第20回香南市山北みかん健康マラソン大会 参戦記

 5年ぶりの高知県遠征です。
 前回の高知県遠征は、麻生総理(当時)の「高速道路どこまで走っても1,000円」時代で、自ら運転して高知県のかなり西に位置する宿毛市まで出かけましたが、今回は高知県でも高知市よりも少し東に位置する香南市というところです。名古屋から高知市までは夜行バス、高知市からはJR,土佐くろしお鉄道に乗り継ぎ、さらに香南市営バスの利用で会場へ。公共交通機関で行けるところに行ってきました。

 大規模マラソンでない方が味があると思いこの大会を選んだのですが、想像以上にもてなしが素晴らしく小規模ながらパフォーマンスが凄いと感じた大会でした。ただ残念なことは、今回の第20回大会でこの大会が最後ということです。運営している側もこのパフォーマンスを続けていくのは相当エネルギーを使うということではないのでしょうか。お疲れ様でした。

 さて大会の方ですが、昨年の年代別優勝の方が今年も参加されていたので、この人について行く作戦でレースを進めました。コースはみかん畑の中のアップダウンを繰り返すなかなかハードなコースです。レベル的に今の私のペースとどっこいどっこいでしたので、ちょうど後ろを走るのには都合がいい感じでした。途中から、背後に私が付いているのを感じたのでしょう。時々後ろを振り向きます。ナンバーカードの番号が見にくい位置に立って何とか同年代と気がつかれないように走りますが、残り500mくらいのところでどうも同年代というのがわかってしまったみたいでスパートをされてしまいました。しかしながらガーンと突き放すようなペースアップではなかったので、逆に残り400mくらいで私が逆にスパートをかけて逃げをはかりました。作戦的にはこれが決まり、ゴールでは10秒の差をつけて優勝をすることが出来ました。たまたま最終回となった大会で優勝できたのは一つの思い出となります。なかなか四国にやってくる機会が少ないので、また、公共交通機関を利用して楽しめそうな大会があれば、足を運んでみようかと思っています。
 

●大会名 第20回香南市山北みかん健康マラソン大会
●開催日 平成27年11月1日(日)
●コース
 /大会要項
 /プログラム
山北公民館前発着(地図)(高知県香南市) 

大会要項 

プログラム

コースマップ
コースガイドはこちら
いずれもクリックすると拡大します
●天 候 晴れ、16℃くらい
●参加賞 カロリーメイト、Tシャツ、タオル、ビンゴカード、黒潮温泉割引券、おにぎり(食べ放題)、豚汁(食べ放題)、みかん(食べ放題)、水、スポーツドリンク、麦茶(いずれもゴール後)
●結 果 14分58秒(4km 総合 第11位、50歳以上男子 第1位)
●表彰 賞状、トロフィー、水晶文旦1箱(7個入り)
●過去の戦績 初出場
●交通手段等
【10月31日(土)/1日目】
徒歩 自宅 21:19 自由ヶ丘駅 21:29
地下鉄 自由ヶ丘 21:31 本山 21:34 (名城線)
本山 21:37 名古屋 21:53 (東山線)
夜行バス 名鉄BC 22:30 高知駅 6:35 (ドラゴンライナー)
( 6:50 )
【11月1日(日)/2日目】
JR 高知 7:34 後免 7:53 (土讃本線)
とさくろしお鉄道 後免 7:54 のいち 8:01
市営バス のいち駅 8:17 市場前 8:27
( 8:15 )
徒歩 市場前バス停 8:27 会場 8:28
【第20回香南市山北みかん健康マラソン 4km 10:40】
徒歩 会場 13:30 市場前バス停 13:32
市営バス 市場前 13:50 のいち駅 14:01
( 13:48 ) ( 14:00 )
土佐くろしお鉄道 のいち 14:28 後免 14:36
JR 後免 14:50 薊野 15:03 (土讃本線)
徒歩 薊野駅 15:03 温泉 15:20
【高知ぽかぽか温泉/入浴】
徒歩 温泉 20:10 薊野駅 20:23
JR 薊野 20:28 高知 20:32 (土讃本線)
( 20:23 ) ( 20:27 )
夜行バス 高知駅前 22:00 名鉄BC 7:01 (事故渋滞で遅延)
( 6:30 ) (ドラゴンライナー)
【11月2日(月)/3日目】
地下鉄 名古屋 7:30 本山 7:46 (東山線)
本山 7:50 自由ヶ丘 7:52 (名城線)
徒歩 自由ヶ丘駅 7:52 8:11
※ 赤色の時刻は、実際に出発(到着)した時刻。青色の時刻は、出発(到着)予定時刻
●費用
参加料 4,000円  
地下鉄 540円 (自由ヶ丘〜名古屋/往復)
高速バス 16,800円 (名鉄BC〜高知駅前/往復割引)
JR 260円 (高知〜後免)
220円 (後免〜薊野)
160円 (薊野〜高知)
土佐くりしお鉄道 500円 (後免〜のいち/往復)
香南市営バス 200円 (のいち駅〜市場前/往復)
入浴料ほか 700円 (高知ぽかぽか温泉 入浴料690円、ドライヤー10円)
合 計 23,380円  
●種目、参加者数(申込人数) 及び 各部優勝者。5km 一般男子50歳以上は6位まで (★は加藤が参加した部門
  結果の一覧はこちら
【7.6km−10時30分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 住所 所属 記録
男子高校生〜49歳 90人 西川 浩司 高知市   26’12”
男子一般50歳以上 76人 嶋田 賢司 高知市 高知地方法務局 27’27”
女子高校生〜49歳 52人 福原 千帆海 安芸市   30’26”
女子一般50歳以上 32人 中田 奈美 高知市 高北病院 31’34”
【4km−10時40分(健康ゆとりコースは10時45分)スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名  住所 所属 記録
男子小学生 44人 野口 兼生 香南市野市町 香我美JAC 15’09”
男子中学生〜49歳 123人 西岡 楽徒 安芸郡田野町  Arancio Giocare 13’50”
★男子一般50歳以上 36人 加藤 一郎 愛知県 名古屋市役所走友会 14’58”
刈谷 真也 吾川郡いの町   15’08”
高橋 鉄昭 高知市 高知市役所陸上部 15’30”
細川 博義 土佐市 司法書士ランナーズ 16’06”
西村 俊彦 須崎市   16’45”
西川 友裕 高知市   16’52”
女子小学生 42人 渡辺 セイラ 南国市 南国忍風Jrスポーツ 15’35”
女子中学生〜49歳 90人 西川 ほの香 高知市 土佐中学校 15’28”
女子一般50歳以上 34人 細川 佐恵 南国市   20’28”
健康ゆとりコース 352人 表彰なし
総合計 971人  

今回は公共交通機関を利用
 遠征する場合に、自分で自動車を運転していくか、それとも公共交通機関を利用して出かけるか迷う場合がある。費用的な問題もあるが、終わったあとの一杯を楽しもうとなると公共交通機関の方がいい。また、遠くになればなるほど運転は辛くなってくるので公共交通機関の利用の方がいい。
 5年前の高知遠征は、「高速道路どこまで走っても1,000円」に便乗して自動車でやってきたが、名古屋からなら公共交通機関を利用するのが望ましいよりであることは間違いない。私の得意技として夜行バスの利用があるが、名古屋から夜行バスに乗って、翌朝目的地に着いているというのは時間を節約するには非常に都合がいい。

 今回も大会のメイン会場の場所を調べて、公共交通機関でたどり着けるか綿密な調査の上でこの大会の出場を決定した。地方の場合は、最後はコミュニティバスなどを利用しないとたどり着けないことが多いが、このバスの時間を調べきれるかどうかで最後は出場の可否が決まると言っても過言ではない。都市型マラソンの場合は、そんなことを考えなくても容易にたどり着けるのであるが、こういう作業を繰り返すことによって調査能力を高めるというのも自分にとっては非常に大きなメリットとなる。

名鉄バスセンターから高知駅前までは、とさでん交通の夜行バス(ドラゴンライナー)を利用。22時30分出発。

早朝の高知駅北口。バスターミナルは北口にある。久しぶりに高知駅に来たが、非常にきれいな駅舎になっていた。

市電は高知駅の南口から出ている。市電は相変わらずといった感じ。

高知駅の南口に大きな銅像が3つほど建っています。左から武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎。

高知駅は島式ホームが2面のみ。JR土讃本線のみで乗り換えがないのでこれで十分だろう。

さすがに「やなせたかし」の故郷だけあって、ゴミ箱までアンパンマンを採用。

高知〜後免はJRにて

後免〜のいち は、土佐くろしお鉄道を利用。後免で僅か1分の接続なので乗り換えが慌ただしい。

先ほどまで乗ってきた列車。土佐くろしお鉄道が高架なので、見下ろすようにJRの列車が見える。

土佐くろしお鉄道の車内はガラガラだった。

のいち駅。町の名前は「野市」。なぜか駅名は平仮名。

のいち駅には小さいながらも土産物屋さんがありました。山北みかんをウリにしているようですね。帰りにこのみかんチップスをいくつかお土産として購入しました。

のいち駅前にありました。「のいちんどんまん」という名前でしょうか。ネーミングからしてやなせたかしさんがされたのでしょうか。

こちらが香南市の中心「のいち」駅。近くには香南市役所もある。

のいち駅前から今回の会場の最寄りのバス停「市場前」までは、この香南市営バス。片道わずか100円でした。

このバスの乗客は私を入れて僅かに3人。ほとんどの人が自動車へ会場に向かったのでしょう。

香南市(こうなんし)
 今回遠征に出かけたのが高知県香南市(こうなんし)。愛知県にも江南市と書いて同じ読みの「こうなんし」がある。

 高知県の香南市は人口約33,000人の街。平成18年3月の町村合併で、旧香美郡(かみぐん)のうち南部の赤岡町・香我美町・野市町・夜須町・吉川村の4町1村が合併して発足。高知市から香南市の中心「野市」までは、距離にして約15kmの位置にある。

 旧香美郡の残りの土佐山田町・香北町・物部村の2町1村が同じく平成18年3月に合併。こちらは香美市(かみし)として発足。人口約27,000人。高知県出身のやなせたかしを記念した「やなせたかし記念館(通称「アンパンマンミュージアム」)や日本三大鍾乳洞の一つ「龍河洞」は、香美市の方に位置している。
 大会名になった「山北みかん」はこの地方の特産品。市内には、大日寺(四国霊場第28番札所)や高知県立のいち動物公園などがある。

第20回大会で幕を閉じる

連続20回出場功労者として表彰される6名の方々。長い間ご参加お疲れ様でした。
 この大会にエントリー後、参加通知書が送られてきたが、その中には「終了のお知らせ」が同封されて驚いた。大会当日の説明や高知新聞からの情報では、みかんの収穫時期と重なること、運営者が高齢化してきたこと等が主な理由と書かれている。最初は10回続けば大成功という思いで10回の開催を目指されていたようであるが、地域にこの大会が根付いて11回、12回・・・と続いていったという。

 いろんな意味で続けていくのは大変であるが、これまで運営されてきた主催者のみなさんには「お疲れ様」と感謝を申し上げたい。なお、6名の方が連続20回出場で、大会会場で表彰をされていました。この6人の方については年中行事として定着していたと思うんですが、来年からこの大会が無くなると思うと寂しい限りですね。心にぽっかりと穴が開いたような気分なのでしょうか。

 なお、参考までに高知新聞の記事をそのまま掲載しておきます。

高知県の山北みかん健康マラソンが20回の節目で幕
 温州ミカンの産地、高知県香南市香我美町山北の「山北みかん健康マラソン大会」が11月1日に開かれる20回目で幕を閉じることになった。大会がミカン収穫時期に重なることに加え、運営に携わる農家の高齢化などが理由で、大会実行委員会の石丸典男委員長(57)は「生産者やボランティアが、ミカン産地を守ろうと続けてきた。つらいが、20回目の節目で終わらせることにした」と話している。

 大会は、JA土佐香美果樹部などでつくる実行委員会が、ミカン産地をPRしようと1994年にスタートさせた。よさこい高知国体の関係で2002、2003年は開かれなかったが、それ以外は毎年開催。4キロと7・6キロの起伏に富んだコースや、ミカンの食べ放題などのサービスが人気で、秋の恒例イベントとして定着した。

 参加者は1回目の約470人から次第に増え、千人を超えた年も。近年は800〜900人台で推移しており、リピーターも多い。今年は971人がエントリーしている。

 大会ではJA土佐香美女性部やJA土佐香美果樹女性部の関係者が、ランナーやその家族ら用に早朝から3千〜4千個のおむすびを握り、運営を手助けしてきた。

 しかし開催は収穫の最盛期で「生産者らの高齢化も重なり、負担に感じる人が増えていた」(石丸委員長)という。1年ほど前から「20回目の区切りで終了したら…」という声が上がり、10月27日の実行委員会の会合で「マラソンを通じて山北ミカンをPRでき、知名度も上がった」として、幕を下ろすことを正式に決めた。

 大会の立ち上げに携わり、長年、実行委員長を務めたミカン農家の岡村彰さん(69)=香我美町山北=は「香南市の行事として定着しており、産地の心意気を伝えるためにも続けてほしかったが…」と、残念そうだった。

 11月1日は、香南市香我美町の山北公民館近くを午前10時半から7・6キロ、4キロのコースごとにスタートする。


高知新聞 web版 2015年10月30日08時26分

コース紹介(コースガイド) →
 こちらを参照してください。

レース
 10時30分スタートの7.6kmを見送ったあとは、自分の出場する4km部門が10時40分にスタートする。この種目のエントリーは400人弱と少ないが、スタート場所の道幅が狭く、前の方に並んでいても結構ギュウギュウ詰めの状態になっている。

午前10時30分にスタートする7.6km部門。みかん畑の中を走る道なので、見てのとおりスタート場所は狭い。4km部門は10分後の10時40分スタート。

 10時40分、ピストルの合図とともに行列が動き出す。今回は前から3列目に陣取ったが、スタート直後の前の2列の選手の動きが悪く、先を走る選手との距離がどんどん開いていく。やむなく他の選手をかき分けながら前に進んでいくが、今回は序盤のこのゆったりした入りがかえって良かったかもしれない。

 アウェーの高知県においては知る選手などいないので、昨年の同年代の優勝者(以下「A選手」とする。)だけをマークしていたが、しばらく走るとこのA選手の他にもう一人同年代の選手が前を走っているのが見えた。2人とも視界からはさほど離れておらず、最初にA選手に追いつく。今日は後方待機してチャンスがあれば、最後に突き放していこうという作戦。序盤からペースが速くてどんどん離されていくのであれば、相手の方が上手なのでこの場合は諦めるしかない。
 1.5kmほどはこの3人で走っていたが、もう一人の同年代の選手が2kmを待たずしてペースが上がってこないので、A選手がこの選手をパスし私も付いていく。

本日のタイム(参考)
距離 SPLIT LAP
1km 3’56” 3’56”
2km 7’42” 3’46”
3km 距離表示なし?
ゴール 14’58” 7’16”
 A選手のペースは決して速くもなく遅くもなく、付いて後方を走るにはちょうどいい感じのペースだった。しかし、2.3kmの給水所を過ぎてから何カ所か上り坂があるが、少しA選手のペースは遅いと感じる。前に出ようかどうしようか迷ったが、今日の最初の方針を貫くことにし、ここはぐっと堪えて後ろについて走ることにした。
 この頃から、A選手は後ろに誰か(私)が付いていることを察知したのか、走りながら後ろを何度か振り向く。おそらくナンバーカードの番号を見て同年代の選手かどうかを確認したかったのであろう。その度に、番号を読まれにくい位置に移動し何とか誤魔化してきた。

 この大会のコースは、7.6kmコースとと4kmコースがと合流したり離れたりする面白い作りとなっている。1kmを過ぎて一度離れ、給水所の手前で合流。4kmコースが下り坂に入るところで再び離れ、ゴールの少し手前で再度合流するというものだ。
 給水所の手前で7.6kmコースの選手と合流したため、コース上にはかなり多くの選手が走ることになり、A選手からは後方の私を確認しづらくなった。
 しかし、4kmコースの下り坂に入るところで7.6kmコースの選手らと別れたため、ここから一気に4kmコースを走る選手の数が減ってしまった。さすがに下り坂に入るとペースは上がったものの、今日の私の脚には余裕があった。

もうすぐゴールの選手たち。

残り100mくらいから各コースをカラーコーンで区切っています。

黄色のナンバーカードはAコース(7.6km)の選手。

一番奥はBコース(4km)の選手です。

この大会ではタイム計測には、特にチップは使用していません。ゴールすると着順カードを渡されます。

ビデオカメラでも影像を記録し、タイム計測に使用していました。

 下り坂が少し緩くなったところで、A選手がまた後方の私を確認する。これまで幾度と左側から後方を振り向いていたが、この時ばかりは右側から後方を振り向く。右側から振り向かれるとナンバーカードの百の位を読み取られやすい。百の位を読み取られてしまえば、同年代ということがわかってしまう。たぶんここで確実にわかったのであろうか。残り500mほどでA選手はペースを上げ始めた。しかしながら思い切った感じのペースアップではないのでさらに私は付いていく。

 逆に残り400mほどで今度は私の方が仕掛けペースを上げて逃げにかかった。ゴールの手前の100mくらいからはカラーコーンが並べられて、事実上追い抜きが出来ないので早めのスパートが有効だ。結局この作戦があたり、ゴールでは10秒の差をつけて逃げ切ることが出来た。イメージ通りの走りが出来るのは、年に数回であるがこの日はまさにそんな感じであった。

ゴール後は水、お茶、スポーツドリンクのサービスがあります。

記録については、12時頃に各部のゴール地点に張り出されました。記録証の発行はないので、各自で確認して自らあらかじめ配られた記録証に書き込むという方式

夕方からは、高知市内の「高知ぽかぽか温泉」で汗を流しました。

風呂上がりの一杯は最高ですね。今日は優勝したので生は2杯

ユニークな手作りの大会。全国ランニング大会100撰に投票したい大会
 最近は都市型マラソンが大流行だ。主に地方の県庁所在地の道路を長時間開放して走るというものが多い。東京マラソンが始まってから一気にこの流れが進んだような気がする。東京で長時間道路閉鎖が出来るのであるから、当然、地方都市でも出来ないことはないだろう。それ以上に、地方に観光客を誘致して経済効果を狙っている感が非常に強い。
 都市型マラソンに人気が集まり、マラソン人口が増えるのはいいことであるが、逆に大して練習もせずにエントリーする「一発屋」もそれなりに多いと聞く。いつまでたってもマラソンに出られない「マラソン難民」も増えているし、エントリー開始日のエントリー合戦も凄まじい。

 また、いままでハーフマラソンだった大会もなぜかフルマラソンに種目が変わったりしている。この現象はフルマラソンでなければ人が集まらないというように主催者が感じているせいであるかもしれないが、いわゆる市民マラソンはフルマラソンだけではない。ハーフマラソンもあれば10km、5kmのロードレースもある。フルマラソンは、本来は短い距離から徐々に距離を伸ばして、心身ともに慣らした上で、十分な時間をかけてチャレンジするものであると思うのであるが、どうも最近の人たちは途中を省略したがる傾向があるようだ。
 都市型マラソンに人気が集中する反面、この大会のようにフルマラソンに比べて距離の短い大会については相対的に空いている。エントリー開始で、すぐに定員が埋まることはほとんど無いし、レースの計画を立てやすいので、私はむしろこういう大会の方がありがたい。

 この大会は20回の今回で最終回になってしまったのであるが、私が出場したいろんな大会の中でも、かなり手作り感の強い楽しい大会で会った。年代別で優勝したこともあるだろうが、それを差し引いても取り組みがユニークといえるだろう。せっかくなのでいくつか紹介する。

【ダンボールの配布】

 会場に到着すると、目についたのが、ダンボールを敷いて座っている人たちの姿だった。「ブルーシートなどの敷物ではなく何でダンボール?」と思っていたが、会場の中央には一辺が約2mほどのダンボールが50cmほどの高さに積まれている。選手らは、ここからダンボールを各自で取っていって敷物代わりに使用するという物だ。確かに地面は少し凸凹しているので、敷物だけではお尻が痛くなってしまうので、主催者が用意したのであろう。毎年こんなことをしていたようで、誰も気にせずにどんどんダンボールが会場のあちこちに広がっていった。

謎のダンボールだった。みんな持参してきたの?と不思議だったが・・・。

積まれたダンボールを各自で運んで敷物にしていました。謎が解決!

【みかん狩り】

 会場のあちこちになぜか低いみかんの木がある。そしてその周りには、ヒモでみかんの木を囲っている。「みかん畑でもないのになぜここにみかんの木が点在している?」。これも会場について私の謎であった。競技が終了してからその謎が解けた。子どもたちにみかん狩りを体験させようという主催者の計らいだ。放送では「小さい子どもさんを優先させてください」といっていたにもかかわらず、一部年配者が一生懸命取っていたのは興ざめだったが、このイベントには拍手。よく見ると、みかんの木がそこに生えているのではなく、根元近くで切ったみかんの木をパイプに固定して縛っていたのであった。この企画のためにわざわざ・・・。

みかん畑でもないところになぜかみかんの木が点在。この大会のために植えた!?

この大会の企画の一つ、みかん狩り体験のために用意したものでした。納得!

【中学校の音楽演奏】
 香南市内の香我美中学校さんたちです。中学生らしい感じの演奏で心が和みました。来年から発表の場が一つ減ると思うと少々寂しいですね。

↑ 中学生の音楽演奏

↓ タヒチアンダンスショー

【タヒチアンダンス】
 ハワイアンダンスではなくタヒチアンダンス。高知を中心に活動しているとか・・・。珍しいものを見せていただきました。

【ビンゴゲーム】
 他の大会では抽選会として行っているでしょうが、ビンゴゲームの方がワクワクしながら楽しめいるという点では面白かったですね。1000人規模の大会だから出来るのでしょう。
 賞品も地元特産の水晶文旦、みかん、メロンなどほとんどが果物でした。水晶文旦は高価なので、当選した子どもたちはたいそう喜んでいました。
ビンゴゲームには子どもを中心にたくさん人が集まってきました。当たる期待感がワクワクですね。

ビンゴゲームの賞品が山積み。一番高価なものは、やはり水晶文旦でしょうか。

ビンゴゲームで使用したビンゴカード。

【おにぎり、豚汁、みかん食べ放題】
 今回私が期待していたのが、この食べ放題。もちろん食べ放題と言っても限界があるのでわきまえながらこれらの食材をいただいたが、ほとんどの大会が「お一人様●個」とか「お一人様●杯」とかいうところがほとんどなので、この制限のないところには驚いた。少なくとも、私の見る範囲では、これらの食材がなくなってトラブルになった様子はなかったが、参加者が1,000人くらいだからなせる技かもしれない。
 高知新聞にも書かれていたが、JA土佐香美女性部やJA土佐香美果樹女性部のみなさんが、早朝から3,000〜4,000個のおむすびを握っていただいたようであるが、これだけの数となると本当に大変な作業である。ややもすると、コンビニで売っているようなおにぎりをそのまま配るだけになるところの大会もあるかと思うのであるが、最後まで人海戦術で準備をされたと思うと本当に美味しくいただける。今時、手作りのおにぎりをこれだけの数用意していただける大会など皆無であるだろう。この大会の手作りらしさの象徴だったのが、このおにぎりの準備ではないかと思う次第である。

こちらは用意された豚汁。何時間かかって準備されたのでしょうか。

こちらも数え切れないおにぎり。11時30分頃から配布が開始され出しました。
あっという間にのために、凄い人がやってきました。

豚汁も大忙し。最後に丼の豚汁にネギをのせて完成です。

こちらはを配っているブース。黙っていても5個くらいは配布されていました。

これらの他にも
【チップを使用しないタイム計測】
【賞状の毛筆による筆耕】
【着順カードの裏に賞品の当選】

など、細かいところにも手作りの良さを発揮していることがうかがえた。
 全国各地の大会を行脚している私なので、ここまで手作りでいろんなもてなしをしている大会は、本当に珍しい限りである。アールビーズ社の実施している「全国ランニング大会100撰」に投票したくなるような大会だ。「100撰」に選ばれる大会は、参加者が多いマンモス大会に偏る傾向があるが、この大会のように参加者が1,000人程度でも素晴らしい大会があることをみなさんにお伝えしたい次第である。
 それだけに今回の第20回大会で最終回というのは、地元のみなさんだけでなく私のように地元以外から参加した人間としても本当に残念でならない。とはいえ、運営側のみなさんのご都合もあるので、最後の第20回大会をもってこれまでの運営に感謝をしたい限りである。
 最後の第20回大会は天候にも恵まれ、最終回を飾るのに相応しい終わり方となったと思う。長い間ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

今回で終わるのは非常に寂しい限りですが、天気は終わりを飾るように気持ちのいい天気でした。

会場の銀杏の木も、本当にきれいに紅葉していました。

本日の戦利品

左から副賞の水晶文旦1箱(7個入り)、賞状、トロフィーです。

家に帰ってきて開けてみると水晶文旦が7個入っていました。昨日駅の売店で、小が760円、大が980円で売っていました。柑橘類の王様といわれるそうですが、確かに食べてみると見た目以上に甘く美味しい食べ物です。

こちらはトロフィー。似たような感じのものはいくつかいただいたことがありますが、少しデザインが異なり重みがある感じなので、玄関に飾っておくことにします。

こちらは参加賞。右からTシャツ、タオル、カロリーメイト。閉会式でビンゴゲームもしました。

おにぎり、豚汁食べ放題。といってもそんなに食べられないので、おにぎりは一通りの種類をいただきました。

みかんも食べ放題

ビンゴゲームの結果。残念!