第42回登別こいのぼりマラソン 参戦記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北海道 今回、この大会を選んだ理由については、冒頭で述べたとおりである。昨年の10月以来、7ヶ月ぶりの北海道遠征となる。単身赴任中なので、あちこち出かけるのにカミさんに気を使わなくて出かけられるのは、単身赴任の特権かもしれない。 かれこれ大会参加で北海道にやってくるのはこれで10回目。旅行や仕事で訪れた分を加えると15回くらいは出かけているだろうか。とはいえ、札幌のように何度もやってくるところもあれば、一度も訪れたことのないところは無数ある。それだけ北海道は広いところであり、また、何度も訪れたくなる魅力のある観光地である。そういう意味では、国内であっても北海道と沖縄は、特別な存在だ。毎日、仕事で都内に通勤しているが、個人的には東京には観光地としての魅力は感じないが、北海道と沖縄だけは出かける前に、ワクワク感が日増しに高くなっていく。 今回は1泊2日という短い行程であったが、長期休暇を取るのも難しくなってきているので、北海道といえども週末を利用しての駆け足的な行程が、今後も続くかもしれない。
コース紹介(コースガイド) → こちらを参照してください。 レース この大会の種目は、10km、5km、3kmそして幼児向けの400mの4種類。このうち一般向けは、10kmと5kmの2種類。最近の練習の状況から勘案すれば、最後まで走りきれるかどうか怪しい10kmではなく、多少の練習不足でも何とかなる5kmにエントリーする。 9時ちょうどに10km部門がスタートした後、3分間隔で3kmの2部門、そして9時9分に私の出場する5km部門がスタートをするという構成だ。 それにしてもこの日は寒かった。早朝スタートするくらいまでは、吐く息が白くなる。いくら北海道とはいえ5月も中旬。男子更衣室でもガスストーブが焚かれていたが、宿泊したホテルの受付の人に聞いても、この土日は特に気温が下がって寒いようだという。 レースに話を戻す。5kmのスターターは、地元の衆議院議員(北海道9区。当選2回)で活躍している堀井学氏だ。室蘭市出身。スピードスケートの選手としてオリンピックに3大会出場。リレハンメルオリンピックでは500mで銅メダルを獲得している。スキンヘッドが特徴的だ。昨日、登別にやって来たときから、街のあちこちにポスターがあったので「そういえば、議員活動をしていたな」と思い出す。身長も大きいが、現役を引退してもガタイはやはりデカイ。
9時9分ちょうどにその堀井氏のピストルの合図でスタート。中学生が多いので、最初のペースがやたらと速い。300mほど走って競技場を出て行く頃には、既に20〜30人ほどの選手が前にいる。今日も自分の順位を確認出来ないポジションでレースを進めることになる。 競技場を出てすぐに右折し、短い距離であるが登り坂。すぐさま交差点を左折すると、眼下に幌別の市街地が広がる。ここから数百メートルは下り坂であるが、目前には3分前にスタートした3km部門の選手が立ちはだかる。今日はゴールまで先にスタートをした3km部門や10km部門の選手をかき分けながら走ることになる。市内のメインストリートという公共性の高い生活道路を使用するので、長時間の道路封鎖ができないという判断だろう。
この後は、後続から中学生に数人、一般の選手に数人に抜かれスタートから約3.2km先の地点を折り返す。総合で20番目くらい、年代別では7〜8番目の感じ。数十メートル先に同年代の選手が一人いたので、残り1.8kmでこの選手を何とか捉えられないかとペースを上げる。徐々に間隔は縮まってきてはいるが、最初にイメージしていたよりも縮まらない。受付会場の登別市労働福祉センターの近くの交差点ではかなり近づいたが、追いつかない状態で右折、100mほど登り坂を登る。ここが一気に追いつくポイントになると判断し、ここで更にペースを上げる。ようやく競技場の入口で追いつくことができた。残りは約400m。最後の100mでスパートをかけて勝負をする。そういうイメージで、後ろにピタリとくっつく。一般のランナーが残り150mほどでペースを上げだしたので、こちらも少し早いがペースを上げてラストスパートに入る。ラストスパートは始めたらペースを落とさないのが鉄則。同年代の選手やら、他の年代の選手よりも微妙に先着してゴール。 その後記録証をいただくが、記録証に書かれていた年代別(40〜59歳)の順位は「7位」。この大会では8位までが入賞なので、今回も何とか滑り込んで入賞することができた。相変わらずであるが、優勝に絡む走りにはほど遠い状態だ。
登別温泉 土日の駆け足的な遠征なので、行動範囲も限られている。大会プログラムにおいて、登別温泉「石水亭」の無料入浴券が配られる旨のことが書かれているので、何とかここだけは行かなければならない。 大会は、9時ちょうどに10km、9時3分と9時6分に3km部門、9時9分に5km部門がスタートし、9時50分から表彰式を開催するとある。10時15分くらいには会場を出ることができるだろうと考え、会場付近から登別温泉までのルートを調べたところ、国道沿いのバス停から10時36分に登別温泉行きの路線バスが出ていることがわかった。地元の選手はおそらく自動車ですっと移動出来るのであろうが、私のように遠方からの参加者はそうはいかない。このバスを逃すと1時間ほど次のバスを待たなければならない。 私を含め、この大会に参加したと思われる選手が3人ほどこのバス停から乗車する。海岸沿いを走ったりJR登別駅を経由したりしながら、35分ほどで終点の登別温泉に到着する。
今回、無料入浴券で入浴出来る「石水亭」であるが、調べたところ登別のバスターミナルから少し歩かなければならない。登別の温泉街でも一番奥の方に位置するので、バスターミナルからでも15分ほど歩くことになる。 登別温泉にやって来たのはおそらく15年ほど前であろう。その時は家族の他、実母、義父、義母を連れての7人。子どもたちがまた小学校に入学する前の未就学時代だったので、夏休みを避けて9月に入ってから一番ツアー代金の安い時期にやって来た。確か7人で20万円もかからなかったはずだ。その時に宿泊したのが、第一瀧本館。登別温泉の中心に位置する大きなホテルだ。館内にはからくり時計が設置され、定時になるとからくり人形が踊り出す。今から15年前のことであるが、それだけで圧倒された。館内も広く、当時、一緒に連れて行った実母、義父、義母にも喜んでもらえた。翌日は、早朝地獄めぐりの他、「クマ牧場」で飼い慣らされている熊に餌やりをする。こちらは子どもたちが面白がって餌をやっていた記憶がある。私にとっては、昔の楽しいイメージしかない観光地であるが、あれから15年も経過しているかと思うと時間が経つのは早い。子どもたちは、二人とも大学生になっている。 話を戻すが、ようやく歩いて到着した石水亭の風呂であるが、入ったときはやや混雑していたが風呂に関しては、非常に快適だった。15年ほど前の第一瀧本館の印象が強すぎるので、石水亭が劣っているように錯覚してしまうが、施設、泉質ともに素晴らしいもの。登別温泉は、どのホテルの日帰り入浴でも気持ちよく楽しむことができるに違いない。
閻魔(えんま)焼きそば 短い滞在時間なので観光らしき観光は出来ないが、せっかくここまで来たので地元の特産品などは食したい。特に北海道は、言うまでもなく魚介類が新鮮だ。 大会前日の夜、ホテルを出て幌別の市街地で夕食を摂ろうと街に出かける。JR幌別駅そばの福来軒という中華料理屋に入って、「来セット」というビールと野菜炒め、ライスのセットを注文する。この店に置いてあったいくつかのチラシの中に「登別閻魔焼きそば提供店MAP」なるものがある。 チラシを見ると、登別市内に33店舗で、この「閻魔焼きそば」なるものを提供しているとある。 このチラシによると「平成27年4月16日から登別市内22店舗で提供が開始された『登別閻魔焼きそば』。新聞、雑誌、テレビ、ラジオで数多く取り上げられ、おかげさまで1年を待たずに40,000食を突破。総勢33店舗が閻魔大王からの掟のもとで趣向を凝らしたアレンジを提供している。登別自慢のご当地グルメを心行くまで食べ歩くべし!!」とある。もちろん、この福来軒でも提供出来る店舗に含まれている。この日は、既に違うものを頼んでしまったので、明日の昼間、バスの待ち時間の合間、昼食としてどこかの店舗で食べようかと考えた。 12時30分の少し前に入浴が終わったでの、ちょうど石水亭の前からJR登別駅前行きのバスが12時46分に出発する。25分ほどで登別駅前に着く。登別から新千歳空港行きのバスが14時02分に出発するので登別駅前で50分ほどの時間がある。昼食にもちょうどいい。
昨日入手したチラシを見ると、登別駅付近では6店舗ほどが、この「閻魔焼きそば」の提供ができることになっている。当初は「味の美和」というお店を狙っていったのであるが、何とお店には「平成29年4月をもって閉店しました」と貼り紙がしてある。う〜ん、仕切り直し。小雨も降ってきたので、雨宿りしながら再度マップを見る。「やきとりの一平」は17時からの営業。駅前の交差点の少し向こうに「コーヒー&ビストロ きっさ点」という店がある。コーヒー付きで980円。ネーミングが面白そうなのでこの店に決定。 日曜日の午後1時過ぎ、スナックの雰囲気のようなお店のドアを開けて入るが、食事客はゼロ。お店の人も奧の方にいるのか出てこない。少々不用心な気もするが「すんませーん」と声を出してお店の人を呼ぶ。やや年配のおばちゃんが出てきて「気がつかなくてごめんなさいね」と誤る。無愛想な感じのお店でなくてホットする。もちろんここで頼むのは「閻魔焼きそば」と決めてきたので、迷わず注文する。店内には、テレビの放送が勝手に流れているので、食事が出るまで時間つぶしで見る。 先ほどのおばちゃんに加え、奧から主らしき男性が出てくる。フライパンで炒め物の調理を始めている。どうもこの店の調理は、この主の男性のようだ。美味しいものが食べられれば、誰が作ったものでも関係はない。 10分ほど待つと、注文した「閻魔焼きそば」とコーヒーが出てきた。まさにチラシに出ているものと同じものが出てきている。「焼きそば」というと鉄板の上、または焼いたあとお皿に載ってくることが多いが、この店の「閻魔焼きそば」は、お洒落なラーメンどんぶりに盛られて出てきている。見方を変えれば、汁なしのラーメンのような感じである。もちろん麺は炒めてあるので、こんがりとしている。「閻魔焼きそば」というネーミングよりもずっと可愛い雰囲気である。 おばちゃんが「味付けしてあるので、そのまま食べられますよ」という。ラー油が添えられているので、お好みに合わせて使えば良いということだろう。究極の辛さを求めているわけでもなく、また特段辛い物好きでもないので、ラー油は使わない。 何がきっかけだったか忘れたが、おばちゃんと会話をするようになった。閻魔焼きそばはまだ始まったばかりの地元のグルメ。富士宮焼きそばを研究したり、特産品としてかぶらないように許可を取ったりしたことや、私が千葉県市川市からマラソンに来たといえば、市川市には自分の知り合いがいるとか何とか。登別は、温泉もあって海もあって、北海道では雪の少ないところで住み心地もよく気に入っているが、医療機関が充実していないので、歳をとったら札幌に行こうかとか、非常に短時間で話が切り替わる。商売人らしい感じで、客を飽きさせないのが上手な感じだ。バスの時間も徐々に近づいてきているので、お金を払って店を出る。「傘ある?」「登別の名物の飴だよ」と最後まで、いろいろとお世話をしてくれる。「また来たら立ち寄ってね」と、当初の予定の店が閉店してしてしまったために、こんな感じのもてなしを受けたが、これも運というか何というか。温泉街以外は静かな感じであったが、観光の街らしく最後まで好印象が残った次第。
本日の戦利品
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