第55回記念別府大分毎日マラソン大会 参戦記
 初参加の第45回大会から数えて7回目の参加。熟知したコースではありましたが、練習不足が後半しっかり出てしまいました。マラソンは誤魔化しがきかないものだとあらためて感じました。
 また、旧知の人との交流もあり、楽しい思い出も出来ました。

●大会名 第55回別府大分毎日マラソン大会
●開催日 平成18年2月5日(日) 12時00分スタート
●コース 大分市営陸上競技場発着(地図全国詳細)、折り返し地点は別府市別府観光港前
●天 候   晴れ、7℃
●参加賞 Tシャツ、温泉無料入浴券、スポーツドリンク(ペットボトル)、激励の夕べ夕食
●結 果 42.195km−2時間43分11秒(総合第149位)
距離 スプリット ラップ 平均心拍数
5km 18分29秒 18分29秒 169
10km 37分03秒 18分34秒 171
15km 56分10秒 19分07秒 166
20km 1時間14分54秒 18分44秒 169
中間点 1時間19分03秒
25km 1時間33分44秒 18分50秒 178
30km 1時間52分50秒 19分06秒 175
35km 2時間12分29秒 19分39秒 176
40km 2時間33分38秒 21分09秒 172
ゴール 2時間43分11秒 9分33秒 169
●表 彰 なし
●過去の戦績
H14.2.3 第51回大会 25km棄権 (39歳)
H13.2.4 第50回記念大会 2時間44分40秒 251位 (38歳)
H12.2.6 第49回大会 2時間30分46秒 61位 (37歳)
H10.2.1 第47回大会 2時間32分54秒 81位 (35歳)
H 9.2.2 第46回大会 2時間36分58秒 57位 (34歳)
H 8.2.4 第45回大会 31km棄権 (33歳)
●交通手段等
  2/3 近鉄 名古屋 18:00 難波 20:11
地下鉄 なんば 20:25 住之江公園 20:37
ニュートラム 住之江公園 20:45 フェリーターミナル 20:52
関西汽船 大阪南港 21:00 別府観光港 10:25
2/4 大分交通 関西汽船前 10:35 別府駅前 10:47
JR日豊本線 別府 11:12 大分 11:25 (昼食)
・(ホテルチェックイン)
大分交通 大分駅前 13:09 競技場前 13:21 (会場下見)
ジョグ 大分市営陸上競技場 13:40 大分センチュリーホテル 14:35 (コース試走)
JR日豊本線 大分 15:24 別府 15:36
徒歩 別府駅 15:36 ビーコンプラザ 15:55 (受付)
徒歩 ビーコンプラザ 16:05 別府駅 16:20
JR日豊本線 別府 16:33 大分 16:48
大分 17:20 別府 17:32 (夕食会)
別府 20:44 大分 20:58
2/5 大分交通 大分駅前 9:20 競技場前 9:32
【12時00分スタート 第55回 別府大分毎日マラソン大会  2時間43分11秒 第149位】
主催者バス 会場 15:32 別府駅 16:05 (食事)
亀の井バス 別府駅前 16:55 関西汽船前 17:09
関西汽船 別府観光港 19:00 大阪南港 6:20
2/6 ニュートラム フェリーターミナル 6:37 住之江公園 6:45
地下鉄 住之江公園 6:55 なんば 7:08
近鉄 難波 7:30 名古屋 9:52
市バス 名古屋駅 10:05 千種台中学校 10:44
徒歩 千種台中学校 10:44 自宅 10;48
●費用
参加料 4,000円  
ツアー代金 14,500円 (関西汽船 大阪南港〜別府観光港/往復2等
 +大分センチュリーホテル宿泊代)
2等寝台 2,500円 (フェリー復路 2等寝台変更追加料金)
近鉄 6,500円 (名古屋〜難波/往復 格安チケット)
地下鉄 540円 (なんば〜フェリーターミナル/往復)
亀の井バス 320円 (関西汽船前〜別府駅前/往復)
JR 1,350円 (別府〜大分/2往復半)
大分交通 320円 (大分駅前〜陸上競技場/片道×2)
市バス 200円 (名古屋駅〜千種台中学校)
合 計 30,230円
●上位成績及び愛知県勢の成績
  ゲート・タイス 34 南アフリカ 2゜09’45”
佐藤智之 25 旭化成 宮崎 2゜11’46”
ベンジャミン・キプチュンバ 29 ケニア 2゜13’11”
佐藤洋平 26 カネボウ 山口 2゜13’18”
モハメド・ウアディ 37 フランス 2゜13’23”
沖野剛久 28 中国電力 広島 2゜14’52”
伊藤健太郎 25 協和発酵 山口 2゜15’42”
水口紀幸 25 大塚製薬 徳島 2゜16’05”
福永晃大 25 トヨタ自動車九州 福岡 2゜16’48”
10 オンベチェ・メシャク・モカンバ 23 アイデム 東京 2゜17’37”

12 フランシス・ムヒア 27 愛三工業 愛知 2゜20’19”
34 平尾一朗 40 岡崎クラブ 愛知 2゜33”22”
72 横井敬一 41 天白走友会 愛知 2゜37’26”
76 筒井啓安 30 eA愛知 愛知 2゜37’33”
78 高橋文浩 42 庄内RT 愛知 2゜37’37”
134 山口大輔 30 eA愛知 愛知 2゜41’49”
149 加藤一郎 43 愛知県庁クラブ 愛知 2゜43’11”
209 小嶋浩嗣 38 愛知陸協 愛知 2゜47’11”
237 藤田義夫 44 eA愛知 愛知 2゜48’41”
238 志村俊人 45 天白川走友会 愛知 2゜48’42”
243 松井正仁 36 eA愛知 愛知 2゜48’54”
251 酒井直 45 愛知陸協 愛知 2゜49’26”

(DNF & DNS)
伊藤優 34 名古屋市消防局 愛知
山口健介 24 東京大学 愛知
大形剛 45 名古屋市消防局 愛知
安田雅人 30 庄内RT 愛知

申込者数 457名
参加者数 398名(完走者数 291名、途中棄権 107名)
 ※ DNF・・・Did Not Finish  DNS・・・Did Not Start の略
平成18年2月4日(土)
大阪からフェリーで別府入り
 初出場が平成8年2月の第45回大会。この大会を皮切りに、今回で7回目の参加となる。
 今回が第55回記念大会のため出場資格が緩和されたという幸運も手伝い、第51回大会以来4年ぶりの別府・大分入りだ。
 名古屋から大分へ向かう方法はいろいろある。主なものをリストアップしてみた。それぞれ一長一短がある。
経路 特徴
(1) 名古屋−(名鉄)−中部国際空港−(飛行機)大分空港−(バス等)−大分 最速。強風などで欠航のおそれ
(2) 名古屋−(新幹線・のぞみ)−小倉−(日豊本線・特急)−大分 便多数
(3) 名古屋−(寝台特急・富士)−大分 乗り換えなし。まあまあ寝られる
(4) 名古屋駅−(夜行バス)−大分 乗り換えなし。窮屈悪天候に強い
(5) 名古屋−(近鉄)−難波−(地下鉄・ニュートラム)−大阪南港−(フェリー)−別府観光港−(バス)−別府駅−(日豊本線)−大分 最安値。よく寝られる。時間がかかる
(6) 名古屋−(新幹線)−新神戸−(バス等)−神戸港−(フェリー)−大分港−(バス)−大分駅 次に安い。よく寝られる。

フェリーの船内。左は売店、右はレストラン
 これまで、6回大分に行ったが往路に飛行機を使ったことは一度もない。というのも、受付が前日に行われるため、飛行機が欠航になるとその時点でアウト!従って、飛行機はなるべく避けたいということだ。悪天候に一番強いのは夜行バスだ。雪が降っても、道路をどんどん替えながら進んでいく。1〜3時間程度遅れても、とにかく道を探して進んでいく。ただし、窮屈で眠れない。十分に睡眠をとりたいというのなら、フェリーがお勧め。運賃も安く、2500円程度プラスすれば、2等寝台で寝られる。JRの寝台車に比べれば、レールの継ぎ目の音も聞こえず快適だ。オマケに船内には、レストラン、売店、風呂もあるので快適な船旅で移動できる。大阪・神戸〜別府・大分は瀬戸内海をクルージングするので、揺れもほとんどない。

 今回、あれやこれや検討した結果、大阪からフェリーで別府に向かうことにした。
 というのも、関西汽船の旅行会社”関汽トラベル”の、超格安ツアーが目についたからだ。12/1〜12/29、1/4〜3/16の期間で往復フェリー+大分市内のホテル宿泊で最安値が何と14,500円。オマケに、フェリー船内のレストラン飲食券が1,000円分ついている。インターネットで見つけたときには、迷わずこれで行くことにした。

 ただし、2等はちょっと窮屈なので往路は我慢したものの、復路は追加料金2,500円を払って2等寝台に替えましたがそれでも十分に安く、快適な船旅でした。

風情ある街”別府”

別府駅前の通り
 10時25分。定刻に別府観光港に到着。4年ぶり別府の街との再会だ。
 別府は、何回も来ているということもあるが、風情のある街としていい印象がある。何かの本で読んだのであるが、国内旅行では北海道は人気があるが、九州は人気がない。その理由は、九州には風情がないからだそうだ。しかし私は、決してそんなことは思わない。北海道は確かに日本離れしたところがあるのは間違いないが、九州の、特にこの別府の街の温泉だって日本離れしている。町中湯煙が立っているところが、日本にそう何箇所もあるわけがない。典型的な観光都市ではあるが、私から見れば、古き良き時代の日本の面影が残っている懐かしい街だ。

 特に別府駅前から、別大国道(国道10号線)との交差する北浜までの間の坂道が好きだ。もともと、坂のある街というのは何となく楽しい。そういうこともあって、別府に着いたら真っ先にこの道路を散歩した。

受付はビーコンプラザ
 大分市内の宿泊先でチェックイン。コースの試走を少ししてから再度別府へ向かう。受付会場が別府市内にあるためである。
 受付場所は別府一奇抜な建物、いや大分県でおそらく一番であろう奇抜な建築物「ビーコンプラザ」だ。ビーコンプラザは、平成7年3月に開館。私が最初に別府出場した平成8年からずっと存在していることになる。
 ビーコンプラザのサイトを拝見すると、B-con-plazaの「B」は、Beppu(別府)、Beauty(美しい)、Big(大きい)、Blaze(燃え立つ炎)等の頭文字を現し、また「Con」はConvention(集会・大会) の略。また「B-Con」は同じ発音のBeacon(かがり火、灯台、航空標識)と掛け合わされており、面白い名付け方だと思う。
 初めて別府を訪れても「ビーコンプラザってどこですか?」と訊かれても、そのシンボルである高さ125mのグローバルタワーを目指して歩いていけばよい。何度見ても別府市内ではノッポくんだ。

別府公園から見たビーコンプラザのシンボル「グローバルタワー」

ビーコンプラザ

大会前日の受付風景

記念品販売ブース
 久し振りにビーコンプラザに行ってみたが、以前と受付場所が移動していた。おそらく、開会式がなくなった影響もあるかもしれない。以前は、大分県知事、大分市長、別府市長を始め大分県の要人を集め、別府自衛隊の生演奏で厳かに開会式を行っていた。”固い”といわれればそれまでだが、大会を厳粛に運営していくという意味ではああいう開会式の方が個人的には好きだった。
 現在は開会式はなくなり、「激励の夕べ」といういわゆるパーティーが開かれている。福岡国際マラソンと同じ形式になっている。

 大会記念品の販売ブースも相変わらず出ていた。少し覗くが、Tシャツ、タオルなどは前に来たときと同じものが置かれていてがっかりさせられたが、ポーチ、キーホルダー、ニット帽子などは以前にはなかったものなどでおみやげとして数点購入した。

Uさんと再会。官官接待

大分県庁のUさん(右)と
 今回は、マラソン以外にも楽しみがある。それは、高圧ガスの仕事で2年ばかりご一緒に仕事をさせていただいた、地元・大分県庁のUさんとの再会だ。Uさんは現在高圧ガスの仕事を離れられているが、高圧ガスに関しては超ベテラン選手だ。とってもジェントルマンで非常に気遣いの上手な方だ。今回は、大会の約1週間ほど前に激励メールをいただき、私の方からお願いして食事を一緒にさせていただくことになりました。

 夕方、別府駅の改札口で待ち合わせをして、Uさんの住む別府市内の食事処へ連れて行っていただきました。Uさんは、「大会の前日は何を食べさせたら良いのだろう」といろいろ悩まれておられたようで、「特にないですよ。普段通りですよ。」と私。かえって気を遣わせることになってしまったので、先に連絡しておけば良かったと少し反省する。
 やはり、高圧ガス業界のことが気になるようで、業界の様子についていろいろ質問された。Uさんが、高圧ガスの仕事を離れられてもうすぐ2年になりますが、日進月歩。大きく急変していることは少ないと思います。
 アルコール燃料も満タンになり、非常にリラックスした状態で明日に臨むことが出来ました。Uさん大変お世話になりました!
平成18年2月5日(日)
大分市営競技場へ

選手控室の様子
 午前6時過ぎ起床。
 ホテルから見る限り、昨日の強風も収まり今日はマラソンにはいい条件だ。天気も晴で福岡の時のように雨に泣かされる心配もない。最高気温の予想は7℃。10℃くらいが理想だ。

 ホテルの2階で朝食を済ませて9時過ぎに出発する。朝食がバイキングでなかったので、やや物足りなかったので、大分駅前のコンビニでおにぎりを追加して購入。バスが来るまでベンチでむしゃむしゃ食べる。大分駅前から大分市営陸上競技場までは、大分バスの大洲運動公園行きのバスに乗り12分ほど先の「陸上競技場」というバス停で下車する。運賃は市内均一160円と安い。日曜日の早朝でも一時間に3本くらいの便がある。今回は、例年より参加者が多いので、陸上競技場内の選手控室のいい場所をキープするために少し早めの9時20分発のバスに乗って向かう。

 9時35分頃陸上競技場に到着。招待選手以外の選手控室は2部屋用意されている。どうしても手前から混んでいくので奥の部屋に入る。こちらの方がややゆったりしているようだ。ただし、早く来た選手からいい場所をキープするので開いているところは少ない。自分は、部屋の中に設置されているガスストーブの前に陣取った。まだ、10時前で取り立ててすることもないので、知り合い同士で談笑したりする姿が目につく。プログラムを再度見たりする人もいれば、私のように新聞を読んでいる人もいる。

二次受付 → ウォーミングアップ → スタート地点へ

二次受付風景
 10時30分から11時までが、二次受付。
 昨日、ビーコンプラザでもらったナンバーカード(ゼッケンのこと)がユニフォームの前後に付けられているかどうか提示する作業だ。プログラムには「10時30分〜」と書いてあったが、受付の方がスタンバっているので10時25分頃から始まっていた。たまたま、トラックに出ていて目撃したので、控室に戻りすぐさま受付でユニフォームを呈示する。こういうことは、さっさと済ませる方がいい。

 11時過ぎるとウォーミングアップを始める選手が目立ってきた。
 自分もだいたい、スタート1時間前が目安でこの時間が早すぎず遅すぎずちょうどいい。経験上そうしている。陸上競技場のトラックでウォーミングアップする選手が多いが、今回は、スタートからのイメージを高めるために競技場をぐるっと回ってから、取付道路を経てマラソンコースへ出てみた。競技場を出た最初の交差点付近が1km地点になる。このポイントはわからなかったが、スタートすれば「1km」の看板をもって立っている走路員がいるので心配はない。

 昨日のことを思えば、本当に風は止んでいる。
 主催者から11時現在のコンディションの発表。気温7.5℃、風速2m。良好ではないか。
 2km程度かる〜く走って競技場に戻ってきた。ストレッチをして関節を柔らかくする。スタートまであと1時間を切っている。
 控室に戻り、汗をふき着替える。いよいよ臨戦態勢に入ってくる。部屋の雰囲気もせわしくなってきた。最後の補給食を摂ったり、トイレに行ったりだ。

 11時50分。選手集合。
 といっても、体が冷えるのをいやがるのでなかなか集まってこない。みなギリギリまで控室にいる。私も11時52分過ぎに控室を出たが、スタート地点にいる選手は約半分くらいだ。ホントに12時にスタートできる?さすがに11時55分になると役員が来て、選手の点呼を始める。役員一人の担当は選手10人のようだ。
 今回も、前回の福岡に続きスタート場所は最後尾。ハーフマラソンでの持ちタイム申告はスタート場所としては不利である。ところが、今大会に全盲のランナー高橋勇市さんが出場されるということで、その伴走の旭化成・佐々勤さんと高橋さんが私のすぐにいる。さすがに全盲であるがために言葉で情報を得るということでスタート前から会話が良く聞こえてくる。
 「スタートまであと2分ですねー。今日はいい天気ですよ」
 「私が右足を前に出すので佐々さんは左足から踏み出してください」
 「ドリンクは取ったら廻し飲みしましょう」
 「フルマラソン以外にも、ハーフマラソンや30kmの記録で参加される方もいるんですかあ?」
 「ハーフマラソンの持ちタイムでもはまるとうまくいくときもありますから」
 「スタートまでのロスは無視して、そのあと同じペースを刻んでいきましょう」
盗み聴きしているわけではないがよく喋る内容が聞こえてくる。それだけ、パートナー(伴走者)と息が合わないといけないということだろう。彼らにとっては、スタート前からレースは始まっているようだった。

序盤から苦しい展開

取付道路へのゲート
 12時かっきりにピストルが鳴る。7回目の別大のピストルの音だ。
 福岡と同じく最後尾からのスタートなので気楽である。400人ほどの参加者ではあるが、スタート後はスムーズに流れるので、スタートラインまでのロスタイムは5秒ほど。フルマラソンにとっては全く致命的なタイムにはならない。ただし、前が詰まっているので加速にはやや時間がかかる。

 今回のスタートラインは、1コーナー付近(100mのゴール地点)だ。別大国道が改修されるたびに、曲がりくねった道が真っ直ぐに伸びるので、最終的な距離の調整は競技場の中になる。

 さて、1コーナーを過ぎて左に緩く曲がろうとしたときに前方で大きなウェーブが起きた。???一瞬理解できなかったが、誰かが転倒したらしく連鎖的に後続のランナーが巻き込まれたようである。ウェーブという表現が出来るくらいなのでその数は10〜15人くらいだっただろう。この場面はテレビに映っていない。最後尾からのスタートの特権?それにしても、中断にいると前後に挟まれて身動きが取れなくなるということを証明したようなものだ。(昨年の犬山ハーフで自分が転倒しているので偉そうなことはいえないが・・・。)


臨海産業道路
 競技場を1周と約4分の3走って取付道路へ出る。交差点の向こうに「1km」の看板を持った走路員がいた。3分48秒。スタートのロスを10秒と見ればまずまずである。その後2kmが7分21秒(3分33秒/km)とちょっとペースが上がりすぎなのでやや落としていく。臨海産業道路を約4kmほど走ると最初の折り返しだ。折り返すとすぐに5kmであるが、この5kmは沿道に人が少なく、道路はひたすら真っ直ぐ、景色もあまり変わりばえしないのでちょっと退屈な区間だ。5km−18分29秒。しっかり最初の遅れまで取り返してしまっている。今日の予定が18分30秒/5kmなので、もう少し遅めでもよかったような気がする。

 まだ、序盤なので集団が大きくできるが、こちらはシンドイ。福岡の時は十分に練習が出来ていたが、今回は1月の週末は天候不順が多く。ポイント練習を消化しようとすると雪が降ったり、雨が降ったり。朝夕は寒すぎて薄着で持久走やペース走がしづらいので、どうしても昼の暖かい時間に行いたかったのであるがほとんどといいくらい出来なかった。不安を持ちながらの参加なのでどうしても走りが固い。

いよいよ別大国道へ
 5kmの原川橋西詰交差点を折り返してからは、東浜中交差点を左折、続いて白滝橋北交差点を右折して国道197号線を別府に向けて西進する。国道197号線からは市街地なので応援も格段に多くなる。
大分市民憩いの大分川にかかる舞鶴橋の上がちょうど10km地点だ。37分03秒。この5kmは18分34秒。いいペースだ。

舞鶴橋。信号機のすぐ向こうが10km地点

舞鶴橋は、復路は40km過ぎになる
 舞鶴橋といえば、序盤のこの大会の一つのポイントになる場所だ。橋の上の毎日新聞社の旗も強くなびいていない。ここからしばらくは、大分市の市街地を走るので本当に応援が多い場所でありがたい。

 ややペースが速いなと思いながら、少しペースを落とし12km過ぎの中春日交差点を迎える。右に緩く曲がりながら国道10号線と交わるところだ。「加藤さんだ。加藤さ〜ん!がんばれー!」と声を張り上げてくれる夫婦。実は、昨日の大分県庁のUさんと同様、この方も以前高圧ガスの研修で一緒になった大分県庁のIさんだ。どういうわけか、Iさん本人より奥さんの方が先に私を見つけてくれた。こちらも手をあげて声援に応える。帰りは38km位の場所。バスに収容されないように走り抜けなければ・・・。

 この中春日を超え手しばらくいくと別府湾に面したシーサイドコースに出る。この大会の名物であり、選手にとっては風に悩まされる場所でもある。
 この大会では、ほとんど往路が向かい風、復路が追い風になることが多いのであるが、今年はこの別大国道に入ってもほとんど風が吹かない。無風?これがくせ者である。向かい風と戦うためにここで集団が出来るのが普通であるが、今年は風はないがペースを守るために集団が出来る。

 しかし、今日は調子がよくない。ペースがやや速いと思い10kmからやや自重したが、15kmの通過が56分10秒。この5kmが19分07秒とちょっとペースを落としすぎた。今日は18分の後半のタイムを刻んで2時間40分切りが目標だ。

 別大国道では応援が少なく、車のドライブにはいいかもしれないが、マラソンにはやや退屈な景色である。この大会に来るたびに道路が拡張されて、だんだん真っ直ぐに伸びていることがわかるが、それと同時に道路が緩く曲がるところは、道路の内側が低く外側が高く傾斜(カントというらしい)がつけられているのでこちらとしては走りにくい。車ほどランナーは早くないので遠心力も働かないからこの傾斜は走りにくいだけである。それにしても、今日はツライ。福岡の時とペースはあまり変わらないのに、走っていても脚に余裕があまりない。マラソンは、序盤は鼻歌交じりに走るくらいの余裕がないと後半がツラくなる。今日は、いっぱいいっぱいということもないが余裕綽々というほどでもない。不安は募る。

ペースダウン
 高崎山を過ぎ、20kmが1時間14分54秒。この5kmは18分44秒と再び18分台に戻す。ヨシヨシ!このペースだ。中間点を1時間19分03秒で通過。倍にすれば2時間38分06秒であるが、単純にそうなることはない。やはり1時間18分を切るくらいで通過していかないと2時間40分切りには苦しい。

 中間点を過ぎるとコースの両側に建物も増えて別府の市街地に入る。ようやくシーサイドの景色にも一旦別れを告げることができる。この辺りから再び賑やかになる。とはいうものの油断は出来ない。このコースの2箇所目で最後の折り返し別府観光港まではあと5kmくらいあるからだ。前回は、体調も悪くこの辺りから失速して25kmの関門で捕まってしまったが、今日は大丈夫だ。(ペースは遅いけど・・・。)

 別府駅から下ったところの北浜交差点付近が別府市内では一番賑やかだ。トップを走っているわけではないけれどこれだけ応援が多いと晴れがましい気持ちになる。15km過ぎよりも体は不思議と幾分か楽になったような気がする。

 まもなく25km。昨日、官官接待をしていただいたUさんは、別府観光港付近に住んでみえるそうで、「折り返し手前の歩道橋で応援しますよ」と。左側を見ていると、UさんとUさんの奥さんらしき人が見える。「かとーさーん!」と応援の声。こちらからUさんに大きく手を振る。元気をもらいました。折り返し地点を過ぎて先ほどの歩道橋に差し掛かると、しっかり歩道橋を渡られたのか、反対側で再び声援を送っていただいた。ありがとうございます!

大分県庁Uさん御撮影


あと400m!(スタート時とは別のゲート)
 別大マラソンで一番辛くなるのが30km過ぎだ。市街地が終わりかけて海が再び横に現れてくると30kmになる。1時間52分50秒。この5kmは19分06秒と19分台になってしまっている。呼吸はシンドくないが、足の裏がだんだん痺れて感覚が無くなって力が入らなくなってきている。この辺りまで来ると集団がかなり崩れだしてきた。自分のペースを守り走るだけになってくる。
 折り返しから「やはり復路は向かい風だなあ」と思いながら走っていたが、別大国道に出ると一層強く感じる。ここからの5〜6kmが応援も少なくなり一番きついところだ。
 3人くらいとグループを組んで走っていくものの、それほどペースが上がったわけではないのに34kmくらいからジリジリ離される。35kmで2時間12分29秒。この5kmは19分39秒まで落ち込んでいる。足の裏の特に右足の親指の辺りの直径10cmくらいの感覚がかなり無くなってきている。このころから、自分でも明らかにペースが落ちてきているのがわかった。


5度目のゴールは2時間43分11秒
 37kmくらいからは再び市街地。38km地点の中春日交差点には、再び大分県庁のIさん夫婦が・・・。こちらは、ほとんどジョギング状態なので簡単に見つかってしまう。余裕がないけれど手を振る。
 この先は、大分の市街地なのに颯爽と走れないのが情けない。とはいえ、それが事実。一歩一歩足を前に踏み出すしかない。腕だけは、しっかり振る。
 40kmを過ぎ、再び舞鶴橋へ。この橋への緩い坂も帰りは厳しい。橋を渡り左折するが、左へ曲がるにも「どっこいしょー!」という感覚で体の向きを変える。右足裏の感覚はかなり無いが、そのほかの部分にはまだ多少余裕があるので、ここからペースアップする。走っている選手は、みなフラフラで似たり寄ったりだ。遠くに、陸上競技場の照明が見えてきた。「もうすぐもうすぐ」と自分に言い聞かせながら走る。

 競技場のゲートが見えてきた。ここまで来れば、とりあえず完走、タイム的には2時間40分を超えている。全天候型のトラックに入りさらにスピードを上げる(が上がっていない?)。2時間40分は越えているが、何とか2時間42分台で収まらないか必死に走る。あと200mで2時間42分30秒。「くそー!」しぶとく走るもあと50mくらいのところでセイコーの時計は2時間43分に変わってしまった。

反省
 福岡国際マラソンからわずか2ヶ月で迎えた別府大分毎日マラソン。2ヶ月スパンでの参戦は厳しかった。一番今回反省すべきは、1月の練習内容だ。今年は、寒い冬で雪やら雨が多く、週末の土曜・日曜のポイント練習の日に限ってポイント練習が消化できなかった。福岡に行く前はこれがきちっと出来ていたので、今回と同じようなペースでも体に余裕があった。(ただし、当日の天候には恵まれなかった)
 今回は、天候としてはマズマズ。しかし、練習が十分に出来ていない状態で臨むと、天候がよくてもタイムは出ない。当たり前のことであるが、当たり前の結果しかついてこなかった。
 来年の別大は、再び参加資格が例年通りに戻りそうなので、また12月の福岡で仕切直しとなる。