはいえ、優勝を競うには寂しいタイムだった。
番外編 今から30年近く前のマラソン大会としては、「走らせてやる」的な大会が多かった。市町村のイベントというところも昔からあったが、陸上競技のロードレース的な大会もそれなりに多く、主催、主管が地域の陸上競技協会の場合はこの色合いが濃かった。 最近は、ランナー人口が増え、マラソンを陸上競技として捉えるのではなく、レジャー的な要素で始める人も少なくは無い。そのせいであろうか、「走らせてやる」的な大会では人が集まらず、多くの大会は市町村のイベントとしての位置付けに変わってきた向きがある。 各マラソン大会が、陸上競技であるか否かにかかわらず、賑やかであった方が楽しいに決まっている。競技指向のランナーであっても、ホスピタリティーに溢れる大会の方がいいのは当然であろう。
そのホスピタリティーという面では、この「とよね・みどり湖ハーフマラソン」というのは、豊根村の人口のことを考えるとよく出来ていると感じる。参加賞の一つの芋煮は、嗜好の問題もあるかもしれないが、私にとっては久しぶりに「うまい!」と思える逸品だった。もちろん芋煮を食べるために、この大会にやってきているのではないが、無料で何杯も食べられるのであれば軽く4〜5杯は食べたくなるようななかなかのものだった。里芋(自分にとっては好物)に加え、この地方で取れたと思われるキノコの相性が最高によかった。味噌仕立てが私は好きであるが、今回いただいた芋煮は醤油ベースではあるが、とろみが何とも言えないまったり感を漂わせ、具材を口にかき込む箸の動きが衰えることがなかった。少々大げさかもしれないが、この芋煮を食べるためにこの大会にやってきても良いと思えるくらいの逸品だ。
またこの芋煮のほか、とよねドーム内には、いくつかのお店がお昼近くになったランナーたちの空腹を満たせようとスタンバっていた。焼きそばなどはどこでも食べられるので少々興ざめ感はあったが、豊根村でしか手に入らないというものを探した結果「ポップコーン用とうもろこし」というものを見つけた。これは通常のトウモロコシではなく、ポップコーンを作るための品種だそうだ。フライパンに油を敷いてお好みに合わせて味付けをすればよいとのこと。出来合のポップコーンはいつでも食べられるが、お土産としては面白いものなので2つほど購入した。
そしてもう一つこの大会で好評なのが、正午過ぎから行われる抽選会だ。抽選会は、あちこちの大会で行われるので決して珍しいものではないが、この大会は地元で取れた野菜などを中心に抽選会が行われるためけっこう大きな箱詰めのものをもらっている人が多い。 公共交通機関で、ここまでやってくることは不可能で、基本は自動車でやってくる人ばかりだから抽選会で大きな賞品をいただいても持ち帰るには困らないだろう。子どもだけでなく、大人も大きな賞品をもらってニンマリしていることが目立つのがこの大会の抽選会の特徴かもしれない。 本日の戦利品
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