第1回北アルプスリレーマラトン&ロードレース 参戦記 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
国営アルプスあづみの公園
そういえば、昨年出場した「第24回エフエム福岡・海の中道はるかぜマラソン大会」(福岡県)の大会会場も、「国営 海の中道海浜公園」という国営公園が会場だった。そもそも国営公園とは・・・。 調べてみたところ国営公園とは「都市公園法に定められた要件を満たしている公園または緑地で、国(国土交通省)が設置するもの」とある。名前の通り、国が管理していることは容易に想像できるが、その要件とは? こちらも調べてみたところ、要件としては主に2つある。 @広域に設置する都市計画施設であるもの、 A日本固有の優れた文化的資産の保存及び活用を図るためのもの であるそうだ。 現在のところ17箇所の国営公園があり、上記@には前出の「海の中道海浜公園」の他に、「ひたち海浜公園(茨城県)」、愛知岐阜三重にまたがる「木曽三川公園」など12箇所が、Aには「昭和記念公園(東京都)」、「飛鳥歴史公園(奈良県)」、「吉野ヶ里歴史公園(佐賀県)」など5箇所の国営公園がある。 この「アルプスあづみの公園」は@に属する国営公園であり、16番目の国営公園として平成16年7月に安曇野市にある「堀金・穂高地区」が先行的に暫定開園している。今回会場となっている「大町・松川地区」は、遅れて平成21年7月に開園されているので、今回訪れた時点では開園からわずか3年という新しい施設だった。
コース紹介(コースガイド) → こちらを参照して下さい。 小雨のレース 北アルプスの雄大な景色が否応なしに視界に飛び込んでくることを想像しながらこの日を待ち望んだのであるが、日頃の行いが悪いせいか、この日の崩れた天候は私の勝手な想像を見事なまでにかき消してくれた。 会場に到着した時点では、辛うじて空も泣きやまずに頑張っていたのであるが、ウォーミングアップを始めた午前9時過ぎくらいからポツリポツリと小粒の滴が降り出してくる。天候の割には、寒さはあまり感じない。 当初のスタート時間は9時30分。なぜか参加通知のハガキには、リレー部門と同時の11時ちょうどに変更されている。 一周約2.6kmのコースをウォーミングアップであらかじめ2周ほど走ったが、スタート場所から大周回のコースはしばらく下るものの、下りきってからは一転して登り一辺倒となる。 コースの道幅は狭く、もともと人が歩く程度の道幅しかないので、大人数の選手が走るとなると、抜くにも抜きづらいコースだと感じる。トラブルが心配されるが、実際に走り出すと予想通り大混乱のレースだった。 ウィンドスプリントなどを行いスタート地点にやってきたのはスタートの約10分前。既に多くの選手が並んでいたものの、アスファルトの舗装からはみ出た芝生のところに並ばせてもらう。 スタート5分ほど前に、セカンドウインドの係の人がコースの説明を始める。 自分が小周回コース3周と大コース1周を先導するという。舗装路以外に芝生を走ったりするので、自転車、自動車、原付などでの先導が難しいのでやむを得ないかもしれないが、この地味な服装で大丈夫?後方の選手からは「(説明が)聞こえませーん!」と言われているにもかかわらず、無視して説明を続ける。少なくともハンドマイクなどを持って説明をすべきだったのであろうと思う。 さて、スタート時間の11時が迫る。 スタートはピストルがあるわけでもなく、遠くの方でスタートのアナウンス。今までいろいろな大会に出走したが、非常に変わったやり方だ。 10kmのコースはスタート場所から下り坂。100mほど下ってすぐに左へ大きく曲がる。スピードが乗っているので大きく膨らむし、コーナーに選手が集中するので曲がりづらい。さらに50mほどその先を左折し、施設の下をトンネルのようにくぐり芝生へ出る。この2回目に左折するポイントもコース幅が狭く、またほぼ直角に曲がるので、最初の曲がり角よりもさらに曲がるのは容易ではない。 小コースの1周目、自分の前には6〜7人の選手がいたが、1周ほど走るとリレー部門の後方の選手に追いつき、先ほどの先導のランナーを見失う。せめて、背中にナンバーカードがあれば、リレー部門かロードレース部門かの区別がつくのであるが、何が何だかわからない状態で走ることになってしまった。前を走るリレー部門の選手を避けたり、10kmの前を走る選手を探したりしながら走っていたので、周回数を数えるのを忘れてしまった。
7分3秒を指している。小コースは一周700mと説明があったので、自分の走力から考えれば恐らく3周回ったことになる。終わって冷静に考えればそうであるが、走っているときは「これ2周目?3周目?」と自問自答するが答えは出ない。 後から周回不足と判定されるのが嫌だったので、小周回コースをもう一周走ろうとした。ところが分岐するところで、後方から来た20代ぽい若い選手が大コースへ向かう。「オレの周回数のカウント、間違ってた?」と思い後方から抜かれたその選手に付いていく。競技中は「いったいオレは小周回コースを何周走ったんだ?」と悩みながら走っていた。 大周回コースに入るところで後方から抜かれたこの選手に、大周回コースの登り坂で並走しながら走ることにする。あまり登りが得意そうな感じではなく、下りにはいると彼はペースを上げるものの、大周回コースの1周目が終わり、2周目の上りが始まると、息を荒げながら後方に後退する。 大周回コースの2周目で前を走るのは、リレー部門の選手ばかりで10km部門の選手は全く見えない(見えてもナンバーカードが背中にないのでわからなかった)。後方から追い上げてくる選手もいなく、2周目は自分のペースで走る。 2周目の終盤、前方に10km部門の選手らしき人が一人見えてきた。 スタートから私の前を走っていた選手は6〜7人程度。その中に黒と黄色の長袖シャツを着ていた選手がいたが、2周目の終盤にその選手が私の視界に入ってきた。距離的には50m以上離れてはいたものの、残り1周でのお互いのペースからすれば追いつく可能性は十分ある。大周回コースの最後の1周は、年代もわからないこの選手に追いつくことを目標に徐々にペースを上げていくことにした。 前半の上りでは、リレー部門の選手を相変わらず避けるようにしながら前に進む。コーナーが多いコースではあるが、徐々に近づいていくのがわかる。いくつもコーナーを曲がり、ほぼ一番登ったあたりで彼に追いついた。ところが、ちょうどこの頃、後方からも息を荒らしながら追い上げてくる選手がいる。リレー部門の選手かもしれないが、よくわからないのでバトルをしなければならない。 3周目の後半、下り坂になったところで私の前を走っていた選手、後方から追いつかれた選手、そして私の3人でバトルが始まった。こういうバトルも久しぶりだった。 大周回コースの後半は下り坂で、ウネウネ曲がっている。おまけにところどころ道路の真ん中に松の木が生えているので、この松の木に衝突しないように避けなければならない。また、リレー部門の選手、応援の選手や家族がこの狭いコースに入り乱れている。雨も小雨ながら降ってきたので、転倒しないように足元にも注意しなければならない。 一番勢いがあったのは、後方から追い上げてきた選手だった。 お互いに年代も順位もわからず走っていたが、とりあえず一緒になったらバトルをして、1つでも順位を上げて先着しなければならないとお互いに考えていたのであろう。 「森の体験舎」を過ぎ、下り坂はほぼ終了となる。 私は、3人の中で一番後方にいたが、アルプス大草原広場に出たところで右折し少しばかり登るので、ここで前に出て登り坂でスパートし突き放し、さらに勾配がなくなったところから一気に逃げ切る作戦だった。 予想通り、下坂りで頑張った二人は、わずかな登り坂で私にかわされた。最後の最後にスパートをかけて、この3人の勝負では何とか1番に先着したのだった。運営も不手際の多い大会で、走る方としても悪戦苦闘であったが、今日の収穫はこのスパート合戦で先着したことだったかもしれない。
第1回大会に参加して 第1回大会は、運営側が慣れていないこともありトラブルが多いのが一般的。やってみないとわからないことが多いので、ある程度トラブルが発生するのはやむを得ないかもしれない。ただ、トラブルが多いと「せっかく遠くからやってきたのに・・・」と、参加する側の気持ちもしぼんでしまうこともあり、私の場合はそういう理由もあり、これまで第1回大会にはあまり参加していない。 今回は、7月の上旬に近場で涼しいところで走れる大会がないかと思っていたところにこの大会の名前がランネットに掲載されたので参加することにしたのだが・・・。 私もこれまでいろんな大会に参加しているので、少々のことでは驚かないのであるが、今回ばかりはいろんな意味で驚くことが多かった。会場で直接文句を言う人はほとんどいなかったのは、みな大人だったということだろうか。少々辛口になるがコメントをしておく。 @参加通知書の文字の大きさ ランネットの「大会レポ」に書かれている人もいたが、参加通知書(ナンバーカード引換証)の文字が恐ろしいほど小さい。目薬の容器に書かれている文字の大きさといい勝負だ。おそらく作成した人が20〜30代の人だろう。50歳にもなるとここまで小さい文字は非常に見づらい。いろんなことを伝えたいので文字が小さくなってしまったのであろうが、情報を精査して伝達することを考えなければならない。 A駐車場の予約 この大会のサイトにおいて、 ・先着400台分を用意しております。 ・駐車場整理券をお持ちの参加者の方専用の駐車可能です。 ・1チーム最大3台まで応募可能です。 等と書かれている。大会前日に、慌てて気がついて申込をした。申込をしたのが遅かったこともあるかもしれないが、予約が取れたかどうかについては、返信がないまま会場に向かうことになる。会場では係員に何ら止められることもなくスイスイと入口に一番近いところに自動車を停めることができた。かなり肩すかしを食った感じだった。 他の大会で実施しているように、この大会のエントリーに併せ駐車場の希望を取り、駐車場の確保台数を予測し駐車券を配布しておけばよかったのではないだろうか。 Bスタート時間の変更 当初、私の参加した10kmのスタート時間は、午前9時30分とされていた。ところが、ハガキが到着すると10km、42.195kmリレー、6時間耐久リレーともに午前11時スタートに変更されている。ハガキには「安全対策のために下記スケジュールに一部変更になりましたのでご注意おねがいします」とある。 実際に走ってみると、かえって安全でないことがよくわかる。 もともと、コースが狭いところにファンラン派のリレー部門の選手と、シリアスランナーの多い10kmの選手がスタート場所が分かれているとはいえ、同時刻に一斉に走り出す。とにかく前半は、ランナーを追い抜いていくのに非常に苦労した。コースがもともと狭い上に、カラーコーンで左側通行を呼びかけているが、とてもじゃないが追い抜いていく際には右側を走らないと抜けない箇所がかなりあった。
コースの異なる種目での同時スタートは、ただ混乱を招くという象徴だったと思う。 それからもう一つ。 ランナーは、比較的早い時間が得意な人が多い。当初予定の早朝9時のスタートはもちろんOK。遠隔地から来ているランナーは、帰りの道路渋滞のことを考えると、大会は午前中で早めに切り上げて帰りたいと考えている。せめて10km部門は10時にスタートはできなかっただろうか。 大会終了後、「松川村」のブースでいただいた「馬羅尾天狗岩温泉・すずむし荘」の入浴割引券を使って入浴して帰ろうと思っていたが、Gに書いた”表彰式の時間の遅れ”などもあり入浴する時間が無くなってしまったのは残念だった。 C参加者名簿なし 20年ほど前に、参加者名簿の無い大会に出場したことがあったが、今回は久しぶりだった。印刷の費用を下げるためなのか?何人、何チーム参加していることすらわからない。競り合いを楽しみにしている人もいるので、必要最小限で構わないので選手の情報が欲しいと思ったのは私だけではないだろう。エントリーがあまりにも少な過ぎて出すことができなかったと勘ぐってしまう。 Dコース設定(コース変更?) 10kmコースは、コース設定が非常に複雑だった。私も危うく周回数を数え間違えるところだったが、実際に間違えたランナーもそれなりにいたのではなかろうか。 10kmのコースは次の通り。 左回りの周回コースの中継地点より250mほど反時計回りに行ったところがスタート地点。何人のランナーがいたかはわからないが、車が1台分ほどしか通れないような狭い道幅のスタート場所だ。 このスタート場所からリレーの中継場所まで約250m走ったあと、メイン会場の「アルプス草原広場」を囲むように一周約700mほどを3周回する。1周目ではリレー部門のランナーに、2周目〜3周目は同じ10kmに出場する選手たちが前を塞ぐような形になるので、走りにくかった。 その後は園内を大きくぐるりと回る一周約2.6kmのコースを3周回する。とにかくリレー部門の選手があちこちで前を塞ぐような形となるので、どうしてもカラーコーンの外側を走らざるを得なくなる。やはりBの「スタート時間の変更」が効いている。 どうしてこのように複雑なコースになったのか? 主催者のサイトの「コース紹介」のコンテンツのコースマップには詳しくコースが記されていないが、オレンジ色でコースのラインが書かれ、「※1周:2.5km」と書かれている。また、「大会の楽しみ方」のコンテンツ中、「Point6 10kmロードレースについて」には、「真夏なのに涼しくて走りやすく、北アルプスの景観に恵まれた大自然の中の素晴らしいコースです。周回ごとに正確なラップが計測でき、友達や家族も同じポイントで何回もランナーを応援できます。」とある。天候のことはさておいて、「周回ごとに正確なラップが計測でき、・・・」とあるが、計測したのはゴールタイムのみだった。 恐らく、当初はこの2.5kmのコースを4周回すればよいと考えていたのだろう。ゴール地点を通過する度にラップが取れる。しかしながらコースを計測すると2.6kmあった。4周すれば10.4kmになる。どこかで距離を調整せざるを得ない。それなら応援がたくさんいる「アルプス草原広場」を周回すればよいと考えたのであろう。結果は先ほど述べたとおり。 また、下りながら急にコースが鋭角に曲がるところがある。特にゴール手前の2箇所。どうしても外側に膨らんでしまい危険である。緩やかに芝生広場を通るようにショートカットしてもいいかと思う。 この日は天候が優れず、一般の来場者が少なくコース上でトラブルになるようなこともなかったようであったが、あまりにもコース幅が狭く、大人数でスピードを出して走るには適していないコースであるようだ。ファンラン派が多くいたリレー部門だけの方がこのコースならばいいかもしれない。 E記録証の配布の方法 最近はゴール後の記録証発行所において、記録証をその場で発行しているシステムが主流だ。今回は、記録証発行所がなく、どういうわけかプリントされた記録証が、リレーの中継場所のそばのテント下の机の上に置かれていた。間違えて持って行かれた人もいたようで、自分の記録すらわからないという人もいて気の毒に思えた。再発行してもらえたのだろうか? Fゴール付近に給水無し 一周2.6kmのコースの途中には給水所があったが、ゴール付近には給水所がなかった。リレーをメインにしている大会のせいか、給水は各自でというポリシーなのか。たまたま雨降りで熱中症の人は出なかったようであるが、ゴール付近に給水か、ペットボトルの配布などをしておくべきではないか。晴れていたら大変なことになっていたかもしれない。これにはさすがに驚いた。 G表彰式の時間の遅れ 10kmの表彰式は12時30分からとあったが、結局始まったのは13時過ぎだった。遅くなって帰ってしまったランナーも結構いた感じだった。表彰式は今大会に限らずどの大会でのも集計に手間取り遅れがちであるが、各部門で3人ずつの表彰。賞状もパソコンから名前がプリントされたものであり、手書きではない。スタッフが少ないのであろうか。 H目録の商品の引き渡しの遅れ 今回年代別で優勝した。表彰式時に「目録」をいただいたが、中身を知らなかったので、表彰式の場にいた嶋原清子さんに「目録の中身は何ですか?」と尋ねると、「セイコーの時計です。責任者が準備しているのでお待ち下さい」と。話っぷりはとても感じがよかったのであるが、いつまで経っても準備されない。夕方までに家に帰る約束をしていたので、残念ながら午後2時前に会場を出てきてしまった。 全体的に総じていえることは、計画が煮詰まっていなかったこと、各部門の責任者であるスタッフの数が少なかったことだろう。この辺りのことは、少々金を払っても専門の業者に依頼した方がスムースにいくだろう。また、マラソン大会の運営を企画している自治体も、人海戦術という意味では優れている。 今回の大会運営は、どうみても練習会の延長的な感じであったことは否めない。練習会の延長で行うのであれば、10km、3km部門は廃止し、シンプルなリレーだけの大会にするなどした方がよいのではないかと思う。
この日の天候は、(この大会に限らず)晴れを想定していたと思うが、晴れれば間違いなく北アルプスの山々を間近に観ることができる素晴らしいロケーションであり、森林浴をしながら走ることができる楽しいコースだっただろう。 コース中に誘導員として立っていた人たちは、雨の中長時間、ずーっと声を出して案内をしている。頭が下がる思いである。また、セカンド・ウインドの関係者らであろうか。挨拶が大変よくできていますね。すれ違う人たちに次々と挨拶をしています。とっても感じがよかったですよ。 また、松川村を中心に「おにぎり」や「きのこ汁」の振る舞いもとても良かった。 地方で走る楽しみは、地方の食文化を味わうことである。有料ではあったが、「おやき」の販売もありがたかった。夕方には、家で待っている家族が食べることができ、大変評判がよかった。 運営の反省点は多いものの、改善していけば間違いなくいい大会になっていくだろう。なぜなら、北アルプスを眺め、森林の間を走る自然100%といえるあのロケーションは、他の大会では演出できない素晴らしいものだからである。 本日の戦利品
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