第30回ひだ金山清流マラソン 参戦記
 3週間前の「今治(愛媛県)」の気温が30℃だったのに、今回の「金山(岐阜県下呂市)」の気温が12℃と、同じ10月でも夏から冬に一気に変化してしまいました。(紅葉はまだまだです。)
 今治以降の練習が概ね順調にいっているので、今日は目標タイム(1時間16分台)にはやや届きませんでしたが練習の成果が徐々に出てきていることが感じられました。

●大会名 第30回ひだ金山清流マラソン
●開催日 平成17年10月23日(日)
●コース 下呂市金山リバーサイドスタジアム発着(岐阜県下呂市)
・全国地図 ・詳細地図
●天 候 くもり→小雨、12℃くらい
●参加賞 バスタオル、名古屋の水(缶)、入浴割引券、バッチ
●結 果 1時間17分18秒(21.0975km)
 (40歳以上男子優勝、総合第5位)
●表 彰 トロフィー2個(うち1個は持ち回りのもの)、メダル、賞状2枚、花
●過去の戦績 第21回(H8.10.27) 
 30km 1時間48分58秒(11位 16〜39歳男子)
●交通手段等
(往路) 自宅6:51〜国道363号〜東海環状自動車道・せと赤津IC〜美濃加茂IC〜国道418号〜国道41号〜会場駐車場8:47
(復路) 会場駐車場14:11〜国道41号〜国道248号(可児・多治見・瀬戸経由)〜自宅17:08
●費用
参加料 2,500円  
燃 料 2,587円   199(km)/10(リットル/km)×130(円/リットル)
有料道路 650円   せと赤津IC〜美濃加茂IC(ETC通勤割引適用で半額)
合 計 5,737円  
●種目及び参加者(申込人数、★は加藤が参加した部門)
距離   区 分 参加者 スタート時間
30km     16〜39歳男子 87名 10時40分
40歳以上男子 270名
16歳以上女子 55名
21.0975km   16〜39歳男子 79名
40歳以上男子 218名
  16歳以上女子 58名
5km   中学生〜29歳男子 56名 11時00分
30〜39歳男子 19名
40〜49歳男子 33名
50〜59歳男子 38名
60歳以上男子 41名
中学生〜29歳女子 19名
30〜49歳女子 10名
50歳以上女子 33名
2km   小学生以上男女 188名
    合  計 1,204名  
●上位成績(上位3位まで)
【30km】
16〜39歳男子
今田敦士 岐阜県関市 ひまわりの丘 22 1゜42’35”
中西洋一 愛知県岡崎市 トヨタSC 28 1゜43’47”
稲葉賢治 愛知県半田市 知多走ろう会 32 1゜45’05”
40歳以上男子
武市忠司 東京都武蔵野市 eA東京 42 1゜47’29”
纐纈 功 岐阜県恵那市 恵那体連 41 1゜47’53”
横井敬一 愛知県弥富町 天白川走友会 41 1゜50”02”
16歳以上女子
田中奈賀子 岐阜県岐阜市 岐阜MC 39 2゜01’16”
清水美貴恵 愛知県知多市 庄内RT 29 2゜01’40”
永田久子 愛知県名古屋市 名学院クラブ 43 2゜09’24”
【21.0975km】
16〜39歳男子
土橋勇一 長野県伊那市 NEC長野 35 1゜11’37”
畑山久人 愛知県刈谷市 館倶楽部 38 1゜13’49”
山田竜哉 岐阜県八百津町 中京学院大学 19 1゜15’15”
40歳以上男子
加藤一郎 愛知県名古屋市 愛知県庁クラブ 43 1゜17’18”
古田弘孝 岐阜県多治見市 コパン多治見 43 1゜17’27”
高田貞二 愛知県豊田市 堤クラブ 50 1゜17’46”
16歳以上女子
青戸敦子 愛知県名古屋市 栄クリニック 36 1゜22’33”
樫尾園子 愛知県日進市 名城ARC 40 1゜30’28”
長屋百合子 岐阜県大野町 岐阜MC 41 1゜32’26”
【5km】
中学生〜29歳男子
備後雅徳 愛知県豊田市 トヨタSC 20 15’22”
金山陽介 愛知県豊田市 パトラッシュ 24 16’07”
満永英明 愛知県豊田市 ケンサマン 23 16’33”
30〜39歳男子
谷口幸治 岐阜県可児市 KYBカヤバ 34 14’36”
細江康一 岐阜県下呂市 下呂市消防本部 33 16’04”
岩田俊成 岐阜県各務原市 冷凍絹ごし豆腐 34 16’37”
40〜49歳男子
栗木淳二 愛知県豊田市 館倶楽部 43 15’32”
山田 猛 愛知県弥富町 潟nアーモニー 43 16’17”
谷口清和 岐阜県下呂市 中部電力 48 16’22”
50〜59歳男子
舩坂勝美 岐阜県高山市 飛騨トライAC 51 16’04”
糟谷一男 愛知県名古屋市 鳴尾車庫 52 17’08”
代田勝彦 静岡県浜松市   53 17’19”
60歳以上男子
小林一三 岐阜県関市 関体協 62 17’50”
篠原利彦 三重県鈴鹿市 鈴鹿RC 62 18’02”
加藤吉博 愛知県東海市 東海走友会 62 18’38”
中学生〜29歳女子
伊藤 舞 愛知県半田市 半田市立青山中 14 18’12”
川澄恵末 愛知県半田市 半田市立青山中 14 19’20”
中島摩耶 岐阜県下呂市 金山中学校 13 20’42”
30〜49歳女子
田中千寿子 岐阜県高山市   48 22’46”
岡崎 歩 岐阜県岐阜市   33 23’44”
渡辺ますみ 愛知県名古屋市 チームドリーム 38 24’40”
50歳以上女子
東二三子 愛知県豊田市   51 18’19”
山田三枝子 愛知県稲沢市 稲沢走友会 50 20’40”
佐伯悦子 愛知県名古屋市   52 20’55”

9年ぶりの「ひだ金山」
 今回9年ぶりに「ひだ金山清流マラソン」に参加した。もちろん、参加した理由は12月の福岡国際マラソンに向けてのトレーニングの一環である。
 従来、競技部門は「30km」と「5km」の2部門。「この間の距離があればなぁ」と思っていたところ、平成12年(第25回大会)からハーフマラソンの部門が新設された。今回”30km”に参加してもよかったが、まだ十分に練習ができていないので、無理をせず”足慣らし”という意味も含めハーフマラソンに参加した。

メイン会場の下呂市金山リバーサイドスタジアム。いわゆる野球場だ。

受付(30kmロードレース部門)

会場横の店

今日だけのブース。一番手前はうどん(300円)、豚汁(200円)など販売していました。

飛騨川バス転落事故
 家から会場までの道のりで約半分以上を走る国道41号線。信号も少ないが、飛騨川にくっついてくねくね走る単調で眠たくなる道路だ。その単調な道路を美濃加茂市から高山方面へ北上し、白川町内に入ると何やら塔が現れる。塔の名前は「天心白菊の塔」。昭和43年8月18日に発生した「飛騨川バス転落事故」の一周忌に造られた慰霊碑だ。
 当時、私は6歳。小学校に上がる前ではあったが、この事故のことは覚えている。詳しいことは知らなかったが、あらためて今回調べてみると大変悲惨な事故であったことがわかる。死者・行方不明の数だけ比較すれば、昨年起きた新潟・中越地震が51人に対して、飛騨川バス転落事故は104人。単純に死者数だけで比較するのは、新潟・中越地震の被災者の方に失礼かもしれないが、飛騨川バス転落事故の大きさを表すには十分すぎる数字だと思う。

 この事故のことを覚えているのは、恐らく私より上の年代の方たちだけだと思われるが、事故が風化しないようにあらためて心に刻んでおきたい。
 ちなみにこの事故をきっかけに建設省(当時)が、異常気象時の道路の事前通行規制区間や規制の基準を作成。また豪雨の異常気象時において連続雨量を基にした通行規制を全国的に実施することになったのは有名な話だ。

掘り出しもの

シューズ・ウェアの販売ブース。スタート前に一番賑やかな店屋でした。
 9月に、15年以上の付き合いだった「THE JOG KOJIMA(コジマ)」が閉店になったせいで、シューズ探しが著しく困難になった。いいショップが見つかるまでやむを得ないが、当分の間は、大会開催時にブースを構えている店屋にこまめ入って探していくのが時間も手間もかからずいい方法かもしれない。

 今回も、どこかの店屋がブースを構えていないかと期待していったところ1軒だけ出展していた。有り難い。品数は多くなかったが、在庫処分セールのシューズが意外と多く展示されていた。
 その中に、いつのモデルかは定かではないが、ミズノの「ウェーブ・クルーズ」27.5cmがあった。この手のレーシングモデルで、サイズが27.5cmは珍しい。早速試し履きしてみるが、「おっ!ちょーどいい!オレに買ってくれといわんばかりに置いてあるではないか!」。
 ということで、早速購入してしまった。衝動買いか?まあいいや。6,800円ナリ・・・。12月の福岡国際マラソンに使うのにちょうど良さそうなシューズだ。今日は朝からツイテいる!

コース紹介
 9年ぶりの参加だが、このコースの特徴はアップダウンが多いということだ。
 主催者の要項などに書かれているコース高低図はかなりアバウトなもので、往路でも登ったと思えば、下るところもある。全体的にいえば往路は登りが多く、半分行ったところで折り返すので復路はその逆になるが、実際には高低図ほど単調なコースではないので要注意だ。
 コースの大半は、並行して走る馬瀬川を往路は左手に見ながら走る。馬瀬川の更に左手には、国道256号線がある。コースは人家がほとんど無いところを走るので、応援には期待できない。山あいの道ではあるが、この時期、紅葉にはまだ少し早い。晴れの日は、空気も澄んで気持ちのいいコースであるが、雨の日はひっそりしすぎていてちょっと辛いコースだ。ハーフ、30kmともコースの概ね中間で折り返し、来た道をひたすらなぞるようにして戻る往復コースだ。後続の選手との距離が中間地点でわかるというメリットがある。

スタート地点。スタジアムのすぐ横の道路が出発点だ。

ゴールはスタジアムの中。約100m先だ。

トラブル発生!
 今回、車を停めた駐車場がスタート地点から約100mほど離れたところなので、主催者が更衣室に使うように便宜をはかってくれた施設は利用せず、受付後は車を拠点にウォーミングアップなどをした。
 スタート場所にスタート5分前の10時35分頃に向かう。グランドに整列したランナーがプラカードにしたがえられてやってくるのが見える。スタートは30kmとハーフマラソンが同時スタートなので700名ほどが一斉スタートとなる。多いといえば多い人数であるが、5kmや10kmと違って血眼になってもしょうがない距離なのでスタート時のトラブルはこれまでの経験上比較的少ない。(2月の犬山ハーフは例外!)

 カウントダウンが始まって、10時40分かっきりにスタートした。今回はスタート時に大きなトラブルもなく上手にスタートができる。今日の目標は18分00秒/5kmで走ることだ。計算上は1時間16分ほどになる。コースの高低差などを考慮すれば、このくらいで十分だ。平地でのハーフに換算すれば1時間14分ほどになると思われる。

 有力選手は30kmに多く、距離は違うがペースメイクしていくには30kmの選手と一緒の方が都合がいい。ちょうど、柏原敏郎さんがいたので彼を目印にする。50歳のベテランランナー、走りだけ見ていると30歳代後半〜40歳代前半トップクラスの人と遜色がない。50歳代なら全国でも屈指のなランナーだ。
 彼を含め、30kmとハーフの選手で10人ほどの集団が出来た。自分もこの中に入れてもらう。

 ところがだ。1kmを少し過ぎた頃だろうか、後ろで「チャリーン!」と音がする。すると誰かが「カギ落としましたよ〜!」と大きな声で知らせる。「カギ?もしや?」
 そう・・・。今日は自家用車を拠点にして行動したので、車のキーをランパンのポケットに入れて走っていたのだ。「オレだ!どうする?帰りの道中拾うか?最後まで落ちている保証はないぞ?だいたいこんな山道で落とした場所正確に最後まで覚えてるの?」といろんなことが一瞬頭の中をよぎる。「先は長い!取りに行くぞ!」と一旦足を止めすぐさま15〜20mほど戻る。
 やっぱりそうだ。自分のカギだ!不覚!!
 しかし、気を取り直す。
 「焦ってもしょうがない。ゴールするまでにこのロスを詰めていけばいい」と・・・。

久々のバトル!
 このトラブルで目覚めたわけではないが、今日は落ち着いている。こういうときは往々にして結果がいい。
 先ほどのグループを目で追いかける。最近老眼で近くの字は読みづらいが、遠くは相変わらずよく見える。50mほど先にいる集団が、さきほど一緒に走っていたグループのようだ。かろうじて選手のナンバーカードの数字が読めるくらいの位置関係だ。タイムにして10秒弱くらいだろうか。気分的には、先ほどの借りを一気に返したいところだが、焦らず後ろから距離を保ちながら走る。一気に詰めるのは愚の骨頂だ。

 このグループの中にハーフの選手は数人。30kmの選手の方が多い。ハーフの選手のうち、自分と同じ40歳以上の選手が一人いる。見慣れない走りである。名簿で名前をチェックしたのだが・・・「誰?」
 とりあえず、50m先の選手の動向を後ろからじっくり眺めさせてもらう。

 5kmあたりでは、一塊のこのグループも、7〜8km位で少しずつ縦長になってきた。ひとり前を走るハーフ・40歳以上の選手はこのグループの最後尾に近い位置にいる。もうすぐちぎれそうだ。

 国道に一旦出たところで、”その選手”のゼッケン番号がだんだん大きくなってきた。どうも登りに弱いようである。国道に別れを告げて橋を渡るところで一気にこの選手を抜いた。顔を見るが、かなりシンドそうな感じだ。
 「ちょっと、オーバーペースじゃない?」。人に気を使う余裕はこちらもないが、かなりしんどそうに見える。

 古い商店街の町並みの途中でハーフは折り返す。3人ほどとすれ違ったのでこの時点で自分は総合4位で折り返したことになる。

 折り返し後は、途中でアップダウンはあるが概ね下りだ。折り返して1kmほどで40歳未満の選手一人に追い抜かれるが、今日は無理せず付いていかない。今日の目的は、メンバーから見て年代別の優勝と1時間16分台以内でゴールすることだ。

 往路の心拍数が175〜182位で推移していたが、復路は下りが多いので心拍数が172〜174に下がり出す。下りは油断するとどんどん楽に走ってしまうので、ハートレートモニターを見ながら心拍数がアンダーペースにならないように注意する。

 ところが15km近くになると、後ろからの足音がだんだん大きくなる。後ろからついてきているのは知っていたが誰?もともとあまり他人のことを気にせず走る方であるので、放っておいたが「あと5km」位のところで”その彼”が一瞬前に出る。みると、先ほど折り返しで抜いた”40歳以上の部のあの選手”ではないか。しぶとくついてきたのだ。ここまできて負けるわけにはいかない。

 あまり手の内を見せたくはないが、最後にどこで勝負するか今回の戦術を披露する。
 前半の様子を見ていると登りが不得手らしいので、ゴール手前の最後の1kmで勝負をつけるか、それともロングスパートで戦意喪失にするかだ。今回は、自分もまだ余力があったので、後者を選択することにした。

 ラスト2km。小さな登りがあったので、ここを勝負どころに一気にスパートする。足音が小さくなるのがわかる。さすがに、ゴール前の500mの登りはシンドかったが、もう足音は聞こえてこない。
 最後は小さなガッツポーズをし、ゴールテープを切らせてもらった。

温泉でのんびり

 大会会場のすぐ隣に「道の温泉駅・かれん」がある。9年前に来たときにこの施設が有ったかどうか定かではない。今大会の参加賞に無料の温泉入浴券があるので早速使わせてもらう。「かれん」は入浴料が450円なので、実質参加料が一部還元されているようなものだ。道路を挟んだ、反対側にも「ウエルネス〜ぬく森の里〜ゆったり館」があり、こちらもこの無料入浴券で入ることができるが今回は、近い方の「かれん」に入ることにした。「ゆったり館」は次回来たときに入ろうと思う。

 表彰式後、早々に入浴したが、気温12℃の小雨の中で冷えた体を温めるには十分すぎる。今日は本当にありがたい。
 露天風呂に入浴しながら川を眺めると、その向こうにまだ30kmの部門の選手が走っている。先に入浴するのが申し訳ない気分になりながら疲れた体を癒した。脚、腰などをゆっくりほぐしていると知らぬ間に1時間も入浴してしまった。