2002トライアスロン伊良湖大会 参戦記
その1
 こんばんわ。加藤です。
 メールの宛先の方のうち、今回参加された方も多くいるのでますはお疲れさまでした。

 明日の朝刊が休刊日でお休みだそうなので、まずは結果から。
Aタイプ(男子)
 優勝 藤原裕司(栃木県:38)
 2位 牧 伸孝(愛知県:34)
 3位 小田立之(愛知県:34)
 4位 星野友良(愛知県:32)
 5位 加藤一郎(愛知県:40)
 6位 村瀬 浩(愛知県:38)

 見事にオッサンばっかりです。タイムはいちいち見てくるのが面倒だったので、月曜日の昼前くらいに
エムスポのHPでアップされていると思うので、覗いてやってください。

★★★ 伊良湖の過去の戦績(データ) ★★★
 伊良湖は平成5年から今回で6回出場。平成5年の体調不良(慢性疲労)を除けば5回入賞している。ランが長く相性のいい大会です。

 平成5年(’93)  3h06m08s(78.5km)   22位
 平成8年(’96)  3h16m06s(77km)      4位
 平成9年(’97)  3h26m46s(73km)      6位
 平成10年(’98) 3h14m27s(73km)      5位
 平成11年(’99) 3h21m47s(73km)      6位
 平成14年(’02) 3h43m06s(?)(84.7km) 5位

■■■ 9月7日(土) ■■■
 朝8時までグースカ、ピースカ寝てしまった。
 前回の福井の美山大会から2週間で今回の伊良湖だ。先週はのんびりと過ごし、家族で木曜日から土曜日まで河口湖・山中湖から箱根を旅行した。涼しくてリフレッシュできた。
 しかし、今週は伊良湖に向けて練習のピッチを少しあげたので疲れが残っている。木曜日にらくだ治療院でマッサージをしてもらった。その日はとてもよかったが、金曜日はちょっと背中が張った感じがした。
30分であれこれお願いするので、やむを得ないかもしれない。ただし、大臀筋(お尻の筋肉)や腸腰筋(足の付け根の上の腸の両側の筋肉)の調子はいい。でも早朝起きられないということは、トータル的には疲れているようである。

 家族で食事をし出かける準備をする。
 明日が大会だというのに、悠長なものだと自分でも思う。自作のチェックリストを見ながら一つずつ忘れ物がないようにバックに詰める。結局準備が終わって家を出たのは昼過ぎだった。

 会場には3時過ぎに到着。小雨が降ったり止んだりでいい天気とは云えない。が、明日はこのくらいのが気持ちがいいなと思う。

 受付、車検を済ますとクラブの藤野さんと佐々木さんがいた。伊良湖の大会は、事前に参加者名簿が送られてくるのでざーっとメンバーチェックをしていたが、藤野さんと佐々木さんの名前はなかったはず。追加で申し込み,OKが出たのかなと思ったが「受付を見に来た」とのこと。

 1年に1回、どこの大会でもいいから参加して欲しいと思う。
 「大会に出る」 → 練習する →楽しい、充実感がある
 「大会に出ない」 → 練習しない → 力が落ちる、レース勘が無くなる、次に出るときがしんどくなる
という循環になる。一度遠ざかると、昔の自分のイメージに戻すのに大変苦労するので、故障でもして練習することがマイナスにならない限り、極力1年に1回以上は大会に出て欲しいと思う。(いきなり説教でゴメンナサイ)

 差し入れで、アクエリアスのペットボトルと凍らしたアクエリアスのパックを頂く。ちょうどのどが渇いていたので早速飲んだ。

 本庄くんに会う。今日の宿泊は、彼に頼んでおいたので打ち合わせをしようとした。ところが彼は、バイクのヘルメットの箱を持って何やら奥さんと企んでいる。
 本庄:「加藤さん、ぼく翻訳家になったんです。」
 加藤:「えっ。もしかしたら、早朝から温泉を掘っているとかいう噂は実は翻訳だったの?」
そうです。パッと見、ひょろっとしたそこらにいるただの青年(歳はオッサンだけど)。ただし元来の英語好きというかその方面では非常に努力家であると思う。英検1級はもちろん、TOEICでも900点以上のスコアを持っているからある意味ハンパでないと思う。
 彼は、自分の高校の一つ下の後輩で、今は同じ○○県職員なんだけど、こういうところは公務員らしくなくていい。(自分もよく言われる)

 ちなみに彼の翻訳した本の紹介
   「ミラクルトレーニング」 (ランス・アームストロング著、本庄俊和 訳)
     (出版社:未知谷 定価2,400円税別)


 ランス・アームストロングは今更説明するまでもないが、今年のツール・ド・フランスでも優勝。現在4連覇中の世界で最も強い自転車選手だ。
 癌を克服してこの世界に戻ってきたということでも有名であるが、案外知られていないのが元はトライアスリートだったことだ。
 この本では主に、ランスのトレーニング方法が書かれているようであるが、彼のレース前後のメンタルな面についても書かれているようなので結構楽しめると思う。是非買ってやってください。

 さて、本題に戻る。
 3年ぶりの出場なので、念のためにコースの下見をしてから宿屋に行くことにした。バイクコースは以前より距離は伸びているが相変わらず農道の中を走るコースだ。今年もまたドラフティングオンパレードになりそうな予感がする。

 渥美町の旅館街(民宿街)に行くと、外壁がブルーに塗られた建物があった。これが今日お世話になる「にしむらや」だ。どうでもいい話だが、うちの長男(6歳)の保育園で好きな女の子の名字と同じだ。

 玄関に犬が一匹いる。犬は小さいときに噛まれた苦い想い出があるのでちょっと苦手であるが、この犬は吠えたりしないのでホットする。

 4時半から開会式・カーボパーティなのでガーデンホテルに向かう。
 「にしむらや」さんで、夜ちゃんと食事が出るということなのでパーティーでは適当に食べることにした。
会場では、チームの佐野くん、千葉理さん等に会う。比較的家から近い鈴木由美さん、千葉智雄くんのオヤジで、元県職員の千葉生雄さんにも会う。千葉(オヤジ)さんは、相変わらず元気だ。こっちを見つけるとすぐに寄ってくる。
 ただし、会場にアルコールがないとかで、すぐに宿屋に帰ってしまった。伊良湖はトライスリーとの同窓会のような大会である。

 最近どこの大会に行っても300人の人を集めるのに苦労しているのに伊良湖はAタイプで550人、Bタイプで400人の参加者があるので、全国的にも人気大会といえると思う。
何がいいのか個人個人で考えがあるから、一概に云えないが
 (1)ランのロケーションがいいこと(バイクはよくない)
 (2)宿屋の料理がおいしい
 (3)ボランティアの熱意がある(主に福江高校の生徒)
 (4)開会式、閉会式などがしっかりしている
こんなところではないだろうか。特にBタイプは必ず定員オーバーで毎年抽選だそうです。

 開会式の抽選会も終わり、結局何もあたらず宿屋に引き上げる。TTC(豊川トライアスロンクラブ)の人たちと泊まるのは、11年前のトライアスロン珠洲大会(石川県)以来だが、当時とはメンバーががらっと変わって知らない人たちばかりだった。だが相変わらずやかましい人が多い。

 「にしむらや」の料理もおいしかった。
 ボリュームが少しなかったような気がするが(自分だけ?)内容的には十分である。海の幸が多く、自分好みの料理である。ここの女将さんは若くてきれいで、それがさらに料理に花を添えたかもしれない。

 千葉理さんも別の人のつてで、偶然にも同じ部屋で寝ることになった。彼ともなかなかお話をする機会がこれまであまりなかったので、食事中いろいろとトライスロンのこと。生活のこと等々話をした。もっと話をしたかったけれど、明日もあるので適当に切り上げた。

 風呂に入ってトイレに行っている間にふとんが敷かれていた。
 8人だけど、6人は一つの部屋。二人は別の部屋で寝るということになった。なぜか皆困った顔をしている。
 話を聞くと、TTCに一人いびきのすごい人がいるという。そのいびきもハンパじゃないというから恐ろしい。仮にその人を「Aさん」としよう。
 「Aさん」をその二人部屋にいれて、もう一人だれか犠牲者と一緒に寝させるか、それとも6人の方に寝させて犠牲をみなで分かち合うか迷っているところだった。どうも、その話を切り出した人が、耳栓を忘れたのが話の始まりらしい。

 結局、本庄くんと自分が二人部屋になって残りの5人が犠牲者になることになった。明日に続く・・・。
その2
■■■ 9月8日(日) ■■■
 午前5時30分起床。
 スタートが午前8時だから、起床時間が遅いと思われるかもしれないが、自分の過去の経験からだいたいこのくらいの時間に起きている。

 TTC(豊川トライアスロンクラブ)の人たちは、午前5時から食事を摂るといっていたので、自分は6時に食べるので食事が終わってから起こしてもらうように頼んでおいたが自分から目が覚めた。
 ほかの人たちは、食事を済ませてどういうわけかまたふとんの上で寝ている。これでは食事を早く摂った意味がない(と思ったけれど黙っておいた)。

 ここで少し解説を加えると、食事はマラソンでもトライアスロンでもスタート時間の3時間前に摂るというのが定説になっている。理由は、食事をしてから3時間経過しないと胃の中で消化が十分にできていないからだということだ。

 ところがである。
 スタートラインに並ぶ時間はみな同じでもゴールする時間は当然みんな違う。この伊良湖でも4時間弱でゴールする人から5時間も6時間もかけてゴールする人もいる。
 つまり競技時間が長くなればなるほど、空腹感が激しくなっていくということだ。とすれば、ゴール時間から算定して5時間前に食事を摂る方のがエネルギーの枯渇を防ぐことができるという説もある。

 自分はこの折衷説で
 (1)胃の中をある程度消化させたい
 (2)ゴールまでエネルギーを切らさずに持たせたい。
という希望かつ実験結果から出た結論が次の通りである。

(A)食事はスタートの2時間程度前であればかなり消化できている。
(B)さらにスタートの1時間前にバナナ若しくはゼリー状の補給食を摂る(気休めのため)
(C)トライアスロンなら51.5km〜伊良湖のAタイプの競技時間(4時間弱)くらいなら途中でエネルギーの補給をしなくてもOK
なのです。
 ただし、個人差があるので皆さんそれぞれ実験してみましょう。

 起きてからすぐに食事をする気にならないので、バイク用のドリンクを作る。今まではいろいろ試したが、ロングの大会に出ないので最近は専らアクエリアスを2分の1に希釈している。簡単で吸収が早くていい。

 戻ってきて食事をする。 いわゆるフツーの民宿にあるような食事であったが、さっぱりしていてよかった。
 女将さん:「Bタイプですか?」
 加藤:「いやAタイプです。」
 女将さん:「へーゆっくりしてますね。」

 Aタイプは8時スタートだけど、Bタイプは9時15分のスタート。先の3時間ルールならBタイプなら当てはまる時間だ。でもBタイプの人も5時に食事をしていたようだけど、お腹が空かなかったのかな?

 7時前に本庄夫妻らと出発。とはいうものの彼らは自転車にまたがっていってあっという間に行ってしまったが、自分はゆっくりと自転車を引いていった。
 「にしむらや」さんから受付の会場までざっと500mくらい。それほど遠くない。杞憂かもしれないが、この短い距離でもパンクはしたくない。レース中にパンクしても悔いが残るのに自転車を引いていく途中でパンクして、直前にあたふたするのは避けたいところだ。

 受付を済ませて、バイクのセットなどをする。あとはトイレに行って準備完了だ。

★★★ スイム ★★★

 7時40分、バイクラックからウェットスーツを持って約200m離れたスイムスタート地点へ向かう。
 城本さんがちょうど前を歩いていた。両膝の左右からくるぶしに向かってテーピングテープが4本貼ってある。自分も練習中にしていたことはあったが、大会に出る段階でこういうことをしているのは相当悪いという証拠だ。(城本さんを加藤はランに入ってすぐ抜いた)
 スイムチェックをして、海にはいる。暖かくも冷たくもない水温だ。いつものごとく最前列の一番外側に陣取る。

 10秒前からカウントダウンが始まった。

 「パン!」ピストルの音が響く!
 フライング気味にスタートした選手がいたのでやや出遅れる。まずは150m先のブイを目指す。
 が、からだのあちこちがチクチクする。ウォーミング・アップの時からだ。あとで他の人からも聞いたけれど、どうもクラゲがいたようだ。それも正体がなかなか見えないクラゲが・・・。腕、首、足の先など、ウェットスーツに包まれていないところのあちこちでチクチクする。おまけにゴーグルが緩かったのか左目に海水が少し入ってきた。直そうかどうしようか迷うがとりあえず我慢しながら泳ぐ。

 風が少し出ていたので波で遠くのブイが見にくい。おまけに今年のスイムキャップは、オレンジベージュなので目標のブイと同じ色!目の前にブイがうじゃうじゃ?とにかく泳ぎやすい人を探してついていく。
 同じくらいの泳力の人が多かったせいか、500人もの一斉スタートのせいか、とにかくバトルが多かった。

 あがったときには備え付けのデジタル時計が38分を指していた。 目標の35分からは大幅に遅れている。
 「40だぞ〜!」と誰かが叫んでいる。40番か、それともチームのほかの選手と40秒差なのかよくわからない。
 「いちろーくーん!」という声も聞こえた。誰かわからないけれど応援はありがたい。

★★★ バイク ★★★

 バイクにたどり着くと、自分の周りのバイクが数台なくなっている。隣の「8番(村瀬浩くん)」とその隣の「7番(小田立之くん)」のバイクはまだある。(加藤のナンバーカードは「9番」です。)
後半強い彼らより早く出ようとウェットスーツを脱ぐのを焦っていると小田くんがやってきた。いそげー!

 緩いスロープを抜けバイクコースに出る。周回コースの起点までは伊良湖のローカルルールで右側通行。路面が荒く、体に微振動が伝わってくる。
 シーサイドコースというロケーションは最高にいいが、周回コースのロケーションは最悪だ。
 昔からいわれているが、直線区間が長くかつ平坦なためドラフティングになりやすい。いっそのこと特別ルールで、ドラフティングOKにしたらと思う。

 周回コースの起点までに数人をパスする。
 今日は北行きが少し向かい風のようだ。あまりスピードが出ない。「40番」の選手としばらく抜きつ抜かれつの状態で走っていた。
 ところが周回コース1周目の4分3くらい終了した頃、後ろから集団が来た。5台くらいだっただろうか。
バイクの強い村瀬くんが引っ張ている。ちょうどいいタイミングとばかりに加藤とその「40番」も加わる。
JTUルールでは5車間分あけないとドラフティングを取られるが、伊良湖のローカルルールでは、2車間分以上あければドラフティングを取られない。2車間分でも十分に空気抵抗を低減できるので、集団の最後尾で構えることにした。

 まもなく周回の起点というところに近づく。
 左に曲がれば周回コースへ戻る、右に曲がればゴールに向かうという交差点だ。交差点の手前20mくらい前からカラーコーンが道路の中央に並べてある。
 10台近くに膨れ上がった集団の真ん中あたりの選手がミスコースをしカラーコーンの右側に入ろうとした。
 しかし、間違いに気がつきあわてて左に戻ろうとしたその瞬間、自転車の真正面からカラーコーンに激突!「ガシャ−ン」という音と同時に自転車が道路をふさぐ。加藤も巻添いを食うところであったが、間一髪、カラーコーンの右側から逃げていった。彼はどうしたのだろうか。

 2周、3周と周回を重ねるうちに周回遅れの人間もどんどん集団に加わってきた。ざっと15人くらいにはなったと思う。そのうちこの集団から脱落する人間も出始めた。
 ほぼ最後尾につけていた加藤も、ちぎられないように遅れだした人たちを避けて前の集団に戻る。
 無風の状態ならともかく、上りと下りでスピード差が5km以上出るようなときはルールの範囲内でドラフティングをするのが効率がいい。まだあとランが20km残っているのでなるべく足を温存したいところだ。

 ぐっと前に出たいのをこらえ周回を終了し再びシーサイドコースを走ってバイクゴールへ向かう。まだ集団は8人くらいいる。ドラフティングをしているような状態でも明らかにばてている人が目立つ。
 バイクゴールの300m手前くらいからシューズを脱ぎトランジットに備える。
 伊良湖の勝負はここからだ。

★★★ ラン ★★★

 集団からトランジットでは、最初に飛び出すのに成功した。

 2週間前の山岳コースの「福井・美山大会」や、バイクを完全に一人で走りきった8月の「長良川大会」よりも足は残っている。
 よしいけるぞ!という感触からランをスタートする。順位はよくわからない。まあ、でもしばらく走ると必ず沿道で誰かが順位を数えてくれているので今回もそれを期待する。

 ゴール地点の本部テント前で前方に「1番」の城本さん発見。ジョギングのようなスピード。やはり足の状態が相当悪いようだ。
 歩道橋を超え、恋路が浜に向かう上りで「220番」名取祥三さんをかわす。
 名取兄弟の兄で、アマチュアながら一世を風靡した人だ。頂上付近で「7番」小田くんに追いつかれあっさりかわされる。先は長いので小田くんが潰れるのを待つ。恋路が浜のエイドステーションで「11番」稲葉さんをかわすが、日出の石門に向かう上りで「12番」の古田さんにかわされる。

 ちょっと余談だが、この古田さんにかわされたあたりに警察官がいた。どうもあとから聞いたと頃によると、このランコース(サイクリングコース)脇で死体が見つかったようで死体の検死などをしようとしていたところだったらしい。トライアスロンの時に交通規制で警官を見かけることはあるが、偶然にもこういうことがあるというのは珍しい。沿道のボランティアの高校生が見つけたのだろうか?

 「12番」の古田さんとはあまり差がつかず、5km過ぎの直線で抜き返す。ランに弱い「16番」大塚さんも抜く。
 この間で誰かが云ったいたが、6番に順位が上がっていた。

 前にいるのはおそらく、「2番 藤原裕司」、「3番 牧くん」、「7番 小田くん」、そういえばまだ「8番 村瀬くん」が見えない。彼も前にいるはずだ。

 折り返しの1kmくらい手前で「2番 藤原裕司」とすれ違う。ハワイにプロカテゴリーで出場できるだけのことはあって今シーズンは好調のようだ。しかし、藤原裕司のあと誰も来ない。
 かなり時間が経ってから「3番 牧くん」が現れる。そしてしばらくしてから「18番 目良さん」とすれ違う。彼の力量はよくわからないがかなり苦しそうだ。「7番 小田くん」が「18番 目良さん」を抜くのも時間の問題のようだった。

 折り返し間近になると「8番 村瀬くん」が急激に視界に入ってきた。彼も粘るとやっかいなので一気に抜いていく。5位に浮上し折り返す。(ゴール後、彼に聞くと「やっぱり来た!」と思ったそうである。)
 しばらく行くと、先ほどの「18番 目良さん」が見えてきた。余力がなさそうなのでここでも一気に抜く。4位浮上!「12番 古田さん」とは折り返しではかなり離れていた。一安心。

 ところが・・・、である。後ろから猛然と村瀬くんが抜いていく。5位。彼らしい後半のスパートだ。しかしそんな余力があるなら前半から走れるはず。ここは無理せず様子を見る。しかしこっちもかなり余裕がなくなってきた。
折 り返してから、2つ目のエイドと3つ目のエイドの間隔があいているので2つ目のエイドで十分補給しなければ・・・と思いつつも先を急いだツケがまわってきたようだ。
 15km過ぎからは、再び厳しい登りが待ちかまえている。案の定というのか、しばらくすると村瀬くんも潰れた。再度4位浮上。

 15km過ぎからは体力温存作戦に出ることにした。
作戦とは次の通り。かなり疲労困憊になっているときには有効な手段だからおすすめします。

 平地と上り坂では脚にかかる負担が全く違う。そこで、疲労を回復するために上り坂ではすり足気味に早歩きにする(決して止まらないこと!)。走っているよりかは当然遅いが、わずか50mでもすると不思議なように脚がラクになる。止まると再び動き出すときに硬直した筋肉を動かすので苦痛が走るし、一度止まると癖になるので決して止まらないこと。
 こうして日出の石門の登り区間の50mだけ早足で登った。

 しかし、名古屋より涼しいとはいえ、やはりここ伊良湖は30℃くらいにはなっているようだ。

 恋路が浜のエイドでは最後なので少し多めの給水をすることにした。ところが・・・。その時「19番くん」が抜いていった。明らかに彼のが走れている。ゴールまで平坦なら勝つ自信があったが、まだ、灯台のところの最後の登りが待っている。悔しいがマイペースで行くことにした。再び、「早足登り作戦」。
 頂上に登りきった頃には、「19番くん」は影も形も見えなかった。「19番くん」は完全にノーマークの伏兵だった。

 とぼとぼと歩道橋を降りていくとあとはウィニングロードだ。再び応援が多い。ゴールまであと少し。
鈴木由美さん(Aタイプ女子4位)のダンナの一雄さんもいる。

 ゴールの放送も聞こえてきた。
 「6歳の息子さんからの応援メッセージ『おとうさんがんばって〜』。本人からのメッセージ『3年ぶりの出場。前回6位でしたが、今回頑張れるだけ頑張ります。』といいながら今回第5位です。すご〜い!加藤さんゴールイン!」
と女の人が絶叫アナウンスしてくれた。

 疲労困憊だった。(8月の長良川ほどではなかったけれど・・・)へなちょこランをまた見せてしまった。
反 省するところが多いレースだった。周りの人が思っているほど気持ちよく走れなかった。贅沢な話かもしれないが順位だけ見れば結果オーライだが内容が尻窄みで少し寂しいものがあった。

★★★ ゴール後 ★★★

 しばらく休憩してから、佐野くんとバイクのピックアップに行く。
 日帰りできている彼だが、他の人からの誘いで「にしむらや」さんに行くとのこと。それなら一緒に行こうということになった。

 「にしむらや」さんでは、女将さんが笑顔で迎えてくれた。
 女将さん:「どうでした〜」
 加藤:「えー何とか5位で帰ってきました。」
 女将さん:「すごーい!」
と、細かいこと抜きに喜んでくれた。
 自分としては、内容的にあまり自慢ができるようなものではないけれどああいう喜び方をしてくれると、うれしい。自分のパフォーマンスで、他の人が励みになってくれるというのは損得抜きで嬉しい。

 表彰式でも「すごいですね〜」と何人かに云われたが、そういう目で見てくれると素直に嬉しい。
 「入賞するのはあいつの指定席」なんて云われると「わかってないんだなぁこの人は」と思う。なかなかうまくいかないから、またチャレンジするのであって、身技体がどれだけ充実するのかをとことん追求するのがトライアスロンだと思う。

 長くなりましたが、最後まで読んで頂いてありがとう。応援していただいた皆さんありがとう。アイライクのみんなは来年は一丸となって出場しよう。

次回は9月29日の村上(新潟県)。乞うご期待!