第13回トライアスロン美山大会 参戦記
●8月24日(土)
 早朝、荷物をまとめ自動車に積み込む。今日は朝から天候があまりよくない。
 午前中は、家族サービスで「千種スポーツセンター(SC)」の屋内プールに出かける。
 福井県というと遠そうなイメージがあるが、名古屋から福井市まで150km。2時間もあれば行ける。そのため午前中はプールに行ったのだ。
 SC内の喫茶で皆で食事をとり、家に送りいよいよ出発する。お盆も過ぎていたので、高速はゆっくり走っても午後3時前には福井ICに到着。美山町はここから東へ約10kmの山あいの町だ。

 今回で3回目だが下見をする。バイクコース、ランコースともに一箇所ずつ工事箇所があった。
 午後4時半に開会式会場兼宿泊場所の「みらくる亭」に到着。

 受付、競技説明会のあと午後6時からカーボパーティが開催された。
 今回大会事務局の不手際で、事前の通知が来ずに、今日朝電話がかかってくるという有様。おまけに「急に大量にキャンセルが出たので、でられそうな人がいたらさそってきてください。」とのこと。トライアスロンを14年もやっているがこんなことを言われたのは初めて。長良川もそうだったけれど最近大会直前になってキャンセルする人が多いのが気にかかる。

 カーボパーティで福井鉄人会・会長の荒川さんとお話しする。
 荒川さんは、福井駅前で一品料理「あらかわ」を開いている料理人。加藤が平成元年のデビュー戦の「九頭竜トライアスロン」の時に審判をやりながら、試合後は会場で「焼き鳥」を焼いて皆に振る舞っていたオジサンだ。
 当時、小学生だったか中学生だったか忘れたけれど、自分の息子も大会に出させていたのを覚えていたので、そのことを荒川さんに尋ねると
 荒川:「加藤さん名古屋でしょ。うちの息子3年くらい前に蒲郡オレンジで優勝してるんだよ。」
 加藤:「えっ!それって荒川大介くんでしょ?アラコの」
 荒川:「そうそう、アラコに入って3年くらいはやっていたけれどね」
ここで、この焼鳥屋の親父の息子が荒川大介くんと初めて知ったのだった。
 加藤:「確か愛知大学でしたよね。」
 荒川:「そうそう。だからその関係で今でも愛知大学の子たちが
     わざわざこの大会に来てくれるんですよ。」

 明日は、この美山大会のほか、珠洲(石川)、越後七浦(新潟)、音吉(愛知県・美浜町)といろんな大会が開催されるので選手が分散している。特に、地元愛知で音吉が開催されるにもかかわらず愛知県からもこの大会に多く来ていた。音吉も今年参加を考えたのだけれど、引越をしているうちに締め切りが過ぎてしまっていた。

 この日は、「みらくる亭」の天然の温泉につかってから床に入った。

●8月25日(日)
 福井県は名古屋と違って幾分かは涼しい。ましてや美山町は、標高はそれほど高くないが森林の町で日陰が多いので、涼しく快適である。

 7時20分に「みらくる亭」をあとにして会場の美山町のB&G海洋センターに向かう。水泳はこのB&Gのプールを使う。
 8時と8時30分と9時の3ウェーブに別れスタートする。といってもこのウェーブごとの一斉スタートではない。
 競技方法は次のようである。
(1)水泳は1コースから泳ぎ出す。
(2)1コースを泳ぎ切るとコースロープをくぐり隣の2コースにはいる。
(3)同様に2コースを泳ぎ切ると3コースへ・・・。
(4)この要領で6コースを泳ぎ切ると一旦プールから上がり、体にマジックで一本ずつ線を入れてもらう。
(5)そして再び1コースから飛び込みこれを繰り返す。
(6)これを7回繰り返したら(計1,050m)、バイクへ進む。「正」の字で回数をチェックする。
(7)スタートはナンバーカード(ゼッケンのこと)の若い順で、5秒間隔。
 全競技の申告タイムが遅い人ほどスタート時間が早い。加藤は、第3ウェーブ(9時スタート)の最後から4番目のスタートだ。

 8時50分頃になると第3ウェーブの選手の召集がかかる。最近水泳は調子が上向きなので、少し待ち遠しい。

 9時ちょうどに第3ウェーブの選手がスタートしだした。9時01分40秒に加藤はスタート。
 50m泳ぐと加藤が今日最大の相手と読んでいた愛知大学の今井田さんが抜いていく。しかし焦らない。先はまだ長い。
 ところが今日は息は苦しいものの、7周回泳いだうち加藤を抜いていったのはこの今井田さんだけだったような気がする。
 7周回泳いであがる。18分02秒。
 1,050m泳いでプラス6コースから1コースへ、プールサイドを7回走ったにもかかわらずいいタイムだ。機嫌をよくしてバイクへ進む。

 バイクは、変速周回コースだ。
 コースは説明がややこしいので省略するが、決して平坦ではない。途中で5%を超えるような坂もある。
 先日新しく買った「シマノ WH−7701」を初めて試合で使うがよく走る。空気抵抗が少ないのかベアリングの抵抗が少ないのかよくわからないが、スピードがよく出ることは間違いない。坂もバンバン攻めた。ランもあるから少々抑えめに走らなければと思うが3回の折り返しの度に、今井田さんとの差が気になりスピードアップする。
 最初の折り返しより2回目の折り返しの方が差が詰まったが、結局背中が見えるところまでは全然追いつかなかった。いったい彼は、水泳を何分であがったのだろうか。

 バイクも終盤、足羽川にかかる橋を超えバイクラックまであと200mというところで、ランに向かう今井田さんとすれ違う。まだ、2分くらい差がありそうだ。

 加藤も素早くトランジットをしてランに向かう。しかし、3週間前の長良川と同じく足が重い。ラン最初のエイドステーションで給水できなかったことも響いた。いくら木陰を走ることが多いコースとはいえ3キロ近く給水なしはキツイ。ランコースも、きついアップダウンはないがだらだらした登りが続くところもある。
 加藤は昨年、この10kmを36分38秒で走っている。少し小雨だったとはいえ、今年はとてもそんな元気はない。後ろから追ってきそうな人もいないので、前を走る今井田さんだけを見据えて走る。
 しかし、4kmほど走ってやっと彼の背中らしきものが見えてきた。森林によって見え隠れする。ランスタート直後からすると1分は縮まったと思われる。

 ログハウス前が5kmの折り返しだ。
 スイマーのはずの彼が意外にも元気そうだ。加藤も折り返す。差は約1分くらいだ。あと5kmで1分だから結構飛ばしていかないと行けない。が、今日の自分のペースからすると、少しでも彼が潰れてくれないことには難しいかもしれないと弱気になる。
 6kmくらいから再びだらだらの上り坂になる。太股の全面がやけにだるい。バイクで飛ばした影響か。気がつくと彼の背中がだんだん遠ざかっていく。ここで勝負ありだった。

 スタートから2時間7分11秒後。ゴールに戻ってきた。
 ゴール前には、やはりあとから追っていた加藤のことが気になっていたのか、今井田さんがいて声をかけてくれた。「今日はもうダメだったよ。」と加藤。

 ということで、ローカル大会ながら優勝を狙ったにもかかわらず残念ながら現役の大学生に負けてしまいました。

 2週間後は伊良湖です。今シーズン不調のランを練習して少しマシにしておきます。

************** 今日の結果 *******************

                (total)     (swim)       (bike)       (run)
1 今井田侑己(愛知県) 2:04:56   15:34( 1)    1:09:38( 3)   39:44( 3)
2 加藤一郎  (愛知県) 2:07:11   18:02( 8)    1:08:35( 2)   40:34( 4)
3 小嶋亮平  (愛知県) 2:11:45   16:07( 2)    1:13:33( 8)   42:05( 6)
4 西金佐智夫(福井県) 2:12:17   18:48(10)    1:11:09( 4)   42:20( 7)
5 石井一成  (愛知県) 2:12:35    17:51( 7)    1:15:11(14)   39:33( 2)
6 梅田昭彦  (福井県) 2:13:42    21:29(31)    1:14:12(11)   38:01( 1)

 参加者66名(うち女性4名)
swim1.05km bike40km run10km

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