2002村上・笹川流れ国際トライアスロン大会 参戦記 | ||||
今シーズン5戦目にして、一番充実した大会でした。リザルト(結果)については、JTUのHPに掲載されています(早いね〜!) ◆◆◆ 結果 ◆◆◆ 1 井原 信介 (28・滋賀県) 2:07:06 2 石丸 久志 (27・兵庫県) 2:07:56 3 木下 洋輔 (20・宮城県) 2:09:19 4 Arthur Ayers(25・福島県) 2:09:51 5 福本 整 (37・千葉県) 2:09:58 6 足立 健児 (32・東京都) 2:10:11 7 加藤 一郎 (40・愛知県) 2:11:11 8 原 知継 (20・神奈川) 2:11:47 9 三浦 喜明 (34・神奈川) 2:11:56 10 福田 実 (32・栃木県) 2:12:12 総合7位、年代別(40〜44歳)1位でした。 トータルタイムの内訳は、 SWIM 29:02 39位 BIKE 1:05:36 3位 RUN 36:33 3位 ◆◆◆ 上位選手の戦績紹介 ◆◆◆ 国内のトライアスロンもほぼシーズン終了に近づき、村上にエイジグルーパーながらそうそうたるメンバーがやってきた。 上位選手の今シーズンの主な戦績を紹介しよう。たぶん来週の幕張にもこぞって来そうな雰囲気だね〜!「●」は、JTUの指定のポイントレース。戦績は「エムスポ」のホームページで調べました。 (1) 井原 信介(28・滋賀県) ●蒲郡オレンジ 優勝(2001年大会も) デュアスロン日本選手権 8位 ●ひわさうみがめ 3位 紀の国美山 優勝 ファッションタウン児島 3位 ●村上国際 優勝 (2) 石丸 久志(27・兵庫県) ●蒲郡オレンジ 2位 ●ひわさうみがめ 5位 紀の国美山 2位 ファッションタウン児島 6位 ●村上国際 2位 (3) 木下 洋輔(20・宮城県:東北大学) ●みやぎ国際(学連の部) 6位 鰺ヶ沢トライアスロン 2位 日本学生選手権 18位 ●村上国際 3位 (4) Arthur Ayers(25・福島県) うつくしまトライアスロン 10位 ●村上国際 4位 (5) 福本 整(37・千葉県) 新島トライアスロン 4位 伊豆大島トライアスロン 4位 ●国営昭和記念公園 3位 ●長良川国際 6位 ●村上国際 5位 (6) 足立 健児(32・東京都) ●村上国際 6位 (7) 加藤 一郎(40・愛知県) ●ひわさうみがめ 9位 ●長良川国際 12位 トライアスロン美山 2位 伊良湖(Aタイプ) 5位 ●村上国際 7位 (8) 原 知継(20・神奈川県) ●みやぎ国際(エイジの部) 5位 佐渡(Bタイプ) 12位 ●村上国際 8位 (9) 三浦 喜明(34・神奈川県) ●石垣島トライアスロン 5位 沼津千本浜 5位 日米親善 8位 ●村上国際 9位 (10)福田 実(32・栃木県) 雨情の里トライアスロン 7位 太平洋・夢街道 10位 珠洲(Aタイプ) 9位 ●村上国際 10位
午後10時30分少過ぎ、今回同行してくれるSくん到着。明日の出発が早いので、Sくんの荷物を今日のうちに積み込む。村上は、スタート・ゴールが離れているので移動が大変なので、自転車を持ってくるように頼んでおいたので車には自転車が2台である。午後11時就寝。 ●●● 9月28日(土) ●●● 午前6時前に起床。Sくんはまだ寝ている。朝刊だけは読んでから出発したかった。天気だけが心配である。1階のトイレで新聞を読んでいるうちにSくん起床。 6時50分頃出発。早速、東名・名古屋ICに向かう。家から、名古屋ICまで15分なので、高速を使って出かけるには、自分はいいところに住んでいると思う。しかし、新潟県、それも山形県に近いところまで行くので高速がつながっているとはいえ遠いと思う。 今日の行程はこうだ。 東名・名古屋IC〜(小牧JCT)〜(中央道)〜(岡谷JCT)〜(長野道)〜(更埴JCT)〜(上信越道)〜(上越JCT)〜(北陸道)〜北陸・日本海東北道・聖籠新発田IC。高速だけでも5種類か6種類を経由する。 カーナビはあるが、データが古いので長野道の更埴から先が、まだ工事中ということになっているので念のためにJH(日本道路公団)のHPで見た資料を持参していく。距離は488km(もちろん高速だけ)。 所要時間は6時間と出ている。 恵那峡SAで朝食を摂る。 ここも朝食はバイキングで助かる。メニューも豊富だった。先を急がなければならないので、朝食もそこそこに出かける。雨が小降りだが降り続いている。車の中で話し相手がいるので飽きないが道だけは間違えないようにする。 妙高を越え上越JCTに差し掛かる。北陸道の看板が現れる。 日本海はすぐに見えなかったが、カーナビを見る限り、もうすぐそこに迫っている。11時20分を過ぎていた。3時間以上走り続けたので、トイレ休憩をする。名もないPAに立ち寄る。 ここでも新潟県に入ってから50kmくらいは走っているのに、高速の終点、聖籠・新発田(せいろ・しばた)までまだ100km。高速を降りてから村上までまだ40kmくらい。村上が新潟県の山形県寄りの町ではあるが、最北端ではない。ということは新潟県は南北に200km?うーん長い!!! 12時過ぎに聖籠・新発田ICの到着。 途中小降りで、高速も空いていて、おまけに100km/h走行のおかげで、約5時間で到着してしまった。 朝、高速に乗る前に燃料を入れたが、カラに近いので、早速給油する。燃費の悪いステップワゴンにもかかわらず11km/リットルと好成績? 途 中、道の駅にも寄るが、とりあえず目標地にしていたJR村上駅には午後1時過ぎに到着した。家を出てから、約6時間。予定よりはかなり早く着いた。 村上の紹介をここで少ししておこう。 村上市は、新潟平野の最北端に位置する県内最古の城下町。昔は、愛知県岡崎市と同じ5万石だったようである。現在人口は3万1千人。秋になると、鮭が三面川(みおもてがわ)を遡上するということで有名で鮭漁は長い歴史がある。海岸線には、油田採掘の時に涌きだしたという瀬波温泉があり、スイム会場はここ瀬波温泉の前の海水浴場である。 日本海沿いに北上すると、大会の地名にもなっている。「笹川流れ」がある。笹川流れとは、村上の北隣の山北町に11kmにわたり、奇岩の続く海岸線をいう。遊覧船も出ている景勝地であるが、バイクコースはこの笹川流れがちょうど始まるあたりでUターンする。キーワードは「鮭」「笹川流れ」「城下町」「武家屋敷」といったところでしょうか。 さて、村上に着いたが、まだ昼食を食べていない。 インターネットで調べておいた駅前の料理旅館「石田屋旅館」で「はらこ丼」を食べるのが今日の第一の目的だ。この「はらこ丼」の「はらこ」とは鮭の卵、つまり「いくら」のことらしく、早い話「はらこ丼」=「いくら丼」である。 インターネットでは、「数に限りがあり、すぐに売り切れるのでその節はご容赦を・・・。」という内容が書かれてあったので店屋に確認することにした。 「ごめんくださーい。」といったとき、なんと店屋にいたのは千葉(智雄)くんだった。「あれ?・・・。」隣にいたのはてっきり「ちはる夫人(旧姓上原)」と思いきやどう見ても高校生くらいの女の子だった。 千葉:「自分は出ないんだけど、彼女が出るんで・・・」 彼女とは、彼が主宰している「チーム・ゴーや」のメンバーであるようだ。けっして村上でナンパしているわけではない(?)。店の人も奥から出てきた。はらこ丼はまだ食べれるとのことだった。車を置きにいって、再び千葉くんと話をする。彼らは二人とも牛丼を食べていた。 加藤:「そういえば何食べてんの?」 千葉:「牛丼です。一番安いから」 現在沖縄で活動している彼。どこに行くのにも遠出をしなければいけないというハンディがある。特に旅費は痛い。安くあげたい気持ちは分かる。でも前日に牛丼はなぁ〜と思ったのは自分だけだろうか。(試合後、どうも彼女はJrで世界選手権の出場資格が取れたようだ) 店屋のすすめで加藤は、「はらこ丼」のグレートアップした「海鮮はらこ丼」を食べる。うまかった。道中おやつなど我慢して昼食を送らせただけの価値はあったと思う。食べられたい方は、来年是非、村上にエントリーしてください。 昼食後、早々にコースの下見に出かける。事前にもらったコースマップを見ると、前回出場した4年前と 基本的には同じである。ただランコースが少し複雑。思い出しがてら、Sくんに説明しながらまわることにする。 瀬波温泉の海水浴場のスイムコースに到着。 【スイムコース】 沖にあるテトラポットに平行に750m泳ぐコース。Sくんは日本海の景色をたいそう気に入っていた。今日はまだともかく村上は湾内ではないのでちょっと天候が悪くなるとすぐスイムは中止になり、デュアスロンに変更だ。明日はどうだろうか・・・。 【バイクコース】 バイクトランジット後いきなり急坂を登る。しばらく海岸線沿いの道路を1kmくらい走る。主要道路ではないので舗装はよくない。 この道の突き当たりを右折して民家の間を200mほど走ると国道に出る。ここを鋭角に左折する。鮭の遡上するという三面川に架かる橋を渡ると少し上り坂に入る。多少ダンシングをするが、それほど長くは続かない。 坂を登りきると少し下り、細かなアップダウンが始まる。が、バイクの5kmを過ぎるとほとんど平坦である。左手はずーっと日本海。ロケーションは最高である。 JR桑川駅の少し手前が折り返しになる。笹川流れの景勝はここから始まるので残念ながら見えない。 完全な往復コースだ。 ランコースの下見に行く前にバイクコースの途中に看板の出ている「イヨボヤ会館」に行く。「イヨボヤ」とは、村上での鮭の呼び名である。この手の建物は展示物だけで、面白くないものが多いが7月に徳島の日和佐で見た「うみがめ博物館」と同様に、趣向がこらしてあって面白かった。 鮭の漁業方法の説明。他には、村上藩では、鮭を捕まえて納めていたことも詳細に書いてあった。乱獲したため納める鮭がいなくなって困り、鮭を育てることにしたことなどや鮭料理の見本。鮭の稚魚の水槽。ミニシアターなどもあり、案外バラエティーに富んでいた。大会の前日にこんなものを見ているくらい、今回はリラックスしていた。 午後4時近くなったので一旦受付のために村上市役所の方に向かう。前日は受付のみで、車検も競技説明会もパーティもなし。4年前とはかなり状況も違う。かなり簡素化されている。ただし参加料は2万円のままだ。 ウェアなどを出しているショップなどを覗くがお買得というものはなかった。あるショップでは「見たことある人だなぁ」と思ったがしばらく考えて気がついた。かつてチームケンズで活躍した山崎だ。当時と比べるとかなり太っている。トライアスロン自体は、もうやっていないんだろう。 最後にランコースの下見に行く。 【ランコース】 ランコースは、バイク終了後バイクと同じようにトランジット後、急坂を約30m登る。バイクは左折したのに対し右折する。このあと、海岸沿いに走り、瀬波温泉の温泉街の中心を走る。観客も多いところだ。 温泉街が切れかかるところを左折して、県立瀬波病院などの前を通り、国道に出る。バイクで鋭角に曲がった交差点だがランでは右折する。 郵便局の前を通り、羽越本線の下の地下道を通って村上駅前に出る。駅前に出ると左折を2回繰り返し、この街で一番にぎやかなところを走る。約500m走ると右折して村上市役所に向かう。 ランの6kmくらいのところにゴール地点が存在するが、このゴールのすぐ横を通り抜けてそのまままっすぐ走る。 この先の説明はややこしいので省略するが、細い路地を右折左折をかなり繰り返すと、先ほどのゴール地点である村上市役所に戻って来るというコース設定だ。 特にこの最後の村上市役所からの約4kmのループは、旧武家屋敷を見せたいがためのコース設定かもしれない。 ランコースは複雑だった。Sくんはあまりの複雑さのためにあきれかえっていた。 宿屋の「タウンホテル村上」に行く。4年前も泊まったビジネスホテルだ。あたりはすっかり暗くなっていた。気になるのは天気だけだった。
◆◆◆ 起床〜スイム会場へ ◆◆◆ 朝、午前6時起床。Sくんもほぼ同時に起床。 村上は、最近では珍しいスタートとゴールが異なる大会だ。そのため、大会終了後の移動まで含めて考えなければならない。 今日のスタートまでの打ち合わせは、昨日Sくんと済ませていたので、最初に自転車のセッティングをする。天気は曇り。雨は何とか持ちこたえそうだ。 6時45分から下の食堂で朝食を摂る。スタートが国際の部は9時50分と遅いので、遅めの食事が好きな加藤は7時30分頃朝食を摂りたいがスイムの受付締切が8時と早いので、やむを得ない。 ホテルから一旦ゴールの村上市役所に車を置きに出かける。ゴール後のことも考えると、車は市役所に置くのがベストだ。 レースの道具だけ袋に詰めてスイム会場へ自転車で向かう。約5kmの移動だ。前に来たときは自転車の集団を見かけたが、今年は全然見なかった。市役所に車を止めている人も少なかった。 スイム会場に着くと、こちらには車が多く駐車場に止まっていた。 早速バイクをラックに掛け、ナンバーリングしてもらう。今回は「288」と久しぶりに大きな番号だ。これは単に年齢の若い順に番号を取っているせいである。また、右のふくらはぎにもアルファベットを書いてもらう。自分は「E」である。20歳未満男子が「J」、20〜24歳が「A」、25〜29歳が「B」、30〜34歳が「C」 35〜39歳が「D」、40〜44歳が「E」という具合で、5歳刻みにアルファベットが決められている。昔出場したハワイ・アイアンマンがこのシステムを取り入れているが、ハワイがきっと元祖に違いない。村上がまねただけである。 9時過ぎなって開会式が始まった。 浜に特設のテントができている。主催者の挨拶などが簡単に行われた。エリートは9時30分スタートなので時間の余裕があまりなく主催者側はかなりあせっている。 国際の部は、9時50分スタートなので若干時間がある。自分もウェットスーツを着て、Sくんにワセリンを塗ってもらう。 9時30分を少し過ぎてエリートの部がスタートした。 彼らは、ビーチからのスタートだ。さすがにスイムが早い。先頭は誰だろうか。マイルズ・スチュアートか。それとも日本人の疋田が引っ張っているのだろうか。 エリートはスプリント選手権ということで、スイムは750m。9分を越えたところで先頭があがってくる。短いので差がつかない。先頭はマイルズ・スチュアートだった。が、ほとんど一列だ。ドミトリー・ガーグもいい位置だ。10分を過ぎると日本人が集団であがってきた。 ▼▼▼ スイム ▼▼▼ エリート女子が全員あがったところで、国際の部の第1ウェーブがスタート位置に着く。第1ウェーブは「J」と「A」〜「C」までだ。予定時刻の9時50分はとっくに過ぎている。 国際の部は、フローティングスタートだ。「プォ〜ン」という気の抜けたようなホーンが鳴る。 次は自分の番だ。 スタート前に試泳をしたときは少し冷たいかなと思ったが、緊張しているせいかあまり冷たく感じない。発表では水温は21℃強。これ以上水温が下がるのはよくない。念のためにと思って家からスイムキャップを持ってきた。 まず、下に家からのキャップをかぶりその上に主催者の用意したメッシュのキャップをかぶる。保温対策になるので、低水温の時には実施されるといいと思う。天気は曇りなのでクリアのゴーグルを使うことにする。 まもなく第2ウェーブ(オッサンの部「D」「E」)のスタート!!! 数分遅れて同じく「プォ〜ン」!。 スタートダッシュ(という気持ち・・・)! 1ウェーブのスタートが100人程度なのでたいしてバトルにならない。波も若干あるので、スイムが苦手な加藤にとっては辛い条件である。前がよく見えない。折り返しはどこ? とりあえずヘッドアップはするが、前の人について泳ぐ。気のせいか、泳いでも泳いでもあまり前に進んでいく感覚がない。 スタートしてから適当な泳力、それも自分より若干速い人について泳ぐのがミソだ。そうすればスイムのドラフティング効果で速く楽に泳げる。 しかし今回はそういう適当な人がいない・・・。すぐ近くにいるが、なかなか追いつかない。今日はやけに時間がかかるような気がする・・・。 浜にあがったとき、自分の時計は29分を指している! うわー遅い! 続きは幕張から帰ってきてからレポートします。
砂浜からあがって、バイクラックに急ぐ。 エリートと違ってエイジグループ(国際の部)は、バイクスタートのゲートが違う。「あれれ」と思いながらもそうする。 バイクスタートの瀬波温泉の海水浴場から国道345号線にでるまでは道路は平坦だけど、路面状況が少し悪い。 国道に出るまでに何人かパスする。自分の前に「135」番の「B」クラス(3分前にスタートした25〜29歳男子)の選手がいる。バイクで簡単に抜かして行けるほど遅くはないのでその選手についていく。 民家が少しある町並みを抜けると国道345号線に出る交差点。ここは少し鋭角に左にターンする。「135」番くんは上手に曲がる。 鮭の遡上する三面川を越えると、このバイクコースの唯一の急坂が始まる。といってもそれほど急ではないし、すぐ終わるほどの長さだ。「135」番くんが、小気味よく走っているのでついていく(注:ドラフティングではないようにしていましたよ)。 登りきると海が眼下に見える。海抜30メートルくらいだろうか。先ほどのスタート地点の瀬波温泉も見える。 道路は緩く右に左にうねりながら続く。 5kmを過ぎた頃から「143」番が抜かしていく。「135」番くん焦ってついていく。加藤も続く。(結果的にこの3人が35kmくらいまで先頭交替をしながら走った)かなりいいペースで走る。 「笹川流れ 2km」の看板が出てきた。つまり折り返しまであと2kmだ。しばらくすると先頭とすれ違う。「ひとり、ふたり」と数える。折り返しまで数え続けた。20番程度でターンする。 往路は無言で先頭を交替していたが、折り返すと「135番」くんが声を替えてくる。「自分が先頭行きますからついてきてください!」 「さすが自分より10歳以上も若いからやるなぁ〜!」と思った。復路のが若干追い風だったこともあるが、往路よりかなりペースアップ。「『135』番くんよくそんな力があるなぁ〜」と感心しながら何とかついていく。くどいがドラフティングではない。加速しながら前者に近づいて抜いていけば、ドラフティングにならない。ルール上は。でも風をよけた効果は十分ある。 だから短時間に先頭交替を短時間に繰り返すことをすればドラフティングにはならない。(くれぐれも前者の5m以内に入って継続して走ると当然ドラフティングととられる。) 「135」番くん、「143」番くんも協力して先頭交替するが、気のせいか加藤が先頭を牽いている時間が長い。しかし、この繰り返しで、時速42〜43kmで走っている時間がかなり長い。だから往路もまだまだ選手を抜いていく。 35kmを過ぎて最後の登り道に差し掛かる。すると「135」番くんが突然アタックをかける。「143」番くんもついて行くが、その差はだんだん開いていく。加藤もペースがあがらない。というより無理してあげなかった。 というのも上り坂でペースをあげるというのは、立ち漕ぎをして太股前面の筋肉を動員するということだ。つまりこのあと控えている「ラン」で使う筋肉を、ここで使ってしまうということだ。ぐっとこらえシッティング(座ったまま)でハンドルバーの上部に手を持ち替え尻をサドルの後方にスライドさせて登る。ロードでの登りの基本を忠実に守る。 下りに入る頃には「135番」くんが100メートル近く前に行っていた。「143番」くんもかなり苦しそう。 「143番」くんは「135番」くんについていこうとしているみたいだがかなり脚に来ているみたいだ。三面川の橋の上でSくん発見!写真を撮ってくれたよう。サンキュー! 国道345号線を右に鋭角にターンして再び瀬波温泉のバイクラックに向かう。ここで気持ちを整える。バイクラックそばの青いホテルが見えたので、バイクシューズを脱ぐ。しばらくシューズの上に脚をのせた状態で自転車をこぐ。 下車ポイントではマーシャルがいて下車を指示していた。 ここから、自分のバイクラックまでは自転車をひきながら徒歩だ。 ◆◆◆ RUN ◆◆◆ 素早くトランジットをこなしランコースに出る。 バイクと一緒でランスタート直後、約30メートルの急坂を登って行かなければならない。この坂で先ほど先行された「135番」くんに追いつく。彼も脚の動きが良さそうだったが、一気にパスする。 坂の上を右折して瀬波温泉のメインストリートに向かって走る。国道345号線にでて温泉街が切れるあたりで左折する。ここからは人気(ひとけ)がぐっと少なくなる。 バイクでかなり抜いたせいかランで前を走る選手は少ない。自分は第2ウェーブのスタートでこの状態だからゴールすればかなりいいところにいけることは予感できた。 脚は気持ちよく動く。今日は涼しく真夏のことを思うと汗もそれほど出ない。エイドステーションも立ち止まることなく、スピードを落とさずに水を補給しながら走る。2時間くらいなら水だけの補給で十分である。 バイクで鋭角に曲がった交差点を今度は右折する。まだバイクに乗っている人が大勢いる。 JR羽越本線にかかる地下道を通り村上駅前に向かう。昨日海鮮はらこ丼を食べた石田屋旅館ももうすぐだ。 村上駅前から500メートルはとてもにぎやかだ。 応援も多く小さな街だが繁華街を走るので気持ちいい。ここで5kmの看板。ラップを採るが18分07秒。いいペースだ。後半落ちないように自分のペースを守ろうと思った。 繁華街とも別れ一旦ゴールの村上市役所方面へ東進する。このあたりは、雰囲気からすると旧武家屋敷のようである。 「村上・笹川流れ国際トライアスロン」のコースの特徴は、村上の観光巡りをふんだんにできることである。4年前に行ったときはあまり深く考えずに走っていたが、今回あらためて走ると面白いコースだと思う。 6km地点の村上市役所前を通過。ゴールを横目に見ながらあと4キロのループが始まる。「せっかくここまで来たのに通過するなんて・・・」と思うのは自分だけだろうか。 この先は右折左折の繰り返しで、コースの下見の時も大変迷った。自分の前を走る人はいない。先頭ではないだろうが抜く人がいない。ペースを守ることに専念する。 おじいちゃん、おばあちゃんの昔若かった人たちの応援が多い。今年はまだ余裕があるのでなるべく手を挙げてこたえながら走る。 市役所近くの商店街に入る。あと1kmくらいだ。前には誰もいない。後ろから迫る人もいないだろう。 最後の力を振り絞って走る。商店街を抜け左折すると先ほど通過していったゴールが見えてきた。 スピードをさらに上げる。場内の自分をアナウンスする放送が聞こえる。 「も・う・す・ぐ・だ!」と息をこらえるように走りゴール・イン!時計は2時間11分11秒を指していた。 久々2時間10分に迫る好記録。(あとで記録を見るとスイムが皆記録が悪くコースが長かった模様。 距離が正確であれば2時間08分台では帰って来れた?) ゴールしてしばらくするとSくん到着。 「いやー先回りしていろいろ写真を撮ろうとしたけどランコースの道がようわからんかった」と。なにをなにを撮ってくれるだけでありがたい。 今年初めて味わう充足感だった。 自分のイメージ通りにレースを展開できたという意味で。本当に気持ちがよかった。長良川のあとなど、暑くてしばらくダウンしたことを思うと村上の秋風は心地よかった。 結 果的に総合7位で6位までの総合入賞はならなかったが、最低目標の年代別優勝はクリアできた。今年は残すところあと1大会回。来週の幕張で今年の遅いトライアスロンシーズンは完結を迎える。 |