第30回ひだ金山清流マラソン 参戦記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3週間前の「今治(愛媛県)」の気温が30℃だったのに、今回の「金山(岐阜県下呂市)」の気温が12℃と、同じ10月でも夏から冬に一気に変化してしまいました。(紅葉はまだまだです。) 今治以降の練習が概ね順調にいっているので、今日は目標タイム(1時間16分台)にはやや届きませんでしたが練習の成果が徐々に出てきていることが感じられました。
9年ぶりの「ひだ金山」 今回9年ぶりに「ひだ金山清流マラソン」に参加した。もちろん、参加した理由は12月の福岡国際マラソンに向けてのトレーニングの一環である。 従来、競技部門は「30km」と「5km」の2部門。「この間の距離があればなぁ」と思っていたところ、平成12年(第25回大会)からハーフマラソンの部門が新設された。今回”30km”に参加してもよかったが、まだ十分に練習ができていないので、無理をせず”足慣らし”という意味も含めハーフマラソンに参加した。
飛騨川バス転落事故 家から会場までの道のりで約半分以上を走る国道41号線。信号も少ないが、飛騨川にくっついてくねくね走る単調で眠たくなる道路だ。その単調な道路を美濃加茂市から高山方面へ北上し、白川町内に入ると何やら塔が現れる。塔の名前は「天心白菊の塔」。昭和43年8月18日に発生した「飛騨川バス転落事故」の一周忌に造られた慰霊碑だ。 当時、私は6歳。小学校に上がる前ではあったが、この事故のことは覚えている。詳しいことは知らなかったが、あらためて今回調べてみると大変悲惨な事故であったことがわかる。死者・行方不明の数だけ比較すれば、昨年起きた新潟・中越地震が51人に対して、飛騨川バス転落事故は104人。単純に死者数だけで比較するのは、新潟・中越地震の被災者の方に失礼かもしれないが、飛騨川バス転落事故の大きさを表すには十分すぎる数字だと思う。 この事故のことを覚えているのは、恐らく私より上の年代の方たちだけだと思われるが、事故が風化しないようにあらためて心に刻んでおきたい。 ちなみにこの事故をきっかけに建設省(当時)が、異常気象時の道路の事前通行規制区間や規制の基準を作成。また豪雨の異常気象時において連続雨量を基にした通行規制を全国的に実施することになったのは有名な話だ。 掘り出しもの
今回も、どこかの店屋がブースを構えていないかと期待していったところ1軒だけ出展していた。有り難い。品数は多くなかったが、在庫処分セールのシューズが意外と多く展示されていた。 その中に、いつのモデルかは定かではないが、ミズノの「ウェーブ・クルーズ」27.5cmがあった。この手のレーシングモデルで、サイズが27.5cmは珍しい。早速試し履きしてみるが、「おっ!ちょーどいい!オレに買ってくれといわんばかりに置いてあるではないか!」。 ということで、早速購入してしまった。衝動買いか?まあいいや。6,800円ナリ・・・。12月の福岡国際マラソンに使うのにちょうど良さそうなシューズだ。今日は朝からツイテいる! コース紹介 9年ぶりの参加だが、このコースの特徴はアップダウンが多いということだ。 主催者の要項などに書かれているコース高低図はかなりアバウトなもので、往路でも登ったと思えば、下るところもある。全体的にいえば往路は登りが多く、半分行ったところで折り返すので復路はその逆になるが、実際には高低図ほど単調なコースではないので要注意だ。 コースの大半は、並行して走る馬瀬川を往路は左手に見ながら走る。馬瀬川の更に左手には、国道256号線がある。コースは人家がほとんど無いところを走るので、応援には期待できない。山あいの道ではあるが、この時期、紅葉にはまだ少し早い。晴れの日は、空気も澄んで気持ちのいいコースであるが、雨の日はひっそりしすぎていてちょっと辛いコースだ。ハーフ、30kmともコースの概ね中間で折り返し、来た道をひたすらなぞるようにして戻る往復コースだ。後続の選手との距離が中間地点でわかるというメリットがある。
トラブル発生! 今回、車を停めた駐車場がスタート地点から約100mほど離れたところなので、主催者が更衣室に使うように便宜をはかってくれた施設は利用せず、受付後は車を拠点にウォーミングアップなどをした。 スタート場所にスタート5分前の10時35分頃に向かう。グランドに整列したランナーがプラカードにしたがえられてやってくるのが見える。スタートは30kmとハーフマラソンが同時スタートなので700名ほどが一斉スタートとなる。多いといえば多い人数であるが、5kmや10kmと違って血眼になってもしょうがない距離なのでスタート時のトラブルはこれまでの経験上比較的少ない。(2月の犬山ハーフは例外!) カウントダウンが始まって、10時40分かっきりにスタートした。今回はスタート時に大きなトラブルもなく上手にスタートができる。今日の目標は18分00秒/5kmで走ることだ。計算上は1時間16分ほどになる。コースの高低差などを考慮すれば、このくらいで十分だ。平地でのハーフに換算すれば1時間14分ほどになると思われる。 有力選手は30kmに多く、距離は違うがペースメイクしていくには30kmの選手と一緒の方が都合がいい。ちょうど、柏原敏郎さんがいたので彼を目印にする。50歳のベテランランナー、走りだけ見ていると30歳代後半〜40歳代前半トップクラスの人と遜色がない。50歳代なら全国でも屈指のなランナーだ。 彼を含め、30kmとハーフの選手で10人ほどの集団が出来た。自分もこの中に入れてもらう。 ところがだ。1kmを少し過ぎた頃だろうか、後ろで「チャリーン!」と音がする。すると誰かが「カギ落としましたよ〜!」と大きな声で知らせる。「カギ?もしや?」 そう・・・。今日は自家用車を拠点にして行動したので、車のキーをランパンのポケットに入れて走っていたのだ。「オレだ!どうする?帰りの道中拾うか?最後まで落ちている保証はないぞ?だいたいこんな山道で落とした場所正確に最後まで覚えてるの?」といろんなことが一瞬頭の中をよぎる。「先は長い!取りに行くぞ!」と一旦足を止めすぐさま15〜20mほど戻る。 やっぱりそうだ。自分のカギだ!不覚!! しかし、気を取り直す。 「焦ってもしょうがない。ゴールするまでにこのロスを詰めていけばいい」と・・・。 久々のバトル! このトラブルで目覚めたわけではないが、今日は落ち着いている。こういうときは往々にして結果がいい。 先ほどのグループを目で追いかける。最近老眼で近くの字は読みづらいが、遠くは相変わらずよく見える。50mほど先にいる集団が、さきほど一緒に走っていたグループのようだ。かろうじて選手のナンバーカードの数字が読めるくらいの位置関係だ。タイムにして10秒弱くらいだろうか。気分的には、先ほどの借りを一気に返したいところだが、焦らず後ろから距離を保ちながら走る。一気に詰めるのは愚の骨頂だ。 このグループの中にハーフの選手は数人。30kmの選手の方が多い。ハーフの選手のうち、自分と同じ40歳以上の選手が一人いる。見慣れない走りである。名簿で名前をチェックしたのだが・・・「誰?」 とりあえず、50m先の選手の動向を後ろからじっくり眺めさせてもらう。 5kmあたりでは、一塊のこのグループも、7〜8km位で少しずつ縦長になってきた。ひとり前を走るハーフ・40歳以上の選手はこのグループの最後尾に近い位置にいる。もうすぐちぎれそうだ。 国道に一旦出たところで、”その選手”のゼッケン番号がだんだん大きくなってきた。どうも登りに弱いようである。国道に別れを告げて橋を渡るところで一気にこの選手を抜いた。顔を見るが、かなりシンドそうな感じだ。 「ちょっと、オーバーペースじゃない?」。人に気を使う余裕はこちらもないが、かなりしんどそうに見える。 古い商店街の町並みの途中でハーフは折り返す。3人ほどとすれ違ったのでこの時点で自分は総合4位で折り返したことになる。 折り返し後は、途中でアップダウンはあるが概ね下りだ。折り返して1kmほどで40歳未満の選手一人に追い抜かれるが、今日は無理せず付いていかない。今日の目的は、メンバーから見て年代別の優勝と1時間16分台以内でゴールすることだ。 往路の心拍数が175〜182位で推移していたが、復路は下りが多いので心拍数が172〜174に下がり出す。下りは油断するとどんどん楽に走ってしまうので、ハートレートモニターを見ながら心拍数がアンダーペースにならないように注意する。 ところが15km近くになると、後ろからの足音がだんだん大きくなる。後ろからついてきているのは知っていたが誰?もともとあまり他人のことを気にせず走る方であるので、放っておいたが「あと5km」位のところで”その彼”が一瞬前に出る。みると、先ほど折り返しで抜いた”40歳以上の部のあの選手”ではないか。しぶとくついてきたのだ。ここまできて負けるわけにはいかない。 あまり手の内を見せたくはないが、最後にどこで勝負するか今回の戦術を披露する。 前半の様子を見ていると登りが不得手らしいので、ゴール手前の最後の1kmで勝負をつけるか、それともロングスパートで戦意喪失にするかだ。今回は、自分もまだ余力があったので、後者を選択することにした。 ラスト2km。小さな登りがあったので、ここを勝負どころに一気にスパートする。足音が小さくなるのがわかる。さすがに、ゴール前の500mの登りはシンドかったが、もう足音は聞こえてこない。 最後は小さなガッツポーズをし、ゴールテープを切らせてもらった。 温泉でのんびり 大会会場のすぐ隣に「道の温泉駅・かれん」がある。9年前に来たときにこの施設が有ったかどうか定かではない。今大会の参加賞に無料の温泉入浴券があるので早速使わせてもらう。「かれん」は入浴料が450円なので、実質参加料が一部還元されているようなものだ。道路を挟んだ、反対側にも「ウエルネス〜ぬく森の里〜ゆったり館」があり、こちらもこの無料入浴券で入ることができるが今回は、近い方の「かれん」に入ることにした。「ゆったり館」は次回来たときに入ろうと思う。 表彰式後、早々に入浴したが、気温12℃の小雨の中で冷えた体を温めるには十分すぎる。今日は本当にありがたい。 露天風呂に入浴しながら川を眺めると、その向こうにまだ30kmの部門の選手が走っている。先に入浴するのが申し訳ない気分になりながら疲れた体を癒した。脚、腰などをゆっくりほぐしていると知らぬ間に1時間も入浴してしまった。 |