第58回白鷹若鮎マラソン大会 参戦記

 1年ぶりの山形県の遠征です。
 山形県は、北から「@庄内エリア」「A最上エリア」「B村山エリア」そして「C置賜エリア」の4地区に分かれています。これまで山形県の大会にはトライアスロンを含めて9回参加していますが、内訳として「@庄内エリア」が4回、「A最上エリア」が1回、「B村山エリア」が1回、「C置賜エリア」が3回で、それなりにまんべんなく参加しているかと思います。

 今回の「白鷹若鮎マラソン大会」は、会場が西置賜郡白鷹町で「C置賜エリア」の一番北に位置する町です。もちろん訪れるのは初めてです。
 今回は「9月の後半なら涼しくなっているだろう」という読みは大当たり。スタート時の気温も21℃程度と、単身赴任中の千葉県の比べてもずっと涼しく快適でした。大会の方ですが、コースは久しぶりの「公認コース」。距離は正確だろうし、コースも激坂があるようなところではなさそうです。大会前日に、コースの試走と下見をしましたが、概ね前半が上り、折り返してからは下りという感じで、後半にアシストしてもらえる感じのコースです。

 ここ2週間くらいは、仕事がちょっと忙しく練習時間を大幅に削っていたので、今日はペースを抑え気味にして走ることにしました。ペース配分そのものはまずまずで、最後の2kmくらいからはペースアップが出来て、体調が悪い中、何とか45分台の記録が出ました。今シーズンは何とか10kmを40分台にまで回復するのが目標です。

 最後に残念なお知らせ。シャトルバスのトラブルでスタート時間が30分繰り下げ。また、給水所も給水がないところが4カ所中2カ所もあり、主催者側の不手際が非常に目立ちました。58回も開催している大会にしては・・・という感じで少々残念でした。ランナーズの大会レポでもそういう書き込みが目立ちました。

●大会名 第58回白鷹若鮎マラソン大会
●開催日 令和5年9月23日(土・祝)
●コース
 /大会要項
 /プログラム
蚕桑小学校北道路発(地図)、蚕桑小学校着(地図)(山形県西置賜郡白鷹町) 

大会要項 

プログラム

コースマップ
コースガイドはこちら
いずれもクリックすると拡大します
●天 候 晴れ、21℃くらい
●参加賞 Tシャツ(事前送付)、水(ペットボトル)、プチトマト、みそまんじゅう、特別賞(洋菓子詰め合わせ、県外参加者のみ)(以上ゴール後)、キュウリの一夜漬け、玉こんにゃく、豚汁(以上ふるまい)
●結 果 45分54秒(10km 男女総合 第64位、男子総合第58位、男子60〜69歳 第5位)
●表彰 賞状、副賞(ミニトマト)
●過去の戦績 初出場
●交通手段等
【9月21日(木)/1日目】
徒歩 マンション 21:52 本八幡駅 22:00
地下鉄 本八幡 22:08 小川町 22:37 都営新宿線
淡路町 22:42 東京 22:45 メトロ丸ノ内線
夜行バス 東京駅八重洲口 23:20 赤湯温泉口 5:30 東北急行バス
【9月22日(金)/2日目】
徒歩 バス停 5:30 赤湯駅 6:03
山形鉄道 赤湯 7:06 南長井 7:36
徒歩 南長井駅 7:38 ホテル 7:49
  【ウイークリー的場/荷物預け】
徒歩 ホテル 7:51 南長井駅 8:01
山形鉄道 南長井 8:16 鮎貝 8:46
徒歩 鮎貝駅 8:46 会場 9:16
【コース下見・試走】
徒歩 会場 10:47 鮎貝駅 11:14
山形鉄道 鮎貝 11:51 あやめ公園 12:04
徒歩 あやめ公園駅 12:04
【丸大扇屋、鍋屋本店、小桜館/見学】
【池田屋本店/昼食】
徒歩 バス停 12:55
長井市営バス 撞木橋 13:13 長井高校(西) 13:20
13:08 13:17
徒歩 バス停 13:20 ホテル 13:33
【ウイークリー的場/休憩】
徒歩 ホテル 16:37
  【もみもみing長井店/マッサージ(45分)】
  【幸楽苑・長井店/夕食】
  【ヨークベニマル長井小出店/買い出し】
徒歩 ホテル 18:37
【ウイークリー的場/泊】
【9月23日(土・祝)/3日目】
徒歩 ホテル 7:15 南長井駅 7:25
山形鉄道 南長井 7:37 鮎貝 7:56
シャトルバス 鮎貝駅 7:59 会場 8:03
【第58回白鷹若鮎マラソン 10km 10:00スタート】
シャトルバス 会場 11:38 鮎貝駅 11:42
山形鉄道 鮎貝 11:51 赤湯 12:39
JR 赤湯 12:47 米沢 13:04 奥羽本線
米沢 13:08 福島 13:54 奥羽本線
徒歩 福島駅 13:57 福島県庁 14:10
【福島県庁/写真撮影】
徒歩 福島県庁 14:11 福島駅 14:23
高速バス 福島駅東口 14:42 バスタ新宿 20:26 JR東北バス
20:01
地下鉄 新宿 20:39 本八幡 20:21
徒歩 本八幡駅 20:21 マンション 21:31
※ 赤色の時刻は、実際に出発(到着)した時刻。青色の時刻は、出発(到着)予定時刻
●費用
参加料 3,000円  
地下鉄 78円 (一日乗車券の通勤分の差額)
377円 (新宿〜本八幡)
夜行バス 5,700円 (東京駅〜赤湯温泉口/東北急行バス)
高速バス 3,720円 (福島駅東口〜バスタ新宿/JR東北バス)
山形鉄道  570円 (赤湯〜南長井)
430円 (南長井〜鮎貝)
390円 (鮎貝〜あやめ公園)
1,000円  (土・休日フリー切符)
路線バス 100円 (撞木橋〜長井高校(西)/長井市営バス)
JR 990円 (赤湯〜福島)
マッサージ 3,628円 (もみもみing長井店)
宿泊料 4,950円 (ホテルウイークリー的場)
合 計 24,933円  
●種目、参加者数(申込人数) 及び 各部優勝者。10km 男子60〜69歳は第6位まで (★は加藤が参加した部門
【21.0975km−9時00分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 所属 記録
男子29歳以下 16人 奥山 智広 新庄地区陸上競技協会 107'42
男子30歳代 27人 柳田 尚皓 NO−BORDER 1゚14'20"
男子40歳代 60人 円舘 和馬   1゚17'05"
男子50歳代 64人 鈴木 考 宮城陸上競技協会 1゚25'45"
男子60歳代 44人 秋野 文宏   1゚26'06"
男子70歳以上 11人 樋口 茂 入間黒須RC 1゚51'56"
女子29歳以下 2人 鈴木 沙綾花   1゚49'39"
女子30歳代 4人 高橋 牧子 しんとうきょう 1゚50'51"
女子40歳代 10人 江部 桃子 teamTOMOZO 1゚24'30"
女子50歳代 12人 堤 佳子   1゚30'43"
女子60歳代 4人 佐藤 千代子 仙台住吉台走友会 1゚46'08"
女子70歳以上 0人 該当なし
【10km−10時00分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 所属 記録
男子高校 5人 秋野 維月 鶴岡南高 35'26"
男子29歳以下 8人 森谷 翔 日大山形教員 33'50"
男子30歳代 28人 八鍬 純兵 北村山陸協 34'46"
男子40歳代 34人 井上 徹 新庄・最上 34'12"
男子50歳代 29人 駒津 普司 白鷹マラソンクラブ 37'04"
★男子60歳代 34人 1 鈴木 明一 山形銀行RC 41'08"
2 植木 薫   43'06"
3 阿部 武喜 弘前公園RC 44'54"
4 政谷 英樹   45'26"
5 加藤 一郎 名古屋市役所走友会 45'54"
6 北林 武彦 JR大湊駅OB 46'26"
男子70歳以上 27人 塚田 義一 能生陸上クラブ 42'58"
女子29歳代 3人 本間 未来   37'29"
女子30歳代 5人 渡辺 明美 YAC 40'50"
女子40歳代 9人 佐藤 美保子   45'38"
女子50歳代 14人 木村 恵巳 たんぽぽRC  44'54"
女子60歳代 6人 佐藤 由香   51'17"
女子70歳以上 3人 清信 百合子   58'26"
【5km−9時40分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 所属 記録
壮年男子 49人 小井沼 康良   17'04"
女子 14人 尾関 真衣   21'32"
【3km−7時50分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 所属 記録
中学男子 12人 円舘 輝龍   9'30"
中学女子 7人 太田 琴海 河北中学校 11'10"
【2km−8時20分、9時10分、9時30分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 所属 記録
一般 39人 小井沼 陸王   7'18"
小学1年男子 14人 長岡 秀真 飯豊町立第一小学校 8'55"
小学1年女子 8人 渡辺 茉優   10'06"
小学2年男子 20人 平 愼羽 白鷹ジュニアアスリート 9'00"
小学2年女子 10人 竹田 樺桜 長井市立致芳小学校 10'13"
小学3年男子 23人 杉沼 優之介 ETジュニア 7'30"
小学3年女子 17人 齋藤 咲心 ETジュニア 8'24"
小学4年男子 22人 石山 大朗 ETジュニア 7'30"
小学4年女子 11人 安達 陽愛 ETジュニア 7'43"
小学5年男子 26人 渡辺 大悟 RCS Jr. 7'49"
小学5年女子 16人 後藤 杏奈 ETジュニア 7'50"
小学6年男子 31人 松田 陽太 ETジュニア 7'11"
小学6年女子 19人 黒田 琳子 ETジュニア 7'23"
総合計 797人  

長井市
 今回の遠征で、宿泊場所をどこにするか悩んだが、これまでに何度か訪れたことのある長井市内にすることにした。
 長井市は、山形県南部にある人口約26,000人の町。人口規模としては大きくはないが、かつては最上川舟運の港町として栄えた商工業都市。つまり、江戸時代までは日本の基幹交通は日本海経由の舟運であり、日本海に面した一大海運港であった酒田から、最上川を経由して米沢に至る舟運ルートの終着港が長井であった。すなわち、米沢藩の交易港都市であったのが長井市である。
 一方、私の中での長井市は、山形県での唯一の優勝した大会が平成22年10月の「長井マラソン」であり、また、この大会以外にも長井市で開催された「全国白つつじマラソン」にも2回ほど参加しており、山形県内では比較的よく訪れる町となっている。
 今回、大会前日に宿泊することになり少し時間が出来たので、長井市内を少々観光することにした。

 まずは長井市も推しているのが、山形鉄道フラワー長井線だろうか。私のように、長井市へ公共交通機関を利用してやってこようとすれば、必ず利用するのがこの山形鉄道フラワー長井線である。もともとはJR長井線が、昭和63年に第3セクターに転じたものであるが、路線周辺の人口密度が小さいので当然ながら乗車密度も低い。車両も駅舎も古く、ICカードの導入もない。収益を上げるために苦労しているのがよくわかる。鉄道収入以外のところで利益を上げることを狙っているという意味では、千葉県にある銚子電鉄と同じ感じだ。ただし、フラワー長井線は、路線長(赤湯〜荒砥)が30.5kmと、銚子電鉄(銚子-外川、6.4km)に比べれば長く、沿線の高校生の貴重な通学の脚となっている。
 大会前日の金曜日に、コースの下見・試走をするために、このフラワー長井線を利用したが、ちょうど朝の通学時間帯であり、列車は3両編成で高校生で満員。南長井駅で大量に降車していったが、近くには県立長井高校があるので、どうやらその学生たちのようだった。

JR赤湯駅。現在は山形新幹線の停車駅であり、赤湯温泉への玄関となっている。

JR赤湯駅の構内はきれいに整備されている。

こちらは山形鉄道の赤湯駅。JRの駅舎とは線路を挟んで反対側にあるが、こちらはこぢんまりとした無人駅。

赤湯駅で停車中の山形鉄道フラワー長井線の列車。カラーリングが列車毎に違うのも特徴。

南長井駅では、高校生が多数下車。付近の長井高校に通う学生でしょう。貴重な通学の脚になっています。

山形鉄道の中心駅の長井駅。

ホーム上の造りも木造のまま。

長井駅の駅舎。山形鉄道の本社もここにあるようですが立派ですね。

 あとは、長井がかつては最上川を経由して米沢に至る舟運ルートの終着港であり、交易港都市の面影だったところがどこかにないかと思案。こちらについては、調べたところ「旧丸大扇屋」がヒットする。
 旧丸大扇屋とは、江戸時代から昭和時代にかけて繁栄した長井市の商家で、当時の店蔵や蔵座敷が現存している。寛永17年(1640年)頃この地で荒物・太物商を商ったのが始まりで、のちに最上川の舟運が盛んになると反物を商うようになったという。建物の造りも立派で現存しているのがいい。
 このほか、付近には「鍋屋本店」の建物もある。こちらは明治時代後期に建てられたとされる茅葺き屋根の木造平屋建て店舗と主屋は国登録有形文化財に登録されている。約300年前から屋号「鍋屋」で荒物商売を続ける貴重な商家。
 すこし歩いたところでは、「小桜館」がある。小桜館は、明治11年に建てられた旧西置賜郡役所の建物で、現存する郡役所としては県内で最古、国内では二番目に古い建物。白ペンキ塗りの窓の大きな木造洋風建築で、正面二階の窓の上部は半円形アーチ型になっていて、色ガラス(ステンドグラス)がはめ込まれている。

 今回は、割とコンパクトにまとまったところを歩いて散策したが、平日の昼間とあって歩いている人はほとんど見かけなかったが、町の歴史を知る上でも古き時代の面影が残るところを散策するのは楽しいではないだろうか。

旧丸大扇屋のそばにあった本屋で「風間書店」さん。建物も古そうで、「現役?」と思って中を覗くと人影がありました。調べましたが、建築年代は不明ですが、結構気になる存在でした。

こちらが旧丸大扇屋。丸大扇屋は、1640年頃に初代長沼忠兵衛が椿(現飯豊町)より長井の宮・十日町へ移住し店を構えたことに始まる商家。最上川舟運とともに呉服商として隆盛し、1970年頃までおよそ330年に渡り営業を続けていた。最終的に財産を引き継いだ十代目の三男・長沼孝三が、1988年にその一切を長井市に寄贈し、改修工事を経た1995年に一般公開、2003年には県指定文化財となっている。

こちらは鍋屋本店。十日町の街道に面する、創業が江戸後期(1800)頃の鍋屋本店は、明治30年代に建て替えられた店構えを変えることなく今日まで金物屋を営んでいる。店は茅葺、つし造り(二階部分が低い作り)で東が切妻屋根、西が寄棟となっている。

こちらは長沼酒造さん。長沼家は江戸時代から12代続き、9代目までは呉服店や養蚕業を営んでいました。10代目が、近辺に酒造会社がなかったことから酒造業を開始。酒蔵や店舗は、歴史的な建造物として認められ、国登録有形文化財に指定されている。

こちらは、池田屋本店さん。山形県の庄内地方の郷土料理の「むぎきり」を長井市でも食べられるとあって、行ってみました。

こちらは「紅天むぎきり」。TVでも紹介されたそうで、紅天が映えますね。麺のむぎきり(麦切り)ですが、山形の庄内地方で昔から食べられている、小麦粉を塩水で捏ねて細く切った麺類のこと。コシが強くツルツルとした喉越しでした。

旧西置賜郡役所は、1878年11月に初代山形県令三島通庸の命により建てられている。現存する郡役所としては山形県で1番、全国で2番目に古いもので、1996年3月に長井市指定有形文化財の指定されている。その建物は、2004年5月に小桜館としてリニューアルオープン。地域住民の文化活動の場として利用されている。


コース紹介(コースガイド) →
 こちらを参照してください。

ハーフマラソン以降はスタート時間30分の繰り下げ
 このサイトの読者の方はお気づきだろうが、なるべく大会の様子を伝えるために自分の出場している種目以外のスタート風景を時間のある限り撮影するようにしている。今回、私の出場する10kmのスタート時間は9時30分。その1時間前にメインのハーフマラソンが8時30分にスタートする。1時間のスタート時間に差があるので、ウォーミングアップの時間を利用して写真撮影をすることは可能である。

 今回、公共交通機関によるアクセスでは、山形鉄道・鮎貝駅7時56分着に接続するシャトルバスのみ。鮎貝駅から会場まで時間にして4分ほどであるが、着替えやウォーミングアップのことを考えると、ハーフマラソンに参加しようとする人は使えない。10kmに出場する人がギリギリ利用できるくらいか。シャトルバスを下りて、蚕桑小学校の体育館に到着したのは、8時10分くらいだった。

この日の最初の移動は山形鉄道。最寄り駅は鮎貝で予定通り7時56分に到着。ランナーもそこそこ乗車していました。

鮎貝駅前には、マイクロバスが停まっています。おそらくあれがシャトルバスでしょう。

係の方が案内してくれました。列車が到着してから3分後の7時59分に出発。

メイン会場の蚕桑小学校そばには4分ほどで到着。ここまではスムーズな感じ。まさか、これ以降いろいろなトラブルが起きてくるとは想像もしなかった。

 着替えたり、準備をしたりしているとすぐに8時20分になってしまい、慌ててカメラを持ってスタート場所の方に行ってみることにする。この大会のメイン種目でもあるハーフマラソンは、さすがに参加者が多い感じだ。談笑している選手もいるが、ギリギリまでアップをしている選手もいる。スタート時間が近づくにつれて緊張感が高まってきているようだった。
 スタートの3分ほど前であろうか、係員がハンドマイクを持って「スタート時間を30分遅らせて9時にします。スポーツ公園からのシャトルバスが遅れた関係で、会場に到着していない選手がいるための措置です」というような説明。選手からは、罵声は飛ばなかったものの、ため息があちこちから聞こえる。「ちっ!」とか「せっかく体を作ったのに、またやり直しか・・・」とか「冬の大会だと体が冷えるから許されんなぁ」とか「30分遅れると気温が上がるから早くして欲しいね」等のホンネがちらほら聞こえてくる。

メイン会場の蚕桑小学校は、地方のこぢんまりとした感じの小学校だった。

選手の待機場所となっている体育館は、今回の参加人数からするとやや手狭な感じだった。

8時24分頃のハーフマラソンのスタート前の様子。後方の方は比較的リラックスした感じ。

こちらは8時28分頃の写真。突然、不穏なアナウンスがされて、スタート前のランナーは驚きを隠せなかった。

 58回を数える大会で、スタートのわずか数分前にスタート時間を30分遅らせるという大失態は、ほんの序章に過ぎなかった。

シャトルバス出発まで残り45分
 たまたま私はスタート橋付近にいたので、ハーフマラソンは30分遅れでスタートは理解したものの、他の種目は予定通りにスタートするものと思っていたが、あとで係員が体育館の待機者に「ハーフマラソン以降の種目は全てスタート時間を30分遅らせます」とアナウンスにやってきた。

 ということは、10kmのスター時間は9時30分から10時に変更?
 今回の遠征は、山形鉄道・鮎貝駅を11時51分の列車に乗って帰路を計画していたので、この列車に乗車できないと、以降の予約しているバスをキャンセルしなければならない。逆算すれば鮎貝駅の列車に接続するシャトルバスも、おそらく11時30分過ぎには出発する。10時にスタートをして45分で帰ってきたとしても、帰りのシャトルバスに乗るまででの時間はゴール後45分程度。まあ、急げば何とかなるような時間ではあるが、仮に60分で帰ってくるようなランナーであれば残り時間はわずかに30分程度。
 変な話であるが、スタート前から帰ることを心配しなければならないようなことになってしまった。

給水所に飲み物がない!
 帰りの心配をしながらウォーミングアップを終えてスタート場所に向かう。10kmのエントリーは205人なので決して大人数ではないが、前の方はそれなりに混み合っている。スタートの10秒前くらいに前から3列目くらいに並ばせてもらいスタートをする。

 さすがに公認コースの大会だけあって、わずか200人ほどのエントリーでもスタート直後の勢いが全然違う。20年くらい前であれば、先手必勝とばかりにスタートダッシュで一気に走っていったものであったが、今は最後までペースを乱さないようにと、フルマラソンのスタートのような感じになってしまっている。
 スタートから1km少々はほぼ直線になっているので、後方からは長い隊列になっているのがよくわかる。ざっと見た感じでも50人以上は私の前にいる感じだった。さすがに公認コースだけあって参加している選手のレベルも相対的に高いようだ。陸連登録者であれば、公認記録もこの大会で得ることができる。

30分遅れの9時ちょうどにスタートをしたハーフマラソン。

 スタートから、コースはわずかに登りになっているが、600mほどからはやや勾配がきつくなって最初の1km地点が現れる。ここを4分25秒で通過。決して遅いわけではないが、前を走る選手のペースが全体的に速い。
 1kmを少し超えたところで酒屋のある交差点を左折する。ここからはこのコースの中では一番上り勾配がきついところで選手のペースが落ちる。このあたりで後方から、スマホで音楽を流しながら走る女子選手に抜かれてしまう。スマホなど持っていたら、落としてしまったり、汗を拭くときにも邪魔になるほか、給水の時にも片手しか使えないので、私なら絶対に持ち歩かない。わざわざ荷物になるようなものを持って走っているのが不思議だったが、それなりのペースで走るので恐れ入る。
 昨日下見をしたときはあまり感じなかったが、この2km地点に向かう坂は走ってみると案外ペースが落ちるものである。2kmを9分16秒で通過。この1kmは4分51秒とガクッとペースが落ちる。

1km地点の表示。道路にはマーキングがなく、ややアバウトな感じの表示。

1kmを過ぎて最初の交差点を左折。角に酒屋があります。

 2kmを少し過ぎたところに給水所がある。走り始めて2kmで今日はさほど気温が高いわけではないので、摂る必要もなかったが、給水を摂る練習も兼ねて私はあえて毎回摂るようにしている。
 しかしながら驚くことに、この給水所のテーブルには、500mlサイズのペットボトルのアクエリアスがわずかに2本置いてあるだけ。本当は水が欲しかったが、水がないので、やむを得ずその2本のうちの1本を摂り補給する。私の後ろには、少なく見積もっても100人以上のランナーがいるはずであるが、この人たちは給水所にやってきても給水がないことになる。

 私がこの給水所にやってくる前までに、ハーフマラソンの254人、5kmの63人プラス10kmの50〜60人ほどが通過していったと思うが、計算上ではざっと367〜377人が通過したことになる。給水を摂らない人もいるので、おそらく300人分ほどのペットボトルしか用意していなかったのではないだろうか。少なく見積もっても100本は不足していたとは思う。
 いきなり、最初の給水所からこの有様ではと思いながら10kmコースの折り返しを目指して走って行く。

1kmを過ぎて2kmに向かうところは、このコース最大の上り勾配。ここで一気にペースが落ちる。

ここが2km地点。大会当日、給水所はこの少し先に設けられていましたが、思いっきり給水の準備が不足している感じでした。

 しかしながら、4km手前の二つ目の給水所では、完全にテーブルの上は何もない。完全に給水が売り切れ状態だった。どうやら、完全に給水の予測を誤ったことは間違いないようだ。私もいろんな大会に参加しているが、こういう大会は初めてだった。

往路では知らぬ間に交通規制の解除?
 5km手前で10kmコースの折り返し地点がある。折り返し地点のホントに目と鼻の先には、給水所があるが、これはハーフマラソンの復路用で、10kmのコース上にはないのでもしかしたら摂ってはマズいものかもしれない。が、先ほど、給水がなかった分、少々遠回りでも取りに行きたかったくらいであったが、ぐっと堪える。

 折り返し地点では、22分50秒ほどのタイム。数えたところ63番目でターンをしていく。50人くらいが前にいると思っていたが、予想外に多かった。このコースの距離表示は、ハーフマラソンに対しては1km毎にあるが、10kmコース用というのはない。なので、5km地点と6km地点は表示がないのでガーミンの計測を信じるしかない。

 往路で少しずつ、坂を登ってきたので、復路は気分的には楽だった。
 微妙にアップダウンの繰り返しではあるが、相対的には下っている。少しでも前に出たいところであるが、前の選手との差はなかなか詰まっていかない。
 復路の最初の給水では何とか水にありつけることになる。小さなペットボトルであったが手渡しで受け取る。何とか生き返った感じだ。

本日のタイム(参考)
距離 SPLIT LAP 5kmごと
1km 4'25" 4'25" 23'00"
2km 9'16" 4'51"
3km 14'04" 4'48"
4km 18'23" 4'19"
5km 23'00" 4'37"
6km 27'37" 4'37" 22'54"
7km 32'22" 4'45"
8km 37'03" 4'41"
9km 41'33" 4'30"
ゴール 45'54" 4'21"
※ この日のガーミンでのトータルの距離の測定結果10.06kmでした。また、5km、6kmは距離表示がないので、ガーミンの測定によるものです。
 ところがちょうどこのあたりであろうか、クラクションを鳴らして続けてランナーの間を走っていく自動車があるではないか。「たしか交通規制をすると大会要項に書いてあったはずであるが・・・」。あとで見たところ、「交通規制のため(中略)ハーフマラソン(17.4km地点で2時間20分を超えた場合は、競技を打ち切ります」とあった。
 ハーフマラソンのスタートは9時ちょうど。ただし、当初は、8時30分スタートだから、ここを起点とすれば2時間20分後は10時50分。17.4km地点(ゴールまで残り約3.7km地点)で10時50分に通過できないと収容しますよということだ。私の場合、7km地点を32分22秒つまり10時32分過ぎに通過しているので、少なくとも交通規制の解除には巻き込まれないはずであるにもかかわらず、なぜか自動車が横を走る中でレースを続けることになってしまった。「???」

 復路の最後の給水所では、係の方が自動車から慌てて水の入った箱を下ろして、テーブルの上に慌ててペットボトルを置いているのが見えてきた。ちょうど私が走ってきたのを確認したのか、手渡しでペットボトルの水をもらうことが出来た。今回、給水は4カ所合ったが、いずれもお粗末な状況で一週間前の暑い日であったらと、リタイアや熱中症の人が続出していたかもしれない。

 最後の給水を過ぎると、コースは大きく右へカーブしながら下っていく。終盤の下り坂はありがたい。私もペースを上げるが、まわりの選手もペースを上げているので、相対的な順位は変わらなかった。9km地点を41分33秒で通過。4分30秒ペースで行けば46分を少々超えてしまうので、最後の踏ん張りと思いペースをさらに上げる。ゴールの蚕桑小学校がどんどん近づいてくる。最後は、コースを、左へ右へと曲がりながら蚕桑小学校のグランドでゴール。タイムは45分54秒と、最後に少し頑張ったこともあり、辛うじて46分を切ることが出来た。
 まだまだ本調子にはほど遠い状況ではあるものの、まずは今シーズンは故障をしないこと。さらにその状況を続けながら、少しずつタイムを上げて行きたいと思った次第。

まもなくゴールです。

ゴールは蚕桑小学校の校舎前です。

小学校の中がゴールとなっている公認コースは珍しいですね。

ゴール後は、シューズに装着したチップをここで外します。

水やトマト、お菓子などがここで配られます。一部、ゴールしてもなかったという苦情があったようです。

こちらは振る舞いの豚汁。ゴール後、豚汁が食べられなかったという苦情があったようです。何かと、トラブルの多い大会でした

豚汁の他に一夜漬けのキュウリ、玉こんにゃくも振る舞われていました。

本日の戦利品

事前送付されてきたナンバーカード(左)とTシャツ。ナンバーカードは、地域陸協が主管しているせいか2枚入っていました。

ゴール後いただいたものです。左上は「特別賞」で県外参加者のみ支給だそうです。右上が「水(いろはす)」。左下が「プチトマト」、右下が「みそまんじゅう」です。プチトマトは、帰りの山形鉄道の車内で食べましたが、甘くて美味しかったですね。また。みそまんじゅうは、地元白鷹町の「やまり」さんのもので、こちらもとっても美味しくいただきました。

ふるまいのテントでいただきました。左側は豚汁(ジャガイモが多かったような・・・)。右上が、山形県民のソウルフードの玉こんにゃく。右下がキュウリの一夜漬けです。どれも美味しく、あっという間に私のおなかの中に入っていきました。

スタート時間が繰り下がった関係で表彰式に出られず、賞状と賞品だけいただいて、帰りのシャトルバスに乗り込みました。左は賞状、右は副賞でミニトマトです。

ミニトマトの箱(左)を開けたところ、ミニトマトがぎっしり しばらくは、朝昼晩と食べ続けなければ・・・。右は特別賞の洋菓子の詰め合わせ。地元・白鷹町の「えびな菓子舗」さんのお菓子です。

記録証はネットでダウンロードです。