第20回香南市山北みかん健康マラソン大会 参戦記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今回は公共交通機関を利用 遠征する場合に、自分で自動車を運転していくか、それとも公共交通機関を利用して出かけるか迷う場合がある。費用的な問題もあるが、終わったあとの一杯を楽しもうとなると公共交通機関の方がいい。また、遠くになればなるほど運転は辛くなってくるので公共交通機関の利用の方がいい。 5年前の高知遠征は、「高速道路どこまで走っても1,000円」に便乗して自動車でやってきたが、名古屋からなら公共交通機関を利用するのが望ましいよりであることは間違いない。私の得意技として夜行バスの利用があるが、名古屋から夜行バスに乗って、翌朝目的地に着いているというのは時間を節約するには非常に都合がいい。 今回も大会のメイン会場の場所を調べて、公共交通機関でたどり着けるか綿密な調査の上でこの大会の出場を決定した。地方の場合は、最後はコミュニティバスなどを利用しないとたどり着けないことが多いが、このバスの時間を調べきれるかどうかで最後は出場の可否が決まると言っても過言ではない。都市型マラソンの場合は、そんなことを考えなくても容易にたどり着けるのであるが、こういう作業を繰り返すことによって調査能力を高めるというのも自分にとっては非常に大きなメリットとなる。
香南市(こうなんし) 今回遠征に出かけたのが高知県香南市(こうなんし)。愛知県にも江南市と書いて同じ読みの「こうなんし」がある。 高知県の香南市は人口約33,000人の街。平成18年3月の町村合併で、旧香美郡(かみぐん)のうち南部の赤岡町・香我美町・野市町・夜須町・吉川村の4町1村が合併して発足。高知市から香南市の中心「野市」までは、距離にして約15kmの位置にある。 旧香美郡の残りの土佐山田町・香北町・物部村の2町1村が同じく平成18年3月に合併。こちらは香美市(かみし)として発足。人口約27,000人。高知県出身のやなせたかしを記念した「やなせたかし記念館(通称「アンパンマンミュージアム」)や日本三大鍾乳洞の一つ「龍河洞」は、香美市の方に位置している。 大会名になった「山北みかん」はこの地方の特産品。市内には、大日寺(四国霊場第28番札所)や高知県立のいち動物公園などがある。 第20回大会で幕を閉じる
いろんな意味で続けていくのは大変であるが、これまで運営されてきた主催者のみなさんには「お疲れ様」と感謝を申し上げたい。なお、6名の方が連続20回出場で、大会会場で表彰をされていました。この6人の方については年中行事として定着していたと思うんですが、来年からこの大会が無くなると思うと寂しい限りですね。心にぽっかりと穴が開いたような気分なのでしょうか。 なお、参考までに高知新聞の記事をそのまま掲載しておきます。
コース紹介(コースガイド) → こちらを参照してください。 レース 10時30分スタートの7.6kmを見送ったあとは、自分の出場する4km部門が10時40分にスタートする。この種目のエントリーは400人弱と少ないが、スタート場所の道幅が狭く、前の方に並んでいても結構ギュウギュウ詰めの状態になっている。
10時40分、ピストルの合図とともに行列が動き出す。今回は前から3列目に陣取ったが、スタート直後の前の2列の選手の動きが悪く、先を走る選手との距離がどんどん開いていく。やむなく他の選手をかき分けながら前に進んでいくが、今回は序盤のこのゆったりした入りがかえって良かったかもしれない。 アウェーの高知県においては知る選手などいないので、昨年の同年代の優勝者(以下「A選手」とする。)だけをマークしていたが、しばらく走るとこのA選手の他にもう一人同年代の選手が前を走っているのが見えた。2人とも視界からはさほど離れておらず、最初にA選手に追いつく。今日は後方待機してチャンスがあれば、最後に突き放していこうという作戦。序盤からペースが速くてどんどん離されていくのであれば、相手の方が上手なのでこの場合は諦めるしかない。 1.5kmほどはこの3人で走っていたが、もう一人の同年代の選手が2kmを待たずしてペースが上がってこないので、A選手がこの選手をパスし私も付いていく。
この頃から、A選手は後ろに誰か(私)が付いていることを察知したのか、走りながら後ろを何度か振り向く。おそらくナンバーカードの番号を見て同年代の選手かどうかを確認したかったのであろう。その度に、番号を読まれにくい位置に移動し何とか誤魔化してきた。 この大会のコースは、7.6kmコースとと4kmコースがと合流したり離れたりする面白い作りとなっている。1kmを過ぎて一度離れ、給水所の手前で合流。4kmコースが下り坂に入るところで再び離れ、ゴールの少し手前で再度合流するというものだ。 給水所の手前で7.6kmコースの選手と合流したため、コース上にはかなり多くの選手が走ることになり、A選手からは後方の私を確認しづらくなった。 しかし、4kmコースの下り坂に入るところで7.6kmコースの選手らと別れたため、ここから一気に4kmコースを走る選手の数が減ってしまった。さすがに下り坂に入るとペースは上がったものの、今日の私の脚には余裕があった。
下り坂が少し緩くなったところで、A選手がまた後方の私を確認する。これまで幾度と左側から後方を振り向いていたが、この時ばかりは右側から後方を振り向く。右側から振り向かれるとナンバーカードの百の位を読み取られやすい。百の位を読み取られてしまえば、同年代ということがわかってしまう。たぶんここで確実にわかったのであろうか。残り500mほどでA選手はペースを上げ始めた。しかしながら思い切った感じのペースアップではないのでさらに私は付いていく。 逆に残り400mほどで今度は私の方が仕掛けペースを上げて逃げにかかった。ゴールの手前の100mくらいからはカラーコーンが並べられて、事実上追い抜きが出来ないので早めのスパートが有効だ。結局この作戦があたり、ゴールでは10秒の差をつけて逃げ切ることが出来た。イメージ通りの走りが出来るのは、年に数回であるがこの日はまさにそんな感じであった。
ユニークな手作りの大会。全国ランニング大会100撰に投票したい大会 最近は都市型マラソンが大流行だ。主に地方の県庁所在地の道路を長時間開放して走るというものが多い。東京マラソンが始まってから一気にこの流れが進んだような気がする。東京で長時間道路閉鎖が出来るのであるから、当然、地方都市でも出来ないことはないだろう。それ以上に、地方に観光客を誘致して経済効果を狙っている感が非常に強い。 都市型マラソンに人気が集まり、マラソン人口が増えるのはいいことであるが、逆に大して練習もせずにエントリーする「一発屋」もそれなりに多いと聞く。いつまでたってもマラソンに出られない「マラソン難民」も増えているし、エントリー開始日のエントリー合戦も凄まじい。 また、いままでハーフマラソンだった大会もなぜかフルマラソンに種目が変わったりしている。この現象はフルマラソンでなければ人が集まらないというように主催者が感じているせいであるかもしれないが、いわゆる市民マラソンはフルマラソンだけではない。ハーフマラソンもあれば10km、5kmのロードレースもある。フルマラソンは、本来は短い距離から徐々に距離を伸ばして、心身ともに慣らした上で、十分な時間をかけてチャレンジするものであると思うのであるが、どうも最近の人たちは途中を省略したがる傾向があるようだ。 都市型マラソンに人気が集中する反面、この大会のようにフルマラソンに比べて距離の短い大会については相対的に空いている。エントリー開始で、すぐに定員が埋まることはほとんど無いし、レースの計画を立てやすいので、私はむしろこういう大会の方がありがたい。 この大会は20回の今回で最終回になってしまったのであるが、私が出場したいろんな大会の中でも、かなり手作り感の強い楽しい大会で会った。年代別で優勝したこともあるだろうが、それを差し引いても取り組みがユニークといえるだろう。せっかくなのでいくつか紹介する。 【ダンボールの配布】 会場に到着すると、目についたのが、ダンボールを敷いて座っている人たちの姿だった。「ブルーシートなどの敷物ではなく何でダンボール?」と思っていたが、会場の中央には一辺が約2mほどのダンボールが50cmほどの高さに積まれている。選手らは、ここからダンボールを各自で取っていって敷物代わりに使用するという物だ。確かに地面は少し凸凹しているので、敷物だけではお尻が痛くなってしまうので、主催者が用意したのであろう。毎年こんなことをしていたようで、誰も気にせずにどんどんダンボールが会場のあちこちに広がっていった。
【みかん狩り】 会場のあちこちになぜか低いみかんの木がある。そしてその周りには、ヒモでみかんの木を囲っている。「みかん畑でもないのになぜここにみかんの木が点在している?」。これも会場について私の謎であった。競技が終了してからその謎が解けた。子どもたちにみかん狩りを体験させようという主催者の計らいだ。放送では「小さい子どもさんを優先させてください」といっていたにもかかわらず、一部年配者が一生懸命取っていたのは興ざめだったが、このイベントには拍手。よく見ると、みかんの木がそこに生えているのではなく、根元近くで切ったみかんの木をパイプに固定して縛っていたのであった。この企画のためにわざわざ・・・。
【中学校の音楽演奏】 香南市内の香我美中学校さんたちです。中学生らしい感じの演奏で心が和みました。来年から発表の場が一つ減ると思うと少々寂しいですね。
【タヒチアンダンス】 ハワイアンダンスではなくタヒチアンダンス。高知を中心に活動しているとか・・・。珍しいものを見せていただきました。 【ビンゴゲーム】 他の大会では抽選会として行っているでしょうが、ビンゴゲームの方がワクワクしながら楽しめいるという点では面白かったですね。1000人規模の大会だから出来るのでしょう。 賞品も地元特産の水晶文旦、みかん、メロンなどほとんどが果物でした。水晶文旦は高価なので、当選した子どもたちはたいそう喜んでいました。
【おにぎり、豚汁、みかん食べ放題】 今回私が期待していたのが、この食べ放題。もちろん食べ放題と言っても限界があるのでわきまえながらこれらの食材をいただいたが、ほとんどの大会が「お一人様●個」とか「お一人様●杯」とかいうところがほとんどなので、この制限のないところには驚いた。少なくとも、私の見る範囲では、これらの食材がなくなってトラブルになった様子はなかったが、参加者が1,000人くらいだからなせる技かもしれない。 高知新聞にも書かれていたが、JA土佐香美女性部やJA土佐香美果樹女性部のみなさんが、早朝から3,000〜4,000個のおむすびを握っていただいたようであるが、これだけの数となると本当に大変な作業である。ややもすると、コンビニで売っているようなおにぎりをそのまま配るだけになるところの大会もあるかと思うのであるが、最後まで人海戦術で準備をされたと思うと本当に美味しくいただける。今時、手作りのおにぎりをこれだけの数用意していただける大会など皆無であるだろう。この大会の手作りらしさの象徴だったのが、このおにぎりの準備ではないかと思う次第である。
これらの他にも 【チップを使用しないタイム計測】 【賞状の毛筆による筆耕】 【着順カードの裏に賞品の当選】 など、細かいところにも手作りの良さを発揮していることがうかがえた。 全国各地の大会を行脚している私なので、ここまで手作りでいろんなもてなしをしている大会は、本当に珍しい限りである。アールビーズ社の実施している「全国ランニング大会100撰」に投票したくなるような大会だ。「100撰」に選ばれる大会は、参加者が多いマンモス大会に偏る傾向があるが、この大会のように参加者が1,000人程度でも素晴らしい大会があることをみなさんにお伝えしたい次第である。 それだけに今回の第20回大会で最終回というのは、地元のみなさんだけでなく私のように地元以外から参加した人間としても本当に残念でならない。とはいえ、運営側のみなさんのご都合もあるので、最後の第20回大会をもってこれまでの運営に感謝をしたい限りである。 最後の第20回大会は天候にも恵まれ、最終回を飾るのに相応しい終わり方となったと思う。長い間ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
本日の戦利品
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