2011奥州えさし国際交流マラソン 参戦記
 4度目の国盗りをかけての岩手県への遠征です。
 今回は一昨年訪れた一関市と昨年訪れた北上市との間に位置する奥州市への遠征です。岩手県は、北海道に次いで2番目に面積の広い都道府県です。岩手県内のどこに行くのか非常に悩むところではありますが、今回も比較的交通の便のよい内陸部の都市である奥州市に行くことにしました。

 奥州市は、今年6月に登録された平泉の北側、東日本大震災の被災地で名古屋市が支援している陸前高田市の西側に位置する街です。平成18年2月に、水沢市、江刺市、胆沢郡前沢町・胆沢町・衣川村が合併し、奥州市が誕生しています。人口は13万人弱の都市です。
 この奥州市では、10月から11月にかけて奥州三大マラソンと称してこの「奥州えさし国際交流マラソン」のほか「奥州いさわ焼石マラソン大会」、「スポニチ奥州前沢マラソン大会」が開催されます。市町村合併があってもマラソン大会は従来通り開催されているということでしょうかね。このあたりの考えも面白いと思い参加することにしました。

 

 今大会のハーフマラソンと10kmは日本陸連公認コースということもあり、力試しにはちょうどいいと思っていましたが、10kmは概ね平坦であるものハーフマラソンのコースは5km過ぎからはうねるようにアップダウンの繰り返し.。走り甲斐はあるものの、記録を狙うには「ちょっと・・・」というコースでした。
 しかしながら旧江刺市内の蔵町の風景、わが家でも食べている江刺米の田園風景の中などを走る風光明媚なコースでなかなか気持ちのいいコースでした。残念ながら今回も優勝できませんでしたが、何度訪れても日本の原風景が残る岩手県は心が安らぎますね。

 
●大会名 2011奥州えさし国際交流マラソン
●開催日 平成23年10月2日(日)
●コース
 /大会要項

 /プログラム
奥州市江刺総合支所発着(岩手県奥州市) →詳細地図

大会要項

プログラム

コースマップ
(スタート/ゴール)


コースマップ(全体)


コースガイドはこちら
それぞれクリックすると拡大します
●天 候 晴、17℃
●参加賞 バスタオル、イベント会場金券(400円分)、ショルダーバッグ(黄色)、アクエリアス(缶/完走後)、リンゴ1個(完走後)
●結 果 1時間20分50秒
(21.0975km : 総合第10位、男子40〜49歳 第3位)

距離 スプリット ラップ
5km 18分32秒 18分32秒
10km 37分59秒 19分27秒
15km 57分46秒 19分47秒
20km 1時間16分45秒 18分59秒
ゴール 1時間20分50秒 4分05秒
●表 彰 賞状、ハンドプレッシングライト、箱入り娘(リンゴ)
●過去の戦績 初出場
●交通手段等
  【9月30日(金)/1日目】
徒歩 自宅 20:16 自由ヶ丘駅 20:27
地下鉄 自由ヶ丘 20:31 本山 20:33 (名城線)
本山 20:36 名古屋 20:52 (東山線)
夜行バス 名古屋駅西口 21:30 仙台駅東口 7:12 (Willer Express)
7:30
【10月1日(日)/2日目】
JR 仙台 8:04 一ノ関 9:37 (東北本線)
8:01 9:34
一ノ関 10:27 水沢 10:50 (東北本線)
送迎車 水沢駅東口 トヨタレンタカー水沢店
【コース下見/試走/昼食/薬師堂温泉入浴/夕食】
送迎車 トヨタレンタカー水沢店 水沢グリーンホテル 19:07
【水沢グリーンホテル 泊】
【10月2日(日)/3日目】
徒歩 水沢グリーンホテル 7:45 水沢駅 7:48
送迎バス 水沢駅前 8:12 会場 8:27
【2011奥州えさし国際交流マラソン/21.0975km−10時00分スタート】
徒歩 会場 14:10 江刺バスセンター 14:27
高速バス 江刺バスセンター 15:10 仙台駅(東口) 17:25 (岩手県交通)
17:20
夜行バス 仙台駅前 21:30 6:46 (宮城交通)
6:40
【10月3日(月)/4日目】
地下鉄 6:58 自由ヶ丘 7:16 (名城線)
徒歩 自由ヶ丘駅 7:16 自宅 7:31
※ 赤色の時刻は、実際に出発(到着)した時刻。青色の時刻は、出発(到着)予定時刻
●費用
 
参加料 2,000円  
地下鉄(名古屋市営) 520円 (自由ヶ丘〜名古屋/栄〜自由ヶ丘)
夜行バス 8,700円 (名古屋駅〜仙台駅/Willer Express)
同上 8,000円 (仙台駅〜栄/宮城交通)
JR 1,890円 (仙台〜水沢)
高速バス 2,200円 (江刺バスセンター〜仙台駅)
宿泊 3,500円 (水沢グリーンホテル)
レンタカー 5,250円 (トヨタレンタカー)
燃料 721円 (5.15リットル×140円)
入浴料 520円 (薬師堂温泉)
合 計 33,301円  
●種目、参加者(申込人数、★は加藤が参加した部門)及び各部門の優勝者(ハーフマラソン男子40〜49歳は3位まで)
  全成績はこちら
【21.0975km−10時00分スタート】
区分 申込者数 優勝者氏名 年齢 住所 所属 記録
男子39歳以下 41人 金丸 富男 32 秋田県小坂町 小坂製錬 1゜09’40”
★男子40〜49歳 64人 安島 雄二 44 宮城県多賀城市 広瀬川RC 1゜17’18”
小園 守 44 岩手県奥州市 TEAMアテルイ 1゜19’39”
加藤 一郎 49 愛知県名古屋市 名古屋市役所走友会 1゜20’50”
男子50〜54歳 30人 千馬 誠悦 52 秋田県秋田市 中通総合病院 1゜19’43”
男子55〜59歳 24人 佐藤 政夫 57 岩手県奥州市 ヤッキーズ 1゜31’29”
男子60〜64歳 21人 中野 茂樹 60 岩手県久慈市 久慈市役所 1゜27’57”
男子65〜69歳 17人 金 公四 67 秋田県秋田市 秋田一ツ森RC 1゜33’38”
男子70歳以上 15人 澤田 行一 70 岩手県盛岡市 盛岡走友会 1゜43’32”
女子39歳以下 2人 千葉 一十海 31 岩手県一関市   1゜36’40”
女子40〜49歳 3人 大崎 佳子 41 宮城県大崎市 レオクラブ仙台 1゜33’24”
女子50〜59歳 11人 三上 牧子 50 岩手県花巻市 花巻走友会 1゜38’40”
女子60歳以上 2人 横山 鳶子 68 福島県伊達市 サンフラワーズ 2゜10’23”
【10km−10時10分スタート】
区分 申込者数 優勝者氏名 年齢 住所 所属 記録
男子29歳以下 33人 藤原 裕規 24 岩手県北上市 和賀クラブ 32’24”
男子30〜39歳 55人 高橋 祥基 37 岩手県奥州市 TEAMアテルイ 32’11”
男子40〜49歳 66人 小野 竜 44 岩手県一関市 一関市 33’25”
男子50〜54歳 45人 高橋 智也 52 岩手県奥州市 TEAMアテルイ 34’53”
男子55〜59歳 39人 五戸 幸輝 58 岩手県北上市 三菱製紙KHP 39’02”
男子60〜64歳 54人 東 昇 61 岩手県大船渡市 大船渡 AC 39’20”
男子65〜69歳 24人 森川 鐵雄 69 秋田県北秋田市 森川電工 42’47”
男子70歳以上 43人 佐藤 隆助 71 宮城県多賀城市   43’35”
男子高校生 11人 菊池 優希 16 岩手県奥州市 岩谷堂高校 36’52”
女子39歳以下 25人 菅原 めぐみ 38 岩手県奥州市 胆沢南走会 39’39”
女子40〜49歳 6人 児玉 由美   42’15”
女子50〜54歳 10人 菅原 初江 50 岩手県一関市 一関楽走会 40’15”
女子55〜59歳 17人 渡辺喜代子 59 岩手県奥州市   46’39”
女子60歳以上 9人 田村 清子 72 岩手県盛岡市 盛岡走友会 56’04”
女子高校生 3人 佐藤 愛 17 宮城県登米市 嵯峨立らんRun's 39’07”
リレー男子 74人 ドMだっていいじゃない! 岩手県盛岡市   36’22”
リレー女子 15人 KOZUKATA 岩手県紫波郡   40’36”
リ”レー国際 24人 チーム絆D 岩手県奥州市   42’59”
【2.1km−10時20分スタート(小学3年以下・家族ペアは10時22分スタート)】
区分 参加者数 優勝者氏名 年齢 住所 所属 記録
男子39歳以下 12人 梅津 賢一 39 秋田県大仙市 セイコーインスツル秋田 6’56”
男子40〜49歳 12人 斉藤 武史 41 岩手県北上市   6’57”
男子50〜59歳 11人 石川 次夫 53 岩手県奥州市 胆沢南走会 7’25”
男子60〜69歳 22人 八重樫光男 60 岩手県花巻市 笹間MC 7’31”
男子70歳以上 18人 及川 正賢 73 岩手県奥州市 岩手ランナーおじさん 8’53”
男子小学3年以下 122人 菊池 晴粋 岩手県奥州市 稲瀬小学校 8’33”
男子小学4年以上 179人 岩渕 幹大 12 岩手県奥州市 胆沢第一小学校 7’31”
男子中学生 35人 湊 隆文 15 岩手県奥州市 一関一高附属中学校 6’38”
女子39歳以下 14人 石川 真弓 27 岩手県奥州市 胆沢南走会 8’02”
女子40〜49歳 16人 石川 美知江 42 岩手県奥州市 スズケン岩手 7’38”
女子50〜59歳 7人 高橋 紀子 51 岩手県奥州市 関東化学滑竡闕H場 8’24”
女子60〜69歳 12人 千葉 正子 63 宮城県名取市 宮城フェンダーサービス 9’20”
女子70歳以上 4人 山本 キヨ 72 宮城県塩釜市 塩釜FMC 12’42”
女子小学3年以下 85人 桐山 はる菜 岩手県雫石町 チームdaiki 9’06”
女子小学4年以上 94人 岩渕 朱里 12 岩手県奥州市 古城小学校 7’40”
女子中学生 17人 武田 晴那 14 岩手県奥州市 水沢南中学校 7’33”
家族ペア 160人 伊藤 幸弘・聖耀 宮城県村田町 村田小学校 7’42”
【3.5km−10時03分スタート】
区分 参加者数 優勝者氏名 年齢 住所 所属 記録
ウォーキング 53人 表彰なし
総合計 1,656人  


Willer Busと岩手県交通
 デフレ社会となって久しい日本。多くのものが安く手にはいるようになった。
 10年前では考えられなかった路線バスの世界にも、最近では新規参入の会社が増えている。その一つが今回名古屋−仙台間の往路を利用したWiller EXpressだ。
 鉄道は、新たに膨大な設備投資がかかるので、今後の新規参入は少ないであろうが、路線の改廃が容易で鉄道、航空機などに比べれば初期投資の少ないバス事業は、交通事業の中では穴場の存在だったかもしれない。


今回初めて名古屋・仙台間で利用したWiller Bus。若者を中心に利用者が多い。金曜日出発なので料金は高めの8,700円(3列シート)ではあるが、同じく間を走る名鉄バスは10,190円なので1,500円ほど安い。
 地方都市を中心に放射状に広がるバス路線は、地域密着型のバス路線。大手私鉄などを中心に、路線バスの運行をしているが、平日の昼間に病院に行くお年寄りを数人運ぶ以外に乗客は少なく赤字の路線も多いはずだ。しかしながら地域密着型の経営なので、不採算といえども地元の要望もありなかなか廃止に踏み切るのは難しい。
 しかしながら、都市間同士を結ぶ高速バスの人気は高まる一方だ。長時間の移動にはなるが、鉄道や航空機に比べて運賃が安いこと、乗り替えの手間がないことが大きな要因だ。
 東京駅の八重洲口に行けばよくわかるが、20時過ぎから地方都市への夜行バスがひっきりなしに出ている。特に大阪方面へは、その本数も凄まじい。調べたところJR系のバスだけでも関東地区から関西地区への夜行バスは21本にものぼる。そのほとんどが満席。青春エコドリームのような少々窮屈な4列シートなら、東京駅〜大阪駅が最安値で3,430円。お金のない若者を中心に人気が出るのも当然だろう。

 今回、名古屋から仙台まで往路に利用したWiller Busもそういう意味で言えば高速バスの新規参入者の一つだ。扱いは”路線バス”ではなく「高速ツアーバス (募集型企画旅行。つまり募集型企画旅行として、都市間を結ぶ高速バス)」ということで”旅行扱い”となっているが、実態としては路線バスと何ら変わりがない。むしろ旅行なので、人数が集まらなければ中止となるので、乗客が一人でも走らせる路線バスよりもリスクは小さい。運賃を低価格にして客を集める戦略であろう。
 しかしながら名古屋・仙台間をを走るこのWiller Busであるが、一つだけ欠点がある。それはトイレのないこと。名古屋から仙台まで東名高速、首都高速、東北道を経由しているが、夜中にトイレ休憩で牧之原SA(静岡県)、海老名SA(神奈川県)、那須高原(栃木県)の3箇所に停車する。私の席は前から3列目。そのたびに後方から歩いてくる乗客の足音で目が覚める。これだけは少々辛かった。それ以外は路線バスと遜色がない。

 トイレがないという意味では、江刺から仙台まで移動に利用した岩手県交通のバスも車内にトイレがなかった。大会後に気分よくビールをどうしても飲みたくなる。となれば、必然的にトイレが近くなる。高速バスの車内にトイレがあれば心おきなく飲むことができるが、そうでなければ少々遠慮がちになってしまう。。飲兵衛からすれば、飲めば飲むほど突然トイレに行きたくなる。こちらは待ったなし。2時間以上走る高速バスには、必ずトイレ付きバス走らせてもらうように、飲兵衛から各バス会社にはぜひとも要望したい(私だけ?)。

江刺BC〜仙台駅(東口)を利用した岩手県交通のバス。途中、東北自動車道の金成PAで休憩したものの、2時間以上走る高速バスでありながら車内にはトイレ設備はない。

帰りの仙台→名古屋は、名鉄バスと共同運行の宮城交通のバス。こちらはもちろん3列シートのトイレ付き。名古屋までぐっすり眠ることができました。

復興はまだまだ始まったばかり
 中部地方以外に遠征に出かけたときには、必ずその地方の新聞を購入する。私も行政マンの端くれ。その地方の行政活動や、その地方の暮らしには非常に興味がある。
 今回の遠征先は岩手県ではあるが、夜行バスの到着先の仙台では「河北新報」、宿泊した岩手県では「岩手日報」を購入した。ちなみに河北新報は、仙台市に本社を持つ河北新報社が発行する日刊新聞。東北地方のブロック紙。発行部数は約46万部。岩手日報は、盛岡市に本社を持つ岩手日報社が発行する日刊新聞。こちらの発行部数は23万部。岩手県ではシェア1位の新聞紙。(ちなみにわが家の愛読している中日新聞は、発行部数は約270万部。中日新聞東京本社が発行する東京新聞などと合わせると約335万部で、読売、朝日、毎日に続き全国第4位の発行部数)

 3月11日の東日本大震災からしばらくは、日本中の新聞が東日本大震災にかかる記事で埋まっていたものの、東海地方ではこのところ日に日にその報道が減っている。同じ日本人として東北地方を支援していくという意味では引き続き東北地方についての状況などについて知るべきではあるものの、この地方はこの地方で重要な課題もたくさんある。東日本大震災にかかる情報や話題が少なくなっていくのはやむを得ないかもしれない。
 しかしながら、河北新報や岩手日報をみると当たり前かもしれないが、東日本大震災にかかる記事がいまだに新聞紙面の多くをさいている。10月8日(土)に岩手県の避難所がようやくすべて閉鎖になったものの、宮城県や福島県ではまだ多くの人が家に帰れずに避難所に残っている。
 私が今回訪れたところでは、たまたまかもしれないが東北の人は普通のような顔で生活しているものの、行く先行く先で「がんばろう東北!」という文字を見ると、見えないところで困っている人たちがたくさんいると感じる。平泉の世界遺産登録など明るい話題を糧に、切れそうな気持ちを繋ぎながら生活しているのだろう。来月は来月で宮城県へ遠征に出かけるが、個人的にも何か継続して支援できないか考えていこうとも思う。

岩手県一関市内にて

岩手県一関市内にて

JR仙台駅の食堂にて

JR仙台駅の食堂にて

一関市を散歩
 仙台から遠征先の奥州市まで、当初はバスで移動する予定であったが、本数が少なく、JR東北本線で移動した方が早く到着することがわかったので、往きはJRで移動することにした。
 途中、JR一ノ関駅で乗り継ぎに一時間近く時間があることがわかったので、一昨年「第28回一関国際ハーフマラソン大会」に出場するために訪れたこの一関の街を散策した。
 今年の一関国際ハーフマラソン(第30回)は震災の影響で開催時期が9月から10月に変更。今年は10月16日のとなっている。
 一関市は都会のような賑やかさはないが、落ち着いた静かな街という印象は変わらなかった。

仙台から一ノ関まではJR東北本線で移動。乗り継ぎに一時間ほど時間があったので、一ノ関駅前を散策しました。

2年前に出場した一関国際ハーフマラソン大会。今年は第30回目の開催になります。

JR一ノ関駅。市の名前は「一関市」ですが、JRの駅名は「一ノ関」。

一関国際ハーフマラソンのコースの一部は、このJR一ノ関駅の近くを通る。○で囲んだのは「20km地点」の表示。JR一ノ関駅そばの折り返しまでが青色矢印、折り返し後は赤矢印の方に走る。
一ノ関駅からコース沿いに北の方へ歩いていくと、「相川屋」のそばで歩行者天国に出逢いました。露店が出て多くの人で賑わっていました。 

ここは地主町角交差点。ここから東側に見えるのはJR東北本線のガード。ハーフマラソンのコースはこのガード下をくぐり青色矢印に沿ってJR一ノ関駅方面に向かいます。折り返してからは矢印のようにこの交差点を西へ向かいます。

この先はゴールの一関市役所へ向かいます。懐かしいなあ。

今時珍しい雑貨屋さんを見つけました。

そういえばマラソンコース沿いには、銀行が並んでいるところがありました。見覚えあるなあ・・・。

そうそうこの街並み。JR一ノ関駅そばの折り返し地点まではもうすぐですね。

JR一ノ関駅のそばで見つけました。

コース紹介(コースガイド)
こちらを参照して下さい。

奥州市

優勝は逃すものの年代別3位はタナボタ
 4度目の国盗りチャレンジとなる岩手県。

 この日の岩手県地方は寒くなるという天気予報であったが、思ったほど気温は下がらず、スタート時の気温は17度。
 前日の下見でスタート〜5kmは概ね平坦。5km〜折り返しは緩いアップダウンの繰り返しということがわかったので、今日の作戦は前半は抑え、後半重視でペースアップすることにした。

 午前10時ちょうどにハーフマラソンの選手がスタートする。スタートからは6人ほど勢いよく飛び出し、自分は若干その後ろに位置し7番目。出だしは順調
 この大会は選手に与えられているナンバーカードは1枚のみ。背中にはナンバーカードがないので、先行するランナーの年代を後方から確認する術がない。雰囲気で類推する方法もあるがよく外れる。(人は見かけによらないということか?)

 最初の1km通過タイムは3分31秒。ちょっと予定よりペースが速いので、少しばかりペースを落とす。この後、5km地点通過までに数人に抜かれるが気にせず走る。久しぶりのハーフマラソン。難しいコースとはいえ一体何分ぐらいでまとめることができるのであろうか。

 左右に田んぼが広がる5km地点の通過は1832秒。
 今日の目標タイムは体調やコースのアップダウンを考え時間20分程度。昨年の同年代の選手の優勝タイム(1時間23分37秒)からみれば十分に優勝を狙えるタイム設定。5km地点を通過するまで併走していた選手が1人、現在少し前を走るが後半ペースアップして抜き返したいところだ。

 そして5kmを過ぎていよいよこのコースの真骨頂、アップダウンが始まる。
 ピッチを小刻みに腕を早く振り、坂を登る。体調はまずまずのようであるが、前を走るランナーとの差は縮まらない。むしろやや広がり気味かもしれない。自分を信じて最後まで走るだけ。順位はその結果。運がよければ優勝出来るし、相手が強ければそれまで。まずは自分自身がベストを尽くさなければならない。今のところ前には先ほどまで併走していた同年代の選手が少なくとも一人はいる。この選手だけならいいのであるが…。

 3〜5%程度の緩やかなアップダウンが繰り返される。この部分の試走はしなかったが、やはりこのコースの大きなポイント。ここを上手に走れば上位に食い込めるのであろうが、相変わらず前との差は詰まらない。10km地点でもまだ上りが続く。
 アップダウンの繰り返しでややヘロヘロになったところで10.5kmの折り返し地点にやってきた。このコースの折り返しはここ1ヵ所。ここで順位を確認しなければ、ゴールするまでわからない。
 走りながら右手で指折り順位を数える。私は総合で12位。驚くことに同年代の選手が前に4人もいるのではないか。つまり年代別では現時点では第5位。優勝は極めて厳しい状況であることは間違いないが、もう少しばかり順位が上がらないものかと思いながら走る。

 後半はここまで走ってきた道をそのまま巻き戻すように走る。前半に比べれば下り基調となるので、少々楽になる。
 このコースは田園風景が多いが、ところどころで沿道の集落から人が出てきて応援してくれる。

 またこの大会は給水所が多く非常に助かる。
 真夏の大会でもないのに、ほぼ2kmごとにある。それもスポーツドリンク、水、スポンジと国際マラソン並の充実ぶりだ。これは本当にありがたかった。こういう行き届いたサポートがあるので、もっともっと参加者が増えてもいいと思う。

 さてアップダウンが終わりつつある15kmも過ぎ、順位変動もなくこのまま終わるのかなと思い出した頃、前方にヨタヨタしている選手を発見した。折り返しを総合3位で走っていた選手だ。同年代の選手でもちろん同年代ではトップを走っていた選手。すれ違ったときに膝の辺りにかなりテーピングをしていた選手。故障が治りきっていないのであろう。この選手を抜き去り、これで順位が一つ上がり年代別4位へ。

 さらに残り2kmくらいから歩いたり走ったりしている選手を一人発見。序盤、併走していた同年代の選手だ。こちらも故障が再発したのだろう。沿道で仲間と思われる選手から「こんなところで無理してもしょうがないぞ。止めとけ」と。申し訳ないがこちらも抜かせてもらう。これで年代別第3位へアップ。

 最後は後続の選手らに抜かれないようにペースアップする。
 ゴールの奥州市江刺支所には時間2050秒でゴール。一応目標タイム程度にはかえってきた。タイム的は満足出来るものではないが、コースの高低差や自分の体調からして、今日はまずまずだったかもしれない。

 岩手県の国盗りは残念ながら今回も達成できず。今回で4回目の岩手県遠征であるが、3位、2位、3位、3位と岩手県は高いハードルになっている。
 しかしながら岩手県はどの大会のコースも日本の源風景が残る素晴らしいコースなので、国盗りはできなかったものの、また岩手県にやってくる理由が出来たのは嬉しくもあり悲しくあり複雑な心境だった。

本日の戦利品

部門が多く、表彰者が多いせいか副賞は少なかったです。長女ゆかこの持っている緑色の箱は、「箱入り娘」という名のリンゴが中に入っています。